有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007YQU
株式会社エイチワン 業績等の概要 (2016年3月期)
(1) 業績
当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っています。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済は、夏からの中国の景気減速懸念に始まり、その後も原油の供給過剰への警戒や12月に行われた米国のゼロ金利解除などから、国際金融市場が不安定な動きを繰り返しました。日本では個人消費や企業の設備投資が堅調に推移しているものの、夏を境に日経平均株価や円相場が乱高下し、景気の先行きに対する不透明感が強まっております。米国では景気拡大が続き、アジア・大洋州地域でもインド経済が成長の勢いを取り戻しましたが、タイでは景気回復が鈍く、中国では経済成長が踊り場にありました。
自動車業界においては、北米では新車販売の伸びが続き、インド市場でも販売台数が増加基調であった一方で、中国の需要拡大のペースは減速傾向にありました。また、日本では消費税や軽自動車の増税の影響から年間の新車販売実績が前年を下回り、タイ市場も低調に推移いたしました。
以上のような環境下、当社グループは、第4次中期事業計画の経営方針である「全世界の競合他社を凌駕する競争力と技術力で、お客様ニーズに最大限にお応えする」に沿って、これまでに培ってきた技術力やグローバル展開を活かし、取引先開拓をはじめとする受注拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度における主な実績といたしましては、生産領域においては、北米ではケー・ティ・エイチ・パーツインダストリーズ・インコーポレーテッド(以下、KTH社)が、能力増強と超高張力鋼板の採用拡大を見据えて進めていた3,000tサーボトランスファープレス機の導入が完了し、9月から稼動を開始いたしました。また、中国では武漢愛機汽車配件有限公司が、今後の生産量の増加と鋼材の高強度化への対応を目的に3,000tサーボトランスファープレス機の導入を進めており、インドにおいてもエイチワン・インディア・プライベート・リミテッドの第2工場(ラジャスタン州)では、プレスラインがまもなく完成し、これによってプレスから溶接工程までの一貫生産体制が整うことになります。日本では生産拠点の再編により経営資源の有効活用を図ることを目的として、戸田工場(埼玉県戸田市)を閉鎖することを決定し、同工場の生産品目を前橋製作所に移管のうえ、本年3月をもって戸田工場での生産活動を終了いたしました。
開発技術領域においては、日本では、製品開発を進めてきた燃料電池スタックの金属セパレーターが主力得意先の新型燃料電池車に採用され、量産がスタートいたしました。これは、自動車フレームの生産で培った当社の精密打ち抜き加工技術(ファインブランキング)と精密金型の製作技術を応用し、セパレーター特有の緻密な形状をプレス加工で安定的に作り出す生産技術を自社開発し、量産化が実現したものであります。また、北米では得意先の現地開発の進展に対して、当社グループも基礎研究から製品設計、各種解析、性能保証までを北米で完結し、得意先の開発ニーズを迅速に汲み取ったうえで、技術提案につなげることを目指して、KTH社に研究開発拠点を新設いたしました。
海外事業においては、持分法適用会社のヒラタ ヤチヨ リーシング リミテッド(以下、HYL社)に関し、当社が保有するHYL社の株式を持分法適用会社のユー ワイ ティ リミテッド(以下、UYT社)に譲り渡すとともに、UYT社は同社の全事業を同業のN Press Assembly Limitedに譲渡いたしました。
以上を受けた当連結会計年度における経営成績は、主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べ増加したことや為替相場の円安による為替換算上の影響などから売上収益は2,002億24百万円(前期比9.4%増)となりました。利益面では、日本では前期に比べ金型取引に係る損益が改善、北米では人件費や減価償却費が前期に比べ増加した一方で金型の収益差額などがあり、中国での生産性改善、アジア・大洋州ではタイの子会社2社とインドネシアの子会社の損益が改善し、売上総利益は200億65百万円(前期比27.2%増)となりました。前期に有形固定資産の減損損失の計上があったことによるその他の費用の改善もあり、営業利益は60億67百万円(前期は営業利益2億7百万円)となり、前期に比べ金融費用が増加した一方、持分法による投資損益が黒字化したことから税引前利益は43億円77百万円(前期は税引前損失7億46百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は23億83百万円(前期は親会社の所有者に帰属する当期損失11億16百万円)となりました。
セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
① 日本
売上収益は、主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて減少したことから451億39百万円(前期比10.0%減)となりました。
税引前利益は、売上収益の減少の影響があったものの、金型取引に係る損益が改善したことや在外子会社からの配当金の受取り、UYT社の事業譲渡に伴う収益などにより12億19百万円(同53.7%増)となりました。
② 欧州・北米
売上収益は、主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べ増加したことや為替換算上の影響があり1,002億38百万円(前期比16.7%増)となりました。
税引前利益は、前期に有形固定資産の減損損失を計上した影響や持分法による投資損益の黒字化、金型の収益差額などから25億60百万円(前期は税引前損失2億89百万円)となりました。
③ 中国
主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて増加したことや為替換算上の影響があり売上収益は394億97百万円(前期比20.9%増)となり、減価償却費が増加する一方、生産性改善効果もあり税引前利益は22億26百万円(同218.8%増)となりました。
④ アジア・大洋州
売上収益は279億7百万円(前期比6.8%増)と微増ながらも、利益面では生産性改善効果があった一方、支払利息の増加もあり税引前損失は5億97百万円(前期は税引前損失11億28百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、税引前利益、減価償却費及び償却費、営業債務の増加、長期借入れによる収入などの資金の増加要因がありましたが、営業債権及びその他の債権の増加、棚卸資産の増加、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出などの資金の減少要因によって、42億69百万円(前期比8億27百万円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税引前利益43億77百万円のほか、前期に比べ減価償却費及び償却費が29億72百万円(25.5%)増加、営業債務の増加32億91百万円(前期は営業債務の減少18億10百万円)などの資金の増加要因により、前期に比べ170億50百万円(274.9%)増加の232億52百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、有形固定資産の取得による支出が前期に比べ82億51百万円(30.6%)減少したことなどにより、前期に比べ77億41百万円(28.7%)減少の192億68百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、長期借入れによる収入が211億円あった一方、短期借入金の純減少額93億52百万円や長期借入金の返済による支出162億35百万円などにより、44億76百万円(前期は212億74百万円の収入)となりました。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(連結の範囲に関する事項)
ピー・ティ・エイチワン・コウギ・プリマ・オート・テクノロジーズ・インドネシアは、前連結会計年度において非連結子会社でしたが、重要性が増したことにより、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。
(持分法の適用に関する事項)
ジーワン・オート・パーツ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイは、前連結会計年度において持分法非適用関連会社でしたが、重要性が増したことにより、当連結会計年度から持分法適用の範囲に含めております。
(退職給付に関する会計基準等の適用)
「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 2012年5月17日。以下「退職給付会計基準」という。)及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 2015年3月26日。以下「退職給付適用指針」という。)を、退職給付会計基準第35項本文及び退職給付適用指針第67項本文に掲げられた定めについて当連結会計年度より適用し、退職給付債務及び勤務費用の計算方法を見直し、退職給付見込額の期間帰属方法を期間定額基準から給付算定式基準へ変更するとともに、割引率の決定方法を平均残存勤務期間を基礎に決定する方法から退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用する方法に変更いたしました。
退職給付会計基準等の適用については、退職給付会計基準第37項に定める経過的な取扱いに従って、当連結会計年度の期首において、退職給付債務及び勤務費用の計算方法の変更に伴う影響額を利益剰余金に加減しております。
この結果、当連結会計年度の期首の退職給付に係る負債が9億45百万円減少し、利益剰余金が6億13百万円増加しております。なお、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微であります。
当連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(企業結合に関する会計基準等の適用)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号2013年9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号2013年9月13日。以下「連結会計基準」という。)及び「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号2013年9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を、当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更いたしました。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更いたします。加えて、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組み替えを行っております。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(4)、連結会計基準第44-5項(4)及び事業分離等会計基準第57-4項(4)に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首時点から将来にわたって適用しております。
なお、当連結会計年度の営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微であります。また当連結会計年度末の資本剰余金が2億61百万円減少しております。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得関連費用もしくは連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載しております。
当連結会計年度の連結株主資本等変動計算書の資本剰余金の期末残高は2億61百万円減少しております。
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した場合の連結財務諸表における、これらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
A. 金型に係るファイナンス・リース取引
日本基準では固定資産である一部の金型について、IFRSではIFRIC(解釈指針)第4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」に規定される要件を満たすことからリース取引と判断し、IAS第17号「リース」に従いファイナンス・リース取引の貸手として会計処理を行っております。その結果、連結財政状態計算書では「営業債権及びその他の債権」が2億70百万円、「有形固定資産」が84億30百万円それぞれ減少し、「棚卸資産」が44億23百万円、「その他の金融資産」が33億60百万円、「利益剰余金」が5億52百万円それぞれ増加しております。また、連結損益計算書では、「売上収益」が8億39百万円、「売上原価」が18億36百万円それぞれ減少しております。
B. 投資不動産
日本基準において有形固定資産に含めている賃貸等不動産を、IFRSにおいては「投資不動産」と表示しております。
C. 有給休暇に係る債務の調整
日本基準においては認識していない有給休暇に係る債務について、IFRSではIAS第19号「従業員給付」に従い未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、「その他の流動負債」の金額が13億58百万円増加しております。
E. 退職給付の調整
日本基準では、数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務期間内で定額法により費用処理しておりましたが、IFRSでは、発生時にその他の包括利益で認識しております。その結果、「退職給付に係る負債」が4百万円減少しております。
F. 過年度の減損損失
日本基準においては、固定資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合に、固定資産の帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローを比較し、その結果、帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを上回った場合に限り、回収可能価額を上回る金額を固定資産の減損損失として認識しております。IFRSにおいては、固定資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合に、固定資産の帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を固定資産の減損損失として認識しております。その結果、連結財政状態計算書では「有形固定資産」が15億49百万円減少し、「利益剰余金」が2億11百万円増加しております。また、連結損益計算書では、売上原価が2億11百万円減少しております。
G. 売上収益、売上原価の調整
当社グル―プは得意先から部品を仕入、加工を行ったうえで手数料等相当を仕入価格に上乗せして加工品を当該得意先に対して販売する取引(以下、「有償受給品取引」)を行っております。日本基準では有償受給品取引に係る「売上高」と「売上原価」について連結損益計算書上、総額で表示しております。IFRSでは当該取引を「売上収益」と「売上原価」の純額で表示し、手数料等相当の「売上収益」のみ表示しております。その結果、「売上収益」及び「売上原価」の金額が34億71百万円減少しております。
H. 報告期間の期末日に係る調整
報告期間の期末日が親会社と相違していた一部の連結子会社について、報告期間の期末日を統一し、連結を行っております。その結果、連結損益計算書、連結包括利益計算書の各表示科目の金額に影響があります。
I. 表示組替
主に次の項目について表示組替を行っております。
・日本基準における「投資有価証券」は、IFRSでは非流動資産「その他の金融資産」及び「持分法で会計処理されている投資」に組替表示しております。
・「繰延税金資産」、「繰延税金負債」について、IFRSではすべて非流動で表示しております。
・日本基準では、「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目を、IFRSでは財務関連項目を「金融収益」又は「金融費用」に、それ以外の項目については、「その他の収益」、「その他の費用」でそれぞれ表示しております。
当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っています。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済は、夏からの中国の景気減速懸念に始まり、その後も原油の供給過剰への警戒や12月に行われた米国のゼロ金利解除などから、国際金融市場が不安定な動きを繰り返しました。日本では個人消費や企業の設備投資が堅調に推移しているものの、夏を境に日経平均株価や円相場が乱高下し、景気の先行きに対する不透明感が強まっております。米国では景気拡大が続き、アジア・大洋州地域でもインド経済が成長の勢いを取り戻しましたが、タイでは景気回復が鈍く、中国では経済成長が踊り場にありました。
自動車業界においては、北米では新車販売の伸びが続き、インド市場でも販売台数が増加基調であった一方で、中国の需要拡大のペースは減速傾向にありました。また、日本では消費税や軽自動車の増税の影響から年間の新車販売実績が前年を下回り、タイ市場も低調に推移いたしました。
以上のような環境下、当社グループは、第4次中期事業計画の経営方針である「全世界の競合他社を凌駕する競争力と技術力で、お客様ニーズに最大限にお応えする」に沿って、これまでに培ってきた技術力やグローバル展開を活かし、取引先開拓をはじめとする受注拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度における主な実績といたしましては、生産領域においては、北米ではケー・ティ・エイチ・パーツインダストリーズ・インコーポレーテッド(以下、KTH社)が、能力増強と超高張力鋼板の採用拡大を見据えて進めていた3,000tサーボトランスファープレス機の導入が完了し、9月から稼動を開始いたしました。また、中国では武漢愛機汽車配件有限公司が、今後の生産量の増加と鋼材の高強度化への対応を目的に3,000tサーボトランスファープレス機の導入を進めており、インドにおいてもエイチワン・インディア・プライベート・リミテッドの第2工場(ラジャスタン州)では、プレスラインがまもなく完成し、これによってプレスから溶接工程までの一貫生産体制が整うことになります。日本では生産拠点の再編により経営資源の有効活用を図ることを目的として、戸田工場(埼玉県戸田市)を閉鎖することを決定し、同工場の生産品目を前橋製作所に移管のうえ、本年3月をもって戸田工場での生産活動を終了いたしました。
開発技術領域においては、日本では、製品開発を進めてきた燃料電池スタックの金属セパレーターが主力得意先の新型燃料電池車に採用され、量産がスタートいたしました。これは、自動車フレームの生産で培った当社の精密打ち抜き加工技術(ファインブランキング)と精密金型の製作技術を応用し、セパレーター特有の緻密な形状をプレス加工で安定的に作り出す生産技術を自社開発し、量産化が実現したものであります。また、北米では得意先の現地開発の進展に対して、当社グループも基礎研究から製品設計、各種解析、性能保証までを北米で完結し、得意先の開発ニーズを迅速に汲み取ったうえで、技術提案につなげることを目指して、KTH社に研究開発拠点を新設いたしました。
海外事業においては、持分法適用会社のヒラタ ヤチヨ リーシング リミテッド(以下、HYL社)に関し、当社が保有するHYL社の株式を持分法適用会社のユー ワイ ティ リミテッド(以下、UYT社)に譲り渡すとともに、UYT社は同社の全事業を同業のN Press Assembly Limitedに譲渡いたしました。
以上を受けた当連結会計年度における経営成績は、主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べ増加したことや為替相場の円安による為替換算上の影響などから売上収益は2,002億24百万円(前期比9.4%増)となりました。利益面では、日本では前期に比べ金型取引に係る損益が改善、北米では人件費や減価償却費が前期に比べ増加した一方で金型の収益差額などがあり、中国での生産性改善、アジア・大洋州ではタイの子会社2社とインドネシアの子会社の損益が改善し、売上総利益は200億65百万円(前期比27.2%増)となりました。前期に有形固定資産の減損損失の計上があったことによるその他の費用の改善もあり、営業利益は60億67百万円(前期は営業利益2億7百万円)となり、前期に比べ金融費用が増加した一方、持分法による投資損益が黒字化したことから税引前利益は43億円77百万円(前期は税引前損失7億46百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は23億83百万円(前期は親会社の所有者に帰属する当期損失11億16百万円)となりました。
セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
① 日本
売上収益は、主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて減少したことから451億39百万円(前期比10.0%減)となりました。
税引前利益は、売上収益の減少の影響があったものの、金型取引に係る損益が改善したことや在外子会社からの配当金の受取り、UYT社の事業譲渡に伴う収益などにより12億19百万円(同53.7%増)となりました。
② 欧州・北米
売上収益は、主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べ増加したことや為替換算上の影響があり1,002億38百万円(前期比16.7%増)となりました。
税引前利益は、前期に有形固定資産の減損損失を計上した影響や持分法による投資損益の黒字化、金型の収益差額などから25億60百万円(前期は税引前損失2億89百万円)となりました。
③ 中国
主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて増加したことや為替換算上の影響があり売上収益は394億97百万円(前期比20.9%増)となり、減価償却費が増加する一方、生産性改善効果もあり税引前利益は22億26百万円(同218.8%増)となりました。
④ アジア・大洋州
売上収益は279億7百万円(前期比6.8%増)と微増ながらも、利益面では生産性改善効果があった一方、支払利息の増加もあり税引前損失は5億97百万円(前期は税引前損失11億28百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、税引前利益、減価償却費及び償却費、営業債務の増加、長期借入れによる収入などの資金の増加要因がありましたが、営業債権及びその他の債権の増加、棚卸資産の増加、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出などの資金の減少要因によって、42億69百万円(前期比8億27百万円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税引前利益43億77百万円のほか、前期に比べ減価償却費及び償却費が29億72百万円(25.5%)増加、営業債務の増加32億91百万円(前期は営業債務の減少18億10百万円)などの資金の増加要因により、前期に比べ170億50百万円(274.9%)増加の232億52百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、有形固定資産の取得による支出が前期に比べ82億51百万円(30.6%)減少したことなどにより、前期に比べ77億41百万円(28.7%)減少の192億68百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、長期借入れによる収入が211億円あった一方、短期借入金の純減少額93億52百万円や長期借入金の返済による支出162億35百万円などにより、44億76百万円(前期は212億74百万円の収入)となりました。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりであります。なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2015年3月31日) | 当連結会計年度 (2016年3月31日) | |
資産の部 | ||
流動資産 | 66,362 | 59,390 |
固定資産 | ||
有形固定資産 | 117,400 | 109,520 |
無形固定資産 | 223 | 219 |
投資その他の資産 | 8,791 | 8,692 |
固定資産合計 | 126,415 | 118,432 |
資産合計 | 192,777 | 177,822 |
負債の部 | ||
流動負債 | 69,027 | 62,759 |
固定負債 | 55,136 | 52,346 |
負債合計 | 124,164 | 115,105 |
純資産の部 | ||
株主資本 | 50,933 | 50,432 |
その他の包括利益累計額 | 8,508 | 3,559 |
非支配株主持分 | 9,170 | 8,724 |
純資産合計 | 68,613 | 62,716 |
負債純資産合計 | 192,777 | 177,822 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) | |
売上高 | 185,750 | 201,938 |
売上原価 | 169,127 | 184,737 |
売上総利益 | 16,622 | 17,201 |
販売費及び一般管理費 | 14,389 | 14,671 |
営業利益 | 2,232 | 2,529 |
営業外収益 | 1,487 | 1,555 |
営業外費用 | 2,061 | 2,361 |
経常利益 | 1,659 | 1,724 |
特別利益 | 44 | 454 |
特別損失 | 144 | 324 |
税金等調整前当期純利益 | 1,559 | 1,853 |
法人税等 | 859 | 1,363 |
当期純利益 | 700 | 490 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 407 | 105 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 292 | 385 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) | |
当期純利益 | 700 | 490 |
その他の包括利益 | 6,172 | △5,423 |
包括利益 | 6,872 | △4,932 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | 6,079 | △4,563 |
非支配株主に係る包括利益 | 793 | △369 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) | |
株主資本 | ||
期首残高 | 51,165 | 50,933 |
当期首残高調整 | 613 | ― |
当期変動額合計 | △845 | △500 |
期末残高 | 50,933 | 50,432 |
その他包括利益累計額 | ||
期首残高 | 2,720 | 8,508 |
当期変動額合計 | 5,787 | △4,948 |
期末残高 | 8,508 | 3,559 |
非支配株主持分 | ||
期首残高 | 7,318 | 9,170 |
当期変動額合計 | 1,852 | △446 |
期末残高 | 9,170 | 8,724 |
純資産合計 | ||
期首残高 | 61,204 | 68,613 |
当期首残高調整 | 613 | ― |
当期変動額合計 | 6,794 | △5,896 |
期末残高 | 68,613 | 62,716 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 9,027 | 26,523 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △31,093 | △22,850 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 20,980 | △4,275 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 357 | △274 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △727 | △876 |
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 1,163 | ― |
現金及び現金同等物の期首残高 | 4,580 | 5,015 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 5,015 | 4,139 |
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(連結の範囲に関する事項)
ピー・ティ・エイチワン・コウギ・プリマ・オート・テクノロジーズ・インドネシアは、前連結会計年度において非連結子会社でしたが、重要性が増したことにより、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。
(持分法の適用に関する事項)
ジーワン・オート・パーツ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイは、前連結会計年度において持分法非適用関連会社でしたが、重要性が増したことにより、当連結会計年度から持分法適用の範囲に含めております。
(退職給付に関する会計基準等の適用)
「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 2012年5月17日。以下「退職給付会計基準」という。)及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 2015年3月26日。以下「退職給付適用指針」という。)を、退職給付会計基準第35項本文及び退職給付適用指針第67項本文に掲げられた定めについて当連結会計年度より適用し、退職給付債務及び勤務費用の計算方法を見直し、退職給付見込額の期間帰属方法を期間定額基準から給付算定式基準へ変更するとともに、割引率の決定方法を平均残存勤務期間を基礎に決定する方法から退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用する方法に変更いたしました。
退職給付会計基準等の適用については、退職給付会計基準第37項に定める経過的な取扱いに従って、当連結会計年度の期首において、退職給付債務及び勤務費用の計算方法の変更に伴う影響額を利益剰余金に加減しております。
この結果、当連結会計年度の期首の退職給付に係る負債が9億45百万円減少し、利益剰余金が6億13百万円増加しております。なお、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微であります。
当連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(企業結合に関する会計基準等の適用)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号2013年9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号2013年9月13日。以下「連結会計基準」という。)及び「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号2013年9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を、当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更いたしました。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更いたします。加えて、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組み替えを行っております。
企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(4)、連結会計基準第44-5項(4)及び事業分離等会計基準第57-4項(4)に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首時点から将来にわたって適用しております。
なお、当連結会計年度の営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益に与える影響は軽微であります。また当連結会計年度末の資本剰余金が2億61百万円減少しております。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得関連費用もしくは連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載しております。
当連結会計年度の連結株主資本等変動計算書の資本剰余金の期末残高は2億61百万円減少しております。
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した場合の連結財務諸表における、これらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
A. 金型に係るファイナンス・リース取引
日本基準では固定資産である一部の金型について、IFRSではIFRIC(解釈指針)第4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」に規定される要件を満たすことからリース取引と判断し、IAS第17号「リース」に従いファイナンス・リース取引の貸手として会計処理を行っております。その結果、連結財政状態計算書では「営業債権及びその他の債権」が2億70百万円、「有形固定資産」が84億30百万円それぞれ減少し、「棚卸資産」が44億23百万円、「その他の金融資産」が33億60百万円、「利益剰余金」が5億52百万円それぞれ増加しております。また、連結損益計算書では、「売上収益」が8億39百万円、「売上原価」が18億36百万円それぞれ減少しております。
B. 投資不動産
日本基準において有形固定資産に含めている賃貸等不動産を、IFRSにおいては「投資不動産」と表示しております。
C. 有給休暇に係る債務の調整
日本基準においては認識していない有給休暇に係る債務について、IFRSではIAS第19号「従業員給付」に従い未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、「その他の流動負債」の金額が13億58百万円増加しております。
E. 退職給付の調整
日本基準では、数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務期間内で定額法により費用処理しておりましたが、IFRSでは、発生時にその他の包括利益で認識しております。その結果、「退職給付に係る負債」が4百万円減少しております。
F. 過年度の減損損失
日本基準においては、固定資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合に、固定資産の帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローを比較し、その結果、帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを上回った場合に限り、回収可能価額を上回る金額を固定資産の減損損失として認識しております。IFRSにおいては、固定資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合に、固定資産の帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を固定資産の減損損失として認識しております。その結果、連結財政状態計算書では「有形固定資産」が15億49百万円減少し、「利益剰余金」が2億11百万円増加しております。また、連結損益計算書では、売上原価が2億11百万円減少しております。
G. 売上収益、売上原価の調整
当社グル―プは得意先から部品を仕入、加工を行ったうえで手数料等相当を仕入価格に上乗せして加工品を当該得意先に対して販売する取引(以下、「有償受給品取引」)を行っております。日本基準では有償受給品取引に係る「売上高」と「売上原価」について連結損益計算書上、総額で表示しております。IFRSでは当該取引を「売上収益」と「売上原価」の純額で表示し、手数料等相当の「売上収益」のみ表示しております。その結果、「売上収益」及び「売上原価」の金額が34億71百万円減少しております。
H. 報告期間の期末日に係る調整
報告期間の期末日が親会社と相違していた一部の連結子会社について、報告期間の期末日を統一し、連結を行っております。その結果、連結損益計算書、連結包括利益計算書の各表示科目の金額に影響があります。
I. 表示組替
主に次の項目について表示組替を行っております。
・日本基準における「投資有価証券」は、IFRSでは非流動資産「その他の金融資産」及び「持分法で会計処理されている投資」に組替表示しております。
・「繰延税金資産」、「繰延税金負債」について、IFRSではすべて非流動で表示しております。
・日本基準では、「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目を、IFRSでは財務関連項目を「金融収益」又は「金融費用」に、それ以外の項目については、「その他の収益」、「その他の費用」でそれぞれ表示しております。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02222] S1007YQU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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