株式会社ツルハホールディングス 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年5月期)

(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積および仮定設定を行わなければなりません。当社グループは、おもに貸倒引当金、退職給付債務および費用、繰延税金資産等に対して継続して評価を行っております。これらの見積については過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
(2)財政状態の分析
①総資産
当連結会計年度末の総資産につきましては、おもに新規出店に伴うたな卸資産、差入保証金および有形固定資産の増加、投資有価証券時価評価増加分により、2,138億54百万円と前連結会計年度末に比べ203億69百万円の増加となりました。
②流動資産
流動資産につきましては、おもに新規出店に伴うたな卸資産の増加と現金及び預金の増加等により、1,188億92百万円と前連結会計年度末に比べ75億30百万円の増加となりました。
③固定資産
固定資産につきましては、おもに新規出店に伴う差入保証金および有形固定資産の増加と投資有価証券時価評価増加分等により、949億61百万円と前連結会計年度末に比べ128億38百万円の増加となりました。
④流動負債
流動負債につきましては、おもに買掛金の増加等により、717億62百万円と前連結会計年度末に比べ69億14百万円の増加となりました。
⑤固定負債
固定負債につきましては、おもに投資有価証券時価評価増加分による繰延税金負債の増加等により、103億円と前連結会計年度末に比べ17億19百万円の増加となりました。
⑥純資産
純資産につきましては、おもに利益剰余金の増加等により、1,317億91百万円と前連結会計年度末に比べ117億35百万円の増加となりました。自己資本比率は61.3%と前連結会計年度末に比べ1.1ポイントの増加となっており、1株当たり純資産は2,765.60円と前連結会計年度末に比べ330.02円の増加となりました。
(3)経営成績の分析
①売上高
売上高は4,404億27百万円で前年同期比13.4%の増加となりました。
商品部門別の状況は、次のとおりであります。
医薬品
「Medis’one(メディズワン)」をはじめとする医薬品プライベートブランド商品のカウンセリング販売によるOTC医薬品の売上確保に加え、調剤報酬額の伸長により、売上高は14.7%増加の1,093億46百万円となりました。
化粧品
前年の消費税率引上げの影響などにより市場が伸びを欠くなか、高付加価値商品のカウンセリング販売が奏功したほか、季節商品の売場展開の強化などにより一般化粧品の売上が伸長し、売上高は前期比11.6%増加の809億93百万円となりました。
日用雑貨
低価格志向の消費環境が続く中、「M’s one(エムズワン)」商品が好調に推移したほか、プリペイド式カードなどの新規商品群の導入、衣類用洗剤・布製品用消臭剤などにおける新商品・高単価商品の販売強化が貢献し、売上高は前期比10.8%増加の1,297億85百万円となりました。
育児用品
ベビー用紙おむつにおいて日本製商品の需要が高まっているほか、ミルク・フード類、ベビー用スキンケア用品などが引き続き堅調に推移したことにより、売上高は前期比22.5%増加の173億62百万円となりました。
その他
利便性向上を目的とした食品取扱店舗の拡大・品揃えの拡充を推進したほか、医療用品、健康食品の一部においてインバウンド需要による売上増加があったことから、売上高は前期比16.0%増加の991億9百万円となりました。

②売上総利益
上期は消費税率の引き上げの影響などにより主に医薬品・化粧品における粗利率の低下がみられたものの、節約志向に対応した販促策や陳列の工夫、高品質低価格のプライベートブランド商品の積極展開、カウンセリング販売による利益確保などにより、売上総利益は前年同期比13.5%増加の1,243億73百万円となり、売上総利益率においても28.2%を確保いたしました。
③販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は974億67百万円で前年同期比14.1%の増加となりました。おもな要因といたしましては、新規出店等に伴う人件費ならびに地代家賃が増加したこと等によるものであります。
④営業利益・経常利益
上記の結果、営業利益は269億5百万円で前年同期比11.6%の増加となり、経常利益は279億85百万円と前年同期比10.5%の増加となりました。
⑤当期純利益
投資有価証券売却益22億65百万円を特別利益に計上したことなどから、当期純利益は172億10百万円で前年同期比18.2%の増加となりました。
(4)資金の流動性についての分析
第一部 企業情報 の「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」における記載内容と同一であるため、記載を省略しております。
(5)今後の方針について
当社グループは、創業以来「お客様第一主義」を基本的な経営方針とし、「お客様の生活に豊かさと余裕を提供する」という経営理念のもとに利便性と専門性を追求し、お客様の健康で快適な生活に貢献するため、身近で買物しやすい店舗づくりに取り組んでおります。当社を中核とする持株会社体制によりグループの戦略機能を当社に集約し、迅速かつ機動的な意思決定を行い、各子会社は経営理念実践のため、事業活動に専念できる体制をとっております。
今後も、ドミナント戦略による多店舗展開を強力に推進するとともに、ローコストオペレーションによる利益重視の効率的経営を実践し、また、従業員教育の強化を図り、信頼されるドラッグストアチェーンの構築を目指してまいりたいと考えております。