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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009Z4S

有価証券報告書抜粋 株式会社ジーエヌアイグループ 業績等の概要 (2016年12月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1)業績
当社グループは、日本、中国及び米国を中心に、アジア及び世界で線維症関連治療薬の研究開発、製造及び販売事業を展開するグローバル製薬企業です。当社の主な収益源は、中国で上市した特発性肺線維症(IPF)治療薬であるアイスーリュイ〔中国語:艾思瑞®、英語:Etuary®(一般名:ピルフェニドン)〕の売上収益です。当社グループが保有する複数の開発パイプラインは、肺、腎臓、肝臓の線維症の革新的な治療薬を中核とし、肝硬変・慢性肝不全急性化(ACLF)及び急性前骨髄球性白血病(APL)を含む治療薬に集中しています。当社は、中国において臨床試験を実施しておりますが、米国市場での追加的な臨床試験プログラムも開始する予定です。当連結会計年度の経営成績、財務状態及び研究開発活動は以下のとおりです。
当連結会計年度において、当社では、売上収益の成長、臨床開発やグループ体制における重要な成果を収めるなど、ビジネス戦略に大きな進展が見られました。アイスーリュイは記録的な売上高を達成して、これまで以上の数のIPF患者の方々にアイスーリュイをお届けするとともに、当連結会計年度において実施した直接販売体制の有効性が実証されました。臨床試験活動においても、新たな適応症の承認を得たことで一層拡大しましたが、これは将来的な技術革新と医薬品開発に対する当社のコミットメントを表しています。更に、当社は、当連結会計年度において、主要子会社への追加的な出資を行うことで持分を増加し、また、開発パイプラインへの出資及び製造能力の拡大のための出資などで、グループ体制を強化しました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上収益1,306,931千円、営業損失276,361千円、当期損失465,694千円となりました。
連結経営成績の前期比及び分析については、「第一部 企業情報、第2 事業の状況、7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(2)経営成績に関する分析」に記載のとおりです。

(2)パイプライン別の開発の状況
■アイスーリュイ
当社グループで最初に登録した医薬品で、中国において現在販売されている唯一の特発性肺線維症(IPF)治療薬です。現在、当社の連結子会社である北京コンチネント薬業有限公司(北京コンチネント)を通じて中国市場で販売を行っております。当社グループでは、アイスーリュイの患者層を拡大する方針に沿って、新たな適応症の拡大を図っておりますが、これらの新たな適応症には、放射線性肺炎(RP)及び糖尿病腎症(DN)、結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)などがあります。

① 販売の状況
当第3四半期連結会計期間から、当社は、アイスーリュイの販売活動について、販売代理店を活用する体制から自社人員の専任営業チームによる直販体制に移行しました。直販体制の実施を通じて、当社の連結子会社である北京コンチネント薬業有限公司(北京コンチネント)は、売上収益成長率の上昇と、中国市場のIPF患者及び医師に対するサポートを向上することが出来ました。この新しい方針の下、当連結会計年度のアイスーリュイの売上収益は1,117百万円となり、日本円ベースの売上収益は前連結会計年度比約42.3%の増加となりました。一方、人民元ベースでは、前連結会計年度比約65.0%の増加となりました。また、当第4四半期連結会計期間(2016年10月~12月)のアイスーリュイの売上収益は、売上成長率の上昇傾向を維持し、当第3四半期連結会計期間(2016年7月~9月)と比べ約87.5%増加の429百万円となりました。

アイスーリュイ 売上収益推移(2016年1月~2016年12月)
(単位:百万円)
当第1四半期
連結会計期間
当第2四半期
連結会計期間
当第3四半期
連結会計期間
当第4四半期
連結会計期間
売上収益265193229429

当連結会計年度には、中国ベスーン基金の患者助成プログラムを通して、アイスーリュイ生産量の約14.8%がIPF患者の方々へ配布されました。中国ベスーン基金運営委員会により運営される当プログラムは、IPFに苦しむ経済的に恵まれない患者の方々のニーズに応えるという当社グループの社会的責任の一環であり、経済的に恵まれないIPF患者の方々へアイスーリュイを提供するものです。
中国外でのアイスーリュイの販売に関しては、2016年5月、当社グループのライセンス契約の相手先であるAFT Pharmaceuticals Limitedが、Fibroleve®(アイスーリュイを有効成分とする医薬品)としての登録申請をマレーシアにおいて行いました。
② 研究開発
■アイスーリュイ
特発性肺線維症(IPF)
2016年8月、北京コンチネントは、中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)より、特発性肺線維症(IPF)治療薬としてのアイスーリュイ(中国語:艾思瑞®)の200mgカプセルの製造販売許可を新たに取得しました。新たに承認されたアイスーリュイの200mgカプセルは、用量当たりのカプセル数を減らすことにより、患者の方々が、用法に従いかつ便利に服薬できるようにするとともに、医師が薬剤を処方する際の投与量に2つの選択肢、即ち、1日当たりの服用カプセル数が最大18カプセルか9カプセルかの選択肢を与えるものです。

放射線性肺炎(RP)
当社グループは、アイスーリュイの追加適応症である放射線性肺炎(RP)治療薬の、第3相臨床試験前パイロット試験を実施しております。これは、多回投与、多施設での試験を行うもので、当適応症の治験組み入れ基準が厳格であることから、2016年12月末現在の組み入れ患者総数は7人となっております。

糖尿病腎症(DN)
当社グループは、2016年8月、アイスーリュイの3番目の適応症である糖尿病腎症(DN)治療薬の治験許可(IND)申請に対する承認をCFDAより取得しました。DNは、Ⅰ型糖尿病又はⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。統計によれば、中国では、糖尿病の有病者が9,240万人に達すると報告されていて、Ⅰ型又はⅡ型糖尿病患者の20~30%が腎疾患を引き起こすとされています。(詳細については、2016年8月17日及び18日の適時開示資料をご参照ください。)同承認により、当社は、DNに関し、第2相臨床試験を直ちに開始することが認められていますが、これにより、既承認薬であるアイスーリュイの新たな適応症に注力し、加速度的な新薬開発を行うという当社の戦略の有効性が実証されました。第2相臨床試験の開始は、2017年の第2四半期を見込んでおります。

結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)
2016年9月、当社グループは、アイスーリュイの4番目の適応症である結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)治療薬としてのIND申請に対して、CFDAより、第3相臨床試験から直ちに開始できる承認を取得しました。CTD-ILDは、結合組織疾患(CTD)を持つ患者の肺が、炎症及び線維症、又はいずれか一方の症状を引き起こす状態のことを指します。結合組織疾患(CTD)は、全ての体細胞の支持構造体である結合組織の障害で、その典型的な症状は、肺などの体内の複数の臓器や組織の炎症と傷跡です。間質性肺疾患(ILD)は、CTDに伴う最も重篤な肺の合併症で、重篤な症状や死に至る疾病です。アイスーリュイに対するIND承認は、CTD-ILDの2つの適応症に関するもので、これらは全身性強皮症(強皮症)及び皮膚筋炎(DM)です。中国におけるCTD-ILDの患者数は明瞭ではありませんが、間質性肺疾患(ILD)患者のある集団内で、CTD-ILD又は未分化組織結合病間質性肺疾患(UCTD-ILD)の患者数は特発性肺線維症(IPF)患者数の2倍近くとの報告があります。即ち、CTD-ILD又はUCTD-ILDの有病率は、IPFより高いことを示しております。(詳細については、2016年9月8日の適時開示資料をご参照ください。)CTD-ILDに関する第3相臨床試験の開始は、2017年の第2四半期を見込んでおります。

■F351(肝線維症等治療薬)
F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループのパイプラインの中でも重要な創薬候補化合物で、臨床開発活動を世界の主要医薬品市場で展開する当社戦略に必要不可欠なものです。F351は、アイスーリュイの誘導体である新規創薬候補化合物です。内臓の線維化に重要な役割を果たす肝星細胞の増殖及びTGF-β伝達経路の両方の阻害剤で、当社の連結子会社である上海ジェノミクス有限公司(上海ジェノミクス)における多様な動物試験において、肝線維症及び腎線維症に対して顕著な有効性を示しました。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国、欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。

中国 - 当社グループは、中国において、F351の肝線維症治療薬としての第2相臨床試験を行っておりますが、これは、慢性B型肝炎ウイルス感染による肝線維症の治療におけるF351の安全性及び有効性を検証するもので、中国全土のクラスAAAの13の病院が参加し、最大240人の被験者に対して、無作為、二重盲検、プラセボ、多回投与、多施設での試験を行うものです。2016年12月末日現在、15の施設で、106人の被験者登録が行われていますが、治験終了は、2017年中を目途としております。

米国 - 2016年3月、当社グループは、肝線維症治療薬としてのF351の米国におけるIND申請を米国食品医薬品局(FDA)に対して行いました。その後、2016年5月3日にはFDAから通知を受領し、追加的に、米国GLP基準に準拠した最低8日間の毒性試験結果の提出を要請されました。2016年7月には、当社は、米国GLP基準に準拠した試験を第三者に委託しました。同試験が終了次第、試験結果をまとめた補足資料を、IND申請の補完資料として、2017年上半期中に提出する予定です。

■タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)
タミバロテンは、急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬です。APLは、急性骨髄白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。タミバロテンは、白血病が有するPML/RARαという異常分子に特異的に働く分子標的薬で、抗がん剤治療とは異なり、白血病細胞を破壊するのではなく、より成熟した細胞に分化させることで治療効果を発揮します。また、タミバロテンは、オールトランス型レチノイン酸(ATRA)耐性を獲得し、トレチノインに反応しなくなったAPL症例に対しても効果があることが期待されております。
東光薬品工業株式会社と当社子会社のGNI-EPS (HONG KONG) HOLDINGS LIMITEDは、2015年10月に、アムノレイ
ク®錠2mg(一般名:タミバロテン)を、輸入薬として、CFDAに登録申請を行いました。輸入薬登録は、CFDAによる評価・検討の進捗にもよりますが、申請から1~2年ほどで承認される見込みです。当社は、CFDAの承認を取得次第、アムノレイク®の販売・流通を行うことができるように、2017年中頃には準備を行う予定です。

■F573(急性肝不全・慢性肝不全急性化(ACLF)治療薬)
急性肝不全・慢性肝不全急性化(ACLF)治療薬F573は、アイスーリュイ及びF351に続く3つ目の新薬候補化合物で、当社グループは、2011年7月にCFDAにIND申請書を提出しております。F573は、ジペプチド化合物で、細胞死や炎症反応をもたらす酵素の一種であるカスパーゼを阻害する可能性を持つものです。大規模な肝細胞死は、多くの場合、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アルコール性肝硬変に起因する重症肝炎と関連して発生しますが、中国では、B型肝炎ウイルスに起因する肝疾患の患者が、世界的に見ても多く存在しています。この治療法としては、現存する抗ウイルス剤による治療以外の選択肢は限られており、最終手段である肝臓移植は、大変高額な治療であります。
F573 は、米国企業EpiCept Corporation(現Immune Pharmaceuticals, Inc.)からライセンスの供与を受けたものであり、当社グループは、アジアにおいては、中国、日本、豪州及びニュージーランド他の権利を保有し、更には、その他の地域の権利も取得できる優先権も保有しております。当連結会計年度において、当社は、CFDAの薬品審評センター(CDE:Center for Drug Evaluation)からのF573に関する質問に対応しており、現在、IND申請に対する決定を待っている状況です。

■その他
以上のパイプラインの他、2015年12月には、当社の連結子会社である北京コンチネントが、酪酸ヒドロコルチゾンの温度により制御されるフォーム製剤(外用薬)のIND申請書を北京市食品薬品監督管理局に提出し、受理されております。当フォーム製剤は、湿疹、乾癬、接触性皮膚炎等の外用薬として、北京コンチネントとGENEPHARM Biotech Corp.(台湾企業)により共同開発されたものです。当社では、当フォーム製剤が承認されれば、これは中国で初めての温度により制御されるフォーム製剤となると期待しております。

(3)キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローについては、「第一部 企業情報、第2 事業の状況、7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(3)財政状態に関する分析」に記載のとおりです。

(4)並行開示情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度
(自 2015年1月1日
至 2015年12月31日)
当連結会計年度
(自 2016年1月1日
至 2016年12月31日)
(のれんの償却停止)
当社グループは、のれん及び負ののれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。
この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が11,920千円減少しております。
(のれんの償却停止)
当社グループは、のれん及び負ののれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。
この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が10,365千円減少しております。

従業員の状況生産、受注及び販売の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05712] S1009Z4S)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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