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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CMFH

有価証券報告書抜粋 株式会社カイオム・バイオサイエンス 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2017年12月期)


研究開発活動メニュー株式の総数等

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のためこれらの見積りと異なる場合があります。

2.財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は4,196,681千円となり、前事業年度末と比較して484,836千円減少いたしました。これは主に、販売費及び一般管理費の支払による現金及び預金の減少によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は222,783千円となり、前事業年度末と比較して115,147千円増加いたしました。これは主に、TC社への出資による投資有価証券の増加によるものです。
(負債)
当事業年度末における負債の残高は201,890千円となり、前事業年度末と比較して22,184千円減少いたしました。これは主に、返済による1年内返済予定の長期借入金の減少や資産除去債務の減少によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は4,217,574千円となり、前事業年度末と比較して347,503千円減少いたしました。これは、当期純損失による利益剰余金の減少が、新株予約権の権利行使による資本金および資本剰余金の増加を上回ったことによるものです。

3.経営成績の分析
当事業年度における売上高は、国内製薬企業とのアライアンス契約に基づく収益の計上等により259,895千円となりました。販売費及び一般管理費は1,062,282千円となり、その主なものは研究開発費592,384千円であります。この結果、営業損失は887,868千円、経常損失は883,627千円、当期純損失は882,570千円となりました。これらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりです。

4.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。


(50音、アルファベット順)
用語意味・内容
アンメットニーズ現状の医療では満たされていない(未充足)ニーズのことです。具体的には、有効な治療法や薬剤がない場合、薬剤があっても使い勝手が悪い、または副作用が強い、一時的に症状を抑えても再発する、時間とともに悪化するような場合、あるいは治療費が非常に高額になるような場合等にアンメットニーズが存在するといいます。
インターナリゼーション細胞表面にあるタンパク質(抗原)の中には、抗原に特異的な抗体が結合すると、抗体とともに抗原が細胞内に輸送される内在化(インターナリゼーション)と呼ばれる現象が起こるものがあります。この性質を利用して、毒性の高い薬剤を抗体に結合させた抗体薬物複合体(ADC)をがん細胞内に運ぶことが可能になります。
幹細胞幹細胞は未分化な細胞で、色々な細胞に分化できる能力と、いつまでも同じ状態で増殖を維持できる能力を持つ特殊な細胞です。
シーズ事業化・製品化の可能性はあるものの、まだ“種(シーズ)”の状態であり、そのままでは顧客に提供できない技術やノウハウのことを指します。企業が活用していなかったり、アカデミアが見出した技術や特許等も含まれ、当社の場合、研究初期段階のターゲット抗原やその候補、抗体等が有力な候補となります。
上市承認された新薬の市場販売が開始されることをいいます。
前駆細胞幹細胞から特定の体細胞や生殖細胞に分化する途中の段階にある細胞のことで、幹細胞よりも分化できる能力が限られています。
前臨床試験医薬品の研究開発において、ヒトを対象とする臨床試験の前に行う試験のことです。動物を用いて、医薬品候補化合物等の有効性や安全性を評価します。非臨床試験ともいいます。
相同組換え相同組換え(相同的組換え)は、遺伝子配列がよく似た部位(相同部位)の間で起こる遺伝子の組換えメカニズムのことをいいます。ニワトリDT40細胞における抗体遺伝子における相同組換えは、抗体遺伝子の多様性を作り出すための仕組みとして機能しています。
探索研究創薬研究の最初の段階として、医薬品の元となる生理活性を持つ物質を探索する研究段階があります。この研究を一般的に探索研究と呼びます。抗体医薬品の研究開発では、ターゲットである抗原について調べたり、様々な方法で抗体を作製したり、リード抗体を選別するための方法を確立したり、抗体の効果を試験管内の実験や予備的な動物実験により確かめたりする初期段階を探索研究と呼んでいます。
導出(ライセンスアウト)特許権やノウハウ等を他者に売却したり実施許諾することをいいます。
導入(ライセンスイン)他者が持つ特許権やノウハウ等を買い取ったり実施許諾を受けたりすることをいいます。
動物免疫動物に抗体を作らせる方法のことです。抗原タンパク質や抗原タンパク質を発現する細胞などを注射すると、その動物の免疫反応により体内に抗原に対する抗体が作り出されます。
特異的抗体ある特定の抗原に結合する抗体です。
トリコスタチンA(TSA)ニワトリDT40細胞にクロマチン弛緩を誘導するために利用する薬剤で、ヒストン脱アセチル化酵素という種類の酵素の働きを阻害する働きがあります。ADLib®システムにおいて、ニワトリDT40細胞の抗体遺伝子組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性を増大させる役割を担う薬剤です。
バイスペシフィック抗体通常、抗体は抗原を認識する部位を2つ持っており、それらは同じ抗原を認識します。それに対し、2つの抗原認識部位がそれぞれ別のターゲット(抗原)を認識するものをバイスペシフィック抗体といいます。


用語意味・内容
パイプライン新薬として開発している医薬品候補化合物等のことを「パイプライン」といいます。創薬研究から臨床開発を経て関係当局の承認を受けるまでの活動を「創薬」と呼び、「創薬パイプライン」とは創薬のいずれかの段階にあるパイプラインのことをいいます。また、創薬パイプラインのうち開発段階に入ったパイプラインのことを、特に「開発パイプライン」ということがあります。
ハイブリドーマ法抗原を免疫した動物から抗体を作り出すB細胞を取り出し、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させて、抗体を作り続ける細胞(ハイブリドーマ)を作製する方法です。
ヒト化抗体遺伝子工学の技術により、マウス等の抗体分子の抗原結合部位をヒトの抗体分子に移植した抗体。マウス等由来のアミノ酸配列は全体の5%ほどで、残り95%はヒト由来のアミノ酸配列となるため、ヒトに投与した場合に異物として認識される可能性が軽減されます。
ファースト・イン・クラス一般的には、その作用機序の医薬品の中で市場に最初に登場した医薬品を指します。類似薬がないことから高い薬価と高い売上が期待できます。抗体の場合は、あるタンパク質(抗原)をターゲットとする初めての抗体医薬をファースト・イン・クラス抗体と呼びます。ファースト・イン・クラス抗体のターゲット抗原の候補は、潜在的なものも含めてアカデミアを中心とした様々な疾患研究の中に多く存在していると考えられます。当社ではそうした抗原をターゲットとすることで、これまでにない医薬品候補抗体の開発を目指し、治療充足度が十分でない疾患の治療に貢献します。
ベスト・イン・クラスファースト・イン・クラスは、市場に最初に登場した医薬品のことをいいますが、その後にファースト・イン・クラスの欠点を補うような改良が行われます。他の既存薬に対して明確な優位性を持つ薬をベスト・イン・クラスと呼びます。
マイルストーン導出後の臨床試験等の進捗に伴い、その節目(マイルストーン)ごとに受領する収入のことをいいます。
免疫化学的アッセイ生物材料を用いて行うバイオアッセイ(生物化学的実験)の1つであり、特に抗体を用いて行う分析手法をいいます。抗体が抗原に対して特異的に結合する性質を利用し、抗原であるタンパク質や低分子を検出・定量する方法(ELISA等)や、生体内の局在を調べる方法があり、創薬研究や臨床検査、環境調査などに応用されています。
免疫寛容特定の抗原(例えば、自身の体の構成成分やそれに似ているもの)に対して免疫反応が起こらない状態をいいます。
免疫チェックポイント阻害剤いわゆる免疫療法の一種です。最近話題になっているこの治療薬は、これまでの免疫療法では免疫細胞の攻撃力を高める、アクセルを踏む働きが中心であったのに対し、例えばがん細胞によって免疫細胞にかけられたブレーキを外す働きをもっています。従来の治療法では効果が十分見られなかった患者様にも治療効果をあげることに成功しています。
免疫反応生体に侵入してきた異物を排除する生体反応のことをいいます。
モノクローナル抗体単一の抗体産生細胞から得られた抗体のことをいいます。モノクローナル抗体は1つの抗原にのみ結合し、また結合する場所が決まっているため、均一で再現性の高い抗体になります。そのため、抗体医薬品の多くは、モノクローナル抗体が使われています。当社では、ADLib®システム、ハイブリドーマ法、B Cell Cloningによりモノクローナル抗体を取得することができます。
ライブラリADLib®システムでは、多種多様な抗体を産生する細胞集団のことをライブラリと呼びます。ライブラリに含まれる細胞が産生する抗体の種類が多いほど、目的に合った抗体を取得できる確率が高くなります。当社では、トリライブラリ、マウスキメラライブラリ、ヒトライブラリを所有しており、顧客ニーズに合わせてライブラリを選択し、抗体作製を行っています。


用語意味・内容
リード抗体医薬品の候補となる抗体のことです。
臨床試験臨床試験には、少数の健康な人を対象に、薬の安全性と薬が体内に入ってどのような動きをするのかを明らかにする第1相試験(フェーズ1)、比較的少数の患者さんに投与し、薬の効き目、副作用、使い方を調べる第2相試験(フェーズ2)、並びに多数の患者さんに薬を投与し効果と安全性を確かめる第3相試験(フェーズ3)の3段階があります。初期臨床試験は第1相試験のことを指します。
ロイヤルティ製品が販売(上市)された後に、その販売額の一定比率を受領する収入のことをいいます。
ADC抗体薬物複合体(Antibody drug conjugate)のことを指します。例えば、悪性腫瘍の細胞表面だけに存在するタンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に毒性の高い薬剤を結合させると、そのADCは悪性腫瘍だけを死滅させることができます。このため、比較的副作用が少なく効き目の強い薬剤となる可能性があります。
ADLib®(アドリブ)システムニワトリのB細胞由来のDT40細胞の持つ抗体遺伝子の相同組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性を増大させたライブラリを作製し、そのライブラリから特定の抗原を固定した磁気ビーズを用いて目的の抗原に結合する抗体産生細胞を取り出す仕組みです。理研で開発された技術で、当社はその独占的な実施権を保有しております。既存の方法に比べ、迅速性に優れていることおよび従来困難であった抗体取得が可能であること等の点に特徴があると考えております。
B細胞リンパ球の1種で骨髄由来の細胞です。抗原の侵入に応答して増殖し、抗体(免疫グロブリン)を生産する細胞へと分化して抗体を産生します。
B Cell Cloning抗原をトリやマウスなどの実験動物に免疫した後、その動物からB細胞を含む脾臓やリンパ節を取り出し、目的の抗原に結合する単一のB細胞を選択(クローニング)する手法のことです。ハイブリドーマ法と異なり、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させる工程を省くことができます。
DT40細胞ニワトリのファブリキウス嚢(鳥類に特有な一次免疫器官)から取り出され、がん遺伝子の導入により不死化されたB細胞の1つです。このDT40細胞株では抗体遺伝子の相同組換えが高頻度で起きることが知られており、当社ではさらに薬剤により抗体遺伝子組換えを人為的に誘導して、多様な抗体を産生する細胞集団(ライブラリ)を作り出しています。これがADLib®システムの技術の基になっています。
ELISAELISA (Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay) は、抗体が抗原に特異的に結合することを利用し、溶液中に含まれる目的のタンパク質の濃度を検出・定量する方法です。様々な抗体作製技術により抗体を取得した際に、抗原に特異的に結合する抗体を産生する細胞を選別するために使用されます。

研究開発活動株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E26096] S100CMFH)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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