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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LRLK (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社ジャパンディスプレイ 事業等のリスク (2021年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

当社グループでは、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、「事業活動リスク」「財務リスク」「経済リスク」「自然・事故災害リスク」「法務リスク」「労務リスク」「社会リスク」「政治リスク」の8つのリスクに分類し、リスクの評価と対応策の検討・立案を行っております。また、リスクの未然防止や発生時の影響を最小限に抑えるために、規則や体制を整えております。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 事業活動リスク
① 市場動向・商品市況・競争環境の変動
当社グループは、売上の大半を中小型ディスプレイの売上に依拠しており、特に高精細、広視野角、低消費電力、薄型軽量、狭額縁といった高性能・高付加価値の中小型ディスプレイの製造販売に注力しております。したがって、当社グループの事業、業績及び財政状態は、国内外における中小型ディスプレイの市場動向の影響を受けるとともに、スマートフォン、車載用、デジタルカメラ及び医療機器等の当社グループが製造する中小型ディスプレイを採用する完成品の市場動向の影響を受けます。完成品の市況は、景気の変動等による各国の個人消費のほか、人気モデルの販売時期や新モデルの発表による消費者の嗜好の影響、販売の成否、新学期やクリスマスシーズン等の季節性等に、大きく左右される傾向にあり、需要が減退する場合があります。この市況の変動により、受注が大きく変動した場合には、部品や完成品の過剰在庫又は工場稼働率低下による機会損失となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、ディスプレイ業界全体での生産過剰、高性能ディスプレイの需要の減少、中国及び台湾等の低価格メーカーの高性能ディスプレイ市場への進出等の市場において、国内外のメーカーとの激しい競争により販売価格が低下し、十分な利益を確保することが困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。競合他社においては、財務・資金、研究開発、技術、製造能力、マーケティング、コスト競争力、事業ポートフォリオ等において、当社グループより強い競争力を有する可能性があり、競合他社が他社との提携や経営統合を行うなど、競争環境が一層厳しくなる可能性があります。
このため、当社グループは、更なる付加価値の創出及び製品の高品質化に努め、価格水準の維持及び向上を目指すとともに、部品の削減、歩留りの改善等によるコスト低減に取り組み、販売価格の下落に備えておりますが、当社グループでのコスト低減幅以上に当社グループ製品の価格が下落した場合又は利益率の低い製品の販売比率が拡大する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 技術・研究開発
当社グループは、高度な技術を必要とする中小型ディスプレイの製造・販売を行っているため、技術の優位性の確保は、当社グループの競争力にとって極めて重要です。当社グループの基幹技術であるLTPS技術は、現在、中小型ディスプレイ市場及び完成品市場におけるディスプレイの高精細化・狭額縁化・低消費電力化等に対するニーズをけん引している状況にあると認識しておりますが、中小型ディスプレイは技術革新が非常に早い領域であることから、最新の技術を利用した製品を迅速に顧客に提供するためには、長期的な投資及び資源投入が必要な場合があります。しかしながら、かかる投資及び資源投入にもかかわらず、当社グループの技術の優位性が損なわれる場合には、当社グループの競争力が低下し、また、投資及び資源投入に見合うだけの収益を上げられないことにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、これまで培ってきた様々な技術を、センサー等の新たなデバイスに応用し、ヘルスケア分野等の新規分野を開拓すべく、研究開発投資に力を入れています。しかしながら、研究開発投資で想定した成果を得られない場合、又は成果が十分に収益に繋がらない場合も想定されます。そのような事態の発生を最小限に留め、開発投資効果の最大化を図るため、当社グループでは、明確な開発方針のもと、研究開発対象の取捨選択を慎重に行い、開発段階の進捗状況をレビューし、継続の是非を判断しています。こうした施策にもかかわらず投資のリターンを得られない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 生産活動
当社グループが営む中小型ディスプレイ事業は、大規模な工場、生産設備の取得及び維持、並びに多くの従業員の雇用を要する、固定費比率が比較的高い事業です。したがって、主要顧客からの受注の減少、需要の変動、他社との競合等により、当社グループの工場の稼働率が低下する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業は、大量かつ安定的な電力供給を必要とします。国内の原子力発電所の稼動制限による電力供給の制限、円安等による石油その他の資源の輸入価格の高騰等による電気料金の値上げが行われる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、高精細、広視野角、低消費電力、薄型軽量、狭額縁といった高性能、高付加価値の中小型ディスプレイの生産には、精緻な生産技術と成熟したスキルを要します。当社グループが生産する製品はカスタム品が大半であり、製品ごとに部材や製造装置の設定が変更となることが多いため、特にノウハウの蓄積が少ない新技術を採用した製品の生産活動においては、製品の歩留り向上に時間を要することや、品質トラブルが生じることがあります。顧客との契約に基づく供給義務を履行し、又は顧客のニーズを充たすため、歩留りが低い状況においても製品の製造を継続する必要がある場合もあります。当社グループでは、開発、設計、プロセス、製造、品質保証の各分野の摺合せを綿密に行うことで、そうした問題の発生の極小化を図るとともに、問題が発生した際には早期に解決することを目指した体制を構築し、生産ライン従事者のスキル向上のための教育プログラムも完備しています。しかしながら、歩留りの悪化や品質トラブルが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料・部品等を複数の仕入先から購入しており、原材料等が適時、適量に調達できることを前提とした生産体制を敷いています。しかしながら、原材料・部品等の一部については、その特殊性から仕入先が限定されているものや仕入先の切替えが困難なものもあります。仕入先の経営環境の悪化や災害等により必要な原材料・部品等の供給遅延、供給不足又は価格高騰等が生じた場合には、当社グループの製品の納期に遅延が生じる可能性又は他の仕入先からの購入のための費用が増加する可能性があります。また、調達した原材料・部品等に欠陥が存在し、又は当社グループ若しくはその顧客の求める仕様が満たされていない場合には、当社グループの製品の品質及び評価に影響を及ぼす可能性並びに当社グループ又はその顧客に対するクレーム、訴訟に発展する可能性があります。

④ 経営戦略
当社グループは、企業競争力強化や収益性向上、長期的な供給体制の維持、新技術及び新製品の開発のため、部材メーカー、装置メーカー、完成品メーカーを含む外部企業との協業を実施しており、今後も研究開発、製造等の分野において競争力を強化するため、外部企業との新たな協業に加え、戦略的提携及び買収等を実施する可能性があります。これらの協業、戦略的提携及び買収等は、資金調達の制約、戦略上の目標変更、技術管理又は製品開発等の事業上の問題の発生若しくは許認可等の規制上の問題、市場の変動等により、やむを得ず実施又は維持ができなくなる可能性、若しくは、協業、戦略的提携及び買収等から十分な成果が得られない可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、特定の第三者との協業、戦略的提携又は買収等の実施の結果、他の者との協業、戦略的提携、買収又は取引等が制約されるなど、当社グループの経営上の選択肢又は事業運営が制約される可能性があります。

⑤ 固定資産の減損

当社グループは、多くの有形固定資産を保有しています。固定資産の連結貸借対照表計上額につきましては、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価していますが、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合には、減損の認識が必要となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 事業構造改善費用
当社グループでは将来にわたり競争力を確保するため、必要に応じ生産効率の低い生産拠点の閉鎖や研究開発の中止等の事業構造改善を実施する場合があります。その場合において、設備の減損や従業員の処遇に関する事業構造改善費用が発生するほか、技能を有する従業員の流出等の可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 財務リスク
① 資金調達・資金繰り
本有価証券報告書提出日現在において、新型コロナウイルス感染拡大及び半導体等部材の需給逼迫によるサプライチェーンへの影響が世界的に生じており、当社グループにおいても生産への制約や顧客からの受注減少が生じております。当該サプライチェーンにおける影響が、当社グループの事業活動及び財政状態へ与える影響は見通しが困難であり、同影響次第では今後、追加の資金需要が生じる可能性があります。その際、いちごトラストが保有する未行使分の株式会社ジャパンディスプレイ第12回新株予約権(以下「第12回新株予約権」といいます。)の行使により、株式会社ジャパンディスプレイE種優先株式(以下「E種優先株式」といいます。)の追加発行に伴う資金調達(残存出資相当額360億円)を行いますが、当該調達を以ても不足が生じ、金融市場、ディスプレイ業界の動向及び当社グループの信用力等を理由に借入等の金融機関からの資金調達が十分に実行できない場合には、手許預金残高が当社の事業遂行上必要な水準を下回る可能性があります。

② 大株主との関係
当社は、2020年3月26日付で、当社はいちごトラストに対して、株主総会において議決権を有する株式会社ジャパンディスプレイB種優先株式(以下「B種優先株式」といいます。)を第三者割当により発行いたしました。これにより、いちごトラストは、当連結会計年度末において当社の発行済株式に係る議決権数の44.26%に相当するB種優先株式を直接保有する筆頭株主となっており、当社の株主総会の特別決議を要する事項(他社との合併等の組織再編、重要な資産や事業等の売却、定款の変更等)及び普通決議を要する事項(取締役の選解任、剰余金の処分や配当の決定等)について、拒否権を含む重大な影響力を有しております。更に、いちごトラストが保有する株式会社ジャパンディスプレイD種優先株式(以下「D種優先株式」といいます。)及び第12回新株予約権の目的であるE種優先株式に付された当社普通株式を対価とする取得請求権が行使された場合には、いちごトラストは当社の発行済株式に係る議決権数の過半数に相当する株式を保有することとなる結果、いちごトラストは当社の親会社となり、支配株主に該当することになります。また、いちごトラストとの間の投資一任契約に基づき、いちごトラストから投資運用に関する権限を受託しているいちごアセットマネジメント・インターナショナル・ ピーティーイー・リミテッドへの投資助言を行う、いちごアセットマネジメント株式会社の代表取締役社長であるスコット キャロン氏は、当社の代表執行役会長CEO兼取締役です。
いちごトラストの前に当社の筆頭株主であった株式会社INCJ(以下「INCJ」といいます。)は、当連結会計年度末において、当社の発行済株式に係る議決権数の14.10%に相当する普通株式を保有する第2位の大口株主となっております。同社の議決権数は、同社が保有する株式会社ジャパンディスプレイA種優先株式(以下「A種優先株式」といいます。)に付された当社普通株式を対価とする取得請求権の行使により増加する可能性がありますが、その割合は、いちごトラストが保有する優先株式に付された当社普通株式を対価とする取得請求権の行使又はいちごトラストによる株式の譲渡の状況等により増減することが見込まれます。
当社は、当連結会計年度に指名委員会等設置会社に移行しており、社外取締役が過半数を占める監査委員会、指名委員会及び報酬委員会を設けることで独立性の担保を図っています。また、事前承認事項等の設定はありません。それでもなお、株主総会の承認を必要とする事項に関し、いちごトラストが影響を及ぼす可能性があります。
また、いちごトラストは、当社の企業価値向上をサポートするスポンサーとして、長期的視点から株式を保有する意向を当社に対して示しており、同社の保有する当社株式には一定の譲渡制限も付されております。しかしながら、譲渡制限期間終了後にいちごトラストが当社株式の一部又は全部を売却する可能性があり、また、市場で売却した場合には、売却の規模等によっては、当社株式の需給関係及び市場価格に影響を与える可能性があります。

③ 株式の希薄化
当社の筆頭株主であるいちごトラストは、当連結会計年度末において、株主総会において議決権を有するB種優先株式(議決権数6,720,000個)、議決権を有しないD種優先株式及びE種優先株式、並びにE種優先株式を目的とする第12回新株予約権を保有しております。また、当社の第2位の大株主であるINCJは、普通株式(議決権数2,140,000個)及び議決権を有しないA種優先株式を保有しております。
今後、いちごトラストにより、B種優先株式の全てについて転換価額50円をもって当社普通株式に転換された場合にいちごトラストに交付される当社普通株式数は1,008,000,000株(議決権数10,080,000個)と、議決権を有する株式数で当連結会計年度末比336,000,000株(議決権数3,360,000個)の純増となり、また、D種優先株式の全てについて転換価額50円をもって、第12回新株予約権の行使により発行されるE種優先株式の全てについて転換価額24円をもって、それぞれ当社普通株式に転換された場合にいちごトラストに交付される当社普通株式数は、合わせて2,408,329,640株(議決権数24,083,296個)となります。加えて、INCJによりA種優先株式の全てについて転換価額225円をもって当社普通株式に転換された場合にINCJに交付される当社普通株式数は453,333,333株(議決権数4,533,333個)となります。これら優先株式に係る潜在株式の合計3,197,662,973株(議決権数31,976,629個)につき、当連結会計年度末現在の当社発行済普通株式数846,165,800株(議決権数8,461,316個)と当社発行済B種優先株式数672,000,000株(議決権数6,720,000個)の合計を分母とする希薄化率は210.63%(議決権ベースの希薄化率も210.63%)に相当します。
これらにより、当社普通株式の1株当たりの株式価値及び持分割合が希薄化し、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

④ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、当連結会計年度において4期連続で営業損失及び重要な減損損失を、7期連続で親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当該状況を解消するため、当社グループは、全社的な事業構造の変革も含めた経営資源の最適化、設備稼働効率の改善、生産性向上による資産規模の適正化及びサプライチェーンの見直し等によるコストの更なる削減に加え、成長市場をターゲットとした設備投資、LTPS、Advanced-LTPS等のバックプレーン技術、液晶及び有機EL技術を共通技術基盤とした高付加価値デバイス製品の事業化推進、並びにそれらに関連する付帯ソフトサービス事業の新規展開等により製品・事業ポートフォリオを再編し、早期の黒字転換及び黒字体質の安定化を図っていく方針であります。
財務面では、2020年8月6日、当社は、INCJからの2019年8月7日付借入金(元本総額200億円)の返済期限を2020年8月8日から2021年8月8日まで1年間延長すること及び2019年9月2日付借入金(元本総額200億円)の返済期限を2020年9月3日から2022年9月3日まで2年間延長することにつき、INCJとの間で合意しました。また、いちごトラストに対する第三者割当増資により、2020年8月28日付でD種優先株式を発行し50億円を調達したほか、いちごトラストによる2021年3月25日付の第12回新株予約権の一部行使に伴うE種優先株式発行により、約194億円を調達しております。今後も当社グループの資金需要に応じて、いちごトラストが保有する未行使分の第12回新株予約権の行使により、E種優先株式の追加発行に伴う資金調達(残存出資相当額360億円)を予定するなど、財務体質の強化に向けて適時適切な資金調達策を講じてまいります。
一方で、世界的な半導体の需給逼迫を背景とした部材調達の一部制約及び顧客需要の変動等の影響により、早期の業績回復による黒字転換が遅延し、当社グループの資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性を勘案すると、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

従業員の状況研究開発活動


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