有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W8LM (EDINETへの外部リンク)
株式会社北里コーポレーション 事業の内容 (2025年3月期)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社北里コーポレーション)、連結子会社4社(株式会社北里バイオサイエンス、株式会社北里検査センター、株式会社北里ヘルスケア、株式会社北里クライオバンク)、非連結子会社1社(Kitazato America, Inc.)で構成されております。
当社グループは、人工授精及び体外受精、細胞凍結保存(※1)、再生医療における生殖工学技術に特化し、不妊治療を行うため、市場の期待に応えるべく製品を開発・製造し、日本、欧州、米国、中国、インド等の世界中のマーケットに自社製品を供給しております。
会社別では、当社は不妊治療をサポートする医療機器や試薬などの主に消耗品の製造・販売、株式会社北里バイオサイエンスは医療機器の部品等の製造・販売、株式会社北里検査センターは遺伝子検査、株式会社北里ヘルスケアは高齢者向け医療機器の販売、Kitazato America, Inc.では、米国における輸入卸業、製品販売、市場調査・現地での許認可などの取得を行っております。また、株式会社北里クライオバンクは生体細胞の受託管理などに取り組むことを目的として設立し、事業開始に向けて準備中であります。
当社グループが使命と捉え、重視しているのは「生殖医療における新たな可能性の追求」です。その使命のために、世界中の医師や研究者との共同研究を通じ、過去に蓄積された専門技術や知識を有効に活かし、既存技術の改善と新たな技術の創出に取り組んでおります。
当社グループの商流につきましては、外部の取引先や部材を製造している子会社から原材料を仕入れ、当社の工場で医療機器の製造等を行い、日本国内の医療機関や代理店(ディストリビューター方式)を通して海外の医療機関への販売を行っております。当社グループの製品は、国内では病院、クリニックを通じて「Cryotop」、「ETカテーテル」や「卵子・受精卵凍結用試薬」などの多くの製品を患者様にご利用いただいております。また、海外では世界約110ヵ国・地域で自社製品を販売するため、2025年4月30日時点において世界で約80社の代理店ネットワークを通じて供給が行われております。
不妊治療は、基本的には以下の4つの方法が行われており、まずは①タイミング法を行い、妊娠に至らない場合は、②人工授精、③体外受精、④顕微授精へと進んでいくことが一般的です。
当社グループで扱う製品は、主に③体外受精、④顕微授精で利用する研究用試薬や医療機器になります。これらは高度生殖医療とも呼ばれており、一般的な不妊治療で使用する製品に比べて高度な専門性を必要とする製品となります。
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「不妊治療の概要」
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※上記のうち、「高度な不妊治療」が当社グループ製品を主に使用する領域となります。
「当社取扱製品の説明」
当社グループの提供する不妊治療に関する医療機器等は、以下のように製品区分されます。なお、当社グループは医療機器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
製品区分 | 製品 | 用途 |
Media (試薬) | 卵子/胚ガラス化・凍結液 融解液(VT) | 卵子や受精卵を凍結保存、融解するための試薬 |
卵子・受精卵培養試薬(HTFメディウム等) | 卵子や受精卵を培養するための試薬 | |
密度勾配遠心用試薬(SE等) | 良好精子を収集するための試薬 | |
培養カバーオイル | 培養液に被せるためのオイル | |
配偶子洗浄用試薬(GBS等) | 卵子や精子の洗浄や、試薬の濃度調整のための試薬 | |
CryoDevices (凍結保存製品) | Cryotop | 取り出した卵子又は培養した受精卵を液体窒素内で凍結保存するために使用する容器 |
Cryotop-CL | 取り出した卵子又は培養した受精卵を液体窒素に触れずに、凍結保存するために使用する容器 | |
Ova Cryo Sheet | 取り出した卵巣組織切片を液体窒素に触れずに、凍結保存するために使用する容器 | |
医療機器 | 採卵針(OPUニードル) | 女性の卵巣へ針を穿刺し、卵胞内から卵子を取り出すための機器 |
人工授精用(IUI)カテーテル | 男性から採取した良好精子を女性の子宮に入れるための機器 | |
胚移植用(ET)カテーテル | 体外受精した受精卵を女性の子宮内へ移植するための機器 | |
MicroTools (顕微授精製品) | ICSI Injection Pipette | 顕微授精で精子を卵子へ注入するためのガラスピペット |
ICSI Holding Pipette | 顕微授精で卵子を保持するためのガラスピペット | |
PZD Needle(アシステッドハッチング用ニードル) | アシステッドハッチング(胚が子宮内で着床しやすいようにする処理)をするためのガラスニードル |
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当社グループの事業の特徴は以下のとおりとなっております。
① 不妊治療におけるすべての工程で製品を提供
当社グループが扱う主な製品は、「卵子採取・洗浄」、「精子採取・洗浄」、「受精」、「培養」、「移植」のフェーズで利用されますが、当社グループでは、不妊治療における卵子及び精子の採取、洗浄、培養、受精、卵子や胚の凍結保存及び融解に至るすべての工程にかかわる製品を静岡本社工場又は東京オフィスにて総合的に提供可能であることが強みとなっております。
② Made in Japanに裏付けされた技術力
当社グループでは、すべての製品の製造を静岡本社工場及び東京オフィスにおいて国内生産しており、Made in Japanに裏付けされた品質水準で、安心、安全な医療器具の提供を目指しております。当社グループの製品は、1本1本を手作業で作製しており、数mm又は数µm単位の差のカスタム製品の製造が可能な技術力を有しております。そのため、ユーザーニーズに見合った柔軟な製品の製造が可能になっております。
また、特に凍結分野における開発を世界で先駆けて行ってきたことから、同分野において世界各国で当社の製品が使用されております。
体外受精では卵子及び受精卵を凍結保存することで、より良いタイミングでの胚移植を実現し、妊娠率を高める凍結プログラムがあります。当社グループでは、超急速ガラス化法(※)を用いて、卵子/受精卵(胚)を凍結保存する試薬及び保存機器の開発製造に携わり、医療施設における高い生存率の実現に貢献してきました。
(※)超急速ガラス化法は、胚に凍結保護剤を浸透させた後、ガラス化液につけて細胞内の水分を抜き、-196°Cの液体窒素に瞬時に入れて急速に温度を下げることで胚をガラス化(非結晶化)させ、細胞の破壊を防ぎます。
③ グローバルでの販売力
当社グループの製品を使用するユーザーは個人病院や大病院であり、国内では「Cryotop」、「ETカテーテル」や「卵子・受精卵凍結用試薬」などの多くの製品をご利用いただいております。また、海外では、世界約110ヵ国・地域で自社製品を販売するために、当連結会計年度末時点において世界約80社の代理店(ディストリビューター方式)ネットワークを有しております。特に近年では、規模、成長性ともに大きい米国、中国を中心として顧客拡大に注力しております。
これを可能としているのは、代理店や医療機関との連携による製品・サービスの使用状況の把握、また、それらに対する意見や評価に基づく的確なユーザーニーズの把握に拠るところが大きく、そのうえで、迅速に対応できる営業能力とそのユーザーニーズ等を製品に落とし込む確かな技術力や応用力が顧客拡大へつながっているものと考えております。このような技術力・応用力の裏付けとして、世界各国の大学病院やクリニックとの共同開発・共同研究の連携を行っていることが挙げられます。
なお、当社グループと継続的に関連当事者取引が発生している取引先及びその事業内容、取引内容の概要は次のとおりであります。
Biomedical Supply, S.L.
当社の社外取締役が代表者である取引先であり、スペインにおいて生殖補助医療器具の流通販売を行っており、海外の販売代理店として当社製品の販売取引があります。
Biomedical Supply US, Inc.
当社の社外取締役が代表者である取引先であり、米国において生殖補助医療器具の流通販売を行っており、海外の販売代理店として当社製品の販売取引があります。
[事業系統図]
前述した事項を事業系統図によって示すと次のとおりになります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E40668] S100W8LM)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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