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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D8EH

有価証券報告書抜粋 株式会社 神戸製鋼所 研究開発活動 (2018年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループ(当社及び連結子会社)は、幅広い技術分野での高度な技術力を源泉として、当社グループならではの顧客価値を実現する製品の創出と、それに必要な「ものづくり力」の強化を中心に取り組み、また拡販のための技術支援、ソリューション提案など多くの成果をあげております。
当社技術開発本部では、各事業の基盤と競争力強化に向けた研究開発に加え、将来に向けた新製品・プロセスを具現化する高度で先端的な技術の開発も先導して行なっており、自動車分野、航空機分野、エネルギー分野、人工知能(AI)含むICT分野などでの新たなメニュー創出とそれらを支えるものづくり力を強化していきます。
また、当社各部門及び連結子会社の技術開発部門では、事業の競争力強化に直結する製品及び生産技術の開発を行なっております。今後とも、グループ全体にわたる研究開発への経営資源の投入を効果的に行なってまいります。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、320億円であります。なお、本費用には、当社技術開発本部で行なっている事業部門横断的又は基礎的研究開発などで、各事業区分に配分できない費用として計上する費用88億円が含まれております。
主な事業の種類別セグメント毎の研究開発活動の状況は、以下のとおりであります。


[鉄鋼]
鉄鋼では、輸送機分野(自動車、船舶、航空機)を中心に特殊鋼や高強度鋼、鋳鍛鋼、チタン、鉄粉の商品力・強みを生かした商品開発と「ものづくり力」の強化に向けた生産技術の開発に引き続き注力して取り組んでおります。
鋳鍛鋼分野では、超大型コンテナ船用クランクシャフト(全長22m、重量約500t)一式を三井造船(株)(現在の三井E&S造船(株))へ納入しました。本製品は、当社が2014年に開発した設計疲労強度を20%向上させる「型入れ鍛造法」を適用し製造したものです。また、船舶エンジン用組立型クランク軸の主要部材であるスローの製造方法において、2017年5月に日本海事協会より、世界で初めてK-factor1.15の認証を取得しました。当社のクランク軸を用いることで、高出力かつコンパクトな船舶エンジンの設計への可能性を拓きます。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、52億円であります。


[溶接]
溶接では、建築鉄骨市場向けに、「鉄骨H柱溶接ロボットシステム」を新たにリリースしました。一般的な溶接ロボットは、溶接線位置と溶接施工条件をロボットに記憶する教示作業が必要になりますが、H柱継手は多様な形状であるため、頻繁な教示作業を要しロボット化が定着しませんでした。この課題に対し、教示データを自動生成する機能を開発しました。加えて溶接施工は、H柱継手に最適な溶接条件と溶接ワイヤを用い、高品質溶接を確立し、システムとして提供します。
また、建築鉄骨市場向けに、新たに溶接材料の3品種をリリースしました。フラックス入りワイヤ「FAMILIARC™ MX-Z50F」は、下向・水平すみ肉姿勢での黒皮鋼板に対して、ビードのなじみやスラグはく離性に優れます。ソリッドワイヤ「FAMILIARC™ MG-56」は、従来の「JIS Z3312 YGW18」に対し、ワイヤ送給性と溶接作業性に優れ、溶接作業者の負荷軽減につながると期待されます。被覆棒「FAMILIARC™ LB-50FT」は、ソフトなアークと安定性、優れたスラグはく離性が特長で、アルミラミネート脱気包装を採用することで開封後の乾燥を省略可能としました。
さらに、液化エタンガス(LEG、-104℃)タンクに使用される5%Ni鋼に対し、オーステナイトステンレス系フラックス入りワイヤ「PREMIARC™ DW-316LE」を開発しました。従来のNi基合金溶接材料と比べ、大幅にNi添加量を低減でき、環境温度において靭性など優れた溶接金属の機械的性質が得られます。特にタンクの立向溶接の効率化が図れることから、今後、世界的なLEGの需要増加に伴い、当製品の国内外からの受注が期待されます。
加えて、自動車の足廻り部品のアーク溶接において普及拡大しているワイヤ送給制御法に対し、専用ワイヤ「FAMILIARC™ MG-1T(F)」の販売を開始しました。ワイヤ送給制御法で課題となる連続・断続溶接時のチップ磨耗に対し、ワイヤ表面処理の最適化により、耐チップ磨耗性を向上させました。さらに、電流波形に同期したワイヤの正送・逆送の送給追従性にも優れています。「FAMILIARC™ MG-1T(F)」はシリーズ化を計画しています。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、34億円であります。

[アルミ・銅]
アルミ・銅では、中長期事業競争力の強化に向け自動車関連部材等「成長分野」への技術開発と品質及び生産技術の向上に注力し、技術力強化を優先し進めております。また、缶用材料、電子機器材料等の「ボリュームゾーン分野」では、安定した生産性確保とさらなる品質向上を継続的に推進しています。
アルミ板分野では、神鋼汽車鋁材(天津)有限公司において、中国市場向けを中心とした自動車パネル材の本格量産を開始しており、新規採用も引き続き順調に増加しています。日系自動車メーカーではアルミパネル採用部位拡大の動きがあり、ドアやルーフなどのアルミ化に向け開発・提案しています。材料・表面処理技術の他、当社の特徴である接合や解析技術などのソリューション技術も提案し、アルミパネル材の採用部位拡大に大きく貢献しています。飲料缶材料では、ボトル缶需要拡大と継続した薄肉軽量化のニーズに対応した高強度・高成形性材料の開発を推進し、お客様から高い評価を得ており、特にボトル缶では高い市場シェアの維持に貢献しています。
鋳鍛分野では、自動車サスペンション用アルミ鍛造部品において北米・中国での需要が拡大しており、サスペンション部品の生産性向上、さらなる品質向上のための技術開発を推進しています。また、他社との差別化を図るために、高強度合金開発や構造設計の両面から材料の軽量化に注力し、お客様から高い評価を得ています。さらに、自動車分野以外でも、将来の差別化と当社の優位性確保のため耐熱材料の開発も進めています。
押出分野では、アルミ製バンパーシステムや車両骨格部材などの自動車用押出形材に対して、軽量で衝突安全性に優れた材料のニーズが高まっています。当社が開発した高強度でかつ耐応力腐食割れ性に優れた独自7000系合金押出形材は、北米自動車メーカーにて骨格部材として採用され、供給(輸出)を開始しました。また、米国の生産拠点として溶解鋳造から押出、加工まで一貫した生産工場を建設中(2018年度下期稼働予定)であり、日米両極での供給体制整備を進めています。

銅板分野では、自動車向け電装部品用端子材料の需要が好調であり、低摩擦係数と耐熱性に優れた錫めっき(新リフローめっき)技術が高く評価され、国内外で採用が拡大しています。欧州につづき米国伸銅メーカーへも「新リフローめっき」技術のライセンスを供与し、グローバル供給体制の拡充を構築しています。また、自動運転化に伴う電装化の進展から、端子の小型化、多極化に最適な高強度、薄板材料の開発を推進しています。さらに、スマートフォン用などの散熱部材への開発合金の採用も順調に増加しています。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、26億円であります。


[機械]
機械では、環境、省エネ(CO2削減)をキーワードに、オンリーワン・ナンバーワン技術や商品を創出することで独自性を徹底追求するとともに、マーケット及び生産の両面からさらなるグローバル化を推進し、世界トップレベルの「ものづくり」の実現を目指しています。
圧縮機関連分野では、当社が開発した「圧縮空気エネルギー貯蔵システム(製品名:空圧電池)」を、静岡県賀茂郡河津町の実証地に納入し、一般財団法人エネルギー総合工学研究所及び早稲田大学を支援して、NEDOプロジェクトとして風力発電所の出力変動抑制に関わる実証試験を開始しました。
産業機械関連分野では、「水素ステーション向け拡散接合型コンパクト熱交換器(製品名:DCHE)」で、日本冶金工業(株)とともに、ISSF(International Stainless Steel Forum)が主催するニューアプリケーション賞「新技術」分野の「銀賞」を受賞しました。
さらに、少量多品種生産向けに開発したコーティング装置「AIPocket®」の外販初号機を2017年8月に国内の工具メーカーへ納入しました。
加えて、今後は2017年4月に買収したQuintus Technologies ABとの協業を拡大し、等方圧加圧装置の製品ラインアップを拡充する他、超大型装置の開発を加速し、世界市場をターゲットにさらなる事業拡大を目指します。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、33億円であります。


[エンジニアリング]
エンジニアリングでは、独自プロセス・技術のさらなる差異化、競争力強化に向けた開発を継続するとともに、将来の成長が見込まれる環境・エネルギー等の有望分野において、積極的に開発を推進しております。
原子力関連分野では、原子力発電所の廃炉に伴う廃棄物の処理技術の開発に取り組んでおります。
還元鉄関連分野では、天然ガスを還元剤とした製鉄法(MIDREXプロセス:世界No.1シェア)の競争力維持・強化に向けた開発を継続しております。
水処理関連分野では、新下水道ビジョンに沿ったバイオマスエネルギー利活用などの下水道付加価値向上に向けた開発や、環境配慮型創エネ汚泥焼却システムの開発を継続して実施しています。また、ユーグレナEOD-1の食品としての機能性を追求しています。
廃棄物処理関連分野では、AIを利用した操業の安定化及びICTを活用したメンテナンスや操業の最適化に取り組んでおります。
化学・食品機械関連分野では、グラスライニング機器の高機能化に取り組み、高伝熱性グラス「9000HTⅡ」、伝熱性と帯電防止の2つの機能を有する「ハイブリッドグラスライニング」を開発し、商品競争力を強化しました。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、19億円であります。

[建設機械]
建設機械では、主力製品である油圧ショベル、クローラクレーンなどの安全性向上、省エネ性向上、排ガス対応・騒音低減などの環境対応に加え、建設リサイクル機械・金属リサイクル機械の開発に取り組んでいます。
ショベル関連分野において、オフロード法2014年基準に適合し、機器類の故障予兆を検知できる予防保全機能の搭載、新車保証期間の延長などにより、お客様のライフサイクルコスト低減を可能にした新型13tクラス油圧ショベル4機種「SK125SR-5、SK135SR-5、SK130UR-5、SK130SR+-5」、23tクラス油圧ショベル2機種「SK225SR-5、SK235SR-5」を2017年9月に販売開始しました。また、オフロード法2014年基準に適合し、より一層の燃費性能向上を達成するとともに、高い耐久性を持った機械とし、さらに安全性の向上として衝突軽減システム「K-EYEPRO」を新たにオプション設定した20tクラス油圧ショベル「SK200-10」を2017年9月に販売開始しました。
クレーン関連分野では、頑丈な構造・作業性に優れたコンパクトなレイアウト・高いつり上げ能力の両立と輸送幅3m未満を実現し、排出ガス2014年規制に適合したテレスコピッククローラクレーン「TK750G/TK750GFS」を2017年6月より国内向けに販売を開始しました。また、排出ガス2014年規制に適合し、さらなる安全性と省スペースでの作業を可能とし、安全走行をアシストする機能やセットアップラジコンを新規設定したラフテレーンクレーン「LYNX160」を開発し、2017年7月より国内向けに販売開始しました。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、56億円であります。


[その他]
(株)コベルコ科研では、エネルギー、自動車、エレクトロニクス、土木・建築、環境など広範囲にわたる分析・試験技術を蓄積するとともに、高度で先端的な評価・解析技術の開発を進めています。さらに、フラットパネルディスプレイ(FPD)用の配線に用いられる薄膜用のターゲット材料や半導体等の検査装置の開発に取り組んでいます。
当連結会計年度においては、人工知能(AI)技術の研究開発を目的に、名古屋大学にコベルコ科研インフォアナリシス産学共同研究部門を開設しました。また、「新次元の超軽量ハイエントロピー合金等の研究開発」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「未踏チャレンジ2050」に採択され、超軽量合金の試作に取り組みました。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、9億円であります。

事業等のリスク株式の総数等


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