株式会社ＰＡＬＴＡＣ 業績等の概要 (2015年3月期)

(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、政府・日本銀行の各種政策効果等により、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで緩やかな回復基調にあるものの、海外景気の下振れが国内景気を下押しする懸念などもあり、不透明な状況が続いております。
化粧品・日用品、一般用医薬品業界におきましては、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動や夏場の天候不順等により上期は厳しい市場環境にありましたが、下期におきましては、消費税率引上げに伴う反動は徐々に収束に向かい、また一部エリアに限定されるものの訪日外国人のインバウンド消費などにより、市場環境は上期に比べ改善傾向で推移いたしました。
このような状況のなか、当社は、「顧客満足の最大化と流通コストの最小化」をコーポレートスローガンに、人々の生活に密着した「美と健康」に関する商品をフルラインで取り扱う中間流通業として、小売業の売場起点の発想に基づく高品質・ローコストの物流機能及び効果的な品揃えや販売活動を支援する営業機能の強化を図り、サプライチェーン全体の最適化・効率化を目指した取組みを行っております。
当事業年度は中期経営計画の2年目にあたり、中間流通業として当社が持つ営業機能及び物流機能を最大限に発揮することに加え、小売業・メーカーとの協働による効果的な取組みに注力いたしました。商品の発注・入荷から小売業への出荷・納品に至る各工程のさらなる効率化に取組み、社内の生産性向上と各業務に携わる人材のスキルアップを図ることで、持続的な企業価値向上に努めた結果、営業利益以下の各段階利益は創業以来の過去最高を更新し、中期経営計画を1年前倒しで達成いたしました。
また、当社最大規模となる「RDC関東」(埼玉県白岡市)の建設につきましては、2015年7月の開設に向けて計画どおりに進んでおります。
併せて、社会環境の変化に対応すると共に、多様な人材確保に向け、70歳までの就労を可能とする「シルバー人材雇用制度」を業界に先駆けて導入いたしました。
これらの結果、当事業年度の業績は、売上高8,210億74百万円(前期比1.3%減)、営業利益104億20百万円(前期比2.0%増)、経常利益163億32百万円(前期比3.5%増)、当期純利益102億68百万円(前期比11.8%増)となりました。

当事業年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。なお、各セグメントの営業利益は、各報告セグメントのセグメント利益と一致しております。(「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご覧ください。)

卸売事業
卸売事業は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動や夏場の天候不順等により一部商材が不振であったものの、小売業・メーカーとの取組み強化によるインストアシェア拡大により、売上高の確保に注力いたしました。
これらの結果、売上高は8,080億8百万円(前期比1.4%減)、営業利益は114億24百万円(前期比1.7%増)となりました。

物流受託事業
物流受託事業は、一部受託先で取扱高が増加したことにより、売上高は堅調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は130億65百万円(前期比3.0%増)、営業利益は13億70百万円(前期比3.5%増)となりました。

(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末より81億5百万円増加し、215億7百万円となりました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は232億4百万円(前期比198億63百万円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益160億3百万円、減価償却費48億61百万円、売上債権の減少額71億91百万円、たな卸資産の減少額52億4百万円、仕入債務の減少額84億27百万円、法人税等の支払額52億29百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は3億65百万円(前期は116億86百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入27億40百万円、投資有価証券の取得による支出19億89百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は154億64百万円(前期は11億91百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純減少81億円、長期借入金の返済による支出54億76百万円、配当金の支払額27億98百万円によるものであります。