有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005A99
株式会社南都銀行 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年3月期)
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の分析
○当連結会計年度の財政状態の分析
①預金及び譲渡性預金
預金につきましては、多様な顧客に充実した金融商品・サービスの提供に努めるとともに安定的な資金調達に注力いたしました。この結果、個人預金及び一般法人預金が増加しましたので預金は当年度中105,708百万円増加して、当連結会計年度末残高は4,691,065百万円となりました。
一方、譲渡性預金は地方公共団体や金融機関からのお預け入れが減少したことから当年度中14,182百万円減少して、当連結会計年度末残高は63,349百万円となりました。
2014年3月31日(A) | 2015年3月31日(B) | 増減(B)-(A) | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
預金 | 4,585,357 | 4,691,065 | 105,708 |
うち個人預金 | 3,531,406 | 3,601,256 | 69,850 |
うち一般法人預金 | 837,342 | 859,667 | 22,325 |
うち公金預金 | 204,867 | 210,890 | 6,023 |
譲渡性預金 | 77,531 | 63,349 | △14,182 |
一般法人譲渡性預金 | 42,600 | 50,950 | 8,350 |
公金譲渡性預金 | 24,931 | 12,399 | △12,532 |
金融機関譲渡性預金 | 10,000 | ― | △10,000 |
②貸出金
貸出金につきましては、コンサルティング機能を強化して地域密着型金融への取り組みを強力に推進するとともに、地方公共団体等からの資金のご要請にも積極的にお応えいたしました。この結果、貸出金は当年度中107,016百万円増加して、当連結会計年度末残高は3,079,175百万円となりました。
2014年3月31日(A) | 2015年3月31日(B) | 増減(B)-(A) | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
貸出金 | 2,972,159 | 3,079,175 | 107,016 |
うち個人向け貸出金(単体) | 861,504 | 878,085 | 16,580 |
うち中小企業向け貸出金(単体) | 1,011,018 | 1,013,918 | 2,900 |
うち地方公共団体向け貸出金(単体) | 436,423 | 494,480 | 58,057 |
・リスク管理債権の状況
当連結会計年度末のリスク管理債権額(破綻先債権額、延滞債権額、3ヵ月以上延滞債権額及び貸出条件緩和債権額の合計額)は、前年度末と比べ3,463百万円減少して79,928百万円となり、貸出金残高に対するリスク管理債権額の比率は同じく0.21ポイント低下して2.59%となりました。
2014年3月31日(A) | 2015年3月31日(B) | 増減(B)-(A) | ||
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
リスク管理債権 | 破綻先債権額 | 1,078 | 894 | △183 |
延滞債権額 | 67,766 | 63,465 | △4,301 | |
3ヵ月以上延滞債権額 | 304 | 762 | 458 | |
貸出条件緩和債権額 | 14,242 | 14,805 | 563 | |
合計 | 83,391 | 79,928 | △3,463 |
貸出金残高(末残) | 2,972,159 | 3,079,175 | 107,016 |
2014年3月31日(A) | 2015年3月31日(B) | 増減(B)-(A) | ||
比率(%) | 比率(%) | 比率(%) | ||
貸出金残高比率 | 破綻先債権額 | 0.03 | 0.02 | △0.01 |
延滞債権額 | 2.28 | 2.06 | △0.22 | |
3ヵ月以上延滞債権額 | 0.01 | 0.02 | 0.01 | |
貸出条件緩和債権額 | 0.47 | 0.48 | 0.01 | |
合計 | 2.80 | 2.59 | △0.21 |
③有価証券
有価証券につきましては、市場の動向を注視しつつポートフォリオの効率性向上と収益基盤確立の観点から運用を行った結果、国債や地方債を中心に当年度中213,814百万円減少して、当連結会計年度末残高は1,693,517百万円となりました。
2014年3月31日(A) | 2015年3月31日(B) | 増減(B)-(A) | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
有価証券 | 1,907,331 | 1,693,517 | △213,814 |
国債 | 1,150,499 | 887,653 | △262,845 |
地方債 | 197,208 | 174,865 | △22,343 |
社債 | 131,070 | 104,567 | △26,502 |
株式 | 82,850 | 99,789 | 16,938 |
その他の証券 | 345,703 | 426,641 | 80,938 |
うち外国証券 | 326,966 | 404,269 | 77,302 |
④繰延税金資産
繰延税金資産につきましては、その他有価証券評価差額金が増加したことや退職給付に係る負債が減少したことから当年度中13,785百万円減少し、繰延税金負債の純額の当連結会計年度末残高は8,491百万円となりました。
2014年3月31日(A) | 2015年3月31日(B) | 増減(B)-(A) | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
繰延税金資産(負債)の純額 | 5,294 | △8,491 | △13,785 |
うち貸倒引当金 | 9,813 | 8,461 | △1,351 |
うち退職給付に係る負債 | 9,087 | 5,540 | △3,547 |
うち有価証券評価損 | 4,689 | 4,140 | △548 |
うち税務上の繰越欠損金 | 2,636 | 97 | △2,539 |
うちその他有価証券評価差額金 | △16,905 | △22,602 | △5,696 |
うち評価性引当額 | △13,706 | △12,631 | 1,075 |
○当連結会計年度の経営成績の分析
①連結業務粗利益
当連結会計年度の連結業務粗利益につきましては、前年度と比べ378百万円増加して64,241百万円となりました。
資金運用収支についてみますと、運用面では、有価証券利息配当金は増加しましたが、貸出金残高は増加したものの利回りが低下したことから貸出金利息が前年度比2,010百万円減少したことなどから、資金運用収益は前年度比1,364百万円減少の54,835百万円となりました。一方、調達面につきましても、預金残高は増加しましたが利回りが低下したことから預金利息が減少しましたので、資金調達費用は前年度比500百万円減少の3,751百万円となりました。
この結果、資金運用収支は前年度比863百万円減少の51,083百万円となりました。
また、役務取引等収支は、前年度比380百万円増加の9,311百万円となり、その他業務収支も、債券関係損益の増加等により前年度比861百万円増加の3,846百万円となりました。
前連結会計年度 (百万円) (A) | 当連結会計年度 (百万円) (B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
連結業務粗利益 | 63,863 | 64,241 | 378 |
資金運用収支 | 51,947 | 51,083 | △863 |
資金運用収益 | 56,199 | 54,835 | △1,364 |
うち貸出金利息 | 38,463 | 36,452 | △2,010 |
うち有価証券利息配当金 | 17,362 | 17,873 | 511 |
資金調達費用(金銭の信託運用見合費用控除後) | 4,251 | 3,751 | △500 |
うち預金利息 | 3,003 | 2,512 | △491 |
うち借用金利息 | 155 | 247 | 91 |
役務取引等収支 | 8,931 | 9,311 | 380 |
役務取引等収益 | 17,766 | 18,375 | 608 |
役務取引等費用 | 8,835 | 9,063 | 228 |
その他業務収支 | 2,984 | 3,846 | 861 |
うち債券関係損益 | 2,923 | 4,274 | 1,351 |
その他業務収益 | 3,804 | 4,729 | 924 |
その他業務費用 | 820 | 883 | 63 |
②経常利益
営業経費につきましては、前年度比729百万円増加の47,723百万円となりました。
また、株式等関係損益につきましては、売却益が減少したことなどから前年度と比べ91百万円減少して1,515百万円となりました。
与信費用についてみますと、貸倒引当金が繰入超に転じたことから貸倒償却引当費用は前年度と比べ553百万円増加して1,786百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前年度と比べ2,012百万円減少して17,860百万円となりました。
前連結会計年度 (百万円) (A) | 当連結会計年度 (百万円) (B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
営業経費 | 46,993 | 47,723 | 729 |
株式等関係損益 | 1,607 | 1,515 | △91 |
株式等売却益 | 1,831 | 1,515 | △316 |
株式等売却損 | 53 | ― | △53 |
株式等償却 | 170 | 0 | △170 |
貸倒償却引当費用 | 1,233 | 1,786 | 553 |
貸出金償却 | 1,214 | 1,176 | △38 |
一般貸倒引当金繰入額 | ― | 1,397 | 1,397 |
個別貸倒引当金繰入額 | ― | △834 | △834 |
偶発損失引当金繰入額 | 18 | 47 | 28 |
貸倒引当金戻入益 | 294 | ― | △294 |
償却債権取立益 | 1,611 | 678 | △933 |
その他 | 723 | 935 | 212 |
経常利益 | 19,873 | 17,860 | △2,012 |
③当期純利益
特別損益につきましては、固定資産処分益が増加したことから前年度と比べ230百万円改善の151百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前年度と比べ1,782百万円減少して18,012百万円となりましたが、法人税等調整額が減少したことから当期純利益は前年度と比べ794百万円増加して9,874百万円となりました。
前連結会計年度 (百万円) (A) | 当連結会計年度 (百万円) (B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
特別損益 | △79 | 151 | 230 |
固定資産処分損益 | △63 | 162 | 226 |
減損損失 | 15 | 11 | △4 |
税金等調整前当期純利益 | 19,794 | 18,012 | △1,782 |
法人税、住民税及び事業税 | 1,024 | 1,130 | 106 |
法人税等調整額 | 8,998 | 6,421 | △2,577 |
法人税等合計 | 10,023 | 7,552 | △2,470 |
少数株主損益調整前当期純利益 | 9,770 | 10,459 | 688 |
少数株主利益 | 691 | 585 | △105 |
当期純利益 | 9,079 | 9,874 | 794 |
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当行グループを取り巻く経営環境は競争が非常に激しいため、利鞘の縮小が収益性悪化を招く要因となります。また、地域経済の低迷は、運用機会の縮小と取引先の業況悪化を通じ貸出資産の劣化と資金収益力の低下要因となります。
信用コストにつきましては、毎年度、厳格な自己査定を実施し、実態に即し償却・引当処理を適正に実施してきたことから低水準で推移しており、今後につきましても債務者の経営実態及び信用力の変化を把握し、経営改善計画の策定や金融面の支援を行うことで与信管理の強化を適切に行ってまいります。また、内外の経済・市場環境が変化するなかで、株式などの保有有価証券価格の変動により損失が生じるおそれがあります。
当行グループといたしましては、これらの状況を踏まえ本年4月からスタートした中期経営計画のもと、奈良県などの既存営業エリアでお客さまとのリレーションを一層深化させるとともに、大阪府などの重点戦略エリアにおいて稠密な拠点展開をさらに進め、地域の活性化や規模の拡大等を通じた収益機会の創出を図ってまいります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における当行グループの資金状況についてみますと、営業活動によるキャッシュ・フローでは、貸出金の増加額が預金等の増加額を上回ったことなどから5,822百万円の資金を使用いたしました。
一方、投資活動によるキャッシュ・フローでは、有価証券の売却及び償還による収入が取得による支出を上回ったことなどから277,682百万円の資金を得ました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、劣後特約付社債の償還等により21,890百万円の資金を使用したことから、資金全体では当連結会計年度は249,986百万円の増加となりました。
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