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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TV4Y (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社KOKUSAI ELECTRIC 事業の内容 (2024年3月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社グループは、当社及び連結子会社7社で構成され、半導体製造装置の製造・販売・保守サービスを主な内容としてグローバルに事業活動を展開しております。当社グループは、半導体製造装置事業の単一セグメントであるため、ビジネスごとに分類して記載いたします。

(1)装置ビジネス
当社グループでは、半導体の製造に使用する装置の製造及び販売を行っております。半導体の製造プロセスの概略図を(図-1)に示します。半導体は、シリコンウェーハ上に、回路を形成していく工程を何度も繰り返して製造していきます。回路形成工程は、回路形成に必要な薄膜等を形成する成膜工程、成膜後に熱をかけて結晶サイズを揃える(アニール)等の熱処理工程、成膜上に回路を形成するパターニングを行うリソグラフィ工程、パターンに沿って膜を取り除くエッチング工程、各工程間でウェーハを洗浄する洗浄工程、各工程間での検査工程で構成されます。シリコンウェーハ上にこれらの工程を繰り返して回路を形成する製造工程を総称して前工程と呼んでおります。そして、前工程の工程ごとに高度な専用技術を要したさまざまな装置が使用されることで半導体が製造されます。当社グループでは、前工程における「成膜」工程の装置を主力製品として、また「熱処理」工程に用いられる装置の製造及び販売をしております。

図-1 半導体製造前工程と当社グループ適応製品

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「成膜」工程とは、シリコンウェーハの回路形成における回路素材となるポリシリコン膜や絶縁膜等の薄膜を形成する工程を指します。当社グループでは、その成膜工程の中でLP-CVD製品のほかに、ALD(注1)に対応した製品を提供しております。
一方、「熱処理」工程とは、熱酸化(注2)膜を形成するプロセスや、成膜後に加熱して膜中の結晶サイズを揃える(アニール)プロセス、成膜後に注入した不純物を加熱して均一に拡散するプロセス、また、プラズマを用いて成膜後に膜質を改善する(トリートメント)プロセスなどを指します。当社グループでは、本工程に最適なプロセス技術にて装置提供を行っております。
これらの工程は、シリコンウェーハの回路形成において重要な役割を担うことから、各装置に、高度な技術と品質の信頼性の高い製品提供が必要となります。
(注1)当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでおります。
(注2)シリコン基板表面から内部にかけて高純度の酸化をする方法。熱酸化には、ドライ酸化、ウエット酸化などいくつかの方法があります。

当社グループが装置メーカーとして取り組んでいる最も重要な課題についてご説明します。それは、デバイス構造の複雑化を原因とする成膜プロセスの生産性の低下という問題です。三次元(立体)構造になるとデバイスの構造がより深く、複雑になります。それにより成膜が必要な表面積が拡大し、ガスの移動距離が長くなり、成膜に要する時間が増加するため、生産性の課題が顕在化します。また、デバイス構造の複雑化に伴い、難易度の高い高品質成膜が要求されており、ALDのニーズが高まっております。当社グループは、このニーズに高難易度成膜と高生産性の両立できるバッチALD技術で、顧客の厳しい要求仕様に応えております。このバッチALD技術は、当社のコア技術による競合優位性の高い技術となっております。そのようなことからも、本分野に高度な技術力を有する当社グループは高いシェアを持続しております。

顧客からのニーズが高まっているALDはサイクリックなプロセスであり、そのプロセスの中でガスの流入や流出、また膜質を維持するために副産物の除去を行うため時間を要するプロセスになってしまうことが大きな課題になっております。ALD技術とバッチの組み合わせによる補完関係を実現した当社グループのバッチALD技術は、高難易度成膜と高生産性の両立を可能とするものであり、生産性に関するALDの問題の論理的な解決策となります。

次に当社製品について以下にご紹介いたします。当社製品はバッチ成膜装置とトリートメント(膜質改善)装置をラインアップしており、バッチALDは売上高世界シェア1位(出典:TechInsights Inc.“TI_ALD Tools_YEARLY” 2024 (April))となっております。また、トリートメント装置は売上高世界シェア3位(注1)(出典:Gartner®, Market Share: Semiconductor Wafer Fab Equipment, Worldwide, 2023, Bob Johnson, Gaurav Gupta, Menglin Cao, 1, May 2024)となっております。
(注)1.Gartnerによる半導体製造装置(前工程)セグメントにおける「RTP and Oxidation/Diffusion」を「トリートメント装置」と定義。
※GARTNER は、 Gartner Inc. または関連会社の米国およびその他の国における登録商標およびサービスマークであり、同社の許可に基づいて使用しています。 All rights reserved. Gartner は、 Gartner リサーチの発行物に掲載された特定のベンダー、製品またはサービスを推奨するものではありません。また、最高のレーティング又はその他の評価を得たベンダーのみを選択するようにテクノロジーユーザーに助言するものではありません。 Gartner リサーチの発行物は、 Gartner リサーチの見解を表したものであり、事実を表現したものではありません。 Gartner は、明示または黙示を問わず、本リサーチの商品性や特定目的への適合性を含め、一切の責任を負うものではありません。
※本書に記載するGartnerのコンテント (以下「Gartnerコンテント」) は、Gartnerシンジケート・サブスクリプション・サービスの一部としてGartner, Inc.(以下「Gartner」)が発行したリサーチ・オピニオンまたは見解を表すものであり、事実を述べているものではありません。Gartnerコンテントの内容はいずれも、そのコンテントが発行された当時の内容であり、本書が発行された日の内容ではありません。また、Gartnerコンテントに記載されている見解は予告なく変更されることがあります。

それぞれの製品についてご説明します。
① バッチ成膜装置
バッチ成膜装置とは、数十枚以上のシリコンウェーハを一括処理することを可能とした成膜装置であり、高生産性が特徴となります。バッチ成膜装置には、高生産性を追究しウェーハ数百枚の一括処理に対応した「ラージバッチ」プラットフォーム(図-2 主要製品概要参照)と、複雑化する半導体構造への難易度が高い高品質成膜に対応し、ウェーハ数十枚の一括処理に対応した「ミニバッチ」プラットフォームがあります。
このバッチ成膜装置のプラットフォームに使途に応じた反応炉をセットし、最適なプロセスを実現しております。「成膜」工程では、「LP-CVD」「ALD」など、「熱処理」工程では「熱酸化」「アニール」「拡散」などに適応しております。
なお、バッチ成膜装置の主力製品であるAdvancedAce®シリーズ及びTSURUGI® 剱®シリーズの概要は下記のとおりです。
・AdvancedAce®シリーズ:当社のコア技術である温度制御技術、自動搬送技術、真空・ガス置換技術、冷却技術、成膜技術を結集することで、高品質な成膜性能と高生産性を実現し、バッチCVD技術とバッチALDに対応したサーマルプロセス装置。

・TSURUGI® 剱®シリーズ:次世代デバイス、特に三次元(立体)デバイスに向けた成膜品質向上の市場ニーズにこたえるため、新反応炉を採用した成膜処理技術向上により、高品質・高生産性を備えたプロセス提供を可能にした新たなサーマルプロセス装置(最新のバッチALD技術に対応)。

② トリートメント(膜質改善)装置
トリートメント装置は、成膜後にプラズマや加熱により膜中の不純物の除去や粒子を安定させることで膜質を改善させることを目的とした装置です。半導体デバイスの微細化、複雑化に伴い低温環境での成膜需要が高まる中で、低温環境でも膜質を維持するソリューションとして需要が拡大しております。
当社グループで製造・販売しているトリートメント装置には、独自のプラズマ源を用いた「酸窒化・トリートメント装置」のMARORA®、ノンプラズマでヒーターを熱源とした「アニール装置」のTANDUO®などがあります。特に「MARORA®」は複雑な半導体形状に対しても高い生産性と品質でのトリートメントが可能であり、顧客からの需要を集めております。
当社はトリートメント装置において既に世界2位の市場シェアを有しておりますが、バッチ成膜装置に次ぐ柱として今後も成長させていく計画です。

図-2 主要製品概要

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(2)サービスビジネス
当社グループでは、当社グループが製造・販売する半導体製造装置において部品販売・保守サービスをはじめとするアフターサービスの提供を行っております。半導体生産工場においては、半導体製造装置が年中無休で稼働しており、半導体製造装置に対し安定的な稼働とともに、耐久性が高い製品の提供が要求されております。当社グループにおいては、これら品質を担保した製品の提供を行っておりますが、これに加え、迅速、かつ、的確にアフターサービスを提供する体制が求められております。
当社グループでは、このような顧客の要望に応えるべく、より顧客の製造拠点に近い場所にて、サービス拠点を設置したうえで、優秀なエンジニアを配置するとともに、交換パーツを配備することで、装置トラブルに迅速、かつ、的確に対応可能な体制を整えております。

取り扱いサービス(役務提供を含む)
消耗部品等の部品販売
保守サービス、有償修理
(現地修理/ユニット引取り修理/オーバーホール等)
装置の移設・改造
(プロセス変更/アップグレード等)
ウェーハサイズ200mm以下
レガシー装置(新規・中古)販売

① 部品販売、保守サービス、有償修理
当社が製造・販売する主要製品に対し、保守メンテナンスするための製品の提供を行っております。加えて、半導体製造装置のための定期的な保守サービスを行っております。また、製品保証契約による修理サービスに加えて、故障時に有償で修理サービスを提供しております。

② 装置の移設・改造
当社が提供する主要製品に対し、設置後に必要に応じて、装置の移設やプロセスの書き換え、アップグレード等のサービス等を提供しております。

③ ウェーハサイズ200㎜以下の装置と中古装置の販売
当社はレガシー世代でのバッチ成膜装置を新規・中古いずれも顧客の要望に応じて適切に提供しております。2017年には、200mmバッチ成膜装置に、ウェーハサイズ300mmの先端装置技術を移植した新製品として競争力の高いバッチ成膜装置(VERTEX Revolution®)を市場投入して販売しております。また、SiCを含むパワーデバイス用途向けの販売が増加しており、当社は高温アニール技術を生かして差別化をはかっております。


半導体設備投資サイクルの変動を受けにくく、かつ消耗品の販売等リカーリングな収益が発生するサービスビジネスは、安定的かつ高マージンな収益が期待されます。当社グループは装置のライフサイクル全体にわたってアフターサービスを提供し続ける体制を整えており、インストール台数の増加と各サービスの強化を通じてサービスビジネスも拡大しております。

また、国内関連子会社(株式会社国際電気セミコンダクターサービス)にて、成膜した後に膜の抵抗値を測定する測定検査装置や、他装置メーカー等向けに洗浄装置用の超音波発振器(水の中で振動させて洗浄に使用)ユニットを製品として製造・販売をしております。

なお、当社グループの2024年3月期におけるビジネスごとの売上収益の構成は、装置ビジネスが65%(2023年3月期は69%)、サービスビジネスが35%(2023年3月期は31%)となっております。

当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。

[事業系統図]
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沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E37488] S100TV4Y)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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