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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007UXQ

有価証券報告書抜粋 株式会社SRAホールディングス 研究開発活動 (2016年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、前連結会計年度までと同様に研究開発およびその成果に基づくビジネス展開を継続しております。株式会社SRAの先端技術研究所においては、開発環境を取り巻く技術状況と社会情勢の変化に対応する高い信頼性を維持した形で、当連結会計年度より新たに「ビッグデータ駆動ソフトウェア工学」と呼ぶアプローチの展開を開始いたしました。展開中の自社IP製品の発展と新規製品の展開、当社グループ内へのプロアクティブな技術提供と人材育成および卓越した技術研究とアカデミック研究の双方向アプローチにより、SRAグループのビジョン展開と底上げの両面からの貢献を目指しております。
研究開発分野としては、世界に先駆けた研究分野である、形式手法(プログラムを数学的に正しく構築する技術)とインタラクションデザイン(操作品質の高いユーザインタフェースを構築する手法)を融合した技術を、開発プロセスおよび教育支援といった形で発展させております。また、オープンソース・ソフトウェアの潮流を踏まえた活用のための研究開発を引き続き実施しております。
これらは、主に特定のセグメントに区分できない基礎研究であります。なお、当連結会計年度での研究開発は、当社のグループ会社である株式会社SRAの先端技術研究所を中心に行っております。研究開発費の総額は35百万円であります。

(1) インタラクティブなユーザインタフェースを考慮した形式手法の展開
従来、形式手法は、ソフトウェア工学研究分野においてその有効性が認められながらも、高度な知識やスキルが求められ専門的技術者にしか扱えないものとされていました。このような課題に対し、先端技術研究所が取り組んできた、ソフトウェアの操作性や体験品質の向上に関わるインタラクションデザインを取り入れることで、より容易に形式手法を習得し活用することが出来るような手法の研究と開発ツールの開発に取り組んでいます。インタラクティブな対話を想定した上で、形式手法を用いた仕様を構築していくという全く新しい考え方を提唱するものであります。取り組みとして、インターネットのウェブサイト上でインタラクティブに形式手法を学習する仕組みを構築しております。
また、モバイルアプリのようなインタラクティブなソフトウェアシステムは、プロトタイプを迅速に構築し、それを操作するユーザとの対話を経ながらその仕様を詳細化していくことが求められております。これに対して本研究開発では、顧客との対話をより効果的かつ正確に進めることを目的として、数学的な仕様を読むことなく、仕様の意味するところを顧客自身がユーザインタフェースを介して体験し理解を共有する仕組みを実現するための研究開発を進めております。
これらの研究開発成果により、タッチ入力を基本とするモバイルデバイス向けのアプリケーションを始め、より多くのソフトウェア開発で形式手法の利点であるシステム仕様の品質向上とソフトウェアの信頼性の向上が得られることが期待されます。

(2) ビッグデータのインタラクティブな可視化技術に関する研究
当社グループでは、前連結会計年度に引き続き、ビッグデータの活用へ向けて、これまでの研究開発活動の強みを活かした、データのインタラクティブな可視化技術の研究開発に取り組んでおります。これは、当社グループが長年先導しておりますソフトウェアプロセス分野における知見をベースとして、ソフトウェア開発やソフトウェアサービスに関わる諸活動の履歴データを活用するアプローチを主軸としております。
ユーザの視点からデータを処理し可視化するというアプローチにおいては、先端技術研究所で取り組んでいるインタラクションデザインの手法を用いて、ユーザの興味の遷移に合わせて表示と絞り込み表示を行い、新たな課題の発見や事象の認識を効果的に行えるような可視化技術の構築に取り組んでおります。大量のテキストデータ、数値データ、ビデオデータを対象として、ウェブブラウザーで簡便にデータを閲覧できる環境のプロトタイピングを実施しております。

(3) ソフトウェア開発環境に関わる研究
ソフトウェア開発環境の実用化研究においては、ソフトウェア開発プロセスの最適化と、開発スタイルの多様化に柔軟に呼応する形で、機能性、利便性、文脈性のいずれにおいても拡張性の高い環境の構築に注力しております。これら研究開発活動の成果の一部を展開する形で前年度に「ProjDepot」を製品化いたしました。これは、開発者中心設計を踏まえたインタラクションデザインの視点を取り入れたもので、多くのお客様からご好評を頂いております。また、オープンソースを利用する開発スタイルやアジャイルなプロセスの導入という潮流に応じて既存ソースコードの管理と活用の必要性が高まり、先端技術研究所が展開しているソースコードの高速構造検索を可能とする「CodeDepot」にもより一層のご注目を頂いております。これらのソフトウェア開発環境に関わる製品は、ソフトウェア開発に関わる活動データを開発活動に関する知見の宝庫として活用することにもつながります。上述のビッグデータの可視化環境との融合により、プロジェクト管理者、開発者の双方にとって、負荷をかけずに開発の効率向上に寄与できるような環境の展開へとつながるものであり、ビッグデータ駆動ソフトウェア工学の実践につながる技術であります。
(4)オープンソース・ソフトウェア
オープンソース・ソフトウェアに関しては、以前よりWebアプリケーション・システムの開発環境を 「GNU/Linux」、「PostgreSQL」を含むオープンソース・ツールキット群によって構築するための情報収集と整備を行っており、一般情報開示も行っております。このような活動から得た様々なオープンソース・ソフトウェアに対する各種の知見に、ソフトウェア工学の研究成果を組み合わせることによって、オープンソース・ソフトウェアをベースとするソフトウェア開発プロジェクトの管理支援環境を構築し、改良を続けております。すでに、グループ内の多くの開発プロジェクトがこの環境を利用しており、構成管理等プロジェクト管理の基本機能に加えて、生産性や品質に関連する各種メトリクスの可視化等を実装し、プロジェクトの開発状況の可視化と生産性向上に寄与しております。
また、オープンソース・ソフトウェアのデータベースである「PostgreSQL」におきましては、複数のデータベース・サーバを連携して使用する「レプリケーション/クラスタリング」技術の技術開発に引き続き力を入れています。中でも、当社グループが独自に開発したオープンソース・クラスタソフトウェア「pgpool-II」は、高い信頼性や性能が要求される大規模システム、基幹業務向けに利用が広まっています。2016年にリリースした最新版では、基幹系で広く使われているJavaアプリケーション利用時のスループットを大幅に高めるとともに、大規模システムでの性能向上を達成しています。
オープンソース・ソフトウェアをミッションクリティカルな領域で使用するために不可欠なのが統合監視ソフトウェアです。当社グループはこの分野にも力を入れており、「Zabbix」というオープンソース・ソフトウェアの統合監視ソフトから、「PostgreSQL」、更に上記の「pgpool-II」を監視できるテンプレートをオープンソース・ソフトウェアとして開発、公開しております。従来、本格的なPostgreSQL用の監視テンブレートは存在していませんでしたが、「pg_monz」の登場によって、単体のPostgreSQLサーバのみならず、クラスタ構成の「PostgreSQL」や「pgpool-II」も監視できるようになり、オープンソース・ソフトウェア・データベースの、ミッションクリティカルな分野への適用が進むことが期待されます。
これらはいずれも、ソフトウェアの開発作業で有益となる技術・環境・ツールを目指して進めているものです。実務レベルへの適用を随時行いつつ、国内外の大学や研究機関との連携を通して最新の技術動向を取り入れながら、研究成果を継続的に構築していく実用型の研究です。これらの研究成果の一部は、コンサルテーションや他機関との協同研究開発作業等にも活かされております。


経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05640] S1007UXQ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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