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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1002DIA

有価証券報告書抜粋 株式会社SRAホールディングス 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、概ね前年度までの活動を継承、発展させておりますが、株式会社SRAの先端技術研究所と、自社製品の企画開発を担当するニュービジネスグループの統合に伴い、新商品の製品化といった側面において、研究開発の成果をより迅速かつ的確にビジネス展開しやすい環境となりました。研究開発内容としては、プログラムを数学的に正しく構築する形式手法と呼ばれる技術に着目し、これをユーザインタフェースとインタラクションデザインに取り入れることで、世界に先駆けた研究分野を開拓しつつあります。 また、科学技術分野の研究者らとの連携により、科学技術データのインタラクティブな可視化技術の研究開発にも着手しております。これまで実施してきたソフトウェア開発環境や情報と知識の交換と流通といったテーマは、新製品へと適用し展開するべく活動しております。また、オープンソース・ソフトウェアの潮流を踏まえた活用のための研究開発を引き続き実施しております。これらは、主に特定のセグメントに区分できない基礎研究であります。
なお、当連結会計年度での研究開発は、当社のグループ会社である株式会社SRAの先端技術研究所を中心に行っておりいます。研究開発費の総額は34百万円であります。

(1) インタラクティブなユーザインタフェースを考慮した形式手法の展開
形式的に仕様を記述することにより、その正しさを数学的に証明するアプローチは、ソフトウェア工学研究分野で長年培われてきた技術です。これを、これまで我々が取り組んできた、HCI(Human-Computer Interaction:ヒューマンコンピュータインタラクション)研究分野における、ソフトウェアの操作性や体験品質の向上に関わる「インタラクションデザイン」に適用することで、タッチ入力を基本とするモバイルデバイスやタブレットPCといったデバイスにおけるソフトウェア開発も見据えた、より頑健なソフトウェアプログラムの構築へとつなげるという研究開発に着手しております。
インタラクティブなソフトウェアシステムは、プロトタイプを構築しそれを実際に操作するユーザとの対話を経ながらその仕様を詳細化していくことが多く行われつつあります。本研究は、そのようなインタラクティブな対話を想定した上で、形式手法を用いた仕様を構築していくという全く新しい考え方を提唱するものです。
また、有効性が認められながらも、高度な知識やスキルを要求されることの多かった形式手法を、インタラクティブに学習する環境や、ウェブブラウザを介してそのノウハウを共有するといった仕組みの構築への展開を進めております。

(2) 科学データのインタラクティブな可視化技術に関する研究
科学技術の世界においてもビッグデータを活用した研究活動が盛んに行われつつありますが、当社グループでは、化学分野や脳科学分野の研究者らと連携しながら、これまでの研究開発活動の強みを活かした、データのインタラクティブな可視化技術の研究開発に取り組んでおります。
当社グループで培ってきたオープンソースの「じゅん for Java」(三次元グラフィックス及びマルチメディアを扱うためのフレームワークとなる汎用クラスライブラリ)や、インタラクションデザインの研究を通して確立してきたシナリオベースのユーザインタフェース構築アプローチを適用することで、ビッグデータを活用するユーザの視点から、データを処理し可視化するというアプローチを取っております。大規模、高複雑なデータを、ユーザのフォーカスやユーザの興味に合わせて表示・検索することで、新たな課題の発見や事象の認識を効果的に行えるような可視化手法や、ユーザの興味の遷移のテンポに合わせて高速で表示するインタラクション技法の構築を研究しております。データや情報の提示手法技術に関しては、さらに将来を見据えながら、データの可視化に加えて疑似触覚と呼ばれる錯覚を用いた情報の表現手法や、カメラやプロジェクターといった物理的機器の連携も踏まえた情報表現技術といったものも、研究対象の視野に入れております。
また、装着型デバイスを用いたサービス基盤として、多人数、高コンテキストのデータを処理し、近い将来のユーザの活動を予測したり、ユーザの興味に合わせた情報コンテンツを推薦するといったサービスの構築技術の開発にも着手しました。

(3) ソフトウェア開発環境に関わる研究
開発者中心設計の考え方を取り入れ、開発者が関わるインタラクションデザインの視点を取り入れることでソフトウェア開発のプロセスを支援する、ソフトウェア開発環境の製品化研究に取り組んでおります。当社グループでは、ソフトウェアの開発プロセスを追跡し、そのデータを収集、可視化することで、開発期間の予測や不具合の出現予測を行うといった「ソフトウェアプロセス」研究分野において、先導的役割を果たしてまいりました。また、ウェブ上で公開されているコンポーネントやライブラリを検索し、それらを活用しながら開発を進める「検索駆動型ソフトウェア開発」研究を推進し、これは当社グループで製品として発売しておりますソースコード検索エンジン「CodeDepot」の開発へとつながりました。当連結会計年度からは、これらの成果を踏まえながら、より効果的なソフトウェアの開発サイクルを統合的に支えるソフトウェア開発環境の研究に着手いたしました。
ソフトウェア開発データは、開発活動に関する知見の宝庫でもあります。上に説明した、データや情報を可視化する最新技術を取り入れながら、プロジェクト管理者のみならず、開発者にとって負荷のかからない、質的にも量的にも開発効率を向上させることに寄与出来るような環境としての展開が期待できます。

(4)オープンソース・ソフトウェア
オープンソース・ソフトウェアに関しましては、以前よりWebアプリケーション・システムの開発環境をGNU/Linux、PostgreSQLを含むオープンソース・ツールキット群によって構築するための情報収集と整備を行っており、一般情報開示も行っております。このような活動から得た、様々なオープンソース・ソフトウェアに対する各種の知見に、ソフトウェア工学の研究成果を組合わせることによって、オープンソース・ソフトウェアをベースとするソフトウェア開発プロジェクトの管理支援環境を構築し、改良を続けております。すでに、グループ内の多くの開発プロジェクトがこの環境を利用しており、構成管理等プロジェクト管理の基本機能に加えて、生産性や品質に関連する各種メトリクスの可視化等を実装し、プロジェクトの開発状況の可視化と生産性向上に寄与しております。
また、オープンソース・ソフトウェアのデータベースであるPostgreSQLにおきましては、複数のデータベース・サーバを連携して使用する「レプリケーション/クラスタリング」技術の技術開発に力を入れています。中でも、当社グループが独自に開発したオープンソース・クラスタソフトウェア「pgpool-II」の最新バージョンは9,000以上ダウンロードされるなど、高い信頼性や性能が要求される大規模システム、基幹業務向けに利用が広まっています。pgpool-IIはクラウド環境での利用や、Chefなどの構成管理ツールとの組み合わせも検証を進めており、先端的なシステム構築の現場での適用を目指しています。また、オープンソース・ソフトウェアのデータベースであるPostgreSQLにおきましては、複数のデータベース・サーバを連携して使用する「レプリケーション/クラスタリング」技術の技術開発に力を入れています。中でも、当社グループが独自に開発したオープンソース・クラスタソフトウェア「pgpool-II」は、国内外でユーザを増やしており、高い信頼性や性能が要求される大規模システム、基幹業務向けに利用が広まっています。最近では、一度実行した問い合わせの結果をメモリ上にキャッシュして飛躍的に性能を高める「オン・メモリ・クエリ・キャッシュ」の開発を進めています。
オープンソース・ソフトウェアのアプリケーション分野では、使いやすいユーザインタフェースと軽快な動作により、世界中で利用されているメールソフトウェアであるSylpheedと、スパムフィルターのSylFilterは、当社グループ社員が中心となって開発しています。最新のバージョンでは、Mac OSに対応するなど、より多くのユーザが利用できるように拡張を行っています。オープンソース・ソフトウェアのアプリケーション分野では、使いやすいユーザインタフェースと軽快な動作により、世界中で利用されているメールソフトウェアであるSylpheedとスパムフィルターのSylFilterは、当社グループ社員が中心となって開発しています。また、Sylpheedを発展させた「Sylpheed Pro」は、添付ファイル付きの10万件のメールの中から、わずか1秒で目的のメールを探すことのできるソリューションとして注目されており、最新のバージョンでは、Googleカレンダーとの連携やデスクトップ検索など、様々な機能強化が行われています。
これらはいずれも、ソフトウェアの開発作業で有益となる技術・環境・ツールを目指して進めているものです。実務レベルへの適用を随時行いつつ、国内外の大学や研究機関との連携を通して最新の技術動向を取り入れながら、研究成果を継続的に構築していく実用型の研究です。これらの研究成果の一部は、コンサルテーションや他機関との協同研究開発作業等にも活かされております。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05640] S1002DIA)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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