株式会社ファンデリー 業績等の概要 (2016年3月期)

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、政府の経済政策及び日銀の金融政策により企業収益や雇用情勢に改善の動きがみられ緩やかな回復基調がみられるものの、世界経済の減速懸念から先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社が属する食事宅配市場は、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化、女性の社会進出、高齢者を中心とする買物弱者の増加といった社会的背景もあり、宅配需要が増加しているため堅調に推移しております。
当社が主な顧客としている生活習慣病患者は年々増加傾向にあり、また、少子高齢化が進むことにより65歳以上の高齢者のみの世帯が増加するなど市場の成長が見込める経営環境となっております。そのため、食事宅配市場を今後の更なる成長が見込める有望市場と捉えて、新規参入する企業が増加しており、引き続き競争の激化が進んでおります。また、食品業界におきましては、食の安心・安全に対する消費者の関心が一層高まる中、企業の管理体制の徹底が求められております。
このような環境の中、当社では「一人でも多くのお客様に健康で楽しい食生活を提案し、豊かな未来社会に貢献します」という企業理念を念頭に、当社の強みである管理栄養士・栄養士によるきめ細かい栄養相談を活かして、お客様にとって価値の高い商品及びサービスを提供し、品質向上に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は3,015,283千円(前年同期比13.0%増)、営業利益は500,830千円(前年同期比14.1%増)、経常利益は500,567千円(前年同期比14.4%増)、当期純利益は312,763千円(前年同期比20.4%増)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① MFD事業

当セグメントにおきましては、四季ごとに実施している商品入れ替えに伴う新商品の開発、また、当社の管理栄養士・栄養士がお客様の疾病、制限数値、嗜好に合わせて食事を選び定期購入できるサービス「栄養士おまかせ定期便」への積極的な移行を中心として販売に注力いたしました。また、食事制限のある方にも安心してお召し上がりいただけるよう趣向を凝らした、当社の管理栄養士・栄養士による食事相談サポート付き『私のおせち』の販売が堅調に推移いたしました。さらに、当社をテーマとしたテレビ番組が放送された影響により、放送後の売上が好調に推移いたしました。
その結果、売上高は2,772,780千円(前年同期比16.0%増)、セグメント利益(営業利益)は598,682千円(前年同期比38.7%増)となりました。

② マーケティング事業

当セグメントにおきましては、健康食通販カタログ『ミールタイム』及び『ミールタイム ファーマ』の2誌による広告枠の販売が順調に推移しました。また、紹介ネットワークを活用した業務受託において、複数の案件を実施いたしましたが、当事業年度前半に見込んでいた一部案件に規模縮小が生じました。
その結果、売上高は242,503千円(前年同期比12.6%減)、セグメント利益(営業利益)は180,329千円(前年同期比13.3%減)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ430,258千円増加し、1,317,865千円(前年同期比48.5%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは237,966千円(前年同期比44.5%減)の収入となりました。この主な要因は、税引前当期純利益が498,558千円、売上債権の減少額が53,630千円、たな卸資産の増加額が129,600千円、仕入債務の増加額が25,152千円、法人税等の支払額が197,060千円となったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは8,848千円(前年同期比0.7%減)の支出となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が3,346千円、敷金及び保証金の差入による支出が4,000千円となったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは201,140千円の収入となりました。前事業年度は長期借入金の返済による支出32,512千円があったため、32,512千円の資金流出となりましたが、当事業年度は資金流入に転じております。この要因は、長期借入金の返済による支出が10,000千円、株式の発行による収入が211,140千円となったことによるものであります。