株式会社レスター 業績等の概要 (2015年3月期)

(1)業績
(当連結会計年度の概況)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、消費税引上げに伴う駆け込み需要の反動により個人消費が落ち込む局面はあったものの、企業収益の回復や雇用情勢の改善などによりおおむね緩やかな回復基調が続きました。海外に目を転じますと、中国やアジア新興国の景気の停滞や中東、ロシア等における政治的な緊張感の高まりが、世界経済の下振れリスクとなっております。
当社グループが属しておりますエレクトロニクス業界におきましては、その牽引役をスマートフォンに依存する傾向が強くなっております。また、スマートフォン市場の成長の担い手が中国やインド等の新興国に移っていくことに伴い、メーカーシェアの変動や低価格化が進行しつつあります。
その一方で、自動車分野では、電子技術の搭載による情報化や自動化の潮流が顕著であり、エレクトロニクスの発展が不可欠となっています。また環境・エネルギー問題は世界的に関心の高いテーマであり、その解決策の一つとしてエレクトロニクス業界の貢献が強く求められています。
このような状況の下、当社グループは、ソニー製の半導体・電子部品事業を軸とし、自社工場におけるEMS(電子機器受託製造サービス)等の高付加価値事業の拡大、取扱い製品の拡張、外部提携も含めた新規事業の創出に引き続き注力してまいりましたが、海外のスマートフォン向け販売の一時的な停滞の影響を受けました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,806億72百万円(前年同期比11.5%減)、営業利益は55億78百万円(前年同期比19.5%減)、経常利益は62億33百万円(前年同期比13.9%減)、当期純利益は40億37百万円(前年同期比8.2%減)となりました。
セグメント別の業績は次の通りであります。
・半導体及び電子部品事業
半導体及び電子部品事業におきましては、主にスマートフォン向け製品の販売が減少したことにより、減収、減益となりました。
以上の結果、売上高は2,633億44百万円(前年同期比11.4%減)、セグメント利益は53億93百万円(前年同期比16.4%減)となりました。
・電子機器事業
電子機器事業におきましては、景気刺激策等に伴う昨年度の顧客需要増の反動が長期化しており、減収となりました。固定費の削減はあったものの、減収の影響により、セグメント利益も大きく減少しました。
以上の結果、売上高は156億39百万円(前年同期比14.1%減)、セグメント利益は1億30百万円(前年同期比71.7%減)となりました。
・システム機器事業
非接触ICカード関連事業におきましては、電子マネー関連ビジネスが引き続き好調に推移し、売上が伸長しました。また、半導体及び電子部品の信頼性試験・環境物質分析サービス事業におきましては、売上は微減したものの、粗利率が改善しました。
以上の結果、売上高は27億96百万円(前年同期比8.6%増)、セグメント利益は2億19百万円(前年同期比14.3%増)となりました。

(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、102億42百万円(前年同期は116億28百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(62億8百万円)、売上債権の減少(28億13百万円)、たな卸資産の減少(4億71百万円)、仕入債務の増加(18億28百万円)及び法人税等の支払額(25億78百万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2億49百万円(前年同期は10億26百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(3億46百万円)、投資有価証券の取得による支出(3億60百万円)及び定期預金の払戻による収入(23億82百万円)と預入による支出(17億81百万円)との差額によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、11億30百万円(前年同期は72億45百万円の使用)となりました。これは主に、運転資金のための短期借入金の純減少(58百万円)、長期借入れによる収入(17億32百万円)、長期借入金の返済による支出(20億69百万円)及び配当金の支払額(6億27百万円)によるものであります。