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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10078MN

有価証券報告書抜粋 株式会社シマノ 研究開発活動 (2015年12月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは「人と自然と道具の美しい調和」を目指し、基礎的な研究開発から製品化および生産技術分野まで幅広く研究開発活動を行っております。また、海外におきましても、Shimano(Singapore)Pte.Ltd.を核として、製品化および生産技術分野の研究開発活動を積極的に行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は11,793百万円(消費税等は含まず。以下同じ)であり、各セグメント別の主要な成果は以下のとおりであります。

(1)自転車部品

当セグメントにおける研究開発の目的は、自転車に乗る人の喜びを追求する事であります。
自転車の走行性能の向上を図ることは勿論、操作性の向上によって乗り手を精神的・肉体的ストレスから解放する「ストレスフリーコンセプト」を追求し続けています。
また、自転車市場の拡大と活性化の為に、人と自転車の関係に新しい価値を創造する提案活動を展開しています。各国で自転車道の整備が進む現状からも見ることが出来るように自転車を取り巻く環境は追い風と言えます。健康志向と相まって、移動手段としての見直しや、都市交通整備計画にも自転車の利用が過去にもまして重要視されています。市場の変化を鑑みながら、新たな市場価値を提供し続けています。
なお、当セグメントに係わる研究開発費は8,777百万円であり、主な成果としては、以下のとおりであります。
① MTB分野においては、クロスカントリー用コンポーネンツ「DEORE XT」シリーズのフルモデルチェンジを行いました。リアドライブ系統は11段のワイドギアに、フロントドライブ系統も変速機の仕組みを変更することで、より軽く素早い変速とリズミカルなペダリングが可能となりました。
ミドルグレード「ACERA」シリーズのフルモデルチェンジを行い、上位モデル譲りの最新技術を投入して幅広い市場のニーズに応えながら市場の活性化に貢献しております。欧州市場で絶大な人気のトレッキングバイク用の仕様も新たにフルモデルで展開しました。
また、エントリーグレードの「TOURNEY」シリーズではクランクセット及び前後変速機に新モデルを投入し、高いスポーツ性能を普及価格帯にまで展開する事で、MTBの魅力をさらにアピールし市場の拡大を図ってまいります。
② ロードバイク分野においては、ミドルグレード「Tiagra」のフルモデルチェンジを行い、上級グレードへの登竜門モデルとして様々なアマチュアレースや乗り方の進化をサポートしています。
加えて急成長しているロードバイク市場の油圧ディスクブレーキの展開でも市場を積極的にリードしています。
③ シティーライド分野においては、世界的に需要が増加しているE-Bike(電動アシスト自転車)に対応するための「SHIMANO STEPS」を最大の市場であるヨーロッパに続き、北米にも投入しています。走行時での人力に対してモーターのスムーズなアシストに加え、特に登り坂、向かい風で求められるスムーズな変速のための電子制御システムの開発と投入は、この分野でも乗り手に対するストレスフリーを提案しています。

(2)釣具

当セグメントにおける研究開発は、基本性能の向上と新機能の実現を目指すと共に、感性を具現化するテクノロジーを追求しております。
なお、当セグメントに係わる研究開発費は2,983百万円であり、主な成果としては、以下のとおりであります。

リール
① 磯釣用レバーブレーキリールの最高峰「BB-Xテクニウム」シリーズを開発しました。
開発コンセプトは「異次元の逆転フィーリングをもつレバーブレーキリール」です。
磯釣用のレバーブレーキリールは大きな魚が掛かった時に素早くレバーを引いてローターを逆転させてラインを出しますが、従来はこの逆回転時にローターと共にハンドルも同時に逆回転してしまい、ライン抵抗やリールのブレは避けられないという課題がありました。新しい「BB-Xテクニウム」はこの課題を解決するために「SUTブレーキ」機構を採用し、ローターの逆転時にハンドルが回らない理想的な逆転性能を有する事が可能になりました。また、ドライブギアには冷間鍛造の「HAGANEギア」、ボディにはマグネシウムの「HAGANEボディ」を採用し強度や剛性においても大幅アップを達成しています。もちろん「コアプロテクト」の防水構造も装備しています。

② 高級スピニングリールとして「ヴァンキッシュ」シリーズを開発しました。
開発コンセプトは「軽さと剛性を極めた高級スピニングリール」です。
第一の特徴は軽量、低慣性、高剛性の新開発「NEWマグナムライトローター」の採用です。従来ローターの部品配置を一から見直し非常に軽量かつ高剛性のローターを開発しました。この「NEWマグナムライトローター」の採用でローターの慣性力は従来製品と比較して14%軽減し剛性は最大30%アップしています。第二の特徴は2014ステラに採用され大きな話題となった「マイクロモジュールギア」の採用です。これらの採用でリールを巻くフィーリングは従来のリールでは考えられないくらい軽くシルキーにすることに成功しました。
また、ボディにはマグネシウムの「HAGANEボディ」を採用する事で剛性が非常に高くなっています。更に、新開発のカーボンハンドルや防水構造の「コアプロテクト」など多くの新機構をふんだんに採用しています。
③ バス用ベイトリールとして「NEWアンタレスDC」を開発しました。
アンタレスシリーズはシマノバスベイトリールの最高峰機種で、今回の開発コンセプトは「最高の遠投性能を持つ最高のバスベイトリール」です。
遠投性能の面ではまず「デジタルコントロール(DC)ブレーキ」システムの大きな進化が上げられます。「DCブレーキ」はマグネットブレーキや遠心力ブレーキと違い必要な時にだけブレーキを掛ける事が出来る唯一のブレーキシステムです。1/1000秒単位でスプール回転を計測し最適なブレーキを掛ける事が可能となる「NEW4X8DCブレーキ」を採用することにより今までにない遠投性能をバックラッシュなしで達成する事に成功しました。また、飛距離と大きな関係があるスプールには新開発「NEWマグナムライトスプール」を採用しました。このスプールは従来技術的に不可能と言われていたスプールの側面にブランキングする(穴をあける)ことに成功したことにより従来製品より慣性力を12%軽減することができました。「DCブレーキ」と「NEWマグナムライトスプール」の採用で実投テストにおいては過去最高の109mを記録しています。
もちろん、ギアシステムには「マイクロモジュールギア」、ボディにはマグネシウムの「HAGANEボディ」を採用し、回転フィーリングや剛性においても最高の性能となっています。

ロッド
① シマノで初めての開発となるオリジナルガイド「X GUIDE」を搭載した磯竿を発表しました。
調子及び糸絡みなどの機能に大きな影響を与える先端から5ヶ所のガイドに「X GUIDE」を搭載しました。トップガイドはチタンの鍛造で、それ以降のフリーガイドは軽量カーボン素材CI4+の射出成型によって製造されています。鍛造技術及び射出成型技術を採用することによる一体成型品は造形の自由度が高まり、従来のガイドよりも体積が小さく、また軽量化が可能になりました。メリットは竿との段差が極力少なくなる造形ができたことと、ガイド自体が角のない丸みを帯びた形になっているので、道糸のガイド絡みを極限まで押さえることです。
また、軽量でコンパクトにすることにより穂先が軽量になるので、振り感の向上及び低慣性による穂先のブレ低減にもつながっています。
最近のトレンドである遠投釣法では、穂先のブレを抑えることは魚のアタリをより明確に出せることにつながるので、釣果アップに結びつく機能として、市場から高い評価を得ています。
② 近年釣り味に重きを置いたラインナップを展開している中で、久しぶりに機能性を重視したへら竿「皆空」を開発しました。
開発コンセプトはへらの活性の高いハイシーズンに「釣り込める竿」です。
「変則的な継数」すなわち継数を増やすことにより、キレ感とリフティングパワーを向上させ、強引に魚を浮かせることができる理想の調子を追求しました。また穂先に無垢材を使用することにより、硬いながら振り込める調子を実現させ、競技会などの手返し重視の釣りで非常に高い評価を得ています。握りの組みひもが後端まで回り込んだ形状で尻栓部のエッジから手のひらを守る「しっとり綾織握りⅡ」を新開発しグローブなしでもしっかり握れ、すでに各トーナメントで優勝竿としての実績を着実に積み上げ、コンセプト通りの竿に仕上がっていると市場から高い評価を得ています。

フィッシングギア
① 磯釣種に特化したネクサスシリーズから、秋冬モデル最高峰の防寒着「RB-111N」を発売しました。STRV+10の最高の保温力でありながら、前モデルの「RB-111L」より10%の軽量化を両立し、ハードな使用環境にも耐える高い耐久性、動きに追随する機動性、更に力強い高級感のあるデザインを兼ね揃え、コアな磯アングラーから高い評価を得ています。
② ルアー釣種に特化したXEFOシリーズでは、これまでにないベンチレーションを配置したレインジャケット「RA-22JN」やパンツ「RA-22PN」を春に発売しました。大きく開放するベンチレーションは風抜けが良く、効果的に内部のムレを解放します。それに加えて、軽量コンパクトになるゴアテックス®パックライト2.5レイヤーを採用した素材面やパンツに内蔵している膝つき時の痛みを軽減する膝パッドを採用した機能面がルアーマンから好評を得ています。
③ 幅広いアングラーに向けたシマノシリーズでは、秋冬モデルの防寒着「RB-025M」で新鮮なデザインを提案し、魚を取り込む際の情景をイメージしたプリント柄のブレイルアクア、ブレイルフォレストカラーが人気を得ています。また、新開発した生地を採用したジャケット「JA-091N」やパンツ「PA-096N」は、釣りならではの汚れを拭き取りやすい素材への評価が高く、へら釣り師から好評を得ています。

④ 磯のフラッグシップモデルであるLIMITED PROシリーズのロッドケース「RC-111N」と磯クール「BA-112N」を秋冬に発売しました。キズつきにくいタフな防水素材を採用した高い耐久性、担ぎやすい特殊滑り止めを採用したショルダーパッドや手入れしやすい防水ベルトを採用した機能性、また力強い高級感のあるデザイン性を兼ね備え、コアな磯アングラーから高い評価を得ています。
⑤ 鮎用では、フィットウェーダー「WA-034N」を発売しました。パターンの見直し、無縫製製法の採用、ストレッチ性の高い材料を選定し、従来品よりも動きやすくなっています。また、防水性能を確保する為に、従来、厚み3mm以上の材料を使用していましたが、2mmの厚みでも防水性を確保することを実現し、真夏使用でも蒸れ感が軽減したことで、鮎釣り師から好評を得ています。
磯用では、高価格帯の磯用シューズ「FS-175N」を発売しました。擦り減ったソールをスピーディーに交換できるジオロックソール、透湿防水性能に優れたゴアテックス®ブーティーと着脱がスピーディーで自在なフィット感を得られるBoa®Ghilliesを採用し製品化したことで、コアな磯アングラーから磯場での求められる機能を網羅した製品として認知されました。
⑥ 進化の限界と思われていた鮎ダモですが、ハンドル部分にアルミパイプを採用することにより、流水抵抗を約30%カットという新たな提案ができました。その「鮎ダモLIMITED PRO」は見た目のインパクトだけではなく、見た目から分かる機能が両立した商品として非常に注目されています。複合ラインにおいては、日釣工線径基準を遵守した「メタゲームⅡ」、「メタマグナムⅡ」、「メタキング」をリリースしました。その中でも「メタキング」は驚くほどの細さと強さが市場で評判になっています。また、完全仕掛けにおいては、2015年シマノジャパンカップで優勝した小澤剛氏モデルである「LIMITED PRO完全仕掛けMETAMAGNUM TYPE-T」をリリースします。トーナメントだけでなく実用面においても良く考えられており、トラブルが起きてもすぐに元通りにできるなどアイデア抜群の仕掛けでこれからの主流になると思われます。更には気の利いた小物「引舟アンカーX」です。これは休憩の際に引舟が河原に流されないよう岩や草木に引っ掛ける小物で、釣っている時には腰にぶら下げています。よって、邪魔にならずここぞと言うときにしっかりと機能を発揮し且つ壊れない必要がありますが、この「引舟アンカーX」は全てにおいて合格点を得ておりイベント会場でも人気の商品となっています。
⑦ ルアー市場で最も大きなバスカテゴリーに「Bantam」シリーズのルアーをロッドとともに上市しました。年末より精力的な販促活動を行い、フィッシングショーでも大きな話題になった新製品6機種を皮切りに、今後も継続的に新製品を追加します。バスルアー開発のために新たに導入したルアー工房(ルアーのためだけの試作、開発および塗装の設備)をフル活用し、ソルトルアーでは基礎開発による付加価値の提案ができました。その一つ目は優れた遠投性と軽快な泳ぎの「XAR-C」システム搭載のシーバスプラグです。二つ目は昨年上市したタングステンコンポジット構造のメタルルアーで、鯛カブラの「炎月」シリーズとメタルジグに広く展開し、根がかりしやすいため価格競争になりがちなメタルルアー市場において、中~高級モデルの市場拡大に成功しつつあります。
⑧ 今期は2種類のクーラーアイテムを投入しました。
一つ目は「FIXCEL LIGHT GAMESPⅡ」です。発売から7年目にして主力のFIXCELシリーズを昨年モデルチェンジし、ハンドルと肩ベルトが同時に付くように改良しました。アクセサリー付クーラーは、ネジを打たずに装着できる共通ベースで継続展開し、特にルアーマンに今年も好評をいただいています。
もう一つは「SPA-ZA25Lキャスター」です。「SPA-ZA25L」の中型サイズにキャスター付きを全グレードに展開し、関東の電車釣行、駐車場まで遠い港での運搬や長い防波堤での釣りで支持を得ています。

(3)その他

当セグメントでは主にロウイング関連用品等の開発を行っております。
なお、当セグメントに係わる研究開発費は32百万円であります。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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