シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10056I9

有価証券報告書抜粋 株式会社SRAホールディングス 研究開発活動 (2015年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、概ね前年度までの活動を継承、さらにビジネス展開を踏まえて発展させております。株式会社SRAの先端技術研究所においては、ソフトウェア工学分野を中心とする研究開発と、研究開発活動を支える環境の製品化と展開とを並行して進めることで、研究開発課題の同定と応用展開というシナジー効果により、効果的な研究開発活動を実施しております。
研究開発分野としては、プログラムを数学的に正しく構築する形式手法と呼ばれる技術を、ユーザインタフェースとインタラクションデザインに取り入れることで、世界に先駆けた研究分野の開拓に前年度から着手いたしましたが、当該年度は、この成果が国内外に認められる成果として発展しつつあります。また、オープンソース・ソフトウェアの潮流を踏まえた活用のための研究開発を引き続き実施しております。
これらは、主に特定のセグメントに区分できない基礎研究であります。なお、当連結会計年度での研究開発は、当社のグループ会社である株式会社SRAの先端技術研究所を中心に行っております。研究開発費の総額は31百万円であります。

(1) インタラクティブなユーザインタフェースを考慮した形式手法の展開
ソフトウェア工学研究分野で長年培われてきた、形式的に仕様を記述することによりその正しさを数学的に証明するアプローチを、開発者間や、開発者と顧客との間でのコミュニケーションにおける齟齬の解消や共有理解の基盤として展開する手法に取り組んでいます。これは、これまで我々が取り組んできたHCI(Human-Computer Interaction:ヒューマンコンピュータインタラクション)研究分野における、ソフトウェアの操作性や体験品質の向上に関わる「インタラクションデザイン」に、形式手法を適用するというアプローチとなります。
有効性が認められながらも、高度な知識やスキルを要求されることの多かった形式手法を、インタラクティブに学習する環境や、ウェブブラウザを介してそのノウハウを共有するといった仕組みとして構築しているところであります。タッチ入力を基本とするモバイルデバイスやタブレットPCといったデバイスにおけるソフトウェア開発も見据えた、より頑健なソフトウェアプログラムの構築へとつなげるという研究開発への発展が期待されます。
インタラクティブなソフトウェアシステムは、プロトタイプを構築しそれを実際に操作するユーザとの対話を経ながらその仕様を詳細化していくことが多く行われつつあります。本研究は、そのようなインタラクティブな対話を想定した上で、形式手法を用いた仕様を構築していくという全く新しい考え方を提唱するものです。

(2) ビッグデータのインタラクティブな可視化技術に関する研究
科学技術の世界においてもビッグデータを活用した研究活動が盛んに行われつつありますが、当社グループでは、前連結会計年度に引き続き。化学分野や脳科学分野の研究者らと連携しながら、これまでの研究開発活動の強みを活かした、データのインタラクティブな可視化技術の研究開発に取り組んでおります。さらに、当社グループが長年先導しておりますソフトウェアプロセス分野における知見をベースとして、ソフトウェア開発やソフトウェアサービスに関わる諸活動の履歴データを活用するアプローチにも着手しております。
このような多様なビッグデータを活用するために、ユーザの視点からデータを処理し可視化するというアプローチにおいては、先端技術研究所で培ってきたモバイルデバイス上でのインタラクティブな可視化技術や、当社グループで培ってきたオープンソースの「じゅん for Java」(三次元グラフィックス及びマルチメディアを扱うためのフレームワークとなる汎用クラスライブラリ)を用いた可視化技術を、その基盤としております。大規模で複雑なデータを、ユーザのフォーカスやユーザの興味に合わせて表示・検索することで、新たな課題の発見や事象の認識を効果的に行えるような可視化手法や、インタラクションデザインの研究を通して確立してきたシナリオベースのユーザインタフェース構築アプローチの適用による、ユーザの興味の遷移のテンポに合わせて高速で表示するインタラクション技法の構築へとつながるものとなります。

(3) ソフトウェア開発環境に関わる研究
ソフトウェア開発環境の製品化研究においては、開発者中心設計の考え方を取り入れ、開発者が関わるインタラクションデザインの視点を取り入れることで、ソフトウェア開発のプロセスを取り入れております。当社グループでは、その黎明期から社内において開発環境を活用し、ソフトウェアの開発プロセスを追究しておりますが、当連結会計年度は、これをProjDepotとして製品化へとつなげることができました。ソースコードの高速構造検索を可能とするCodeDepotと共に、ソフトウェア開発に関わる活動データを、開発活動に関する知見の宝庫として活用することで、プロジェクト管理者のみならず、開発者にとって負荷のかからない、質的にも量的にも開発効率を向上させることに寄与できるような環境の展開へとつながるものです。

(4)オープンソース・ソフトウェア
オープンソース・ソフトウェアに関しましては、以前よりWebアプリケーション・システムの開発環境をGNU/Linux、PostgreSQLを含むオープンソース・ツールキット群によって構築するための情報収集と整備を行っており、一般情報開示も行っております。このような活動から得た、様々なオープンソース・ソフトウェアに対する各種の知見に、ソフトウェア工学の研究成果を組み合わせることによって、オープンソース・ソフトウェアをベースとするソフトウェア開発プロジェクトの管理支援環境を構築し、改良を続けております。すでに、グループ内の多くの開発プロジェクトがこの環境を利用しており、構成管理等プロジェクト管理の基本機能に加えて、生産性や品質に関連する各種メトリクスの可視化等を実装し、プロジェクトの開発状況の可視化と生産性向上に寄与しております。
また、オープンソース・ソフトウェアのデータベースであるPostgreSQLにおきましては、複数のデータベース・サーバを連携して使用する「レプリケーション/クラスタリング」技術の技術開発に力を入れています。中でも、当社グループが独自に開発したオープンソース・クラスタソフトウェア「pgpool-II」は、高い信頼性や性能が要求される大規模システム、基幹業務向けに利用が広まっています。以前から日本国内のみならず海外でも利用の広がり見せているpgpool-IIですが、最近では海外のソフトウェア会社も開発に参加するなど、名実ともにグローバルなオープンソース・ソフトウェア・プロジェクトとしての成長を見せています。2014年にリリースした最新版では、基幹系の高トランザクション用データベースと分析系の大容量データベースを効率よく同居させることのできる技術を盛り込んでいます。
オープンソース・ソフトウェアをミッションクリティカルな領域で使用するために不可欠なのが統合監視ソフトウェアです。当社グループはこの分野にも力を入れており、Zabbixというオープンソース・ソフトウェアの統合監視ソフトから、PostgreSQL、更に上記のpgpool-IIを監視できるテンプレートをオープンソース・ソフトウェアとして開発、公開しております。従来本格的なPostgreSQL用の監視テンブレートは存在していませんでしたが、pg_monzの登場によって、単体のPostgreSQLサーバのみならず、クラスタ構成のPostgreSQLやpgpool-IIも監視できるようになり、オープンソース・ソフトウェア・データベースの、ミッションクリティカルな分野への適用が進むことが期待されます。
これらはいずれも、ソフトウェアの開発作業で有益となる技術・環境・ツールを目指して進めているものです。実務レベルへの適用を随時行いつつ、国内外の大学や研究機関との連携を通して最新の技術動向を取り入れながら、研究成果を継続的に構築していく実用型の研究です。これらの研究成果の一部は、コンサルテーションや他機関との協同研究開発作業等にも活かされております。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05640] S10056I9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。