株式会社ドーン 業績等の概要 (2015年5月期)

(1)業績

① 当事業年度の概況
当事業年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や日銀の金融緩和等の効果によって、企業収益や雇用及び所得情勢に改善が見られる等、緩やかな回復基調にあります。しかしながら、消費マインドの弱さや海外景気の下ぶれリスク等、国内景気の下押し要因があり不透明さが残りました。
当社を取り巻く市場環境は、政府が推進する国土強靱化基本計画や地域活性化の重点対策により、これらの政策に係る地方自治体の予算は増加傾向にあり、地理情報システムの開発案件数も堅調に推移しておりますが、その一方で開発技術者の不足や受注獲得競争の激化等、厳しい状況が続いております。
このような状況のなか、当社は営業活動においては、防災・防犯関連を重点対象分野として受託開発やクラウドサービスの新規契約の獲得に注力するとともに、主要顧客の既存システムの拡張や保守・運用案件の受注に努めました。また、開発においては、クラウドサービスの「緊急通報システムWeb119」の機能を刷新し、広域対応を可能にした次世代型サービスの「NET119」を提供する環境を整えました。
以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、クラウドサービスの契約数は増加したものの、ライセンス販売において大型の受注が少なかったことや、受託開発において相対的に売上総利益率の高い案件の獲得に注力したため、案件の規模が小型化したこと等から、593,754千円(前事業年度比5.4%減)となりました。
利益面では、外注費の削減により売上総利益率が6.1ポイント改善されたため、売上総利益が249,676千円(前事業年度比10.7%増)となったことから、営業利益13,398千円(前事業年度比321.6%増)、経常利益19,745千円(前事業年度比102.2%増)、当期純利益14,659千円(前事業年度比67.9%増)となりました。

② 品目別内容
品目別の売上構成比は、製品売上が90.0%(前事業年度は95.1%)、商品売上は10.0%(前事業年度は4.9%)となっており、各品目の実績は次のとおりであります。
(製品売上)
a)ライセンス販売
ライセンス販売につきましては、防災・防犯関連のシステム向けのライセンスの受注は引き続き好調でしたが、自治体のシステム更改等に伴う大型の受注が少なかったため、売上高は113,031千円(前事業年度比11.9%減)となりました。
b)受託開発
受託開発につきましては、「緊急通報システムWeb119」等のクラウドサービスは契約数が増加し、売上も順調に伸びましたが、受託のシステム開発については、品質向上及び利益重視の観点から相対的に売上総利益率の高い案件の獲得に注力したため、案件の規模が小型化したことや納期が翌期に繰り越された案件が発生したことから、売上高は421,288千円(前事業年度比10.1%減)となりました。
以上の結果、ライセンス販売と受託開発を合わせた製品売上の売上高は534,320千円(前事業年度比10.5%減)となりました。

(商品売上)
商品売上につきましては、地方自治体向けにデジタル地図等の納品が増加し、59,434千円(前事業年度比94.2%増)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが80,386千円の獲得、投資活動によるキャッシュ・フローが22,795千円の獲得、財務活動によるキャッシュ・フローが4,055千円の支出となったため、前事業年度に比べ99,126千円増加し、当事業年度末には191,575千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、80,386千円(前事業年度比79,425千円増)となりました。これは主に、税引前当期純利益が16,321千円、売上債権の減少額が28,496千円、前受収益の増加額が13,346千円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果獲得した資金は、22,795千円(前事業年度比16,316千円増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が260,000千円、投資有価証券の取得による支出が101,880千円あった一方で、定期預金の払戻による収入が325,000千円、有価証券の償還による収入が76,000千円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果支出した資金は、4,055千円(前事業年比10千円増)となりました。これは、配当金の支払によるものであります。