株式会社　サイネックス 業績等の概要 (2015年3月期)

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日本銀行による追加金融緩和策により、円安や株高傾向が継続したものの、個人消費は、消費税率の引き上げや円安による物価上昇により弱さが見られ、さらに新興国の成長鈍化や欧州の財政懸念等もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。また、地方におきましては、政府による地域活性化政策に期待されるものの、地方経済の回復には相当の時間を要するものと思われます。
広告業界におきましては、テレビやインターネット広告を中心に、おおむね順調に推移したものの、当社の市場である地方の広告出稿意欲は依然として低調に推移しております。
このような経営環境において、当社グループは、官民協働の精神に基づき、地域社会の活性化を担う「社会貢献型企業」を目指して、地域行政情報誌『わが街事典』等の発行を中心に、官と民の連携により地域再生支援に取り組むとともに、中小事業者のプロモーションやソリューションを支援するサービスの提供をおこないました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高が対前期比7.9%増の108億3百万円、営業利益が対前期比3.8%増の6億81百万円、経常利益が対前期比8.1%増の7億91百万円、当期純利益が対前期比6.0%増の4億63百万円となりました。
また、個別決算の業績につきましては、売上高が対前期比12.3%増の88億67百万円、営業利益が対前期比3.6%増の7億円、経常利益が対前期比4.2%増の7億77百万円、当期純利益が対前期比0.2%減の4億50百万円となりました。
事業部門別の状況は次のとおりであります。
①プリントメディア事業
プリントメディア事業におきましては、官民協働発行による地域行政情報誌『わが街事典』は、発行地区の拡大をはかるとともに、再版の発行にも取り組み、京都市や佐賀市など新たに発行するとともに、札幌市や大阪府箕面市など再版を発行し、また、初めて広域普通地方公共団体である埼玉県と発行するなど、当連結会計年度において169の県や市区町と共同発行いたしました。
50音別電話帳『テレパル50』につきましても、引き続き積極的な広告販売活動に努めました。これらの結果、売上高は対前期比3.4%増の74億72百万円となりました。
②ITメディア事業
ITメディア事業におきましては、ヤフー株式会社との販売提携による広告は好調に推移しました。ふるさと納税制度の一括業務代行に関する協定は、当連結会計年度において14の市や町と締結いたしました。また、連結子会社株式会社サイネックス・ネットワークの『楽たび』、『トラベルサーチ』等旅行商品の販売は、夏場の天候不順の影響等もあり伸び悩んだものの、『わが街とくさんネット』等の物販事業がふるさと納税制度の一括業務代行の寄与もあり順調に推移し、売上高は対前期比19.5%増の33億31百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、売上債権の増加、法人税等の支払等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が7億92百万円(前年同期比5.0%増)と増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2億円増加し、当連結会計年度末には34億48百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2億61百万円(同51.5%減)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益7億92百万円、減価償却費1億93百万円等による収入に対し、法人税等の支払額3億37百万円、売上債権の増加額3億円等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2百万円(同97.9%減)となりました。
これは主に、定期預金の払戻による収入8億95百万円、有価証券の償還による収入3億円、保険積立金の払戻による収入1億37百万円、投資有価証券の償還による収入1億円等による収入に対し、定期預金の預入による支出8億95百万円、投資有価証券の取得による支出3億99百万円、有形固定資産の取得による支出1億33百万円等の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は59百万円(同12.6%減)となりました。
これは主に、配当金の支払55百万円、リース債務の返済による支出4百万円によるものであります。