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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AMYZ

有価証券報告書抜粋 株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング 業績等の概要 (2017年3月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1) 業績
当事業年度(2016年4月1日から2017年3月31日)における我が国経済は、中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の景気下振れから不透明感が強いことに加え、英国のEU離脱問題、米国新政権の経済政策の動向など海外経済の不確実性の高まりを背景に、先行き不透明な状況で推移しました。
再生医療分野では、2014年に旧薬事法の改正によって施行された医薬品医療機器等法のもとで、新たに複数の企業主導治験及び医師主導治験が開始されました。さらに日本国内の企業やアカデミアに加えて、海外企業による治験も計画されています。これまで再生医療における研究開発は、国内のアカデミアやベンチャー企業が主導してきましたが、最近では大手製薬メーカーなどの大企業や、海外からの参入が盛んになってきました。再生医療関連企業団体である一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)の会員数も増加の一途をたどり、日本再生医療学会やその他の関連団体と協力しながら、再生医療の産業化に向けた活動が活発に行われています。一方、新たに制定された再生医療等安全性確保法のもとで、再生医療の臨床研究や自由診療が積極的に行われています。世界初のiPS細胞の臨床応用である網膜の加齢黄斑変性治療は、患者由来の細胞を用いた臨床研究から、患者以外のドナー由来細胞を用いた臨床研究に変更して再開されました。このように、わが国における再生医療は、制度的枠組みの整備や社会の後押しを背景に、産業化に向けてますます加速しています。
このような状況の下、当社は、2016年6月に代表取締役社長執行役員に富士フイルム出身の比留間愛一郎を選任しました。新たな経営体制の下、富士フイルムとの強いパイプを生かすとともに、経営の執行力を強化しています。
当事業年度における売上高は、再生医療製品事業の売上高が好調に推移したことにより2,135,149千円(前年同期比49.2%増)となりました。加えて販売費及び一般管理費の削減により、営業利益は312,388千円(前年同期は722,599千円の営業損失)となり、創業以来初めての営業黒字を達成致しました。経常利益は309,951千円(前年同期は677,699千円の経常損失)となり、当期純利益は276,242千円(前年同期は681,539千円の当期純損失)となりました。
なお、セグメント別では、再生医療製品事業の売上高は、2,043,331千円(前年同期比52.8%増)、研究開発支援事業の売上高は、91,818千円(前年同期比1.4%減)となりました。

各セグメントにおける概況は以下のとおりです(□内は当事業年度における主な成果です)。

[再生医療製品事業]
当社は再生医療製品事業において自家培養表皮ジェイス及び自家培養軟骨ジャックの製造販売を進めました。また委託研究機関からの助成金等を活用しその他の製品開発を進めるとともに、受託開発・受託製造を積極的に進めました。

・自家培養表皮ジェイス
重症熱傷を適応対象とする自家培養表皮ジェイスは、2016年9月、先天性巨大色素性母斑を適応として追加する一部変更承認を取得し、2016年12月より保険収載されました。国内の再生医療等製品において初めての適応拡大です。これを受け、12月には母斑第1症例目となる組織採取を行い、製造販売を開始しました。普及に向けて、アカデミアと連携して研究会の立ち上げにも着手しました。
自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に保険収載された我が国初の再生医療等製品であり、重症熱傷患者の治療を目的としています。2016年4月より、ジェイスの保険適用に関し、保険機能区分が①採取・培養キットと②調製・移植キットの2つに細分化され、償還価格がそれぞれ①4,380千円、②151千円/枚に改定されました。ジェイスは、重傷熱傷患者の治療を目的としているため、受注から製品が使用されるまでの間に、患者死亡等の理由で使用中止になることがあり、保険償還できないリスクを抱えていました。2016年4月の保険機能区分の細分化により、製造を中止した場合でも、①採取・培養キットの保険償還が可能となりました。当社は、先天性巨大色素性母斑への適応拡大を通じて、ジェイスの更なる売上増加を図っていきます。


・自家培養軟骨ジャック
移植実績や医師の認知度などに合わせてきめ細かな普及活動を展開した結果、移植実績をもつ医療機関数、受注数ともに増加しました。2017年3月末現在、ジャックを使用できる医療機関(使用認定施設)は260施設となり、全都道府県で使用可能です。一般の患者様向けにも、自家培養軟骨移植術を受けたスポーツ選手を起用した特設サイトを開設し、治療やリハビリの体験談などを動画で紹介するなど、ジャックを使用する治療法「自家培養軟骨移植術」の認知度向上を目指した活動にも力を入れました。更に当社は、ジャックの適応拡大として、手技簡素化/低侵襲化を目指す開発を進めました。
また、ジャックは費用対効果評価の試行的導入における既収載品の対象品目として選定されたため、当社は、対症療法との費用比較と使用成績調査における有効性評価データを用いてジャックの費用対効果を分析し、2017年3月に厚生労働大臣に「費用対効果評価分析結果報告書」を提出・受理されました。
自家培養軟骨ジャックは、2013年4月より保険収載された我が国第2号の再生医療等製品であり、適応対象は膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)です。ジャックの保険機能区分についてもジェイス同様に細分化され、2016年4月より、償還価格が①採取・培養キット879千円、②調製・移植キット1,250千円に改定されました。当社は、軟骨領域におけるジャックの浸透を図り、売上増加につなげていきます。

・自家培養角膜上皮
片眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症を適応対象として治験を実施する中で、当社は製造データを収集しつつ、安定した品質の治験製品を医療機関に提供しました。この度、培養角膜移植の実績がある医療機関が新たに治験施設として加わり、予定していた症例数に対する移植が完了しました。更に当社は、フォローアップ治験を開始しています。
自家培養角膜上皮は、ニデックからの委託により開発を進めています。片眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症を適応対象として、希少疾病用再生医療等製品の指定のもと、2014年10月から治験を実施しています。治験遂行においては、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金も活用しています。

・受託開発・受託製造
上記ニデックから受託している角膜上皮開発に加え、富士フイルムが開発した生体適合性に優れるリコンビナントペプチドを活用した再生医療等製品の開発を進めました。2016年4月より新たな事業として開始した、医薬品医療機器等法のもとでの再生医療等製品の開発製造受託(CDMO)サービス、開発業務受託(CRO)サービスを展開し、大阪大学や東京医科歯科大学、東京慈恵会医科大学などから再生医療研究における業務を受託しました。また、再生医療等安全性確保法のもとでは、再生医療等提供機関及び特定細胞加工物製造事業者に向けたコンサルティング業務や医療機関からの細胞培養を受託しました。
当社は、自社製品の開発で積み重ねた経験と、製造・販売に必要な組織体制を保有しています。これらの蓄積したノウハウと確立したシステムにより、医薬品医療機器等法、再生医療等安全性確保法それぞれのもとでの受託ビジネスを展開しています。当社は、国内外の開発案件を開発の初期段階から市販後までシームレスで長期にサポートし、再生医療受託事業を当社の中核事業に育てていきます。

・その他
当社は、2017年3月、中国における自家培養軟骨ジャックの特許に関する一切の権利を富士フイルムへ譲渡・移転することを決定し、これに伴い譲渡一時金300,000千円を売上として計上しました。
また当社は、日本医療研究開発機構(AMED)が公募した「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」(「2016年度 再生医療等の産業化に向けた評価手法等の開発」)など、採択された国の研究機関からの委託事業や助成事業についての研究を進めました。その結果、当2017年3月期において、280,689千円を助成金対象費用として販売費及び一般管理費から控除しました。

[研究開発支援事業]
当社は研究開発支援事業において、医療用培養表皮や培養軟骨の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織(ラボサイトシリーズ)の製造販売を進めました。

・ラボサイトシリーズ
ラボサイト エピ・モデル24を中心に、化粧品開発企業や製薬企業を主な顧客として販売を進めました。ラボサイト角膜モデルでは、経済協力開発機構(OECD)が推進する眼刺激性試験の標準化を目指した共同研究を終了しました。眼刺激性試験の OECDガイドライン収載に向けて、順調に準備を進めています。
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。ラボサイトエピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験に関する試験法は、標準法の一つとしてOECDの試験法ガイドラインTG439へ収載されています。また、同様にラボサイト角膜モデルでも、OECDが推進する眼刺激性試験の標準化を目指しています。

(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年末に比べて35,869千円増加し、2,189,734千円となりました。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は54,950千円となり、前事業年度の346,906千円の使用と比べ401,857千円増加しました。この主な要因は、黒字化により税引前当期純利益を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は22,242千円となり、前事業年度と比べ2,937,401千円使用金額が減少しました。この主な要因は、前事業年度における定期預金の預入による支出が2,700,000千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は3,161千円となり、前事業年度の5,864千円の使用と比べ、9,026千円の増加となりました。この主な要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入の増加によるものであります。

従業員の状況生産、受注及び販売の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02357] S100AMYZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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