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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1001H2H

有価証券報告書抜粋 株式会社エナリス 事業の内容 (2013年12月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社グループは(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社エナリス)、子会社5社及び関連会社1社により構成されております。
当社グループは、「エネルギー情報業」という単一の事業を行っており、発電から消費に至るまでの電力が流通するプロセスにおいて遍在し非効率化しているエネルギー情報を管理・提供することで、これまでエネルギーを自由に取引できなかった電力需要家(電力のユーザー)が最適な電源選択をすることを可能とし、また効率的なエネルギー利用を促進する各種サービスを提供しております。
また、当社グループはこの単一の事業を、PPS(※1)向け業務代行及び需要家向けエネルギーマネジメントサービスを主たるサービスとした「エネルギーマネジメント事業」と、電力卸取引及び電源開発からなる「パワーマーケティング事業」の2つのサービスに区分しております。

サービス区分主なサービス内容
エネルギー
マネジメント事業
① PPS向け業務代行
・設立支援・受給管理業務代行:PPSの設立支援や需要予測、電力調達予定量の事前申告、同時同量範囲逸脱時のバックアップ処理、電力会社送電部門への各種連絡、報告、常時監視、緊急時の対応など、PPSに義務付けられている業務を24時間365日代行する受給管理業務代行を行うサービス。
② 需要家向けエネルギーマネジメントサービス
・「FALCON SYSTEM」販売:企業向けのビルの使用電力の監視や機器の制御を可能とするシステム「FALCON SYSTEM」の販売。
・電力代理購入サービス:複数の電気事業者から比較優位な電力を電力需要家に代わって当社グループが調達したり、需要家が効率的に電力を使用するための各種設備改善、運用改善を行うことで、需要家の使用する電力料金の削減を行うサービス。
パワーマーケティング事業① 電力卸取引
・電力をはじめとしたエネルギー商品の売買及び仲介、電力取引代行。
② 電源開発
・太陽光やバイオマスなど再生可能エネルギーの電気設備企画・設計・施工・建設、発電事業、コンサルティング。

(1)エネルギーマネジメント事業
エネルギーマネジメント事業は電力需要家に最適な電力の調達、効率的な電気利用の実現を目的としたサービスです。空調機器の温度調整や照明機器の間引き等で電力の使い方を見直す運用改善、調達先の変更等で電力料金の単価を削減する調達改善、老朽化した設備等を更新する設備改善のソリューションがあり、電気代の低減と電力需要家の電源選択を可能とします。
① PPS向け業務代行:設立支援・需給管理業務代行
当社グループは、複数の事業所を所有する企業(需要家)を対象に、火力、太陽光、バイオマス、水力、風力、地熱など複数の電源からの最適な電力購入の形態をご提案することで、電力料金を削減するサービスを提供しています。
PPSは需要家へ安定した電力を供給するため、30分ごとに一般電気事業者による託送供給を通じた需要家への供給電量と需要電量のそれぞれの合計値の誤差を需要家と一般電気事業者との契約電力量の3%以内に収めることが必要で、その達成のために需給バランスを常に監視し、必要に応じて発電所の出力をコントロールし、また、需要を調整しなければなりません。当社グループでは全体の負荷を把握して電力の最適調達を行い、誤差3%以内を達成するため、精緻な需要予測、電力調達予定量の事前申告、同時同量範囲逸脱時のバックアップ処理、電力会社送電部門への各種連絡、報告、常時監視、緊急時の対応など、PPSに義務付けられている業務を24時間365日代行し、PPSへ参入する顧客の負担を軽減しています。
当社グループは、多数のPPS事業者の経営、管理、実務まで幅広く業務に携わった経験のある人材を保有しており、その経験を活かし、設立以来複数企業のPPS業務代行を請け負っています。また、導入に必要なシステムを自社で開発し、提供しております。そのため、PPSの設立から運用までを、一気通貫で効果的かつ効率的に行うことができます。
特に、従来は電力小売り事業を目的としていたPPSの制度・スキームを、複数の拠点を持つ企業に応用し、グループ内の個別の需要箇所を一つにまとめて電力供給することで自社グループの電力コストを削減することを目的とする「需要家PPSスキーム」を電力需要家に提案し、それらの立ち上げを支援するとともに業務代行を請け負っております。
当社グループのPPS業務代行の運用面では主に以下のような特徴を持ちます。
・電力需要家がPPSとして登録することにより電力コストを削減することが可能となるスキームを提供(当社グループではこれを「需要家PPSスキーム」と呼んでおります。)
・これまでのノウハウを活かした30分3%同時同量達成のための電力需要予測
・想定需要とバランスするだけの供給電力量を事前に調達し「不足させない、余らせない」ポジション(需給計画)作成
・当社グループの需給管理センターにて、需給バランスの常時監視(24時間365日有人管理)を行い必要に応じて供給電力量あるいは需要量を調整し30分3%同時同量を最適にマネジメント

② 需要家向けエネルギーマネジメントサービス
当社グループでは、企業向けのビルの使用電力の監視や機器の遠隔自動制御を可能とするシステムであるBEMS(当社製品名「FALCON SYSTEM」)の販売を行うとともに、FALCON SYSTEMを基盤とし電力の見える化はもとより、遠隔自動制御による節電や省エネサービス、電力代理購入のサービスを行っております。
当社グループでは2011年よりBEMS「FALCON SYSTEM」の販売を開始しております。このシステムでは電力使用量を監視するだけではなく、機器の遠隔制御を行うことも可能です。また、製品の納入そのものを目的とすることに止まらず、電力需要予測や電力の売買・仲介もサービスとして提供可能な当社グループならではの電力マネジメントサービスを提供することも目的とし、その最初の段階として本システムを販売しており、その後のエネルギーコスト削減の要望にも対応することができます。
当社グループの「FALCON SYSTEM」は主に以下のような特徴を持ちます。
・PPS業務代行の技術に基づく前日需要予測
・PPS業務代行の知識も持つ気象予報士による気象予報
・グループ一括監視により、グループの全体最適管理ができるとともに、各地域、個々の店舗など、管理者の見たい区分で状況を把握することが可能
・自社でシステム開発を行い、また中間コストを極力削減していることにより、価格を抑制
また、エネルギーマネジメント事業による電力コスト削減方法の提供と管理のノウハウ、パワーマーケティング事業による電力の調達力を組み合わせて行うことで、顧客に対し効率的かつ効果的なエネルギーコスト削減のコンサルティングサービスを提供しています。
(a) 電力代理購入サービス
パワーマーケティング事業による電力の調達力を活かし、電力需要家の調達先の見直しを行うサービスを提供しております。部分供給(※2)制度を用いて複数の電気事業者から当社グループが電力需要家に代わって電力を調達し、電力需要家に販売する電力販売事業を展開しています。調達先を見直すことで、電力需要家の使用する電力料金の単価を削減することが可能となります。また、電力需要家が電力を効率的に使用することができるように、適切な設備に更新したり運用の仕方を改善するなど設備改善、運用改善を行うことで、電力料金を抑えます。
(b) デマンドレスポンスサービス
「FALCON SYSTEM」を導入した顧客(電力需要家)に対し、デマンドレスポンスサービス(※3)として、節電に対して対価を支払う新しいサービスを実施しております。これは、電力需要家が節電し、電力会社はピーク電力を抑制することで高コストの発電機の稼働が抑制でき、またピーク対応発電設備の投資コストを抑えることができると考えられ、節電量に応じて需要家に対し、一般電気事業者からの報酬をお支払するものです。当社グループは「FALCON SYSTEM」を取り付けることにより需要家の消費電力量を直接把握し、アグリゲータとして節電の実施を一般電気事業者に報告します。また、一般電気事業者にとっても、複数の顧客を取りまとめ、電力がひっ迫する可能性が高い時に顧客に必要以上の負担をかけることなくまとまった節電量を確保でき、また報酬の支払についてもまとめて当社グループで引き受けることで事務負担も軽減されます。これにより、当社グループは一般電気事業者から業務委託料や節電に対する報酬を受け取ります。
(c) 運用改善サービス
当社グループでは、2012年9月に、省エネ・節電コンサルティングサービスを提供してきたイーキュービック㈱を子会社化し、需要家に対し運用改善のコンサルティングサービスを開始しております。
電力需要家の使用電力量を詳細に取得・分析することで電力利用の無駄を発見し、その改善方法を提案、指導・モニタリングを行うことで省エネを実現します。

(2)パワーマーケティング事業
パワーマーケティング事業は電源の開発、需要家PPS向けの電力の確保、電力トレーディング等を主な目的としたサービスです。
① 電力卸売事業:電力をはじめとしたエネルギー商品の売買及び仲介、電力取引代行
当社グループでは、PPS等に対し安定した電力供給を行うことを主な目的として、電力卸取引事業を行っております。独立系発電事業者から太陽光やバイオマス、小水力などの再生可能エネルギー、大型の火力発電所からの電力を当社グループが調達し、PPSや日本卸電力取引所及び電力が不足している一般電気事業者へ販売するトレーディング事業及び仲介事業を行っております。
特に東日本大震災後、電源調達が困難となる状況では、PPSに対して当社グループから安定した電力供給を行うだけでなく、一般電気事業者に対しても電力供給を行っております。また、当社グループも一般社団法人日本卸電力取引所の取引会員として登録しているため、PPSで使い切れずに余った電力を当社グループで買い取り、売却することも行っております。

② 電源開発事業:再生可能エネルギーの電気設備企画・設計・施工・建設、発電事業、コンサルティング
電源開発事業とは、再生可能エネルギーの電気設備の企画・設計・施工・建設や、発電事業の実施、その一連のコンサルティングを行うサービスです。当社グループで発電所を開発し、販売することも行っております。
当社グループは、再生可能エネルギー電源からの電力をPPS等へ供給するため、再生可能エネルギー施設の開発・発電を行っておりますが、その収益モデルには以下の2つのモデルがあります。

(a) 発電所への投資を行い、当社グループが発電事業を行う事業モデル
当社グループが積極的に投資を行い、発電事業を行います。本発電事業からの電力はPPSへ電力卸取引を行うことを前提としているものであり、電力を確保することによってPPSの開発を行うことも可能となります。主にPPSに対し電力販売することで収益を上げる売電事業です。

(b) 発電所を開発し、事業者へ販売する事業モデル
発電事業を行いたいと考える事業者向けに、当社が発電所を開発・建設して販売することで収益をあげる事業です。さらに、発電開始後の電力買取・売買取引仲介も行います。
開発する発電所は主に太陽光発電所であり、買い手事業者の目的は、発電事業からの安定した売電収入を期待する場合や、グリーン投資減税の特別償却による節税メリットを享受したい事業者です。

当社グループは、バイオマス発電のコンサルティング経験も持ち、再生可能エネルギーの電気設備に関する知識・経験を蓄積しております。
また、太陽光、風力などの再生可能エネルギーは、発電出力が天候の影響を大きく受けますが、当社グループは気象予報業務の許可を受けており、発電量の予測技術を構築しています。この技術とPPS向け業務代行を融合し、再生可能エネルギーの発電量を正確に予測して、PPSの電源として再生可能エネルギーを電力事業に活用できるエネルギーとしています。
現在も需要予測の精度を上げる研究・技術開発を進めており、エネルギー関連施設の管理請負業務も合わせて行うことができます。
当社グループでは、再生可能エネルギーの電気設備の設計・施工・建設から発電後まで、PPS設立等と組み合わせて最適なスキームを企画・提案しております。

(当社グループの事業・サービス開始の経緯及び相互の関連性)
当社グループは、PPS事業者から当該事業に必要不可欠な業務を一括して引き受け、サービスとして提供することを主として事業を開始しました。当初は電力小売り事業を開始したい企業から、事業の立上げのためのコンサルティングサービスの提供、事業開始後の需給管理業務、事業経営に係るコンサルティングサービスなどを提供し、その後、需要家自らがPPSとなって、PPSの仕組みを活用することで、直接発電所や卸電力取引市場から電力を調達し自社グループに供給する、いわゆる「需要家PPS」のサービスの提供を開始いたしました。
需要家PPSの顧客ニーズが高まる一方で、本事業に不可欠となるのが「現物の電力」ですが、多くの発電所はすでに電力会社や既存のPPSと相対で売買契約を締結しており、新規に多くの電力を獲得することは困難な状況でした。また、卸電力取引市場も市場価格リスクを伴うもので、過度に市場に依存するようなサービス提供は避けなければなりませんでした。そこで、当社グループは、主に需要家PPS向けの電力の確保を目的に、新たにパワーマーケティング事業を立ち上げました。本事業では、当社グループのこれまで蓄積してきた電力に係る情報を駆使して、限られた電源を発掘し、当社グループ自らが相対により発電所等から電力を調達してまいりました。また、再生可能エネルギー固定価格買取制度(※4)の開始により、当社グループ自らが再生可能エネルギー電源への投資を行う電源開発事業を開始し、主に再生可能エネルギーの利用消費を志向する需要家PPSへ電力を卸供給する事業を行っております。
また、東日本大震災後、需要家側では電力に対する関心が高まり、また原子力発電所停止に伴う電力不足や電気代の高騰から、効率的な電力利用(特に節電や省エネ分野)への関心が一層強まっています。当社グループではこれらのニーズに応えるべく、震災直後に需要家向けのエネルギーマネジメント事業を立ち上げ、電力の使用状況をリアルタイムに可視化し、計画的な電力利用と節電を実現可能とする「FALCON SYSTEM」を開発しました。現在では電力需要を遠隔制御可能とし、効率的な電力利用を実現するためのサービスを提供しております。

(その他当社グループを特徴付ける事業)
当社グループでは、従来より「愛知県豊田市における『家庭・コミュニティ型』低炭素都市構築実証プロジェクト」への参加、米国でのスマートグリッド(※5)のプロジェクトである「Pecan Street Smart Grid Demonstration Project」に参加するなど、需要予測のノウハウをスマートグリッドで活かす経験も積んでおり、今までの経験を活かしてデマンドレスポンス、ネガワット取引(※6)などのサービスを行い、また再生可能エネルギーの川下間取引を促進し、需要家のエネルギーコスト削減と電源選択の要求を満たしながら、今後ますます求められてくる、全体としてのエネルギー利用の最適化に貢献することができると考えています。


〔用語解説〕
(※1)PPS(Power Producer & Supplierの略):一般電気事業者(電力会社)以外で、50kW以上の高圧電力を必要とする需要家に対し電気の小売り供給を行う事業者。現在は新電力ともいう。
(※2)部分供給:複数の電気事業者の電源から一需要場所に対して、各々の発電した電気が物理的に区分されることなく、1引き込みを通じて一体として供給される形態をいう。
(※3)デマンドレスポンスサービス:顧客にエアコンや照明等の使用頻度を調整することで通常日よりも電力使用量を削減して頂き、その節電分に対するインセンティブを支払うサービス。
(※4)固定価格買取制度:再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度。2012年7月1日より開始された。
(※5)スマートグリッド(次世代送電網):電力の流れを制御し、最適化した送電網。
(※6)ネガワット取引:Negative(マイナス)Wattの略称であり、大口需要家が節電を行う、あるいは自家発電等を稼働させることにより、電力引込量を削減し負荷抑制して頂ける電力、いわゆるネガワットの対価を価格設定し入札する取引。


[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
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沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E27900] S1001H2H)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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