株式会社福岡中央銀行 業績等の概要 (2017年3月期)

・業績

[金融経済環境]
2016年度のわが国経済は、政府による経済政策等を背景に企業収益や雇用情勢の改善が続くなど、全体として緩やかな回復基調で推移したものの、年度前半は中国をはじめとする新興国経済の減速や英国のEU離脱決定による世界経済への警戒感から円高株安が進行し、景気の減速懸念が高まる状況にありました。こうした中、政府は2016年8月に、当面の需要喚起のみならず、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現を目指して「未来への投資を実現する経済対策」を閣議決定し、それを具体化する2016年度第2次補正予算を取りまとめました。その後、これらによる政策効果や米国新政権に対する期待感等を背景に市況が反転、一時15,000円を割り込んでいた日経平均株価も2016年12月には19,000円台まで回復するなど落ち着きを取り戻し、企業の生産活動や個人消費に持ち直しの動きがみられるようになりました。
なお、先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続く中で、政府等による各種政策効果もあって緩やかな回復基調が続くものと考えられますが、米国経済の動向やそのもとでの金融政策運営、中国をはじめとする新興国や資源国経済の動向、英国のEU離脱問題等、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動が景気の下押しリスクとなっており、これらの動向には留意する必要があります。
金融情勢につきましては、日本銀行は2016年2月に適用を開始したマイナス金利政策を引き続き推進し、同年9月にはこれまでの経済・物価動向と政策効果について総括的な検証を行いました。その検証結果を踏まえ、金融緩和強化のための新たな枠組みとして、短期金利についてはマイナス金利を維持する一方、新たに長期金利(10年国債利回り)についてはゼロ%程度に誘導する長短金利操作の方針を示した上で、金融緩和の継続期間を明確化した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定するなど、きわめて緩和的な金融環境を維持しております。
[事業の経過及び成果]
このような金融経済環境のもと、役職員一同、業績の向上と経営体質の強化に努めてまいりました結果、業容面では、預金及び譲渡性預金は前年同期比61億28百万円増加し、3月末残高は4,625億54百万円となりました。貸出金は前年同期比84億22百万円増加し、3月末残高は3,679億5百万円となりました。有価証券は前年同期比17億33百万円減少し、3月末残高は949億57百万円となりました。
損益面では、経常利益は前年同期比8億79百万円減少して10億9百万円となりました。また、当期純利益につきましては、前年同期比3億64百万円減少して7億5百万円となりました。
営業面では、公共債、証券投資信託及び保険の預り資産残高は、2017年3月末で420億円となっております。
店舗関係では、2016年5月に香椎支店が、老朽化に伴う店舗建替えにより新店舗で営業を開始しております。

・キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に営業活動によるキャッシュ・フローのプラスにより206億98百万円増加し、419億52百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動における資金は、197億88百万円のプラスとなりました。
これは主に、債券貸借取引受入担保金や預金の純増等によるもので、前事業年度に比べ209億78百万円増加しました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動における資金は、10億73百万円のプラスとなりました。
これは主に、有価証券の償還による収入等によるもので、前事業年度に比べ48億59百万円減少しました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動における資金は、1億63百万円のマイナスとなりました。
これは主に、配当金の支払額等によるもので、前事業年度に比べ26百万円減少しました。

(1)国内業務部門・国際業務部門別収支

(業績説明)
国内業務部門では、資金運用収支は7,837百万円、役務取引等収支は69百万円、その他業務収支は66百万円となり、国際業務部門では、資金運用収支は2百万円、役務取引等収支は2百万円、その他業務収支は2百万円となりました。
合計では、資金運用収支は7,840百万円、役務取引等収支は71百万円、その他業務収支は69百万円となりました。

種類	期別	国内業務部門	国際業務部門	合計
		金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)
資金運用収支	前事業年度	7,932	31	7,963
	当事業年度	7,837	2	7,840
うち資金運用収益	前事業年度	8,437	37	6 8,468
	当事業年度	8,238	7	4 8,241
うち資金調達費用	前事業年度	504	6	6 504
	当事業年度	401	4	4 401
役務取引等収支	前事業年度	177	2	180
	当事業年度	69	2	71
うち役務取引等収益	前事業年度	1,106	5	1,112
	当事業年度	1,023	5	1,028
うち役務取引等費用	前事業年度	929	3	932
	当事業年度	954	2	957
その他業務収支	前事業年度	0	2	2
	当事業年度	66	2	69
うちその他業務収益	前事業年度	0	2	2
	当事業年度	109	2	111
うちその他業務費用	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	42	―	42

(注)1.国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。
2.資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

(2)国内業務部門・国際業務部門別資金運用/調達の状況

(業績説明)
資金運用利回りは1.79%、資金調達利回りは0.08%となりました。

①国内業務部門

種類	期別	平均残高	利息	利回り
		金額(百万円)	金額(百万円)	(%)
資金運用勘定	前事業年度	(3,621) 448,938	(6) 8,437	1.87
	当事業年度	(3,479) 458,241	(4) 8,238	1.79
うち貸出金	前事業年度	352,944	7,258	2.05
	当事業年度	360,011	7,076	1.96
うち商品有価証券	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち有価証券	前事業年度	90,892	1,145	1.26
	当事業年度	92,985	1,130	1.21
うちコールローン 及び買入手形	前事業年度	295	0	0.10
	当事業年度	―	―	―
うち債券貸借取引 支払保証金	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち預け金	前事業年度	1,184	27	2.32
	当事業年度	1,764	26	1.51
資金調達勘定	前事業年度	467,693	504	0.10
	当事業年度	475,748	401	0.08
うち預金	前事業年度	452,429	471	0.10
	当事業年度	462,191	390	0.08
うち譲渡性預金	前事業年度	15,261	33	0.21
	当事業年度	10,795	10	0.09
うちコールマネー 及び売渡手形	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち債券貸借取引 受入担保金	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	2,758	0	0.00
うちコマーシャル・ ペーパー	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち借用金	前事業年度	0	0	0.30
	当事業年度	0	0	0.29

(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前事業年度28,409百万円、当事業年度27,501百万円)を控除して表示しております。
2.()内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

②国際業務部門

種類	期別	平均残高	利息	利回り
		金額(百万円)	金額(百万円)	(%)
資金運用勘定	前事業年度	3,700	37	1.00
	当事業年度	3,539	7	0.21
うち貸出金	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち商品有価証券	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち有価証券	前事業年度	3,570	37	1.04
	当事業年度	3,391	7	0.22
うちコールローン 及び買入手形	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち債券貸借取引 支払保証金	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち預け金	前事業年度	8	0	0.93
	当事業年度	5	0	0.86
資金調達勘定	前事業年度	(3,621) 3,710	(6) 6	0.16
	当事業年度	(3,479) 3,548	(4) 4	0.13
うち預金	前事業年度	89	0	0.07
	当事業年度	68	0	0.05
うち譲渡性預金	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うちコールマネー 及び売渡手形	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち債券貸借取引 受入担保金	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うちコマーシャル・ ペーパー	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち借用金	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―

(注)1.()内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
2.国際業務部門の当行国内店外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。

③合計

種類	期別	平均残高	利息	利回り
		金額(百万円)	金額(百万円)	(%)
資金運用勘定	前事業年度	449,017	8,468	1.88
	当事業年度	458,301	8,241	1.79
うち貸出金	前事業年度	352,944	7,258	2.05
	当事業年度	360,011	7,076	1.96
うち商品有価証券	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち有価証券	前事業年度	94,462	1,182	1.25
	当事業年度	96,377	1,138	1.18
うちコールローン 及び買入手形	前事業年度	295	0	0.10
	当事業年度	―	―	―
うち債券貸借取引 支払保証金	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち預け金	前事業年度	1,193	27	2.31
	当事業年度	1,769	26	1.51
資金調達勘定	前事業年度	467,782	504	0.10
	当事業年度	475,816	401	0.08
うち預金	前事業年度	452,518	471	0.10
	当事業年度	462,260	390	0.08
うち譲渡性預金	前事業年度	15,261	33	0.21
	当事業年度	10,795	10	0.09
うちコールマネー 及び売渡手形	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち債券貸借取引 受入担保金	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	2,758	0	0.00
うちコマーシャル・ ペーパー	前事業年度	―	―	―
	当事業年度	―	―	―
うち借用金	前事業年度	0	0	0.30
	当事業年度	0	0	0.29

(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前事業年度28,409百万円、当事業年度27,501百万円)を控除して表示しております。
2.国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

(3)国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況

(業績説明)
役務取引等収益は、1,028百万円となりました。
役務取引等費用は、957百万円となりました。

種類	期別	国内業務部門	国際業務部門	合計
		金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)
役務取引等収益	前事業年度	1,106	5	1,112
	当事業年度	1,023	5	1,028
うち預金・貸出業務	前事業年度	120	―	120
	当事業年度	119	―	119
うち為替業務	前事業年度	344	5	350
	当事業年度	346	5	351
うち証券関連業務	前事業年度	185	―	185
	当事業年度	151	―	151
うち代理業務	前事業年度	72	―	72
	当事業年度	75	―	75
うち保護預り 貸金庫業務	前事業年度	22	―	22
	当事業年度	24	―	24
うち保証業務	前事業年度	2	―	2
	当事業年度	2	―	2
役務取引等費用	前事業年度	929	3	932
	当事業年度	954	2	957
うち為替業務	前事業年度	79	3	82
	当事業年度	80	2	83

(注)国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引は、国際業務部門に含めております。

(4)国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

種類	期別	国内業務部門	国際業務部門	合計
		金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)
預金合計	前事業年度	443,028	84	443,112
	当事業年度	449,053	70	449,124
うち流動性預金	前事業年度	164,793	79	164,872
	当事業年度	172,473	64	172,538
うち定期性預金	前事業年度	276,052	5	276,057
	当事業年度	274,342	6	274,348
うちその他	前事業年度	2,182	―	2,182
	当事業年度	2,237	―	2,237
譲渡性預金	前事業年度	13,314	―	13,314
	当事業年度	13,430	―	13,430
総合計	前事業年度	456,342	84	456,426
	当事業年度	462,483	70	462,554

(注)1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2.定期性預金=定期預金+定期積金
3.国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。

(5)国内業務部門・国際業務部門別貸出金残高の状況

①業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別	前事業年度		当事業年度
	金額(百万円)	構成比(%)	金額(百万円)	構成比(%)
国内業務部門	359,483	100.00	367,905	100.00
製造業	15,047	4.19	15,230	4.14
農業,林業	148	0.04	116	0.03
漁業	180	0.05	39	0.01
鉱業,採石業,砂利採取業	1,183	0.33	1,168	0.32
建設業	39,799	11.07	43,057	11.71
電気・ガス・熱供給・水道業	6,126	1.70	5,785	1.57
情報通信業	2,300	0.64	2,499	0.68
運輸業,郵便業	9,575	2.66	9,334	2.54
卸売業,小売業	35,931	10.00	38,972	10.59
金融業,保険業	11,685	3.25	8,832	2.40
不動産業,物品賃貸業	76,421	21.26	90,622	24.63
各種サービス業	48,650	13.53	48,853	13.28
地方公共団体	18,660	5.19	20,099	5.46
その他	93,770	26.09	83,292	22.64
国際業務部門	―	―	―	―
製造業	―	―	―	―
農業,林業	―	―	―	―
漁業	―	―	―	―
鉱業,採石業,砂利採取業	―	―	―	―
建設業	―	―	―	―
電気・ガス・熱供給・水道業	―	―	―	―
情報通信業	―	―	―	―
運輸業,郵便業	―	―	―	―
卸売業,小売業	―	―	―	―
金融業,保険業	―	―	―	―
不動産業,物品賃貸業	―	―	―	―
各種サービス業	―	―	―	―
地方公共団体	―	―	―	―
その他	―	―	―	―
合計	359,483	――	367,905	――

(注)国内業務部門は国内店の円建取引であります。国際業務部門は国内店の外貨建取引で、該当はありません。

②外国政府等向け債権残高(国別)

該当事項はありません。

(6)国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

種類	期別	国内業務部門	国際業務部門	合計
		金額(百万円)	金額(百万円)	金額(百万円)
国債	前事業年度	57,829	―	57,829
	当事業年度	49,069	―	49,069
地方債	前事業年度	2,812	―	2,812
	当事業年度	3,134	―	3,134
社債	前事業年度	22,950	―	22,950
	当事業年度	25,296	―	25,296
株式	前事業年度	8,232	―	8,232
	当事業年度	8,843	―	8,843
その他の証券	前事業年度	3,274	1,592	4,866
	当事業年度	5,311	3,301	8,612
合計	前事業年度	95,098	1,592	96,690
	当事業年度	91,655	3,301	94,957

(注)1.国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。
2.「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。

(自己資本比率の状況)

(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)

	2017年3月31日
1.自己資本比率(2/3)	7.57
2.単体における自己資本の額	214
3.リスク・アセットの額	2,838
4.単体総所要自己資本額	113

(資産の査定)

(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

3.要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

資産の査定の額

債権の区分	2016年3月31日	2017年3月31日
	金額(億円)	金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権	78	75
危険債権	59	60
要管理債権	22	21
正常債権	3,439	3,525