有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007A5H
株式会社すかいらーくホールディングス 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年12月期)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
(2)経営成績の分析
当社はグループ経営理念『価値ある豊かさの創造』の具現化を目指し、一人ひとりのお客様の生活がより豊かになり、より快適に過ごしていただけるような地域に根差した店舗作りを推進してきました。主な成長戦略として1)既存店の持続的成長、2)新規出店の成功と加速、3)コスト最適化の実行、の3つを掲げ、実行してまいりました。
当連結会計年度での同戦略の進捗は下記のとおりとなっております。
・グループ合計で276店舗のリモデル(店舗内外装の刷新)を行い、時代にあったデザインを追求することで、居心地の良さを向上させ来店動機となる機会を創出しました。
・グループ内で104店舗のブランド転換を行い、出店地域の状況変化に応じて、よりお客様のニーズに対応したブランド展開を行いました。
・お客様のブランドごと利用動機に基づき、当社の垂直統合プラットフォームを活用して、お客様が望む商品を、安全でうれしい価格で提供いたしました。ガストでも数年来ご好評頂いている広島産牡蠣やフォアグラ、ミスジステーキ等に加えて新たに夏季限定にて鰻を提供いたしました。同時にガストの主力メニューであるチーズINハンバーグやバーミヤンの油淋鶏の399円プロモーションやキッズプレート対象のお子様より一回り大きいお客様を対象にしたジュニアプレートの充実等を通じて家族連れや中客単価層のお客様のご来店を促しました。
・対前期比4.8%のデリバリー事業(宅配)の売上高成長を実現し、高齢者社会や女性の社会進出など、新しい利用動機に柔軟に対応しました。
・主に都市部駅前立地を中心に51店舗(ガスト15店舗、バーミヤン3店舗、ジョナサン5店舗、夢庵8店舗を含む)の新規出店を行いました。
これらの施策を通じてお客様満足度の向上を目指した結果、当社の当連結会計年度の全店売上高は前期比103.3%となりました。また、国内グループの既存店売上高は前年同期比で102.6%、第1四半期連結会計期間104.6%、第2四半期連結会計期間102.9%、第3四半期連結会計期間101.7%、第4四半期連結会計期間101.3%となりました。
・円安や主に肉類を中心に食材市場価格が上昇いたしましたが、購買・加工・物流における最適化を継続的に実施しました。結果、原価率は前年比0.2%増加の30.3%となりました。
・最低賃金の上昇や正社員のベースアップ等、主に人件費のインフレーションが進むとともに適格上場に伴う会計上の見積りの変更の影響により販売費及び一般管理費が増加しましたが、生産性の改善や間接材の削減にてその一部を相殺しました。結果、販売費及び一般管理費の売上比率は0.5%減少の61.1%となりました。
・2014年6月と2015年4月の2回に渡り借入金のシニアファシリティローン契約の変更を行い支払利息の削減を実行いたしました。結果、金融費用の売上比率は0.5%減少の1.0%となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は3,511億46百万円(前期比111億44百万円増)、営業利益は278億6百万円(前期比61億64百万円増)、税引前利益は247億17百万円(前期比79億50百万円増)、親会社の所有者に
帰属する当期利益は151億9百万円(前期比56億40百万円増)となりました。
EBITDAは414億18百万円(前期比66億31百万円増)、調整後EBITDAは448億26百万円(前期比26億16百万円増)、調整後当期利益は160億45百万円(前期比28億71百万円増)となりました。当連結会計年度末時点での店舗数は3,036店舗(期首時点は3,014店舗)となりました。
(3)財政状態の分析
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は以下のとおりであります。
流動資産は360億48百万円で、主に現金及び現金同等物の減少及びたな卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ24億43百万円減少いたしました。非流動資産は2,788億16百万円で、主に有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ51億52百万円の増加となりました。
総資産は3,148億64百万円で前連結会計年度末に比べ27億9百万円増加いたしました。
また、流動負債は581億91百万円で、主にその他の金融負債の減少及び未払法人所得税等の増加により、前連結会計年度末に比べ27億50百万円増加いたしました。非流動負債は1,533億86百万円で、主に長期借入金及びその他の金融負債の減少により前連結会計年度末に比べ95億71百万円減少いたしました。
負債は合計2,115億77百万円で、前連結会計年度末に比べ68億21百万円減少いたしました。
資本は合計1,032億87百万円で、前連結会計年度末に比べ95億30百万円増加いたしました。これは主に資本剰余金が47億13百万円減少したこと及び利益剰余金が152億77百万円増加したことによるものであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの売上は、経済情勢、消費者の嗜好の変化、他社との競合、天候不順、出店計画等による影響を受け、また当社の費用は、原材料価格、光熱費、不動産賃料、人件費等による影響を受けます。したがって、これらの変動要因が発生し、当社グループによる対応策が功を奏さなかった等の場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの経営成績に影響を与える他の要因については、「4 事業等のリスク」をご参照下さい。
(5)経営戦略の現状と見通し
厳しい経営環境の中、低価格ブランドのガストは安定的な収益を確保しており、まさに当社グループの核となるブランドとなっております。当社グループは、ガストブランドを中心とした各ブランドについて、既存店の収益力強化のためにオペレーションの改善及びお客様に支持される商品開発に取り組むとともに、マーケットの動向に合わせた新規出店及びブランドの転換を進めてまいります。
当社グループの経営戦略の現状と見通しの詳細については、「3 対処すべき課題」をご参照下さい。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ51億38百万円減少し、182億45百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、328億42百万円(前期比43億5百万円減)となりました。これは主に、前連結会計年度においては法人所得税等の還付が56億77百万円発生していたことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は182億75百万円(前期比64億94百万円増)となりました。これは主に、新店・転換・リモデルの店舗投資を含む有形固定資産の取得による支出が54億73百万円増加したこと、及びIT投資等による無形資産の取得による支出が7億81百万円増加したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により使用した資金は196億50百万円(前期比37億29百万円増)となりました。これは、配当金の支払による支出が49億24百万円発生したこと及び長期借入金の返済による支出が52億円減少したこと、前連結会計年度は株式の発行による収入が47億27百万円発生していたこと等によるものであります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』という経営理念、「ひとりでも多くのお客様に、安くておいしい料理を、気持ちのよいサービスで、清潔な店舗で味わっていただく」という指針のもと、和洋中をはじめとした各種テーブルレストランを中核事業に、現在、約3,000店舗を展開し、年間約4億人のお客様にご来店いただいております。今後も、それぞれの地域で皆様に喜ばれ、なお一層必要とされるお店作りを目指してまいります。
当社グループは、このような経営の基本方針に基づいて事業を展開し、株主利益の増大化を図ってまいります。
当社グループの問題認識と今後の方針の詳細については、「3 対処すべき課題」をご参照下さい。
(参考情報)
当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出されたEBITDA等を重要な経営指標として位置づけており、当連結会計年度及び過去3年間のEBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益の推移は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(注1)EBITDA=税引前利益+支払利息+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+その他の費用(期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益を除く)-受取利息-その他の収益+減価償却費及び償却費+長期前払費用償却費+長期前払費用(保証金)償却費
なお、支払利息、その他の費用、受取利息、その他の収益については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 29.受取利息・支払利息及びその他の収益・費用」をご参照下さい。
(注2)BCPLマネジメント契約とは、当社とベインキャピタル・パートナーズ・LLCの間のマネジメント契約を意味します。なお、同契約につきましては、2014年7月17日に締結した変更契約に基づき、当社が上場した時点で終了しております。
(注3)調整後EBITDA=EBITDA+固定資産除却損+非金融資産の減損損失+BCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+適格上場に伴う会計上の見積変更額
(注4)調整後当期利益=当期利益+BCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+適格上場に伴う会計上の見積変更額+調整項目の税効果調整
(注5)EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益は国際会計基準により規定された指標ではなく、当社グループが、投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非現金支出項目及びBCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬(定期報酬含む)や上場及び売出関連費用、期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益並びに適格上場に伴う会計上の見積変更額等の非経常的な費用項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しております。
(注6)当社グループにおけるEBITDA、調整後EBITDA、調整後当期利益は、競合他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
(注7)上場及び売出関連費用とは、当社株式の上場及び売出し時に発生したアドバイザリー報酬額、上場記念品購入費用等の一時的な費用であり、下記(注8)に記載の適格上場に伴う会計上の見積変更額を含んでおりません。
(注8)当社株式が適格上場(適用される証券法に基づく届出書により、又は当社株式が日本の証券取引所に上場することにより、当社の議決権の過半数に係る株式について金銭を対価とする公募又は売出しがなされることをいう。以下同じ。)の要件を満たすことにより、①当社が当社の役員及び従業員に付与した持分決済型の株式報酬(第1回新株予約権、第2回新株予約権及び第3回新株予約権)(以下「SO」という)及び②当社が当社の役員及び従業員との間で締結したCash-Settled Stock Appreciation Right Agreement(以下「SAR契約」という)に基づき、当該役員等による現金決済型株式評価益権(以下「SAR」という)の全部又は一部の行使が可能となり、また、③当社が当社の役員及び従業員との間で締結したDeferred Compensation Agreement(以下「DC契約」という)に基づき、当社はDC契約の相手方に対し、当該契約で定められた額の金銭(以下「DC」という)を交付する義務が生じることとなりました。SO、SAR及びDCの会計処理に用いる見積りに関しては、適格上場の成立が重要な影響を及ぼしており、当社株式が適格上場の要件を満たしたことに伴い、当該会計処理に用いる見積りに変更が生じました。「適格上場に伴う会計上の見積変更額」とは、SO、SAR及びDCに関する権利確定期間及び失効数の見積りの変更に伴う、当該会計処理に用いる見積りに対する影響額をいいます。
(注9)適用税率はそれぞれ、第2期40.7%、第3期38.0%、第4期38.0%、第5期38.0%であります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
(2)経営成績の分析
当社はグループ経営理念『価値ある豊かさの創造』の具現化を目指し、一人ひとりのお客様の生活がより豊かになり、より快適に過ごしていただけるような地域に根差した店舗作りを推進してきました。主な成長戦略として1)既存店の持続的成長、2)新規出店の成功と加速、3)コスト最適化の実行、の3つを掲げ、実行してまいりました。
当連結会計年度での同戦略の進捗は下記のとおりとなっております。
・グループ合計で276店舗のリモデル(店舗内外装の刷新)を行い、時代にあったデザインを追求することで、居心地の良さを向上させ来店動機となる機会を創出しました。
・グループ内で104店舗のブランド転換を行い、出店地域の状況変化に応じて、よりお客様のニーズに対応したブランド展開を行いました。
・お客様のブランドごと利用動機に基づき、当社の垂直統合プラットフォームを活用して、お客様が望む商品を、安全でうれしい価格で提供いたしました。ガストでも数年来ご好評頂いている広島産牡蠣やフォアグラ、ミスジステーキ等に加えて新たに夏季限定にて鰻を提供いたしました。同時にガストの主力メニューであるチーズINハンバーグやバーミヤンの油淋鶏の399円プロモーションやキッズプレート対象のお子様より一回り大きいお客様を対象にしたジュニアプレートの充実等を通じて家族連れや中客単価層のお客様のご来店を促しました。
・対前期比4.8%のデリバリー事業(宅配)の売上高成長を実現し、高齢者社会や女性の社会進出など、新しい利用動機に柔軟に対応しました。
・主に都市部駅前立地を中心に51店舗(ガスト15店舗、バーミヤン3店舗、ジョナサン5店舗、夢庵8店舗を含む)の新規出店を行いました。
これらの施策を通じてお客様満足度の向上を目指した結果、当社の当連結会計年度の全店売上高は前期比103.3%となりました。また、国内グループの既存店売上高は前年同期比で102.6%、第1四半期連結会計期間104.6%、第2四半期連結会計期間102.9%、第3四半期連結会計期間101.7%、第4四半期連結会計期間101.3%となりました。
・円安や主に肉類を中心に食材市場価格が上昇いたしましたが、購買・加工・物流における最適化を継続的に実施しました。結果、原価率は前年比0.2%増加の30.3%となりました。
・最低賃金の上昇や正社員のベースアップ等、主に人件費のインフレーションが進むとともに適格上場に伴う会計上の見積りの変更の影響により販売費及び一般管理費が増加しましたが、生産性の改善や間接材の削減にてその一部を相殺しました。結果、販売費及び一般管理費の売上比率は0.5%減少の61.1%となりました。
・2014年6月と2015年4月の2回に渡り借入金のシニアファシリティローン契約の変更を行い支払利息の削減を実行いたしました。結果、金融費用の売上比率は0.5%減少の1.0%となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は3,511億46百万円(前期比111億44百万円増)、営業利益は278億6百万円(前期比61億64百万円増)、税引前利益は247億17百万円(前期比79億50百万円増)、親会社の所有者に
帰属する当期利益は151億9百万円(前期比56億40百万円増)となりました。
EBITDAは414億18百万円(前期比66億31百万円増)、調整後EBITDAは448億26百万円(前期比26億16百万円増)、調整後当期利益は160億45百万円(前期比28億71百万円増)となりました。当連結会計年度末時点での店舗数は3,036店舗(期首時点は3,014店舗)となりました。
(3)財政状態の分析
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は以下のとおりであります。
流動資産は360億48百万円で、主に現金及び現金同等物の減少及びたな卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ24億43百万円減少いたしました。非流動資産は2,788億16百万円で、主に有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ51億52百万円の増加となりました。
総資産は3,148億64百万円で前連結会計年度末に比べ27億9百万円増加いたしました。
また、流動負債は581億91百万円で、主にその他の金融負債の減少及び未払法人所得税等の増加により、前連結会計年度末に比べ27億50百万円増加いたしました。非流動負債は1,533億86百万円で、主に長期借入金及びその他の金融負債の減少により前連結会計年度末に比べ95億71百万円減少いたしました。
負債は合計2,115億77百万円で、前連結会計年度末に比べ68億21百万円減少いたしました。
資本は合計1,032億87百万円で、前連結会計年度末に比べ95億30百万円増加いたしました。これは主に資本剰余金が47億13百万円減少したこと及び利益剰余金が152億77百万円増加したことによるものであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの売上は、経済情勢、消費者の嗜好の変化、他社との競合、天候不順、出店計画等による影響を受け、また当社の費用は、原材料価格、光熱費、不動産賃料、人件費等による影響を受けます。したがって、これらの変動要因が発生し、当社グループによる対応策が功を奏さなかった等の場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの経営成績に影響を与える他の要因については、「4 事業等のリスク」をご参照下さい。
(5)経営戦略の現状と見通し
厳しい経営環境の中、低価格ブランドのガストは安定的な収益を確保しており、まさに当社グループの核となるブランドとなっております。当社グループは、ガストブランドを中心とした各ブランドについて、既存店の収益力強化のためにオペレーションの改善及びお客様に支持される商品開発に取り組むとともに、マーケットの動向に合わせた新規出店及びブランドの転換を進めてまいります。
当社グループの経営戦略の現状と見通しの詳細については、「3 対処すべき課題」をご参照下さい。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ51億38百万円減少し、182億45百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、328億42百万円(前期比43億5百万円減)となりました。これは主に、前連結会計年度においては法人所得税等の還付が56億77百万円発生していたことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は182億75百万円(前期比64億94百万円増)となりました。これは主に、新店・転換・リモデルの店舗投資を含む有形固定資産の取得による支出が54億73百万円増加したこと、及びIT投資等による無形資産の取得による支出が7億81百万円増加したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により使用した資金は196億50百万円(前期比37億29百万円増)となりました。これは、配当金の支払による支出が49億24百万円発生したこと及び長期借入金の返済による支出が52億円減少したこと、前連結会計年度は株式の発行による収入が47億27百万円発生していたこと等によるものであります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、『価値ある豊かさの創造』という経営理念、「ひとりでも多くのお客様に、安くておいしい料理を、気持ちのよいサービスで、清潔な店舗で味わっていただく」という指針のもと、和洋中をはじめとした各種テーブルレストランを中核事業に、現在、約3,000店舗を展開し、年間約4億人のお客様にご来店いただいております。今後も、それぞれの地域で皆様に喜ばれ、なお一層必要とされるお店作りを目指してまいります。
当社グループは、このような経営の基本方針に基づいて事業を展開し、株主利益の増大化を図ってまいります。
当社グループの問題認識と今後の方針の詳細については、「3 対処すべき課題」をご参照下さい。
(参考情報)
当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出されたEBITDA等を重要な経営指標として位置づけており、当連結会計年度及び過去3年間のEBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益の推移は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
回次 | 国際会計基準 | |||
第2期 | 第3期 | 第4期 | 第5期 | |
決算年月 | 2012年 12月 | 2013年 12月 | 2014年 12月 | 2015年 12月 |
税引前利益 | 8,497 | 11,800 | 16,767 | 24,717 |
(調整額) | ||||
+ 支払利息 | 9,107 | 7,277 | 5,181 | 3,458 |
+ 期限前弁済に伴う借入金償還損及び 付随するヘッジ関連損益 | - | 3,906 | - | - |
+ その他の費用 | 326 | 235 | 55 | 40 |
- 受取利息 | △77 | △78 | △41 | △33 |
- その他の収益 | △508 | △577 | △320 | △376 |
+ 減価償却費及び償却費 | 16,591 | 12,701 | 12,964 | 13,400 |
+ 長期前払費用償却費 | 118 | 126 | 167 | 200 |
+ 長期前払費用(保証金)償却費 | 20 | 17 | 14 | 12 |
EBITDA(注1)(注5)(注6) | 34,074 | 35,407 | 34,787 | 41,418 |
(調整額) | ||||
+ 固定資産除却損 | 968 | 773 | 787 | 1,268 |
+ 非金融資産の減損損失 | 2,286 | 1,414 | 677 | 649 |
+ BCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬額(注2) | 700 | 700 | 4,542 | - |
+ 上場及び売出関連費用(注7) | - | 258 | 1,417 | 260 |
+ 適格上場に伴う会計上の見積変更額 (注8) | - | - | - | 1,231 |
調整後EBITDA(注3)(注5)(注6) | 38,028 | 38,552 | 42,210 | 44,826 |
(単位:百万円)
回次 | 国際会計基準 | |||
第2期 | 第3期 | 第4期 | 第5期 | |
決算年月 | 2012年 12月 | 2013年 12月 | 2014年 12月 | 2015年 12月 |
当期利益 | 7,062 | 7,097 | 9,479 | 15,120 |
(調整額) | ||||
+ BCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬額(注2) | 700 | 700 | 4,542 | - |
+ 上場及び売出関連費用(注7) | - | 258 | 1,417 | 260 |
+ 期限前弁済に伴う借入金償還損及び 付随するヘッジ関連損益 | - | 3,906 | - | - |
+ 適格上場に伴う会計上の見積変更額 (注8) | - | - | - | 1,231 |
調整額小計(税引前) | 700 | 4,864 | 5,959 | 1,491 |
調整額に対する税額(注9) | 285 | 1,849 | 2,264 | 566 |
調整額小計(税引後) | 415 | 3,015 | 3,695 | 925 |
調整後当期利益(注4)(注5)(注6) | 7,477 | 10,112 | 13,174 | 16,045 |
(注1)EBITDA=税引前利益+支払利息+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+その他の費用(期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益を除く)-受取利息-その他の収益+減価償却費及び償却費+長期前払費用償却費+長期前払費用(保証金)償却費
なお、支払利息、その他の費用、受取利息、その他の収益については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 29.受取利息・支払利息及びその他の収益・費用」をご参照下さい。
(注2)BCPLマネジメント契約とは、当社とベインキャピタル・パートナーズ・LLCの間のマネジメント契約を意味します。なお、同契約につきましては、2014年7月17日に締結した変更契約に基づき、当社が上場した時点で終了しております。
(注3)調整後EBITDA=EBITDA+固定資産除却損+非金融資産の減損損失+BCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+適格上場に伴う会計上の見積変更額
(注4)調整後当期利益=当期利益+BCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+適格上場に伴う会計上の見積変更額+調整項目の税効果調整
(注5)EBITDA、調整後EBITDA及び調整後当期利益は国際会計基準により規定された指標ではなく、当社グループが、投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非現金支出項目及びBCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬(定期報酬含む)や上場及び売出関連費用、期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益並びに適格上場に伴う会計上の見積変更額等の非経常的な費用項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しております。
(注6)当社グループにおけるEBITDA、調整後EBITDA、調整後当期利益は、競合他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
(注7)上場及び売出関連費用とは、当社株式の上場及び売出し時に発生したアドバイザリー報酬額、上場記念品購入費用等の一時的な費用であり、下記(注8)に記載の適格上場に伴う会計上の見積変更額を含んでおりません。
(注8)当社株式が適格上場(適用される証券法に基づく届出書により、又は当社株式が日本の証券取引所に上場することにより、当社の議決権の過半数に係る株式について金銭を対価とする公募又は売出しがなされることをいう。以下同じ。)の要件を満たすことにより、①当社が当社の役員及び従業員に付与した持分決済型の株式報酬(第1回新株予約権、第2回新株予約権及び第3回新株予約権)(以下「SO」という)及び②当社が当社の役員及び従業員との間で締結したCash-Settled Stock Appreciation Right Agreement(以下「SAR契約」という)に基づき、当該役員等による現金決済型株式評価益権(以下「SAR」という)の全部又は一部の行使が可能となり、また、③当社が当社の役員及び従業員との間で締結したDeferred Compensation Agreement(以下「DC契約」という)に基づき、当社はDC契約の相手方に対し、当該契約で定められた額の金銭(以下「DC」という)を交付する義務が生じることとなりました。SO、SAR及びDCの会計処理に用いる見積りに関しては、適格上場の成立が重要な影響を及ぼしており、当社株式が適格上場の要件を満たしたことに伴い、当該会計処理に用いる見積りに変更が生じました。「適格上場に伴う会計上の見積変更額」とは、SO、SAR及びDCに関する権利確定期間及び失効数の見積りの変更に伴う、当該会計処理に用いる見積りに対する影響額をいいます。
(注9)適用税率はそれぞれ、第2期40.7%、第3期38.0%、第4期38.0%、第5期38.0%であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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