株式会社シベール 対処すべき課題 (2015年8月期)

わが国は、今後急速に老齢化が進み、人口が減少することが予想されております。また、お中元やお歳暮の習慣がこの数十年で大きく廃れていることが報じられており、その傾向は、さらに強まることが予想されております。
国内の「食」とその「贈り物」の分野に事業基盤を置き、「日本の食卓の情景、ゆかしい贈り物の風習を豊かで創造的なものにする」ことを社是とする当社の経営環境は、より厳しくなっていくものと考えられます。
このような経営環境下で、当社は企業基盤の強化のために、以下の諸施策を推進していく所存です。
将来を見据え、(1)過去の延長線上からの脱却、(2)損益分岐点引き下げのための構造改革、(3)社員の経営参加に向けた風土作り、の方針の下、一つひとつ改革を実施して参ります。具体的には、従来の商品別の事業部制を廃止し、営業本部・生産本部・管理本部の機能別組織体制に移行させます。同時にスタッフ機能を充実させ、組織総合力の向上を図ります。また、人財を最も貴重な「オフ・バランス資産」と認識し、その育成に注力すると共に、会社の目標と個人の目標がリンクした人事考課制度を導入して、社員のモチベーションと経営参画意識を高めて参ります。
営業戦略においてもゼロベースで見直し、新しい取り組みを行って参ります。具体的には、「ラスクのふるさとやまがた・とうほく」をテーマに、東北を代表する銘菓としての存在を際立たせて、企業向け需要の掘り起こしなど、従来の販売ルートに拘らず果敢に挑戦して参ります。東北では仙台市場の拡大に向けて取り組みを強化すると共に、東北の素材を中心にして「地産地消」「地産他消」を推し進め、東北から全国に元気を発信して参ります。
更には、国内に留まらず海外市場にも目を向けた取り組みを開始致します。
また、CS向上施策として、「東北地区で笑顔の接客NO1」の店舗を目指し、シベールのサービスの基本精神である「自分がして欲しいことを、お客様にしてあげること」の実践を行います。
食品製造販売を営む企業にとっては、「安全・安心」の商品提供は何よりも優先する課題です。全社員が常に緊張感を持って対処するよう、啓蒙・点検・マニュアルの遵守に努めて参ります。食品表示法の改定についても、全社員に理解を徹底するべく取り組みを強化して参ります。
企業の永続的発展が地域社会への貢献の唯一の道です。その為に「シベールファクトリーパーク」の更なる充実を図り、企業メセナと相俟ってお菓子文化と芸術文化を融合させ、日本に2つとない複合施設の存在を更に際立たせて全国から集客致します。お客様とのインテリジェンスの交歓により、生活文化の向上と企業のプレゼンスを高め、他社との差別化戦略を強化して参ります。
「ラスクのフロントランナー」としての誇りを胸に、シベールのビジョン・理念を大切にしながら企業価値の向上に努め、お客様満足を永続的に提供することにより、社会的責任を果たせる会社を構築して参ります。