株式会社エフピコ 研究開発活動 (2015年3月期)

(1)基本方針
当社グループの研究開発は、多様化するお客様のニーズにお応えできる簡易食品容器を提供することを基本として、汎用トレー、刺身容器、寿司容器、オードブル容器、耐熱容器、透明容器などの各カテゴリ別に新たな容器及び新素材の開発に取り組んでおります。
当連結会計年度は昨年に引き続き、CO2の削減および原料の高騰に対応した軽量化素材の研究、リサイクル原料を有効活用した素材の研究、高透明・高耐熱などの機能性容器の研究、生産性向上のための成形・押出・金型技術の開発に努めてまいりました。
(2)研究開発の体制
研究開発の体制としては、製品開発部、基礎技術研究室及び生産技術部が各々製品等の改良、開発を担当し他社が追随できない当社オリジナル製品の開発・改良を行っております。当連結会計年度においてはエフピコ総合研究所が完成し、研究開発のための設備面がより一層充実したのみならず、それに従事する人材の育成を図っていく環境も整備されております。
製品開発部は、製品のデザイン等の研究開発を行い、基礎技術研究室は、シート素材の開発、改良を行っております。また生産技術部は、原料からシートを製造する押出技術と、製品を生産する成型技術の改善、改良を行っております。
なお、当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、開発部門の経費を研究開発費として記載しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は、11億5百万円であります。
(3)成果
① 生産技術及び素材
1) 安全性を確保した「トレーtoトレー」および「ボトルtoトレー」PETリサイクルシステムの生産性向上
2) マルチFPシートの成型端材を有効活用した、非発砲シートMSD(マルチソリッド)シートの品種拡充
3) 耐熱耐油性能を備えたPET素材のOPETシートの増産、生産体制の構築
4) 透明性と耐熱性を兼ね備えた「透明PPシリーズ」の透明性の向上、シリーズ商品ラインナップと更なる
低コスト化
② 製品
新製品の開発状況
省資源化の推進とCO2削減はもちろんのこと、軽量化、ロースタック化、電子レンジ適正など市場がどのような機能を求めているのかを重視した製品開発を行ってまいりました。
主な成果としては、以下の製品を上市しました。

1)	寿司、刺身容器では新形状の「いまりシリーズ」、非発泡素材では「鈴音シリーズ」及び立体形状の「京錦シリーズ」を製品化し、高級志向が高まってきた時期に合わせシリーズ化を行いました。 シンプル且つスッキリを追求し食材が主張できる発泡素材の「Sステージシリーズ」の製品化を行いました。製品の強度を損なうことなく、すっきり感の出る形状にすることで中身の見えやすさが増し、食材が更に引き立つものとなっております。
2)	寿司桶に関しては、シンプルで高級感のある角型の桶「江戸桶シリーズ」を非発泡で製品化を行いました。
3)	弁当容器に関しては寿司、刺身で人気のあった形状を使った「弓橋膳シリーズ」、手前から傾斜をつけ立体的な見栄えのする「香織膳シリーズ」、また、洋風でスタイリッシュな形状の「モダンプレートシリーズ」をMFP素材で製品化を行ないました。
4)	丼容器では、MFPシートを使った「かぐら丼シリーズ」の長方形タイプなどのラインナップ化、麺と丼のセットものを人気の高かった形状を用いた「SB葉皿シリーズ」のラインナップを取り揃え丼シリーズの拡充を行いました。
5)	惣菜容器に関しては、汎用性のあるPSP素材で両面真空の「角小鉢シリーズ」の製品化を行いました。 プレート形状の惣菜シリーズとして「MFPグリルシリーズ」の製品化を行いました。ご好評いただいております「PPSAVシリーズ」にラインナップの拡充とともに、ご自宅の電子レンジで気軽にご使用いただける「”蒸せるんです”」の製品化を行いました。
6)	サラダ、麺の双方に使用できる「APルピアシリーズ」の製品化を行いました。
7)	精肉容器に関しては底面に段を設け肉のズレ防止、ボリュームアップ機能を持った「MTDシリーズ」、大型精肉用として「FLJシリーズ」の製品化を行いました。
8)	汎用品のレンジアップでの安全意識の高まりに応じ、フードパックでは、PP素材での「FPフード(PP)シリーズ」のラインナップ化、またフードパックで嵌合機能を持った「PPフード嵌合」シリーズの製品化を行いました。