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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007QXF

有価証券報告書抜粋 株式会社メディアリンクス 対処すべき課題 (2016年3月期)


生産、受注及び販売の状況メニュー事業等のリスク

情報技術が急速に進化していく中で、新しい情報メディアが誕生し、人々の暮らしの利便性を高めています。インターネットの普及とともに、人々のビジネス活動や日常生活において、情報ネットワークの重要性がますます高まってきています。
通信技術においては、インターネットに代表されるIP通信の技術が高度化し、すべてのメディアを包み込もうとしています。当社グループが目指している「放送用ネットワークのIP化」のトレンドは、揺るぎないものと確信しています。すでに、当社の顧客である一部の先進的なユーザーは実際に当社装置を採用してIPの導入を進めており、確かな実績を築いています。市場全体を見れば、まだ初期段階にありますが、認知度は高まってきました。国際的な業界団体もIPに向けての変革を提唱しており、一部の先進ユーザーだけが使う段階から、広く一般的なユーザー層まで普及・浸透を開始する段階に差し掛かっています。市場は間もなく拡大ステージに向かうものと見ています。
このような状況のもと当社グループは、「急速に変化する世の中に適応し、進化していける独創的な製品サービスを継続して作り続け、社会に貢献していく」という経営方針を貫き、新しい市場の立ち上がりのタイミングを逃すことなく捉え、企業価値をより高めていくために、以下のような経営課題に取組むべきであると考えています。

(1) 特定顧客への依存度の低減
近年、当社グループの売上高において、海外の大口顧客向けの販売が大きく貢献しています。当社業績は、大口顧客の案件進捗状況に強く影響される状況が継続しています。
特定の大口顧客との取引が将来にわたって継続拡大が見込まれる場合は、その大口顧客からの要望に応えるために当社グループの人材や資金を優先的に投入することは合理的ですが、過度に依存することはリスクもあります。そのため、特定の大口顧客との良好な関係は維持しつつ、他の顧客向けの販売を増大させることで、特定顧客への依存を相対的に低くすることが、当社グループが取り組むべき課題だと考えています。
当社グループの販売する製品やシステムは、社会的なインフラのひとつを形成するものであるため、ひとつのプロジェクトの規模が大きくなる傾向があります。そのような大規模プロジェクトを運営できる顧客の数は、非常に限定されるだけでなく、プロジェクト案件を獲得するための商談準備期間は長期化します。そのため、顧客数を一気に拡大することは困難ですが、綿密なマーケティング活動を行いながら、新しい顧客を少しずつ獲得することでリスクを低減させて参ります。

(2) 収益源の安定化
当社グループの売上高の大部分は、ハードウェア製品の販売によるものであり、そのうち主力製品であるMD8000シリーズが大きなウエイトを占めています。MD8000シリーズは主として通信や放送のインフラを構成するため、その需要は大きく変動することがあります。MD8000シリーズの製品販売以外の安定的な収益源を確保することは、当社グループの課題となっています。
MD8000シリーズは、主として大手通信事業者が直接の顧客となり、長距離のコアネットワークにおいて使用されることが多いため、それ以外の市場として、メトロネットワークや放送局内のネットワークに向けての製品販売に注力をしています。それらは、当社が競争力を有するMD8000と直接接続する場面での利用を想定しているため、MD8000のビジネスとのシナジーが期待でき、さらに収益源の拡大にもつながります。
また、製品販売後の保守やサポート業務の継続的収入は、安定的な収益源として期待しています。海外においては、インストールベースの増大に伴い、保守料収入が増加していますが、売上全体に占める割合はまだ限定的です。日本においては、過去の商習慣もあって、保守契約を締結する顧客がまだ少なく、今後の増大に努力しています。

(3) グローバル戦略の推進
放送用ネットワークのIP化は、世界的な潮流です。テレビ放送局の数だけを見れば、米国、EUともにそれぞれ日本の10倍以上あり、国外の市場規模は、日本国内よりもはるかに大きいと言えます。さらに、日本の放送業界が安定的な成熟市場とみなされているのに対し、欧米の放送業界は、政府による規制も異なり、ダイナミックな変化が起こりうる市場と言えます。そのため、当社グループは、積極的なグローバル展開を推進しています。
すでに当社グループ売上の70%以上は海外であげており、この傾向は今後も続きます。顧客がグローバルになれば、当社グループの組織運営もグローバルにならないといけません。グローバルな顧客に対応するため、本社と海外拠点が一体となってグローバルに動ける体制を構築する必要があります。そのためには、グループの共通言語である英語によるコミュニケーションが円滑になされるように、グループ内ドキュメントの英語化を進めています。さらに、グループ全体のITプラットフォームの共有化や各拠点間の人事交流の活発化などを行い、情報をスムーズに共有することができるようにします。全グループ従業員が全社最適に向けて業務を遂行する組織体制を築くことを目指しています。
(4) ソフトウエア開発力の強化
当社グループは、放送用通信ネットワークで使われる装置を主要な販売製品としており、さまざまな機能はハードウエアに実装されています。今後は機能をハードウエアから切り離し、ソフトウエアとして提供する割合を増やすことを目指しています。ハードウエアは基本機能に絞り込んだ形にして共通化を進め、コストを押さえることで顧客の初期投資負担を減らします。顧客は必要な機能をソフトウエアとして必要な時にオンラインで購入できるようにします。また、ソフトウエアライセンスの販売形態を多様化し、顧客の都合に合わせた形で提供できるようにします。
そのためにはソフトウエア開発力を今まで以上に強化する必要があります。ソフトウエア技術者の採用、育成に力を入れ、ソフトウエアの開発力をハードウエアに負けないレベルまで早急に持ち上げる施策を実行しています。

(5) グローバルな販売チャネル網の構築
日本、米国では、自社スタッフによる直販体制が主になっていますが、今後広くグローバルに顧客層を広げてゆくためには、有効な販売チャネル網を構築することは不可欠です。新規顧客の獲得を目指しているアジア各国や欧州各国には、信頼できる販売代理店の協力を必要とします。また、放送局内IPネットワークビジネスは、従来の映像伝送装置ビジネスとは顧客層が異なるうえに、システムインテグレーションが伴うプロジェクトが多くなるため、販売代理店には営業力だけではなく、システム構築力も求められます。各国の業界事情に精通し、有力顧客との接点を持ちながら、当社グループの製品やサービスを有効活用できる技術力を持った代理店を市場ごとに獲得することが求められています。
同時に当社から各代理店への技術指導や教育など、きめ細かなチャネルサポートを提供することも重要だと考えています。

(6) 顧客ビジネスに密着したサービス・サポート体制の構築
すでに直販体制を構築した日本、米国、オーストラリアでは、単に製品を販売するメーカーではなく、システムインテグレーション、保守サポート、運用支援などのサービスを提供することで、収益機会の増大を図っています。そのためにサービス提供体制の強化が課題となっています。特に、海外の顧客に対するサポートチームの技術レベルの向上、海外のサポートチームと日本の開発チームとのスムーズな連携体制の構築が課題となっています。
さらに、これらのサービス体制を整えることで、顧客ビジネスにより密着することができ、新たなビジネスアイデアの創出につなげることも意図しています。今後の新たなビジネス展開を考慮すると、顧客ビジネスに密着し、深く理解することは、非常に重要なことだと考えています。

(7) グローバルなマーケティング体制
当社グループのIP伝送装置は一部の先進的なユーザーに受け入れられ、実績を積み上げてきました。当社は先進ユーザーの技術的要求に的確に応え、彼らが求める革新性を提供できたからです。しかし、革新性を求める先進的なユーザーは限られており、多くの一般ユーザーは変革よりも漸進的な効率化を求めています。今後、当社グループが一般ユーザーの大きな市場に食い込むためには、今までの技術の先進性をアピールしたマーケティング戦略から、価格競争力、安定した品質、正確な納期、説得力のある費用対効果、信頼されるアフターサービスなど先進技術以外の価値を高め、市場にアピールする必要があります。
新しい顧客層に効果的なマーケティング戦略を打ち出すため、本社内にMarketing & Business Developmentを設けています。この組織はグローバルな事業展開に必要な戦略を立案し、実行することが使命となっています。

(8) 組織・人事について
当社グループ内の組織ごとに責任と権限を明確化すると共に適切な権限委譲を推進し、業務のスピード化を図ります。特に、組織としての強化を目指し、各組織の管理職のレベルアップを促します。グローバルに広がる各組織、各従業員間の情報共有と連携の基盤を作り、スムーズな意思疎通を図り、自律的な改善活動を恒常的に展開させ、業務の効率化を継続推進できる組織作りが重要であると考えています。
従業員各人については、それぞれのキャリア形成を考慮した目標設定、評価、フィードバックを適切に行うとともに、教育研修プログラムの充実を図り、人材のレベルアップに努めます。特にグローバル展開に際しては、グループ内の共通言語である英語の習得を本社内の日本人従業員全員に求めています。オンライン英語研修、海外派遣英語研修などのプログラムを提供し、グループ内全従業員のコミュニケーションが円滑に進められるよう取り組んでいます。

(9) 生産管理体制の強化
当社グループは、自社生産工場を有しない生産体制(ファブレス型)を採っているため、その柔軟性を生かし、多様なニーズに随時対応できる体制を確立しています。大型の案件受注にも対応できる生産能力を確保し、そのうえで、地政学リスクや急激な為替変動、災害や不測の事態にも対応できるようグローバル規模で柔軟な生産体制を整備しています。
各生産委託先の生産技術力の標準化を進めながら、同時に部品調達力やコスト競争力の強化を図っています。また、顧客までの納期の短縮を目指したサプライチェーンの改善にも取り組んでいます。現在は部品調達期間を含めると生産リードタイムはかなり長期間となっていますが、これを劇的に短縮するための方策を準備しています。顧客の要望に速やかに応えられるよう、生産管理体制の強化を進めています。

(10) 品質管理体制の強化
当社グループの製品は、放送局や通信事業者が長期にわたり放送のインフラを形成するための機器であり、通信時および放送時に中断等の不具合が起こらないための高度な品質が要求されるものです。当社は既に、ISO9001(品質マネジメントシステム)に基づく管理体制により、設計品質および製品品質を維持していますが、現状にとどまらずより高い品質を求めます。そのためには、ISO9001の継続的改善に注力するとともに、当社グループ内のみならず、製造委託先の教育・指導を徹底し、設計時のチェックから、出荷前検査、出荷後のサポートに至るまで、トータルに品質管理体制の強化を図ります。
当社グループのビジネスの形態は、従来はハードウエア販売が主体でしたが、今後はハードウエアだけでなく、ソフトウエア、サービス販売、トータルソリューションシステムまで多様化します。ソフトウエア製品やデザインサービスの品質管理、システムインテグレーション、保守サポートなどサービスの品質管理も重要になります。製品レベルだけでなく、システムレベルでの品質管理体制を構築しています。
当社グループの品質管理は、単に不良を出さないというレベルではなく、顧客が期待していた以上の魅力を製品やサービスから感じていただける品質レベルを追求しています。

(11) 企業の社会的責任(CSR)の遂行
CSRの遂行につきましては、国内外の法令の遵守は当然のことながら、国内のみならず諸外国の社会通念上の常識、倫理に照らしたコンプライアンス経営を推進します。
さらにCSRの一環として、当社グループは環境保全活動を推進しています。ISO14001(環境マネジメントシステム)の継続的改善および環境負荷の少ない製品の開発を進めています。また、温室効果ガス吸収量増加を目指す植林プロジェクトを遂行し、地球温暖化防止に寄与します。
また、巨大台風などの災害に遭われた人に対する緊急支援もできる範囲内で行ってきました。

生産、受注及び販売の状況事業等のリスク


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01875] S1007QXF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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