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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10080AQ

有価証券報告書抜粋 東京瓦斯株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、研究開発を経営戦略の一つとして位置付け、基盤技術部を中心として、主に以下の観点から取り組んでいる。
・省エネ性・環境調和性等低炭素社会の実現に貢献する天然ガス利用の高度化
・新しい事業機会の創出
・天然ガス事業基盤の拡充(効率的な製造・貯蔵・輸送・供給システムの構築等)
研究開発の推進にあたっては、投入原資の選択と集中を図るとともに、スピードと採算性を重視して取り組んでい
る。
当連結会計年度の研究開発費総額は9,809百万円である。
主な研究開発活動は、次のとおり主力事業であるガス事業を中心に行われており、8,795百万円である。

(1) 環境技術と天然ガス利用の高度化
① 当社は、三菱重工業㈱、三浦工業㈱、㈱神戸製鋼所と共同で、ガスエンジンの廃温水を蒸気として高効率に回収するコージェネレーションシステムを開発した。より多くの蒸気を回収するために、従来よりも廃温水の温度を高く設定した「高温化仕様ガスエンジン」(三菱重工業製)と、廃温水を効率よく低圧蒸気に変換する「廃温水熱利用蒸気発生装置」(三浦工業製)、及び変換された低圧蒸気を工場の生産工程で利用可能な圧力まで昇圧する「スクリュ式小型蒸気圧縮機」(神戸製鋼所製)を組み合わせるとともに、高温化仕様ガスエンジンの改良やシステムとして効率よく稼働するための制御開発等を行った。本システムは、排ガスボイラのみから蒸気を回収する場合と比べ、蒸気回収効率が18.4%から28.4%に約10%向上し、電力と蒸気を合わせた総合効率で約71%を達成した。さらに、蒸気の使用量が減る期間には通常のガスエンジンコージェネ単体の稼働に切り替えることを可能にするなど、ユーザーの使用状況に応じ設定を変更できるよう利便性にも配慮した。
② 当社は、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱、アイシン精機㈱、パナソニック㈱、ヤンマーエネルギーシステム㈱と共同で、節電と省エネ性を両立するガス冷暖房システムである超高効率ガスエンジンヒートポンプ「GHP XAIR(エグゼア)」の次世代機として、年間運転効率をさらに向上させた「GHP XAIRⅡ」を開発した。ガスエンジンの低回転数化等を行うことで、低負荷運転時の効率を平均約40%向上させた。また、熱交換性能及びファンの送風効率を向上させた。本製品は、従来機の同じ冷房能力のもの(45〜85kW(16〜30馬力))と比べ、年間運転効率が平均約25%向上し、一次エネルギー消費量を年間約20%削減する。
③ 当社は、パーパス㈱と共同で、建物内の機械室に設置可能な業務用給湯システム「機械室設置型タフジェットマルチ」を開発した。本システムは、複数台あるタフジェットの排気筒を一本化した排気集合部を新たに開発し、一本にまとめて屋外に排気できるようにした。従来のタフジェットマルチでは設置が難しかった機械室への設置が可能になり、機械室に設置された油焚き温水ボイラ等の取替え需要に対応できるようになる。
④ 当社は、㈱サムソン、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱と共同で、燃焼三位置制御方式を採用することでボイラ運転効率の大幅な向上を実現した「ガス焚き簡易貫流蒸気ボイラEB-120N(換算蒸発量120kg/h)」を開発した。本製品では、出力を100%、50%、0%の3段階で制御する燃焼三位置制御方式を採用することで、ON/OFFの頻度を低減し、従来機に比べてボイラ運転効率が5.5%向上した。また、お客さまの蒸気の使用状況に応じて3段階の出力で蒸気量を調整できるため、蒸気の質(乾き度や蒸気圧)が安定した。50%出力時には100%出力時に比べて送風機のモータの回転数を減少させることができるため、静音性も向上した。
⑤ 当社は、昭和鉄工㈱、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱、西部ガス㈱と共同で、比例制御バーナーを実装することで運転効率の大幅な向上を実現した「小型温水ヒーターNEOSシリーズ、SVシリーズ(定格出力186kW、233kW、291kW、349kW)」を開発した。本製品は、温水の使用状況にあわせて燃焼量を細かく制御することで省エネルギーを実現した比例制御バーナーを実装しており、従来製品に比べて運転効率が約7%向上した。
⑥ 当社は、㈱日本サーモエナー、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱と共同で、最低出力の低減や燃焼四位置制御方式を採用すること等でボイラの総合運転効率向上を実現した「高効率簡易貫流ボイラ」を開発した。本製品は、最低出力を従来機で採用していた定格の50%から25%まで低減し、出力を100%、50%、25%、0%の4段階で制御する燃焼四位置制御方式を採用することで、低負荷運転時のボイラの運転効率を向上した。簡易貫流ボイラとして燃焼四位置制御方式を採用したのは、日本で初めてとなる。また、マルチパスフロー缶体の開発と低空気比燃焼を実現することで、定格運転時のボイラの運転効率を向上するとともに、送風機の消費電力低減と静音性の向上を実現した。低負荷時と定格時の運転効率向上の結果、従来機と比べ、ボイラの総合運転効率を約3~6%向上した。
⑦ 当社は、中部電力㈱、直本工業㈱と共同で、工場の生産ラインにおいて加熱や乾燥等に用いられる、電気とガス双方の特長を活かした「ハイブリッド式過熱水蒸気発生器」を開発した。本開発品は、電気の優れた温度制御性とガス燃焼の高効率な加熱の特長を活かしたハイブリッド方式とすることで、従来は困難であった消費電力の抑制と精密な温度制御の両立を実現した。一次エネルギー消費量が電気式の過熱水蒸気発生器に比べて約35%低減できる。
⑧ 当社は、㈱サムソン、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱と共同で、エアヒータと燃焼比例制御システムの採用等により運転効率が大幅に向上した高性能ガス焚き簡易貫流熱媒ボイラ『ねつばいくん』を開発した。本製品は、高温の排ガスを利用して燃焼用空気を加熱するエアヒータを採用することで、従来機(SN-20GN)よりも10%高い定格効率90%を達成した。出力100%から25%の間の使用負荷に応じて燃焼量を自動で制御する燃焼比例制御システムを採用することで、エアヒータによる効果と併せて、出力50%時の運転効率を22%向上した。
⑨ 当社は、2016年4月に販売開始予定の、ガスヒートポンプと電気モータヒートポンプを同一冷媒系統に組み合わせた新しいコンセプトの業務用空調システム「スマートマルチ」を、遠隔で最適運転制御するサービス「ENESINFO(エネシンフォ)」を開発した。本サービスでは、「スマートマルチ」のエネルギー使用量や運転データ等の情報を収集するとともに、時々刻々と変化するエネルギー需給状況やエネルギー価格を監視し、それらのデータをもとに遠隔で最適制御する。本サービスを活用して「スマートマルチ」を運転することで、同規模の電気モータヒートポンプと比較して、ランニングコストを約20%低減した。
⑩ 当社は、パナソニック㈱と共同で、マンション向け家庭用燃料電池「エネファーム」の新製品を開発した。戸建住宅に比べ設置条件に制約があるマンション向けに、燃料電池ユニットの現行の標準排気タイプ(パイプシャフト扉内正面排気)だけでなく、排気筒を延長することで、従来設置することが難しかった排気が滞留し易いような奥まった場所にも設置が可能となることを目指し、新たに排気延長タイプをラインナップに加えた。また、本製品の貯湯ユニットとバックアップ熱源機のユニット間の許容配管距離を、従来の10mから15mに延長したことにより、住戸の両端にユニットを離して設置するようなユニット間の距離が長い設置も可能となった。さらに、停電時に電気を使いたいというニーズに対応しやすくするため、マンション向け現行品ではオプション品としていた停電時発電継続機能を燃料電池ユニットに内蔵した機種をラインナップに追加した。
⑪ 当社は、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱、ヤンマーエネルギーシステム㈱と共同で、小型ガスコージェネレーションシステム「ジェネライト」の新製品を開発した。本製品は、設置場所などの制約がある屋内にも設置できるコージェネとして、機器のコンパクト化、分割化、放熱処理の水冷化対応など改善を図った。また、燃焼方式の変更により、小型コージェネとしてはトップクラスの総合効率88%を実現した。

(2) 天然ガス事業基盤の拡充
① 当社と大阪ガス㈱は、世界初の、電池で駆動する壁掛けタイプの家庭用ガス警報器を、警報器メーカー(当社は矢崎エナジーシステム㈱と富士電機㈱、大阪ガス㈱は富士電機㈱と新コスモス電機㈱)と協力して開発した。半導体製造プロセスなどに使用されるMEMS技術を用いて小型化(現行機の約100分の1〜500分の1)することで、超省電力(現行機の約数千分の1)を実現した。さらに、NEDO主催の事業に参画し、信頼性向上のための改良を重ねた結果、ガス警報器では世界初となる電池駆動を可能にした。
② 当社と東京電力㈱は、2016年1月から、東京電力のスマートメーターおよびスマートメーターシステムを活用した当社の検針業務の自動化に関する共同実証試験を開始した。具体的には、東京都小平市の約500戸の住宅において、東京電力がすでにお客さま宅に設置しているスマートメーターと、当社が新たに設置した試験用のガスメーターを無線通信で接続したうえで、東京電力のスマートメーターシステムを活用し、当社が試験用ガスメーターの検針データを取得する通信試験を実施する。本実証では、当社が通信成功率や通信所要時間等の確認を行うことで、検針業務の自動化に必要な装置やシステム全体の性能・有効性を検証し、東京電力はスマートメーターおよびスマートメーターシステムを活用した新たな事業展開に向けて、技術・運用面での課題抽出を行う予定である。

都市ガス以外の事業については、当該事業を営む連結子会社が中心となって、商品化開発等を行っている。器具及びガス工事事業に係る研究開発費は946百万円、その他エネルギー事業に係る研究開発費は7百万円、その他の事業に係る研究開発費は59百万円である。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04514] S10080AQ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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