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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007QN8

有価証券報告書抜粋 株式会社医学生物学研究所 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2016年3月期)


研究開発活動メニュー株式の総数等

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2016年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2013年9月13日)等を適用し、「当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純損失」としております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び会計期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを含んでおり、売上債権、たな卸資産、貸倒引当金、投資、繰延税金資産、法人税等に関する見積りや判断に関して継続的に評価を行っております。実際の結果に関しましては、見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当社グループの売上高は、前連結会計年度から4億45百万円(5.9%)増収の80億56百万円となりました。
検査薬市場における医療費抑制傾向や競合激化に伴う試薬単価の下落傾向の継続、基礎研究用試薬市場における国内アカデミアでの試薬購入の沈滞化の影響など、市場環境は厳しい状況が続いたものの、前期末に投入した大型新製品や注力製品が売上に貢献し、臨床検査薬分野、基礎研究用試薬分野、細胞診関連分野において増収となり、試薬事業の売上高が前連結会計年度から4億45百万円の増収となったことが主な要因です。
このうち試薬事業の売上高は79億96百万円となりました。前連結会計年度と比較して、製造受託が95百万円(19.8%)減収となったものの、臨床検査薬の売上高が2億5百万円(4.8%)、基礎研究用試薬が1億53百万円(6.8%)、細胞診関連が53百万円(17.1%)増収となったことに加え、抗体医薬シーズを導出したことなどによりその他売上高が1億29百万円増収となったことが要因です。
臨床検査薬分野では、主力の自己免疫疾患検査試薬は、国内市場で測定機器と試薬(「ステイシアMEBLux™ テスト」シリーズ)の戦略的な一体販売などにより市場が拡大したものの、海外市場での売上の減少や当初見込んだ新規顧客の獲得ができなかったことなどから売上が減少しました。一方で、がん関連検査試薬において、2015年4月1日付で保険適用となった大腸がん治療の抗体医薬の有効性を投与前に予測する試薬「MEBGEN™ RASKET キット」が売上に貢献したため、分野全体は増収となりました。
基礎研究用試薬分野は、開発・販売に注力しているがんなどの免疫細胞治療で重要な役割を果たす抗原特異的細胞傷害性T細胞の検出試薬「MHCテトラマー」の販売が国内外で好調であったことや、抗体群・ELISAキットなどの売上が増加したことから、国内市場の売上は微増、北米・欧州市場では売上が増加しました。さらに、中国市場で核酸合成受託サービスが好調であったことから、分野全体は増収となりました。
細胞診関連分野は、子宮頸がんの原因ウイルスとされるヒトパピローマウイルスの高リスク遺伝子型タイピング試薬「MEBGEN™ HPVキット」及び関連する細胞診検査用試薬の売上や、男性不妊の原因遺伝子検査試薬の売上が増加しました。
投資事業の売上高は、前連結会計年度とほぼ同額の61百万円となりました。
② 売上総利益
売上総利益は、前連結会計年度から2億90百万円(6.9%)増益の44億96百万円となりました。
売上原価率の改善は進んでいるものの依然として高い水準にあることから、売上高の増加とともに売上原価が1億55百万円(4.6%)増加したため、売上総利益の増益額は2億90百万円にとどまりました。
③ 営業損益
営業損益は、前連結会計年度から4億71百万円増益の3億68百万円の損失となりました。
売上総利益が増益であったことに加え、経費の見直しなどを推し進めたことにより、前連結会計年度から4億71百万円の増益となったものの、人件費の増加や研究開発費が前連結会計年度と同程度で推移したことなどから、3億68百万円の営業損失となりました。
④ 経常損益
経常損益は、67百万円の為替差損を計上したことなどにより営業外費用が増加したことなどから、前連結会計年度から2億89百万円の増益に圧縮され、4億49百万円の経常損失となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純損益
親会社株主に帰属する当期純損益は、グループ企業の評価見直し、固定資産の除却、ならびに創業者功労引当金の繰入などに伴い、6億89百万円の特別損失を計上したことから、3億76百万円減益の11億42百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載した事項が経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。

(4) 経営戦略の現状と見通し
2020年度のありたい姿「先端診断分野で存在感のあるグローバルニッチ企業として価値を創出する」目標を達成するために、これまでの主要な事業を臨床検査薬(In Vitro Diagnostic:IVD)とライフサイエンス・トランスレーショナルリサーチ(Life Science Translational Research:LSTR)の事業構造に再編し、事業ベクトルを先端診断薬に向けて企業資源を集中します。
① IVD事業
自己免疫疾患・自己抗体検査薬は、既存製品に加え、新たな診断項目の開発によって製品群を充実させ醸成・深耕してまいります。
遺伝子診断は転移性大腸がん治療用抗EGFR抗体薬の投与前診断に加えて、その他のがん関連診断薬及び感染症関連の製品群を発売する予定です。
② LSTR事業
疾患と関連した研究用試薬を上市して臨床医や疾病研究者に評価していただくことで、将来の臨床検査薬に繋げることを意図しています。特に、疾患の発症、早期診断、及び薬剤選択、有効性・有害事象の評価、治療の予後モニターなど治療と関連したバイオマーカー、コンパニオン診断薬などの個別医療や精密医療に注力した製品開発を推進します。
開発されたLSTR製品群は、日本、米国、欧州、中国とグローバルに発売して、ユーザーである臨床医や疾患研究者による評価から、臨床検査薬としての開発方針を判断していきます。
③ 治療支援事業
当社は長年にわたり蓄積してきた免疫学的技術を治療法にも応用発展させてきました。製薬企業への知財や技術・ノウハウの導出、導出した治療法でバイオマーカーやコンパニオン診断薬などの検査薬が必要な場合は、当社が開発から薬事承認を経て製品化をおこないます。
④ 新規事業シーズ
東大医科学研究所 社会連携研究部門において、腸内細菌メタゲノム解析の基盤となるデータベースの構築を目指しています。将来的には、当該成果を基に免疫疾患にかかわるバイオマーカーやコンパニオン診断薬などの臨床検査薬の開発に着手する予定です。
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当社は、グローバルニッチ企業へと成長するためにJSRグループとの連携強化、人財育成を行います。
⑤ JSRグループのグローバル拠点との連携強化
JSRグループと一体化したグローバルな製品販売を拡大します。JSRの海外拠点との提携強化は、短期的には当社製品の販売増、中期的には臨床検査薬やLSTR製品群の応用開発、販売促進用のデータ取得や学術ラボ機能による販売促進機能、長期的には米国アカデミアや企業との共同研究による革新的な製品開発から上市へと研究開発機能の拡張をゴールとしています。
⑥ 人財育成
体系的人事施策による人財育成を中期計画の骨子としてまいります。グローバルに活躍できる人財を育成すべく、計画的な社内ローティションやJSRとの人財交流など活発、積極的に実践してまいります。
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当社グループは、先端診断分野や新規事業への挑戦を続けます。当社の技術や製品群とシナジーある先端インフォーメーション技術及びビジネス・モデルなど当社の事業価値を高めるための戦略的な提携も含めた研究開発及び事業への投資を行います。先端診断分野への選択と集中を指向した効率的な資金投下を実行して、2020年度には連結売上高120億円、売上高営業利益率10%以上を目指します(MBL International Corprationの計画を含む)。

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資産、負債及び純資産の状況
(ア)資産
当連結会計年度末における総資産は115億53百万円となり、前連結会計年度末に比較して7億79百万円減少しました。
・流動資産:当連結会計年度末で73億87百万円となり、前連結会計年度末より16億92百万円減少しました。
これは主に、仕掛品が62百万円増加した一方で、現金及び預金が16億31百万円、受取手形及び売掛金が1億40百万円減少したためです。
・固定資産:当連結会計年度末で41億65百万円となり、前連結会計年度末より9億13百万円増加しました。
1)有形固定資産は30億24百万円となり、前連結会計年度末より13億81百万円増加しました。
これは主に、第2生産棟の建築により建物及び構築物が13億94百万円増加したためです。
2)無形固定資産は1億78百万円となり、前連結会計年度末より2億79百万円減少しました。
これは主に、のれんが2億29百万円、その他に含まれる特許権が41百万円減少したためです。
3)投資その他の資産は9億63百万円となり、前連結会計年度末より1億87百万円減少しました。
これは主に、長期貸付金が88百万円、長期前払費用が73百万円減少したためです。
(イ)負債
当連結会計年度末における負債の額は47億38百万円となり、前連結会計年度末に比較して3億49百万円増加しました。
・流動負債:当連結会計年度末で28億21百万円となり、前連結会計年度末より4億38百万円増加しました。
これは主に、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が85百万円減少した一方で、短期借入金が2億54百万円、流動負債のその他に含まれる未払金が1億67百万円増加し、創業者功労引当金が1億1百万円発生したためです。
・固定負債:当連結会計年度末で19億17百万円となり、前連結会計年度末より88百万円減少しました。
これは主に、長期借入金が50百万円、固定負債のその他に含まれる長期未払金が34百万円減少したためです。

(ウ)純資産
当連結会計年度末における純資産の額は68億14百万円となり、前連結会計年度末に比較して11億29百万円減少しました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により、利益剰余金が11億42百万円減少したためです。

② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、30億67百万円となり、前連結会計年度末と比較して3億69百万円増加しました。
なお、詳細につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、新経営体制の下で2020年度(2020年度)に向けた中期経営計画を策定しました。2020年度のありたい姿を「先端診断分野で存在感のあるグローバルニッチ企業として価値を創出する」としました。これまで当社グループは、2つの柱となる臨床検査薬(IVD)と基礎研究用試薬の事業を有していました。
当社IVD事業は、バイオテクノロジー基幹技術(抗体作製技術、分子生物学的技術、免疫学的及び遺伝子検出法)を駆使した自己免疫疾患、がん等を対象とした特殊検査薬の研究開発から高品質な製品の開発、製造と品質管理、及び国内での薬事承認、学術、販売力が強みです。今日まで自己免疫疾患やがん領域の自己抗体検査薬、及び遺伝子検査薬でユニークな製品群を上市してきました。これまで事業成長させてきたIVD事業を陳腐化させることなく醸成させると同時に、当該事業を発展あるいは変革させ、特長ある製品開発、新規な事業あるいはサービスを興していきます。
基礎研究用試薬事業は、LSTR事業へ再編して、疾病と関連した研究試薬を上市し、その先に臨床検査薬として開発、製造、承認、販売できる社内体制に再構築します。今後、LSTR事業からは、将来の臨床検査薬として製品化できる可能性のある製品群を上市する方針とし、臨床検査薬事業に選択と集中する事業戦略としました。
当社グループは、2015年10月2日付でJSRグループの一員となりました。JSRと当社の両グループが有する米国、欧州、中国でグローバル拠点間における営業の協業を手始めに、世界での売上増から近い将来は新製品開発、薬事規制対応、マーケティング、事業開発へとライフサイエンス事業の全方位で強固な事業体制を構築する予定です。
今後も、先端臨床検査薬及び関連サービスの提供にチャレンジする企業として、存在感あるグローバルニッチ企業を目指していきます。LSTR製品パイプラインから将来の先端検査薬へ向けた当社グループの取り組みに対して、魅力や成長性を実感していただける企業集団にしていきたいと思います。
企業は人なり、当社グループは人財の尊重・育成と雇用環境の提供を継承していく方針は従来と変わりはありません。


研究開発活動株式の総数等


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