株式会社ニューテック 対処すべき課題 (2017年2月期)

国内のIT市場は回復基調にありますが、IT部門の設備予算は未だ先行き不安がぬぐえず、従来よりも低コストで同じ機能を実現できるソリューションに一層の注目が集まり、非ITの組込み系市場でもIoTの取り組みが加速して、安定した成長を遂げるものと認識しております。2020年に開催される東京オリンピックに向けた設備投資なども徐々に始まっております。
ストレージとしてはビッグデータ、ディープラーニング、AIなどへの対応や企業の内部統制強化に伴うデジタルデータの増大傾向は変わらず、データの増大に伴うストレージコストや運用費等の見直し、最適化が計画、実行されています。
以上のような流れを受け、当社としましては、コストパフォーマンスの良い高機能で高品質、また、多様化する市場の要求に応じてストレージ・ソリューションの提供を行うため、製品ラインナップの拡充及び開発・生産・検査・保守体制の強化に引き続き努めてまいります。非IT系市場に対しては、現状のOEM製品のラインナップを一層充実し、ミラー、RAID及びそれらを組み込んだサーバ製品の継続供給及び東京オリンピックへ向けて整備されている監視カメラやデジタルサイネージ用に特化したストレージ製品など水平展開に努め、開発及び評価に必要な技術力を強化してまいります。
これらの戦略を通し、当社事業の安定した成長と利益率の改善を図ってまいります。

(1) 営業活動の強化
[顧客セグメントと製品ラインナップ]
一般企業のIT部門においては大容量のファイルサーバの需要が多く、引き続き主力製品であるCloudyシリーズをご提供してまいります。監視カメラ、医療系、映像系のシステムインテグレータに対しても製品群の認知度を高め、「Cloudy」シリーズ、「Vess」シリーズ、「QBOX」シリーズに加え、昨年度市場投入した「Ness」シリーズを標準採用していただけるパートナーを獲得してまいります。製品販売だけでなくサポート・サービスも提供できるという点を高く評価いただけているので、保守子会社である株式会社ITストレージサービスと連携し今後も注力してまいります。データセンター向けには安価でしかも高品質、また、短期間に大量にご提供できるような仕組みを今後も継続して提供してまいります。
また、今まで大学・研究機関向けでは容量重視のバックアップ用途の案件に多数採用していただいておりましたが、今後InfiniBandや広帯域のEthernetのインターフェースを持ち、SSDを搭載した高速なストレージ製品も提案してまいります。
台湾プロミステクノロジー社とは協業以来技術交流会を毎年実施し、相互の営業だけでなくエンジニアの関係も良好で、「Pegasus」シリーズや「Vess」シリーズを始め今後も販売、サポート・サービスに注力してまいります。
[OEM製品供給の推進]
引き続き、OEM製品(相手先ブランドで販売される製品)の供給を推進しビジネスを拡大してまいります。第36期は、機能強化したミラーリングコントローラの新製品「KITE」シリーズの開発を完了し本格的に販売開始いたします。既存製品から「KITE」シリーズへ順次切り替えを実施し、新規顧客へアプローチするとともに、市場シェアの更なる拡大を目指してまいります。また、SSDや検査済みHDDについても既に数社とビジネスが進んでおりますが、更なる拡販をしてまいります。また、法人・産業機器向けUSB I/Fのストレージ「QBOX」シリーズは、「QBOX」、「QBOX-mini」に加え、「QBOX-Mirror」を市場投入しラインナップを拡充することで様々なご要望にお応えできるようになりました。
[ストレージ・ソリューション販売の拡充と推進]
第36期において、Cloudyシリーズにレッドハット社のRed Hat Gluster Storageを搭載したスケールアウト型のNAS「Cloudy NAS/GLS」を本格展開いたします。「Cloudy NAS/GLS」はペタバイトクラスの容量が必要で、時間とともに更に容量増加が予想され、それを単一ストレージ空間で管理したいというご要望にお応えできる製品です。今までソフトウェアはレッドハット社から、ハードウェアはお客様が選択した別のメーカーから、それぞれを別々に調達し、お客様自身がインストールや導入設置作業を行わなければならなかったものを、当社がアプライアンス化し導入設置やサポート・サービスもご提供することで導入を容易にします。

(2) 製品開発の強化
当社のミラーリングコントローラを搭載した2ベイのNAS製品「Ness」シリーズ、USB I/Fの「QBOX-Mirror」を開発し市場投入いたしました。第36期においても、新製品をリリースする予定です。
また、機能や性能を向上させたミラーリングコントローラ「KITE」の開発は、第36期の第1四半期に完了する予定です。

(3) 生産体制の強化
[品質管理体制の強化]
ストレージ製品には、お客様の貴重なデータが保存されております。安価な製品でもHDDが大容量化することに伴い膨大なデータが保存されています。当社の使命は、いかなる製品の場合においてもお客様データを喪失することなく確実に保存することと考えております。また、OEMビジネスの拡大により大手メーカーの品質保証部門の監査にも耐え得る品質管理体制を敷き、当社独自のHDDの検査装置を設置したことにより、製品品質の向上に一層注力してまいります。
[生産の効率化とコストダウン]
当社の特徴であるファブレス生産体制を強化し、生産委託先との緊密な連携を行うことで、自社開発製品の生産の効率化とコスト及び在庫の削減を図ります。また、海外メーカーとの連携を深め、なお一層の調達コスト削減を図り、価格競争力強化を目指します。