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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100APV6

有価証券報告書抜粋 株式会社日本政策投資銀行 コーポレートガバナンス状況 (2017年3月期)


役員の状況メニュー

○コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当行は長期の事業資金を必要とする者に対する資金供給の円滑化及び金融機能の高度化に寄与することを目的とする会社として「企業理念」を定めております。「企業理念」とは、当行グループの「使命」を果たすために、将来の「ビジョン」を目指し、「価値観」を基準に行動していく体系として定義をしており、4次中計の策定にあわせて、当行グループの企業理念体系を以下のとおり再整理いたしました。

(使命)
「金融力で未来をデザインします-金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します。-」を当行グループの使命とし、経済価値と社会価値の両立を目指します。

(ビジョン)
「産業・インフラ分野のプロフェッショナルとして、幅広いリスク対応能力を発揮して事業や市場の創造をリードすると共に、危機対応など社会的な要請に的確に応え、2030年の経済・社会において独自の役割を果たします。」を2030年におけるビジョンとします。

(価値観)
当行グループの役職員は、挑戦(Initiative)・誠実(Integrity)の2つの価値観を共有します。

(行動基準)
当行グループの役職員は、「価値観」を具体的に実践するためのガイドラインとして、以下の「行動基準」に従って業務を遂行いたします。
1.未来への責任
-経済価値と社会価値の両立を追求し、未来への責任を果たします
2.お客様視点
-お客様の立場に立ち、誰よりも徹底的に考えます
3.卓越したサービス
-常に業務を見直し、サービスの質と生産性を高めます
4.個の挑戦と協働
-フロンティアに挑戦し、成果にこだわり、やり切ります
-多様性を尊重し、協働して、お互いを高め合います

なお、これらの企業理念の追求を通じて形作られる当行グループの差別化要素となる「強み」として、引き続き4つのDNA(長期性・中立性・パブリックマインド・信頼性)を保持して参ります。

○コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況
①会社の機関の内容
当行においては、経営の透明性の確保及びコーポレート・ガバナンス強化の観点から、社外取締役を選任しております。
また、取締役会の諮問機関として、社外取締役を構成員に含む報酬委員会を設置し、取締役の報酬制度等について審議するとともに、外部有識者からなる人事評価委員会を設置し、取締役及び監査役の選任及び退任にかかる人事案の評価を行っています。
これらに加え、その他後述の委員会等を設置しております。


取締役会は10名で構成されております。経営の透明性確保等の観点より、そのうち2名を社外取締役としております。なお、第9期(2017年3月期)におきましては、取締役会を13回開催しております。
社外取締役は以下の2名であります。
三村 明夫(新日鐵住金株式会社相談役名誉会長)
植田 和男(共立女子大学新学部設置準備室長兼国際学部教授)


監査役会は5名の監査役で構成されております。なお、第9期(2017年3月期)におきましては、監査役会を14回開催しております。
会社法の規定に基づき、5名のうち半数以上(3名)は社外監査役であります。なお、常勤監査役は3名で、うち1名は社外監査役であります。社外監査役を含む監査役の職務を補助するために、監査役会の指揮の下に、監査役室を設置し、専任のスタッフを配属しております。

社外監査役は以下の3名であります。
坪井 達也(元株式会社三井住友トラスト基礎研究所代表取締役社長)(社外常勤監査役)
伊藤 眞(日本大学大学院法務研究科客員教授・弁護士)
八田 進二(青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授)


該当事項はありません。


取締役会より内部監査に関する重要事項を決定及び審議する権限を委任される機関として業務監査委員会を設置し
ております。なお、第9期(2017年3月期)におきましては、2回開催しております。


取締役会より業務執行の決定権限等を委任される機関として経営会議を設置しております。
経営会議は、経営に関する重要事項を決定いたします。なお、第9期(2017年3月期)におきましては、36回開
催しております。


経営会議の傘下の機関として、委員会等を設置し各分野の専門的事項について決定(取締役会、経営会議にて決
定されるものを除く。)及び審議を行っております。なお、委員会等の概要は以下のとおりです。

1.ALM・リスク管理委員会
当行のポートフォリオのリスク管理及びALM運営に関する重要事項の決定及び審議

2.一般リスク管理委員会
オペレーショナル・リスク管理、システムリスク管理、法令等遵守、反社会的勢力等への対応等、顧客保護等管理等に関する重要事項の決定及び審議

3.投融資決定委員会
投融資案件及び投融資管理案件並びに海外業務の戦略及び運営・管理体制等に関する決定及び審議

4.新業務等審査会
新業務等の取組の開始に関する決定及び審議

5.投融資審議会
投融資案件の事前審議及びモニタリング並びに海外業務の戦略及び運営・管理体制等に関する審議

6.サステナビリティ委員会
経済価値と社会価値の両立及びステークホルダーとの対話に関する事項の審議

7.基幹業務システム再構築委員会
基幹業務システム再構築の取組方針に関する事項の審議


当行が2008年10月に株式会社として設立されて以来、当行の経営全般に対する助言等を行う、経営会議の諮問機関としてアドバイザリー・ボードを設置しておりましたが、2015年5月20日に公布・施行された2015年改正法において、当分の間、当行に対し、その業務を行うに当たって他の事業者との間の適正な競争関係を阻害することのないよう特に配慮することが義務付けられたことから、同ボードを改めて取締役会の諮問機関として位置づけ、民間金融機関との適正な競争関係の確保に関しても従来にも増して重要な事柄として審議・評価を行って頂くこととしております。なお、第9期(2017年3月期)におきましては、2回開催しております。同ボードは次の社外有識者及び社外取締役により構成されております。
1.社外有識者(五十音順、敬称略)
秋池 玲子(株式会社ボストン・コンサルティング・グループ シニア・パートナー・アンド・マネージング・ディレクター)
奥 正之(株式会社三井住友フィナンシャルグループ名誉顧問)
釡 和明(株式会社IHI相談役)
中西 勝則(株式会社静岡銀行代表取締役会長)
根津 嘉澄(東武鉄道株式会社代表取締役社長)
(注)橘・フクシマ・咲江(G&S Global Advisors Inc. 代表取締役社長)は2017年6月29日付でアドバイザ
リー・ボード委員を退任し、同日付で秋池 玲子(株式会社ボストン・コンサルティング・グループ
シニア・パートナー・アンド・マネージング・ディレクター)が就任しております。

2.社外取締役
三村 明夫(新日鐵住金株式会社相談役名誉会長)
植田 和男(共立女子大学新学部設置準備室長兼国際学部教授)


2015年5月20日に公布・施行された2015年改正法において措置された特定投資業務につき、対象案件毎に政策目的との整合性を含む業務の実績や、民業の補完・奨励及び適正な競争関係の確保等の状況について審議・評価を頂くため、特定投資業務モニタリング・ボードを取締役会の諮問機関として設置しております。なお、第9期(2017年3月期)におきましては、2回開催しております。同ボードは次の社外有識者により構成されております。

1.社外有識者(五十音順、敬称略)
奥 正之(株式会社三井住友フィナンシャルグループ名誉顧問)
髙木 伸(一般社団法人全国銀行協会副会長兼専務理事)
中西 勝則(株式会社静岡銀行代表取締役会長)
山内 孝(マツダ株式会社相談役)
横尾 敬介(公益社団法人経済同友会副代表幹事・専務理事)
渡 文明(JXTGホールディングス株式会社名誉顧問)


DBJ法により、当行は財務大臣の認可を受けなければならないものが規定されております。
主な認可事項は以下のとおりです。
代表取締役及び監査役の選任等
取締役の兼職
定款の変更
剰余金の処分
合併・会社分割・解散の決議
事業計画、償還計画、資金調達に関する基本方針 等

以上の業務執行・監督等の仕組みを図にいたしますと、以下のとおりであります。
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業務執行に関する責任の明確化及び意思決定の迅速化を図るべく、当行においては執行役員制度を導入しております。常務執行役員8名(取締役兼務者を除く。)及び執行役員7名が取締役会において決定された担当職務を執行いたします。

②内部統制システムの整備の状況
当行においては、業務の健全性を確保するために、会社法に基づき当行の業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を「内部統制基本方針」として取締役会において定めております。
具体的には、法令等遵守態勢、リスク管理態勢、内部監査態勢等を当行の経営上重要な課題として位置づけ、各規程類の制定、担当部署の設置その他態勢の整備を行っております。

「内部統制基本方針」(全文)
(目的)
第1条 本方針は、会社法(以下「法」という。)第362条第4項第6号、同第5項、同法施行規則(以下「施行規則」という。)第100条第1項及び同第3項の規定に則り、当行及びその子会社等から成る企業集団(以下「当行グループ」という。)の業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)の整備について定めるものである。

(役職員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制)
第2条 取締役及び取締役会は、法令等遵守が当行グループの経営における最重要課題の一つであることを認識し、役職員(株式会社以外の会社等についてはこれらに相当する者をいう。以下同じ。)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための基本方針として、企業理念及び法令等遵守基本方針を定める。

2.コンプライアンスマニュアル、コンプライアンスプログラム及び内部規程類の制定等を通じて、役職員が法令等を遵守することを確保するための態勢を整備する。

3.法令等遵守の推進及び管理にかかる委員会や法令等遵守を担当する役員及び統括部署を設置する。

4.法令等に違反する行為及び法令等遵守の観点から留意を要する事項を早期に把握し解決するために、コンプライアンス・ホットライン制度を設置する。当該制度の担当部署は、内部通報があった場合には、監査役等に通報内容等の報告を行う。なお、内部通報を行った者が当該内部通報を行ったことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保する。

5.社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力との関係を一切遮断するための態勢を整備する。

6.取締役会は、法令等遵守を含む内部管理態勢等にかかる内部監査基本方針を定め、業務執行にかかる部署から独立した内部監査部署から監査結果について適時適切に報告を受ける。

(取締役の職務の執行にかかる情報の保存及び管理に関する体制)
第3条 取締役の職務の執行にかかる情報については、適切に保存及び保管を行い、また、必要に応じて閲覧が可能となるようにする。

(損失の危険の管理に関する規程その他の体制)
第4条 当行グループの経営の健全性を確保するため、その業務遂行において生じる様々なリスクの特性に応じて、リスクの特定、評価、モニタリング及びコントロールからなるリスク管理プロセスにより適切にリスクを管理する。

2.リスク管理にかかる委員会やリスク管理を担当する役員及び担当部署を設置し、統合的リスク管理のための管理態勢を整備する。

3.リスクを以下に分類したうえで、それぞれのリスク管理方針を定める。
①信用リスク、②投資リスク、③カントリーリスク、④市場性信用リスク、⑤市場リスク、⑥市場流動性リスク、⑦資金流動性リスク、⑧決済リスク、⑨オペレーショナル・リスク

4.上記のリスクを可能な限り統一的な手法により計量化したうえで、リスクガイドラインを定めて管理を行う。

5.災害発生時に伴う経済的損失及び信用失墜等を最小限に留めるとともに、危機事態における業務継続及び迅速な通常機能の回復を確保するために必要な態勢を整備する。

6.取締役会は、リスク管理を含む内部管理態勢等にかかる内部監査基本方針を定め、内部監査部署から監査結果について適時適切に報告を受ける。

(取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制)
第5条 取締役会は、当行グループを対象とする経営計画を策定し、適切に当行グループの経営管理を行う。

2.経営会議を設置し、取締役会より一定の事項の決定等を委任する。経営会議は、受任事項の決定の他、取締役会の意思決定に資するため取締役会決議事項を事前に審議する。また、経営会議の諮問機関または一定の事項の決定を委任する機関として各種委員会等を設置する。

3.取締役会の決定に基づく職務の執行を効率的に行うため、組織体制等にかかる規程類の整備を行い、職務執行を適切に分担する。

4.意思決定の迅速化を図るため執行役員制度を導入し、その責任及び役割等については執行役員規程等に従うものとする。

(当行グループにおける業務の適正を確保するための体制)
第6条 取締役会は、企業理念を制定し、当行グループとしての業務の適正を確保する。

2.取締役会は、子会社等の業務の規模や特性に応じて、その業務運営を適正に管理し、法令等遵守、顧客保護及びリスク管理等の観点から適切な措置を取る。

3.取締役会は、子会社等との間で業務運営に関する事前協議、報告徴求、指導等の管理態勢を整備する。

4.取締役会は、子会社等のうち業務の規模や特性に応じてその業務運営を特に管理すべき子会社等(以下「重要な子会社等」という。)に関しては、前3項に加え、以下に掲げる体制が適切に確立するよう必要な措置を取る。
① 重要な子会社等の取締役等の職務の執行にかかる事項の当行への報告に関する体制
② 重要な子会社等の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
③ 重要な子会社等の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
④ 重要な子会社等の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

5.内部監査部署は法令等の範囲内で必要に応じて子会社等に対する内部監査を実施し、取締役会に監査結果を適時適切に報告する。

(監査役の職務を補助する使用人に関する体制)
第7条 監査役の職務を補助する専属の組織として、監査役の求めに応じて、監査役室を設置し監査役会の指揮の下におく。

(監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項)
第8条 監査役の職務を補助する使用人は監査役の指揮命令に服し専任によりその職務にあたるものとするほか、当該使用人の人事など当該使用人の独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項は、監査役会の意向を尊重する。

(当行グループの役職員が当行監査役に報告をするための体制その他の当行監査役への報告に関する体制)
第9条 当行グループの役職員は、直接または間接の方法により、その業務執行の状況その他必要な情報を当行監査役に報告する。

2.当行グループの役職員は、当行グループの信用または業績について重大な被害を及ぼす事項またはそのおそれのある事項を発見した場合にあっては、直接または間接の方法により、当行監査役に対し当該事項を報告する。

3.当行監査役は、職務の遂行に必要となる事項について、当行グループの役職員に対して随時その報告を求めることができ、当該報告を求められた者は当該事項を報告する。

4.当行監査役に対して前3項の報告を行った者が、当該報告を行ったことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保する。

(その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制)
第10条 監査役は取締役会に出席する他、経営会議その他重要な会議に出席することができ、必要に応じて意見を述べることができる。

2.代表取締役は、監査役と定期的または監査役の求めに応じ意見交換を行うとともに、監査役の監査環境の整備に協力する。

3.内部監査部門は、監査役との間で内部監査計画の策定、内部監査結果等について、定期的または監査役の求めに応じて意見交換及び連携を図る。

4.取締役及び使用人は、監査役が行う監査活動に協力し、監査役会規程及び監査役監査基準その他に定めのある事項を尊重する。

5.取締役及び使用人は、会計監査の適正性及び信頼性確保のため、会計監査人が独立性を保持できる態勢の整備に協力する。

6.監査役がその職務の執行上必要な費用の請求をしたときは、円滑に当該請求を処理する。

③内部監査の状況
当行は、執行部門から独立した取締役社長直属の部署として監査部を設置し、当行の業務運営全般にかかる法令等遵守、リスク管理を含む内部管理態勢の適切性・有効性について検証を行い、その評価及び改善のための提言を実施しております。
監査計画、監査報告等の内部監査に関する重要事項については、業務監査委員会で審議決定され、取締役会に報告される仕組みとなっております。
なお、2017年6月29日現在の監査部の人員は21名となっております。

④監査役監査の状況
監査役会及び監査役は、監査方針及び監査計画に基づき、取締役の職務の執行を監査しております。
監査役は、取締役会その他の重要な会議に出席するとともに、必要に応じて取締役等からの業務執行状況等の聴取、重要書類の閲覧、支店の往査等を行っております。

⑤会計監査の状況
当行は、会計監査人として有限責任監査法人トーマツと監査契約を締結し、会計監査を受けております。第9期(2017年3月期)において業務を執行した公認会計士(指定有限責任社員)は、梅津知充氏(継続監査年数(*)4年)、吉田波也人氏(同3年)及び石坂武嗣氏(同2年)です。
(*)継続監査年数は、会社法監査の指定有限責任社員としての継続年数を記載しております。金融商品取引法監査の指定有限責任社員としての継続監査年数については、梅津氏が4年、吉田氏が3年、及び石坂氏が2年となります(なお、監査対象年度を基準にした年数です。)。
補助者は、システム専門家、税理士、公正価値評価専門家、年金数理専門家、不動産鑑定士等も含め、計79名となっております。

また、当行では、監査役、監査部及び会計監査人は、定期的ないし必要に応じて意見・情報交換を行い、有効かつ適切な監査を行うための連携に努めております。

⑥社外取締役及び社外監査役の人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係の概要
社外取締役である三村明夫氏は新日鐵住金株式会社の相談役名誉会長ですが、当行との間に特別な利害関係はありません。なお、当行は、新日鐵住金株式会社との通常の営業取引があります。
その他の社外取締役及び社外監査役と、当行との間に特別な利害関係はありません。
当行は、社外取締役及び社外監査役との間で、会社法第427条第1項の規定に基づき責任限定契約を締結しております。

⑦社外取締役及び監査役との間の会社法第427条第1項に規定する契約(責任限定契約)の概要
当行は、定款において社外取締役及び監査役の責任限定契約に関する規定を設けており、社外取締役及び監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項各号の額の合計額を限度とする契約を締結しております。

⑧取締役の定数
当行の取締役は、13名以内とする旨を定款で定めております。

⑨取締役の選任の決議要件
当行は、取締役の選任決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、定款に定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。

⑩取締役及び監査役の責任減免
当行は、職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めております。

⑪株主総会の特別決議要件
当行は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。

⑫法令等遵守(コンプライアンス)態勢及びリスク管理態勢の整備の状況
法令等遵守及びリスク管理態勢として、具体的に以下のとおり取り組んでおります。


法令等遵守が当行の経営における最重要課題の一つであることを認識し、役職員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための基本方針として、企業理念、行動基準、法令等遵守基本方針及び法令等の遵守に関する規程を定めております。
当行ではこうした法令等遵守に関する基本規程のほか、コンプライアンスマニュアル、コンプライアンスプログラムの制定・行内周知を通じて、以下の概要にて法令等遵守の徹底に取り組んでおります。

1.法令等の遵守に関する方針
当行では、法令等の遵守に関する規程において法令等の遵守に関する方針を、以下のとおり定めています。
Ⅰ.役職員は、当行の社会的使命及び銀行の公の責任を深く自覚し、かつ個々の違法行為及び不正な業務が当行全体の信用の失墜を招き、DBJ法に定める当行の目的の履行に多大な支障を来すことを十分認識し、常に法令等を遵守した適切な業務を行わなければならない。

Ⅱ.役職員は、業務の適法性及び適切性に関して当行が国民に対する説明責任を有することを十分自覚して、業務を行わなければならない。

2.法令等遵守態勢
当行では、法令等の遵守に関連する事項の企画・立案及び法令等の遵守の総合調整を行う統括セクションとして法務・コンプライアンス部を設置しています。また、法令等遵守に関する決定及び審議機関として一般リスク管理委員会を設置し、法令等遵守の実践状況の把握や行内体制の改善等について決定及び審議をしています。
また当行では、法令等に違反する行為を早期に発見し解決すること等を目的として、内部通報制度「コンプライアンス・ホットライン」を設けています。
なお、当行では利益相反管理に関する基本方針として「利益相反管理規程」を策定し、お客様の利益が不当に害されることのないよう、利益相反管理体制を整備しています。


当行では、経営の健全性を確保するため、業務やリスクの特性に応じてリスクを適切に管理し、コントロールしていくことを経営上の最重要課題として認識し、リスク管理態勢の整備に取り組んでいます。
当行の統合リスク管理という観点においては、担当取締役の業務職掌のもと、リスク統括部において、当行全体のリスク量総枠を一定の目標水準にコントロールするとともに、各リスクカテゴリー別にリスクガイドラインを設定した統合リスク管理を行っております。

1.リスク管理態勢
当行では、経営の健全性を確保するため、リスク管理を行っています。具体的には、管理すべきリスクを特定・評価した上で、リスクカテゴリーに管理部門を明確化し、リスク統括部を統括部門として、必要なリスク管理態勢を構築しています。ALM・リスク管理委員会及び一般リスク管理委員会は、取締役会の定めた統合的なリスク管理に関する基本方針に基づき、各リスクについての重要事項の審議及び定期的なモニタリング等を行っています。

2.統合リスク管理
リスク統括部では、統合リスク及び各リスクについて計量化に取り組んでいます。経営会議が業務計画やストレステストの結果等を勘案して定めたリスクガイドラインに基づき、リスク統括部は、統合リスク量や各リスクカテゴリーのリスク量を一定の目標水準にコントロールしています。また、経営企画部は、RAROC等のリスク・リターン計測の取組を開始しています。

3.信用リスク管理
信用リスクとは、与信先の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスクをいいます。当行では、コーポレートローンに加えてノンリコースローン等による与信を行っており、信用リスクの取得は収益の源泉として最重要なリスクカテゴリーの一つと位置づけ、個別案件の与信管理及び銀行全体としてのポートフォリオ管理を行っています。

[個別案件の与信管理]
当行は、投融資にあたっては、事業主体のプロジェクト遂行能力や、プロジェクトの採算性などを中立・公平な立場から審査しているほか、債務者格付制度を設けています。また当行は、「銀行法」及び「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)の対象ではありませんが、金融庁の「金融検査マニュアル」等に準拠した「自己査定基準」に則り、自主的に資産の自己査定を実施し、信用リスクの適時かつ適切な把握に努めています。「資産自己査定」の結果は監査法人の監査を受けるほか経営陣に報告され、信用リスクや与信額の限度に応じた債務者のモニタリングに活用されています。

当行では、個別案件の審査・与信管理にあたり、営業担当部署と審査部署にて相互に牽制が働く態勢としています。また、投融資決定委員会を開催し、個別案件の管理・運営における重要事項を審議しています。これらの相互牽制機能により、適切な与信運営を実施する管理態勢を構築しています。

Ⅰ.債務者格付制度
当行の債務者格付は、取引先等の信用状況を把握する方法として、「評点格付」と「債務者区分」を統合した信用度の尺度を用いて実施しています。
「評点格付」とは、業種横断的な指標・評価項目を選択し、取引先等の信用力を定量・定性の両面からスコア
リングにより評価するものです。一方、「債務者区分」とは、一定の抽出事由に該当した債務者について、実態
的な財務内容、資金繰り、債務返済の履行状況等により、その返済能力等を総合的に判断するものです。

Ⅱ.資産自己査定制度
資産自己査定とは、債務者格付と対応する債務者区分及び担保・保証等の状況をもとに、回収の危険性、又は
価値の毀損の危険性の度合に応じて資産の分類を行うことであり、適時かつ適切な償却・引当等を実施するため
のものです。

[ポートフォリオ管理]
ポートフォリオ管理については、債務者格付等を基礎に統計分析を行い、与信ポートフォリオ全体が内包する信用リスク量を計測しています。信用リスク量は、一定の与信期間に発生すると予想される損失額の平均値である期待損失(EL:Expected Loss)と、一定の確率で生じ得る最大損失からELの額を差し引いた非期待損失(UL:Unexpected Loss)によって把握され、ELとULの計測結果をALM・リスク管理委員会に報告しています。
こうしたモニタリングや対応方針の検討を通じて、リスクの制御及びリスク・リターンの改善について鋭意検討を進めています。

4.投資リスク
投資リスクは、投資先の財務状況の悪化、又は市場環境の変化等により、資産の経済価値が減少ないし消失する結果、損失を被るリスクをいいます。当行では、企業、ファンド、インフラ、不動産などに対して未上場を中心としたメザニン・エクイティなどに投資を行っており、当行の収益の源泉として最重要なリスクカテゴリーの一つと位置づけ、個別案件の投資決定・管理及び銀行全体としてのポートフォリオ管理を実施しています。
個別案件管理では、信用リスク管理に準じた審査・投資管理に加え、投資対象区分に応じた目標リターンに基づく投資判断、並びに定期的なモニタリングを実施しています。ポートフォリオ管理では、投資対象区分や回収方法の差異に着目し、信用リスク計測又は市場リスク計測の方法を応用したリスクの計量化を行っています。

5.市場リスク・流動性リスク管理
[市場リスク]
当行では、市場リスク管理として、金利リスクと為替リスクを主な管理対象としています。当行では、市場リスクを投融資業務に付随する受動的なリスクと位置づけており、以下のとおり管理しています。なお、特定取引(トレーディング)業務を行っていませんので、同業務に付随するリスクはありません。

Ⅰ.金利リスク
金利リスクとは、金利の変動にともない損失を被るリスクのことで、資産と負債の金利又は期間のミスマッチが存在しているなかで金利が変動することにより、利益が低下ないしは損失を被るリスクです。
当行では、VaR(Value at Risk)、金利感応度分析(Basis Point Value)等多面的な指標によるモニタリングを行うとともに、経営会議で定めたALM方針に基づき、金利リスク及び資金流動性リスクを適切にコントロールすることを通じて、全体の金利収支や経済価値の最適化を図る経常資産負債の総合管理を実施しています。なお、金利リスクのコントロールに関連し、金利スワップ取引等を一部行っています。

Ⅱ.為替リスク
為替リスクとは、外貨建資産・負債についてネットベースで資産超又は負債超ポジションとなっていた場合に、為替レートが変動することにより損失が発生するリスクです。当行の為替リスクは外貨建投融資及び外貨建債券発行等により発生しますが、外貨建資産・負債のネットベースのポジションについては為替スワップ取引等により為替リスクを抑制しています。

なお、これらのスワップ取引等にともなうカウンターパーティリスクについては、取組相手の信用力を常時把握した上で限度枠の設定により管理しており、また中央清算機関の利用及び相対のCSA(Credit Support Annex)に基づく証拠金の授受によるリスク管理を図っています。

[流動性リスク]
流動性リスクには、運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、又は通常よりも著しく不利な条件での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金流動性リスク)と、市場の混乱等により市場において取引ができなくなったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)があります。
当行における資金調達は主に、預金をはじめとする短期資金ではなく、社債や長期借入金に加え、国の財政投融資計画に基づく財政融資資金、政府保証債などの長期・安定的な資金に依拠しています。

また、不測の短期資金繰り状況等に備え、資金繰りの逼迫度合いに応じて適切な対応策(コンティンジェンシー
・プラン)を予め定めています。
さらに、日銀決済のRTGS(Real Time Gross Settlement:1取引ごとに即時に決済を行う方式)を活用して営業時間中の流動性を確保するとともに、決済状況について適切な管理を実施しています。
当行では、信用リスクのみならず、市場リスク・流動性リスクについても、ALM・リスク管理委員会において審議を行っています。

6.オペレーショナル・リスク管理
当行では、内部プロセス・人・システムが不適切若しくは機能しないこと、又は外生的事象が生起することから生じる損失に係るリスクを、オペレーショナル・リスクと定義しています。当行においては、リスク管理態勢の整備等の取組を通じて、リスクの削減と顕在化の防止に努めています。

オペレーショナル・リスク管理については、一般リスク管理委員会において審議を行います。
オペレーショナル・リスク管理のうち、特に事務リスク管理及びシステムリスク管理については、以下のとおりです。

[事務リスク管理]
事務リスクとは、役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより損失を被るリスクです。当行においては、マニュアルの整備、事務手続きにおける相互チェックの徹底、教育・研修の実施、システム化による事務作業負担の軽減等を通じ、事務リスクの削減と発生の防止に努めています。

[システムリスク管理]
システムリスクとは、コンピュータシステムのダウン又は誤作動などシステムの不備等に伴い損失を被るリスク、さらにコンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスクを指します。当行においては「システムリスク管理規程」に基づき、システムリスク管理を一元的に行うためにシステムリスク管理部門を設置し、情報システムの企画・開発、運用及び利用の各局面におけるセキュリティスタンダードを定めることにより全行的なシステムリスク管理態勢の充実、システムリスク管理業務の適切な遂行に努めています。

7.事業継続計画(BCP)
当行は、お客様や株主、役職員などのステークホルダーの利益を守り、また、社会的使命を果たすとの観点から、自然災害(とりわけ大規模地震)、インフルエンザ等感染症の蔓延(パンデミック)、システム障害、停電などのさまざまな緊急事態発生時に、重要業務の継続・早期復旧を図るため、事業継続計画(BCP)を策定しています。
BCPにおいては、継続すべき重要業務や災害からの復旧計画のほか、緊急時における役職員の初動等を定め、緊急時に必要な対応を分かりやすくまとめています。また、重要業務の継続・復旧にかかる方針を定めるにあたっては、地震や火災といった原因事象に応じて個別に対策を検討するのではなく、大規模災害等の場合における本支店の①建物・設備、②役職員、③システムといった重要な経営リソースの被害状況に応じた対策を検討する手法を採っています。

⑫役員報酬の内容
1.当行における役員報酬の内容等
第9期(2017年3月期)における当行役員に対する報酬実績は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
区分支給人数報酬等
取締役 11 208(うち社外取締役15)
監査役 5 71
16 280
(注) 1.報酬等の額には、取締役に対する役員賞与(11百万円(うち社外取締役-百万円))が含まれております。
2.報酬等の額には、取締役及び監査役に対する役員退職慰労引当金繰入額及び役員退職慰労金(取締役17百万円(うち社外取締役-百万円)、監査役4百万円)が含まれております。
3.支給人数及び報酬等の額には、当事業年度に辞任した取締役1名が含まれております。

2.当行における役員報酬の決定方針
当行の取締役及び監査役の報酬は、株主総会で承認された各報酬総額の範囲内において、以下のとおり決定しております。
Ⅰ.取締役
取締役の報酬は、取締役の報酬に関する社会的動向、当行の業績、職員給与との衡平その他報酬水準の決定に際し斟酌すべき事項を勘案の上、取締役の職位及び職責に応じて決定しております。

Ⅱ.監査役
監査役の報酬は、監査役の協議により決定しております。

なお、当行では、報酬に関する透明性、客観性を確保する観点から、取締役会の諮問機関として社外取締役を含む取締役からなる報酬委員会を設置し、当行に相応しい役員報酬制度のあり方等について検討を行っております。

役員の状況


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