株式会社ほくほくフィナンシャルグループ 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年3月期)

当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績について、以下の通り分析しております。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
当社グループは、2004年9月に北陸銀行と北海道銀行が経営統合し誕生しました。以来、統合効果を最大限発揮すべく、効率化や営業面でのシナジー効果を追求してまいりました。
当連結会計年度は、連結経常利益は前連結会計年度比13億円減少して481億円、連結当期純利益は前連結会計年度比9億円増加して282億円となりました。また、不良債権比率は、子銀行2行合算ベースで前連結会計年度末比0.24ポイント低下して2.43%となりました。また、連結自己資本比率は、前連結会計年度末比1.18ポイント低下して11.13%となりました。
1.経営成績の分析
前連結会計年度及び当連結会計年度における損益状況は以下のとおりです。

区分	前連結会計年度 (百万円)	当連結会計年度 (百万円)	比較 (百万円)
連結粗利益	151,015	154,878	3,863
資金利益	121,397	121,307	△90
役務取引等利益	22,724	25,113	2,388
特定取引利益	573	388	△185
その他業務利益	6,319	8,069	1,750
営業経費	105,212	106,048	835
株式等関係損益	597	3,432	2,834
不良債権処理額	△1,425	5,456	6,881
貸出金償却	616	590	△26
貸倒引当金繰入額	△2,839	4,202	7,042
その他不良債権処理額	797	663	△134
その他	1,622	1,333	△289
経常利益	49,448	48,140	△1,308
特別利益	187	122	△64
特別損失	2,302	1,355	△947
税金等調整前当期純利益	47,333	46,906	△426
法人税、住民税及び事業税	5,875	9,360	3,484
法人税等調整額	14,062	9,231	△4,830
法人税等合計	19,938	18,592	△1,346
少数株主損益調整前当期純利益	27,394	28,314	919
少数株主利益	61	79	17
当期純利益	27,332	28,235	902

(1) 連結粗利益
連結粗利益は、前連結会計年度比38億円増加して、1,548億円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
資金利益は、金利低下により貸出金利息及び預金利息が減少しておりますが、有価証券利息配当金が増加したことにより、前連結会計年度比若干減少の、1,213億円となりました。
役務取引等利益は、投資信託の受入販売手数料や保険販売手数料の増加により、前連結会計年度比23億円増加して251億円となりました。
その他業務利益は、国債等債券損益(5勘定尻)が増加したことを主因に、前連結会計年度比17億円増加して80億円となりました。
(2) 経常利益
経常利益は、連結粗利益が38億円増加し、株式等関係損益が28億円増加しましたが、与信費用(不良債権処理額)が増加したことを主因として、前連結会計年度比13億円減少の481億円となりました。
(3) 当期純利益
当期純利益は、経常利益が13億円減少しましたが、固定資産の減損損失及び税金費用の減少により、前連結会計年度比9億円増加して、282億円となりました。
2.財政状態の分析
(1) 貸出金
貸出金は、個人ローンが順調に増加していることに加え、中小企業向け貸出も増加しました。連結ベースでは前連結会計年度末比2,235億円増加して7兆5,468億円(2行合算ベースでは前連結会計年度末比2,254億円増加して7兆5,617億円)となりました。

	前連結会計年度末 (百万円)	当連結会計年度末 (百万円)	比較 (百万円)
貸出金残高(末残)	7,323,290	7,546,819	223,529

〔2行合算〕(北陸銀行+北海道銀行。以下同じ)

	前連結会計年度末 (百万円)	当連結会計年度末 (百万円)	比較 (百万円)
貸出金残高(末残)	7,336,374	7,561,790	225,415
うち中小企業等貸出	4,639,600	4,767,812	128,211
うち個人ローン	2,109,833	2,150,873	41,040
うち住宅系ローン	1,996,698	2,026,770	30,072

○リスク管理債権の状況
リスク管理債権は、前連結会計年度末比147億円減少して、1,891億円となりました。貸出金残高に対する割合は、前連結会計年度末比0.28ポイント低下して2.50%となりました。

		前連結会計年度末 (百万円)	当連結会計年度末 (百万円)	比較 (百万円)
リスク 管理債権	破綻先債権額	8,475	5,269	△3,206
	延滞債権額	159,017	154,483	△4,533
	3カ月以上延滞債権額	585	1,217	631
	貸出条件緩和債権額	35,814	28,185	△7,628
	合計	203,892	189,155	△14,737

		前連結会計年度末 (%)	当連結会計年度末 (%)	比較 (%)
貸出金残高比	破綻先債権額	0.11	0.06	△0.05
	延滞債権額	2.17	2.04	△0.13
	3カ月以上延滞債権額	0.00	0.01	0.01
	貸出条件緩和債権額	0.48	0.37	△0.11
	合計	2.78	2.50	△0.28

○金融再生法開示債権の状況(「2行合算」)
2行合算ベースの金融再生法開示債権は、前連結会計年度末比121億円減少して1,892億円となりました。同開示債権比率は、前連結会計年度末比0.24ポイント低下して2.43%となりました。金融再生法開示債権に対する保全率は前連結会計年度末比0.42ポイント上昇して84.10%となっております。

	前連結会計年度末 (百万円、%)	当連結会計年度末 (百万円、%)	比較 (百万円、%)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権	30,475	23,642	△6,832
危険債権	134,469	136,192	1,722
要管理債権	36,400	29,402	△6,997
小計(A)	201,344	189,237	△12,107
正常債権	7,321,260	7,566,500	245,240
合計(B)	7,522,605	7,755,738	233,132
比率(A)/(B)	2.67	2.43	△0.24

○金融再生法開示債権の保全状況(「2行合算」)

		債権額 (百万円)	担保・保証等 (百万円)	個別貸倒 引当金等 (百万円)	引当率 (%)	保全率 (%)
破産更生債権及び これらに準ずる債権	前連結会計年度末	30,475	25,695	4,779	100.00	100.00
	当連結会計年度末	23,642	20,933	2,709	100.00	100.00
	比較	△6,832	△4,762	△2,069	-	-
危険債権	前連結会計年度末	134,469	86,213	26,686	55.30	83.95
	当連結会計年度末	136,192	83,395	28,992	54.91	82.52
	比較	1,722	△2,817	2,306	△0.39	△1.43
要管理債権	前連結会計年度末	36,400	21,165	3,954	25.95	69.01
	当連結会計年度末	29,402	21,486	1,648	20.82	78.68
	比較	△6,997	320	△2,306	△5.13	9.67
合計	前連結会計年度末	201,344	133,074	35,420	51.88	83.68
	当連結会計年度末	189,237	125,815	33,350	52.58	84.10
	比較	△12,107	△7,259	△2,069	0.70	0.42

(注)引当率及び保全率の算出方法
引当率=個別貸倒引当金等÷(債権額-担保・保証等)×100
保全率=(個別貸倒引当金等+担保・保証等)÷債権額×100
(2) 有価証券
有価証券は、国債及び地方債は売却や償還により減少しました。株式及びその他の証券中の外国債券等の運用が増加しました。有価証券全体では、前連結会計年度末とほぼ同額の2兆4,936億円となりました。

	前連結会計年度末 (百万円)	当連結会計年度末 (百万円)	比較 (百万円)
有価証券残高(末残)	2,493,619	2,493,601	△18
国債	1,423,713	1,280,622	△143,091
地方債	416,514	397,008	△19,506
社債	337,568	330,217	△7,350
株式	182,149	237,508	55,359
その他の証券	133,674	248,245	114,570

(3) 預金及び譲渡性預金
連結ベースの預金及び譲渡性預金は、個人預金・法人預金ともに順調に増加し、前連結会計年度末比4,799億円増加して、10兆6,277億円(2行合算ベースでは前連結会計年度末比4,793億円増加して10兆6,513億円)となりました。
また、投資信託等を含めた個人預かり資産は前連結会計年度末比1,481億円増加して、7兆7,954億円となりました。

	前連結会計年度末 (百万円)	当連結会計年度末 (百万円)	比較 (百万円)
預金及び譲渡性預金残高(末残)	10,147,805	10,627,748	479,942

「2行合算」の預金及び譲渡性預金並びに個人預かり資産

	前連結会計年度末 (百万円)	当連結会計年度末 (百万円)	比較 (百万円)
預金及び譲渡性預金	10,172,051	10,651,357	479,306
うち個人	7,005,510	7,131,584	126,073
個人預かり資産	7,647,326	7,795,478	148,151
預金及び譲渡性預金(円貨)	6,977,317	7,108,894	131,576
投資型金融商品	670,008	686,584	16,575
外貨預金	28,192	22,690	△5,502
公共債	302,928	278,142	△24,785
投資信託	338,887	385,751	46,863

(4) 自己資本比率

	前連結会計年度末 (%)	当連結会計年度末 (%)	比較 (%)
当社連結	12.31	11.13	△1.18
株式会社北陸銀行単体	12.40	10.61	△1.79
株式会社北海道銀行単体	10.76	10.75	△0.01

(5) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金・譲渡性預金の純増減が増加したことを主因に増加しております。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券運用による収支が中心となっていますが、取得による支出以上に売却や償還による収入が増加したことから増加しております。財務活動によるキャッシュ・フローは、劣後特約付借入や劣後社債発行により資金調達を実施せず、劣後借入金の返済や劣後社債の償還を行ったことから支出超過に転じております。現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末比4,050億円増加いたしました。

	前連結会計年度 (百万円)	当連結会計年度 (百万円)	比較 (百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー	251,285	367,321	116,036
投資活動によるキャッシュ・フロー	42,628	91,602	48,973
財務活動によるキャッシュ・フロー	10,808	△53,896	△64,705
現金及び現金同等物の期末残高	743,974	1,149,068	405,094