有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G86Y
株式会社サン・ライフホールディング 事業等のリスク (2019年3月期)
本項に記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確定要素を内在、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
1.当社グループの事業内容について
当社グループは、婚礼・宴会を中心とするホテル事業(ホテル・ブライダル事業)と、葬儀を中心とする式典事業(葬祭・法要事業)を行っており、当社の連結子会社である株式会社サン・ライフが主体となって当該事業を推進しております。
当社の連結子会社である株式会社サン・ライフメンバーズ他1社(以下「同社等」)は、メンバーズシステム(互助会)事業を行っております。この互助会事業は、割賦販売法により「前払式特定取引(注1)」として規定され、経済産業大臣の営業許可が必要とされております。この許可に基づき、同社等は互助会加入への募集活動を行い、互助会の加入者(以下、「互助会加入者」という)と、互助会契約(株式会社サン・ライフメンバーズ契約約款等)を締結し、互助会加入者より毎月一定の月掛金の払込みを受け、当社グループはそれらを連結貸借対照表に「前払式特定取引前受金」として固定負債に計上しております。原則として掛金全納後、互助会加入者は冠婚葬祭の施行請求の権利を得て、同社等は冠婚葬祭の施行義務を負うこととなります。2019年3月期末における前払式特定取引前受金の金額は26,871百万円となっております。
同社等は株式会社サン・ライフと施行の斡旋契約を締結し、株式会社サン・ライフに互助会加入者の施行斡旋を行っております。株式会社サン・ライフは、この斡旋の対価として冠婚葬祭売上の12%を斡旋手数料として同社等に支払っております。この料率は、同社等が割賦販売法第20条の2第1項第1号、割賦販売法施行規則第124条第1項において経常収支率100%以上の規制を受けているため、両社の採算を勘案して過去において数パーセントの幅で変更を行っており、今後においてもこの料率は変更される可能性があります。
また、同社等は、互助会加入者と取り交わした互助会契約が、期限の定めがなく、長期に渡る契約行為であるため、株式会社サン・ライフの施行履行を将来ともに担保させるため、株式会社サン・ライフに対して保証金16,709百万円を差し入れております。
2019年3月期において、当社グループが施行した冠婚葬祭のうち、互助会加入者の施行請求による件数は3,186件、4,386百万円であり、当社グループの売上高全体の35%を占めております。互助会事業は、当社グループの営業収入を確保する重要な基盤であり、当社グループは今後とも当該事業を推進し、互助会加入者の増加及び会員から受け取る前受金の残高増加に努める方針でありますが、互助会からの退会者の増加等、何らかの理由により互助会事業の推進がうまくいかなかった場合には、当社グループの事業展開、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(注1)前払式特定取引とは2ヶ月以上かつ3回以上にわたって会費等の名目で前払金を払うことによって、商品や政令で指定されたサービスの提供を受ける取引の形態であります。
(注2)互助会加入者の施行申し込みは、直接施行会社である株式会社サン・ライフに申し込まれる場合があります。
2.法的規制について
(1)割賦販売法の規制について
当社の連結子会社である株式会社サン・ライフメンバーズ他1社の冠婚葬祭互助会事業は「割賦販売法」で前払式特定取引業として同法の適用を受けることになっております。
同法は、前払式特定取引の営業を経済産業大臣による許可制としているほか、事業者は同法の定めにより営業保証金の供託、前払式特定取引前受金の保全義務、財産及び収支に関する報告書の提出、契約約款を変更した場合の届出等を行う必要があります。現時点において株式会社サン・ライフメンバーズ他1社は割賦販売法上の改善命令等、法的処分を受けた事実はありませんが、仮に現在の法的規制及びその運用が変更され、それによって収支率等の改善を図る必要が生じた場合、何らかの理由により同社等の事業の許可が取り消し、または停止された場合、あるいは当該法規制が改正・強化され、その対応のために新たな費用負担が発生した場合等には、当社グループの事業展開、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。なお、主な規制内容は以下のとおりであります。
①前払式特定取引前受金の保全義務
毎年3月末、9月末の互助会会員より徴収した掛金(前払式特定取引前受金)残高の2分の1に相当する金額について保全措置の義務があり、法務局への供託(現金及び国債等)又は保証会社等と前受業務保証金供託委託契約を結ぶことにより保全措置を講じることとなっております。
②前払式特定取引前受金に関する規制
経済産業大臣は事業の健全な推進と消費者保護の立場から、事業者の財産状況及び収支状況の目安として、経常収支率、流動比率、純資産比率(注1)が、割賦販売法施行規則の定める基準値を下回る場合、事業者に対して前払式特定取引の契約締結の禁止命令及び必要な改善命令を出すことが出来ることとなっております。また、割賦販売法上の法的規制の運用は所轄官庁である経済産業省により行われ、諸般の事情により随時変更・撤廃される可能性があります。
(注1)経常収支率、流動比率、純資産比率は割賦販売法施行規則に定められた算出方法によるものです。
(2)霊柩運送に関する規制について
当社の連結子会社である株式会社サン・ライフの式典事業の一部である霊柩運送に関しては、「一般貨物自動車運送事業(霊柩)」として、貨物自動車運送事業法の規制を受けております。霊柩運送に関する規制の内容は、運送の客体、その方法等が他の貨物運送と異なるため、営業区域、霊柩車の保有台数等に制約があります。このため、株式会社サン・ライフの霊柩運送の営業区域は東京都及び神奈川県となっております。(東京都及び神奈川県以外においても霊柩運送を行う場合、当該地域の霊柩運送事業者の霊柩車を使用する必要があります。)したがって、何らかの理由により当該法規制が改正・強化され、その対応のために新たな費用負担が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)食品衛生法に関する規制について
当社グループは飲食業を営む関係上、食品衛生法の規制を受けております。食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害の発生防止、並びに公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的としており、食品等事業者は、食品衛生責任者を置き、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県知事の許可を受ける必要があります。また、食中毒を起こした場合等、食品衛生法の規定に抵触した場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等の処分を命じられることがあります。当社グループは引続き食中毒等の防止に努めていきますが、万一、何らかの衛生管理上の問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3.人口動態による業績への影響
国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(2017年推計)』によると、全国18歳から34歳の人口は、2017年の21,947千人から2027年には20,128千人まで減少すると推計されております。一方で、65歳以上の人口は2017年の35,163千人から2027年には36,840千人、2037年には38,391千人まで増加すると推計されております。
上記推計から、当社の対象となる年齢構成において、ホテル事業における主利用者の対象年齢である18~34歳の減少傾向に対し、式典事業における65歳以上の人口は増加傾向にあります。
このように当社グループの事業はホテル事業、式典事業共に将来の人口動態により、業績に影響を受ける可能性があります。
・18~34歳、65歳以上人口推移
(単位:千人) | |||
年齢 | 2017年 | 2027年 | 差異 |
18~34歳 | 21,947 | 20,128 | △1,819 |
65歳以上 | 35,163 | 36,840 | +1,677 |
(総人口) | 126,532 | 121,240 | △5,292 |
(注)国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(2017年推計)』より抜粋。
4.施設の開発による業績等への影響
当社グループは、今後とも積極的な営業施設等の新設に努めてまいります。その際の交渉過程で、採算性以外にも周辺住民との交渉が難航する場合、または理解が得られない場合には、営業施設の建設の遅れ等から当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.競合他社について
当社グループの行う事業、領域において、従来から競合関係にあった企業のみならず昨今では他業種からの参入も見受けられます。
今後、競争の激化による当社グループの市場シェアや価格競争による販売価格の下落は、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
6.顧客情報の管理について
当社グループは、冠婚葬祭及び互助会事業等、その事業特性上、多くの顧客情報を取り扱っております。
当社の子会社3社が、財団法人日本情報処理開発協会の定める「プライバシーマーク制度」の認定事業者となるなど顧客情報の管理には十分留意しております。当社グループは引続き顧客情報の管理に努めていきますが、万一何らかの顧客情報管理上の問題が発生した場合には、その後の事業展開、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
7.当社代表取締役会長の兼任について
当社代表取締役会長竹内惠司は社会福祉法人惠伸会の理事長、並びに学校法人鶴嶺学園の理事長を兼任しております。社会福祉法人惠伸会は特別養護老人ホーム「サンレジデンス湘南」等を運営しており、学校法人鶴嶺学園は福祉、ウェディング、葬祭の専門学校(計3校)を運営しております。竹内惠司は理事長の職にありますが、月例の理事会に出席する程度であり、当社の代表取締役としての業務執行の機動性が損なわれている状態にはないものと考えております。当社グループと両法人との間には、2019年3月期において以下の取引があります。
種類 | 会社等の名称又は氏名 | 住所 | 資本金又は出資金 (千円) | 事業の内容又は職業 | 議決権等の所有(被所有)割合(%) | 関連当事者の関係 | 取引の内容 | 取引金額 (千円) | 科目 | 期末 残高 (千円) |
主要株主(個人)・役員及びその近親者 | 竹内恵司 | 神奈川県 平塚市 | ― | 当社取締役社会福祉法人恵伸会理事長 | (被所有) 直接3.14 間接37.87 | 当社施設の利用 | 当社施設の利用(注1) | 733 | 売掛金 | 361 |
温泉供給サービス | 温泉供給サービス | 720 | ― | ― | ||||||
当社取締役 学校法人鶴嶺学園理事長 | 当社施設の利用 | 当社施設の利用(注1) | 1,564 | 売掛金 | 748 |
取引条件及び取引条件の決定方針等
(注) 1 社会福祉法人惠伸会(特別養護老人ホーム等運営)・学校法人鶴嶺学園(専門学校運営)との取引であり、市場価格を勘案して一般取引条件と同様に決定しております。
2 上記金額のうち、取引金額は消費税等を含んでおりません。
なお、当社グループは有料老人ホーム事業(シニア向住宅及び要介護者向住宅事業)を行っております。当該事業は社会福祉法人惠伸会の運営する特別養護老人ホームとは、社会福祉法人の設立目的、法令その他行政上の規制等の観点及びターゲットとしている顧客の違い等の理由により、競合は発生しないものと考えておりますが、万一、社会福祉法人惠伸会の運営方針の変更・追加等が行われ、競合が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
8.顧客のライフスタイル・顧客ニーズの変化について
当社グループの主たる事業であるホテル事業及び式典事業は、顧客のライフスタイルの変化の影響を強く受けます。近年の婚礼では、独自性の強いもの、簡素化されたもの、参列者を少数に絞ったもの、あるいは結婚式を施行しないもの等があるほか、葬祭においても近親者のみで行い規模を縮小するもの等、多様な形態で施行されております。当社グループが、これら顧客のライフスタイルまたはニーズの変化にうまく対応できず、適時に的確な企画・提案・施行等ができなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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