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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009Y51

有価証券報告書抜粋 株式会社ヘリオス 事業等のリスク (2016年12月期)


対処すべき課題メニュー研究開発活動

当社では当社の事業展開その他に関する主要なリスク要因として以下の事項を認識しております。当社ではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社に関連するリスクをすべて網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク
① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について
当社は、iPSC再生医薬品分野及び化合物医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めております。化合物医薬品分野においては2010年より、欧州等において製品を上市しておりますが、当該分野の市場規模は小さく、当社の事業の成長は体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。
体性幹細胞再生医薬品分野の新規パイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStemを用いた脳梗塞急性期を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得を想定し、第Ⅱ/Ⅲ相試験として治験を開始しております。
またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までには長い年月が必要となります。
このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、その開発には多額の資金が必要となることから、追加の資金調達を行う可能性があります。これらの場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 特定のパイプラインに関する提携先への依存について
当社は、その主要パイプラインであるHLCR011の開発に関して、大日本住友製薬との間で共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結し、これらの契約を前提に国内におけるRPE細胞製品の開発計画を立てております。また、新規パイプラインHLCM051に関しては、その製品はアサシス社によって製造され、当社はその供給を受けて国内にて開発・販売を行ってまいります。アサシス社の製造・供給体制に何らかの支障が生じた場合、当社の開発又は販売計画が大幅に遅れる、あるいは継続が困難となる可能性があります。
さらに、これらの契約は、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性が全くないとはいえません。これらの契約が終了した場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

③ 技術革新と競合について
当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。特に、当社が現在開発対象としているiPSC再生医薬品の対象疾患である加齢黄斑変性に関しては、ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。
体性幹細胞再生医薬品分野においては、米国を中心にすでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。
当社では、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでいると考えておりますが、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合などには、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

④ 再生医療等製品に関する法規制について
2014年11月に施行された薬機法は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度においてすでに承認実績があるものの、iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。当社は、そうした見直しにいち早く対応すべく体制の整備に努めておりますが、法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について
体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。当社では、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、臓器移植に知見を持つ関係者を集めるなど様々な施策を講じております。しかしながら今後さらに予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について
当社のiPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。そのため、当社では、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお当社は、日本向けiPS細胞由来RPE細胞懸濁液(HLCR011)については、大日本住友製薬と当社の共同出資会社であるサイレジェンに対して製造を委託することとしており、現在、製造体制の構築に向けた準備を行っております。販売体制についてもサイレジェンを活用した販売体制の整備を進めておりますが、こうした取組みが当社の想定どおりに進まなかった場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
一方、HLCM051におきましては、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 海外での事業展開について
当社は、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、当社の主要パイプラインであるHLCR012を欧米において開発する準備を進めており、今後、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを視野に入れております。
しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社の事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 治験の実施について
当社は、HLCM051において治験計画届書をPMDAに提出し受理されたことを受け、治験段階に入りました。治験計画は、PMDAとも事前に相談し、綿密な計画を立てておりますが、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。このような場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(2) 化合物医薬品分野に関するリスク
① 当社パイプラインHLM0021及びHLM0023の開発について
化合物医薬品分野のパイプラインである眼科手術補助剤HLM0022については、2010年に欧州のCEマーキング適合製品として有効性・安全性の確認を得た上で海外市場向けのサブライセンス先であるオランダのDORC社により販売されており、当社はDORC社による同製品の売上の一定割合をロイヤルティ収入として受け取っております。一方で、日本向けのHLM0021及び米国向けHLM0023は、日米において医薬品に分類されます。このため、日米における治験に際しては、欧州よりも厳しい基準に基づき、追加の治験や製造に関わる試験を求められるため、当初の計画通りに進まず、想定通りの成果があげられない場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 医薬品の研究開発一般に関するリスク
① 薬価に係る法規制の改正等について
世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 製造物責任において
当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(4) 人材及び組織に関するリスク
① 特定の個人への依存について
当社は、非常に小規模な組織であります。また、代表取締役社長である鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社の事業活動において重要な役割を果たしております。当社では、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 社内管理体制について
当社の行う事業の性質上、他の取締役及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社の業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(5) その他の事業リスク
① 大学等公的研究機関との関係について
当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② 知的財産権について
当社の事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社では適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結してきておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。
当社は、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社としては、このような場合には当社の知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社と競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

③ 風評上の問題の発生について
当社は、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社に関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

④ 災害等の発生に関する不確実性について
当社が事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社の設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 資金繰りについて
当社のような製薬企業を目指している企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社としましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 配当政策について
当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。

⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、役員及び従業員等に対して、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2016年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は1,882,700株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の4.4%に相当しております。

対処すべき課題研究開発活動


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