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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10023VY

有価証券報告書抜粋 株式会社医学生物学研究所 研究開発活動 (2014年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの研究開発活動は、すべて試薬事業に関わる活動であります。当連結会計年度における研究開発費は前期比11.7%増の12億71百万円で、当社グループの研究開発活動の主な進展は以下のとおりです。
1 臨床検査薬
①全自動臨床検査システム「STACIA®(ステイシア)」に搭載する化学発光酵素法(CLEIA法)を原理とするSTACIA®専用試薬「ステイシアMEBLux™テスト」シリーズとして、3項目(抗Dsg1抗体、抗Dsg3抗体、抗BP180抗体)を2013年12月に追加発売し、搭載項目数を17項目に拡充いたしました。抗Dsg1抗体、抗Dsg3抗体は天疱瘡の鑑別診断または経過観察中の治療効果判定に、抗BP180抗体は水疱性類天疱瘡の鑑別診断または経過観察中の治療効果判定に用いられます。
ステイシアMEBLux™テストシリーズは、「STACIA®」に搭載することによる迅速測定により、医療現場のニーズが高い診療前検査が可能となります。今後も自己免疫疾患、腫瘍マーカーなど本シリーズの試薬開発に注力し、更なる製品ラインナップの充実を図る予定です。
②多発性筋炎・皮膚筋炎(Polymyositis / Dermatomyositis:PM/DM)の診断補助となる体外診断薬「MESACUP™ anti-ARSテスト」を開発し、欧州は2013年12月にCEマーク登録、日本は2014年1月1日付で保険適用となりました。抗ARS(Aminoacyl-tRNA Synthetase)抗体は、PM/DMに対する疾患特異性が高く、また抗ARS抗体陽性患者では、高い確率で間質性肺炎を合併するなどの共通した臨床的特徴がみられることから、抗ARS抗体検査は、PM/DMを確実に診断し、適切な治療を進める上で極めて有用と考えられています。
なお本製品は、従来の抗Jo-1抗体に、他の抗ARS抗体4種(抗PL-7抗体、抗PL-12抗体、抗EJ抗体、抗KS抗体)を加えた、合計5種類の抗ARS抗体を一括して検出可能な体外診断薬であり、従来の検査を上回る臨床的な感度を有しております。本製品の発売により、当社の自己免疫疾患検査試薬は28項目となり、自己免疫疾患検査試薬のトップメーカーとしての位置をより強固にしたものと考えております。
2 基礎研究用試薬
①当社は、がんなどの免疫細胞治療において抗原特異的T細胞を検出する試薬「MHCテトラマー」の開発・販売に注力しており、当期は47種類の新製品を発売いたしました。また、国内に加えて米国子会社(BION Enterprises Ltd.)でも高品質な試薬生産を開始して全世界に向けた販売を行っています。
②エピジェネティックス(塩基配列の違いによらない遺伝子発現の多様性でDNAやヒストンのメチル化修飾による制御がよく知られています)は、生殖だけでなく、がんや様々な疾患に関連していることが明らかになり、近年研究が盛んに行われている分野です。この研究分野に関連した修飾された核酸やヒストンに対する抗体を多数作製しています。
③様々なタンパク質間の相互作用を解析するツールが注目されていますが、当社子会社であるAmalgaam有限会社では、これまでとは異なる新しい原理により、生きた細胞内でタンパク質間相互作用を観察することが可能なキット「Fluoppi」を開発し、基礎研究用試薬として発売いたしました。製薬企業や大学などの研究機関において、医薬品候補のスクリーニングなどの研究に役立つ画期的なツールです。
④iPSアカデミアジャパン株式会社と、ディナベック株式会社(以下「ディナベック」という)が開発したiPS細胞作製用キットCytoTune®-iPSの日本国内における共同販売を2013年6月より開始いたしました。
CytoTune®-iPSは、一昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授のiPS細胞作製技術と、ディナベックのセンダイウイルスベクター技術を融合させて開発したiPS細胞誘導キットであり、本キットを用いることにより、線維芽細胞などの体細胞からiPS細胞を効率よく誘導することができます。
⑤公益財団法人かずさDNA研究所(以下「かずさDNA研究所」という)と、ターゲットシーケンスキャプチャー法による疾患パネルの作成に関する共同研究を行うことについて、2013年10月に合意いたしました。本共同研究は、弊社が持つ「高品質な長鎖オリゴヌクレオチド合成品」と、かずさDNA研究所が持つ「次世代シークエンサー解析、および情報処理技術」を融合することにより、先天性遺伝性疾患等の原因となる遺伝子の変異(変化)を調べる際、網羅的かつ効率的に解析することを目的としています。
本共同研究では、かずさDNA研究所が、長期に培ってきたDNA構造解析研究の成果・蓄積が先天性遺伝性疾患の臨床の場で活用されること、また、本研究の成果を臨床の場で用いられる診断薬の開発につなげることを目指しております。
3 遺伝子関連試薬
1)がん関連検査試薬
①ヒトパピローマウイルス(HPV:Human papillomavirus)の遺伝子型をタイピングする試薬「MEBGEN™ HPVキット」を開発し、2013年4月より体外診断用医薬品として発売いたしました。HPVは100種類以上の遺伝子型が存在し、多くのがん発生に関与するとされています。その中でも子宮頸がんに関しては多くの研究が報告され、がん発症に関与する高リスクタイプの遺伝子型と低リスクタイプの遺伝子型に分類されています。
本製品は高リスクHPV遺伝子型を、個別に高感度、高精度、かつ短時間に測定できる特長を有し、子宮頸がんの診断・治療に対して有用な検査情報を提供することができます。世界で最も同時多項目の遺伝子測定を可能とする、PCR-rSSO法とLuminex®法を原理としており、採取された子宮頸部細胞より抽出したDNAをPCR法で増幅させ、短時間に最大96検体を同時測定することができます。

②高感度KRAS遺伝子変異検出試薬「GENOSEARCH™ HS KRAS」を2013年7月に発売いたしました。本製品はPCR-rSSO法とLuminex®法を原理としており、KRASコドン12,13,61に生じた各変異を変異検出率0.2%という高感度で検出し、迅速かつ客観的に測定することができます。
③大腸がんに関連する4遺伝子変異検出試薬「GENOSEARCH™ Mu-PACK™」を改良し、2013年9月に発売いたしました。がん化と密接に関係する上皮増殖因子受容体(EGFR)を出発点としたシグナルで重要な役割を担っていると考えられる4つの遺伝子(BRAF、KRAS、NRAS、PIK3CA)で変異が同時に検出可能です。本試薬は2012年2月より発売していましたが、BRAF検出に改良を加えて全体で変異37か所を検出することが可能となりました。
④肺がん治療の予後への影響が示唆されるアクチニン4(以下「ACTN4」という)の検出試薬「ACTN4 DNA Probe」を研究用試薬としてABNOVA Corporationより導入し、2013年10月より発売開始いたしました。肺がんは日本で毎年10万人が新たに診断され、死者が最も多いがんです。この肺がん患者の6割を占めるのが「腺がん」ですが、そのうちACTN4遺伝子の増幅が認められない肺腺がん患者では5年生存率が9割強であるのに対して、増幅している患者では約6割と予後への影響が示唆されており、肺がん研究に有用な試薬です。
2)周産期領域関連試薬
男性不妊における無精子症、乏精子症等との関係で研究されているY染色体微小欠失の多くの情報を同時に検出する試薬「GENOSEARCH™ AZF Deletion」を、金沢大学医学系研究科集学的治療学(以下「金沢大学」という)と共同開発することに成功し、2013年9月に発売いたしました。男性不妊の一因である重症精子形成障害については、Y染色体長腕上の無精子症因子(AZF:Azoospermia factor)領域における微小欠失(Y-microdelection)が原因であるとの報告があります。これまで主として欧米人の研究データをもとに研究用試薬が開発されているため、日本人では必ずしも安定した結果が得られないことがあります。そのため人種差も考慮した研究に基づく試薬が必要との認識から、金沢大学と共同研究を進め製品化いたしました。
3)血液学的検査試薬
赤血球ABO遺伝子型判定キットを2013年8月に発売いたしました。赤血球ABO型の不一致間輸血は、赤血球凝集反応による輸血後溶血性副作用の原因となるため、輸血において、ABO型の判定は最も重要となります。
本製品は、赤血球ABO遺伝子型のうち血清学的検査にて判定できるメジャーな型の判定だけでなく、出現頻度が稀な亜型の明瞭なタイピングが可能です。


事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00978] S10023VY)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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