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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007S1D

有価証券報告書抜粋 株式会社ヨロズ 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2016年3月期)


研究開発活動メニュー株式の総数等


(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度における世界経済は、米国や欧州経済は堅調に推移したものの、原油価格の下落による資源国経済の低迷や足元の中国での景気減速、米国でのドルの利上げによる新興国通貨下落など、先行き不透明な状態が続いております。
一方、日本経済は、物価上昇率低下に伴う実質所得の下げ止まりを背景に個人消費主導で緩やかな回復が続いていたものの、名目賃金の伸び悩みや1月以降の急激な円高などから足踏み状態となっております。こうした中でも雇用や設備投資の拡大など足下では底堅さがみられました。
当社グループが関連する自動車産業におきましては、海外市場では、タイ、インドネシアでの販売台数の低迷はありますが、中国は経済が減速しているものの、2015年も堅調な伸びを示しており、米国、メキシコでも増産傾向が続いております。一方、日本の2015年度の新車販売台数は、軽自動車の販売台数が大きく落ち込んだことにより、昨年度に引き続き減少しております。輸出向けについては、円安による国内生産回帰等の影響もあり、前年度比2.0%増加しております。
このような状況下におきまして、当社グループの売上高は、前期に引き続き好調な米国・メキシコ・中国での生産や新拠点の稼働による増加などにより、前年度比14.7%増の172,797百万円となりました。
利益面では、メキシコや中国を中心とした売上の増加効果や新拠点の操業開始コストの減少などにより、営業利益は前年度比22.3%増の10,015百万円となりました。経常利益は新興国通貨の下落に加え、1月以降の急激な円高の進行に伴う為替差損の計上により前年度比30.9%減の7,355百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比35.9%減の3,700百万円となりました。
なお、連結決算における海外子会社損益の円換算には、各子会社決算期の期中平均レートを使用しており、当連結会計年度の米ドルレート(1~12月)は、121.10円/ドル(前連結会計年度は、105.79円/ドル)であります。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く事業環境は、グローバルレベルでの価格競争力はもとより、グローバル供給能力、システム化/モジュール化製品供給能力でのサバイバルな選別がますます加速されております。
そのような状況下にありまして、益々製品開発力及び技術力並びに品質システムにおいて競合他社を凌駕することが経営成績に大きく影響を与えるものと認識しております。また、当社グループの経営成績における海外依存度は年毎に増しております。これは、海外戦略の効果の表れであり、国内需要の低迷を海外でカバーしているためであります。

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度の営業活動により増加した資金は18,735百万円であり、前連結会計年度に比べて8,725百万円の収入増加となりました。これは、仕入債務の増減額に伴う収入が5,820百万円増加、為替差損益の増減に伴う収入が3,827百万円増加、その他の負債の増減額に伴う収入が2,753百万円増加したことなどによります。
当社グループ内で生じた余剰資金については、資金不足が生じているグループ会社に貸し付けることにより、外部からの借入を最小限に留めると共にグループ内の資金の有効活用を基本方針としております。
2015年度においては、昨今の円高状況を鑑み、為替リスク回避の対策としまして、親会社のグループ会社に対するドル建貸付金の一部を外部借入に切替えいたしました。
また、財政状態の分析については、下記のとおりであります。

(イ)資産の部

流動資産は、前連結会計年度末と比べ5,381百万円増加の67,117百万円となりました。これは、「現金及び預金」が4,142百万円増加し、「仕掛品」が1,335百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ2,735百万円減少の84,233百万円となりました。これは、「有形固定資産」のうち「機械装置及び運搬具」が1,805百万円増加しましたが、「工具、器具及び備品」が1,758百万円減少したこと、「建設仮勘定」が1,124百万円減少したこと、また、株価下落に伴い「投資その他の資産」のうち「投資有価証券」が1,027百万円減少したことなどによります。
この結果、総資産は前連結会計年度末と比べ2,646百万円増加の151,351百万円となりました。
(ロ)負債の部
流動負債は、前連結会計年度末と比べ13,796百万円増加の43,092百万円となりました。これは、「支払手形及び買掛金」が1,245百万円増加したこと、「短期借入金」が4,455百万円増加したこと、「1年内返済予定の長期借入金」が7,361百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ9,466百万円減少の12,230百万円となりました。これは、「長期借入金」が9,600百万円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末と比べ4,329百万円増加の55,323百万円となりました。
(ハ)純資産の部
純資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,682百万円減少の96,027百万円となりました。これは、「利益剰余金」が1,867百万円増加しましたが、「その他の包括利益累計額」のうち「為替換算調整勘定」が3,184百万円減少したことなどによります。

(5)経営者の問題意識と今後の方針について
世界の自動車産業では、地球温暖化の問題から低燃費のハイブリッド車(HV・PHV)や電気自動車(EV)などの普及が進んできており、更に燃料電池車(FCV)なども市場投入が始まっております。また、自動車メーカー各社は車の安全性向上のための自動運転技術(衝突回避技術や情報処理技術)にも取り組んでおります。そして、これらによるコスト及び重量の増加を抑えるために低価格化・軽量化のニーズがますます高まってきております。
一方、引き続き需要が旺盛な北米市場はもとより、中国やインド、アセアン地域などではモータリゼーションにより小型車や超低価格車の需要が確実に増えていくことが見込まれております。
このような状況下で、自動車部品産業では、メガサプライヤーが進めているモジュール納入や低価格な部品を提供する新興国ローカルサプライヤーの台頭、更には日系サプライヤー同士の競争が一層激化してくることは避けられない情勢であります。
当社グループは、この変化にいち早く対応し、競争を勝ち抜くための強靭な企業体質の構築が必要であるとの認識から長期ビジョン『サスペンションシステムメーカーを目指す』を掲げ、その達成に向けて第1期目(2015年度~2017年度)となる中期経営計画『Yorozu Spiral-up Plan 2017』(YSP2017)を2015年3月に策定・公表いたしました。
重点取り組みとして、米国アラバマ州に設立したヨロズオートモーティブアラバマ社(YAA)は、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』を目指しております。その達成に向け、日本に「ものづくり技術」を集結し、金型や生産設備・システムを自社で開発し、グローバルに展開いたします。
そのために、ヨロズエンジニアリング(YE)の拡張・能力増強を図り、産学協同による人財育成の取り組みを積極的に進め、世界で活躍できるグローバルエンジニアの育成、更に雇用機会の提供を通して社会貢献してまいります。
当社グループは、YSP2017の必達に向けて引き続き、次の事業の3本柱に取り組んでおり、諸施策については計画通りに進捗しております。
①製品力・開発力の更なる強化
2015年度の重点取り組みとして、設計開発領域においては、高張力鋼板適用による軽量サスペンションメンバーの開発を進める一方、軽量かつ高剛性のパイプビームの量産を実現するなど、将来に向けた新素材・新構造・新工法開発への取り組みを加速するとともに、それらをささえる、解析シミュレーション技術の精度向上及び効率化を進め、製品開発期間の更なる短縮にも力を入れております。
また、生産工程については、革新的な生産効率の向上を狙った工場無人化の取り組みとして、ヨロズ大分に当社グループ初となる組立無人化ラインを導入し、2016年7月稼働に向けて準備中であります。この組立無人化ライン(製品搬送装置、簡易ロボット含む)及び周辺設備であるAGV(無人搬送車)などは全て自社で開発・製作したものであります。
今後の取り組み課題として、設計開発領域においては、当社のコア技術の一つであるサスペンション開発力を革新的に強化してまいります。更に、付加価値を向上させるためにサスペンション周辺部品を取り込んだシステム開発・評価技術を社内に蓄積するとともに、「軽く・強く・安く・早く」といったお客さまのニーズに確実に応えてまいります。
また、生産工程については、前述の組立無人化ラインで得られたノウハウを今後の新規ラインに随時適用してまいります。更に、今後軽量化の要となる高張力鋼板の採用拡大を見越し、成型能力を大幅に向上させた大型3,500トン サーボトランスファープレスをグローバル拠点に順次導入してまいります。
これにより、性能及びコスト面で競争力の高い製品を世界中のお客さまに提供すべく、設備増強計画を進めております。
これらの実現に向けて、「ものづくり技術」を日本に集結し、金型や生産設備・システムを自社で開発し、グローバル展開していくために、YEの拡張・能力増強を2016年初めより開始しております。また、ヨロズエンジニアリングシステムズタイランド社(YEST)につきましても能力増強を進めております。
品質保証については、お客さまからの信頼を一層高めていくためにダントツ品質の実現に向けて更なる品質トレーサビリティーの向上を図ってまいります。
② 世界の主要自動車メーカーへの販路拡大
2015年度は、ダイムラーからシャシー部品を初めて受注いたしました。本プロジェクトの成功に向けて全社総力をあげて取り組んでまいります。お客さまとの連携を密にするために、パリに設立しました欧州事務所を2016年3月より本格稼働しております。
需要が旺盛な市場での受注拡大に備えて、米国ではアラバマ州に第2生産拠点、YAAを2015年10月に設立いたしました。YAAは当社グループ初となる無人化を全面的に採用する戦略的拠点であり、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』を基本コンセプトとしております。稼働予定については、当初予定の2018年初めに対して、前倒しを検討しております。
メキシコの既存2拠点拡張についても、YMEXでは2017年1月に、YAGMでは2016年11月に完了予定であります。また、中国の既存2拠点拡張については、G-YBMでは2015年4月に、W-YBMでは2015年6月に完了しております。
今後の取り組み課題として、日系自動車メーカーに対しては、主要得意先である日産、ホンダに加え、トヨタグループを中心に他の自動車メーカーへの販路拡大も進めてまいります。欧米自動車メーカーに対しては、特にルノー、フォルクスワーゲン、ダイムラー等への販路を拡大してまいります。
成長のために不可欠な設備投資と最適なリソース配分により、アライアンスも含めて供給拠点を検討するとともに、更に市場の拡大が見込まれる中国では第3生産拠点の検討を引き続き進めてまいります。
③ 多様性を尊重したグローバルマネジメントの強化
2015年度の重点取り組みについては、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』に向けて、世界で活躍できるグローバルエンジニアの育成を目指し、産学協同による人財育成の取り組みを積極的に進めております。
今後の取り組み課題として、将来の業容を見据え、多様性を尊重した採用と管理職等への登用を更に進めていくことにより、意欲ある優秀な人財がグローバルに活躍できる環境を整えております。
また、ヨロズ標準を伝授・浸透させ、コアになる人財の育成を目的としたタレントマネジメントの構築を図ってまいります。

研究開発活動株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02219] S1007S1D)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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