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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G3KP

有価証券報告書抜粋 株式会社SRAホールディングス 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、研究開発およびその成果に基づくビジネス展開から構成されます。株式会社SRAの先端技術研究所においては、研究開発分野として、形式手法(プログラムを数学的に正しく構築する技術)とインタラクションデザイン(操作品質の高いユーザインタフェースを構築する手法)を融合した手法の構築に引き続き取り組んでおります。また、「ビッグデータ駆動ソフトウェア工学」を中核とする、ビッグデータを対象とするインタラクティブな可視化技術の構築に関する研究も継続して進めております。ソフトウェア開発プロセスを支える情報技術に関わる研究成果は、自社IP製品への応用・展開と並行する形で進めています。また、オープンソース・ソフトウェアの潮流を踏まえた活用のための研究開発を引き続き実施しております。
これらは、主に特定のセグメントに区分できない基礎研究であります。なお、当連結会計年度での研究開発は、当社のグループ会社である株式会社SRAの先端技術研究所を中心に行っております。研究開発費の総額は30百万円であります。
(1) ハードとソフトの境界が曖昧になる時代に向けた形式手法の展開
先端技術研究所では、形式手法とインタラクションデザインの融合による革新的な開発支援アプローチに取り組んでいます。
IoTやAI技術の進歩により、生活シーンの中で目に見える、あるいは目に見えない形で、多様な情報技術を搭載したデバイスが登場しています。これらのデバイスにおいては、ハードウェアとソフトウェアの機能が相互に影響し合い、これまでと比べものにならないレベルでその境界が不明瞭になりつつあります。世の中の要請に応え新しいデバイスを開発し生産していくためには、デバイスの物理的形状や機構とソフトウェアのどちらを先に設計し開発するということではなく、双方の開発を同時に進行させていく必要があると考えられます。
形式手法は、数学的な手法によって高品質のソフトウェアを開発する手法です。従来は、数学的に厳密なソフトウェア仕様がまずは専門技術者によって丹念に作り上げられ、次にその仕様に基づきプログラムが開発されるものと捉えられてきました。しかしながら先端技術研究所では、これらを同時並行的に進める手法の構築を目指しています。これが、新たなデバイスに向けたソフトウェアを高品質かつタイムリーに開発するための技術としての、インタラクションデザインによるプロトタイピングに基づいた形式手法の研究です。形式仕様によるプロトタイプ作成を通じてユーザ体験をデザインしつつ、モデル検査など機能品質を獲得するための自動化された手法により、コンピュータ搭載デバイスの高品質かつタイムリーな開発を目指します。

(2) ビッグデータのインタラクティブな可視化技術に関する研究
先端技術研究所では、ビッグデータをインタラクティブに扱うための可視化技術の研究開発にも取り組んでいます。
当該年度からは、IoTデバイスなどを用いたユーザ行動によって生み出されるアクティビティの履歴データに着目して研究を進めています。人々の行為を、観察・記録・創出・伝達からなる一連の作業によって生み出されるアクティビティ履歴データとして捉え、多様な行動をサポートするためのデータの記録方式、表現形態、データの集約・分類・分析手法の開発、およびインタラクティブな可視化方法の研究開発を行っています。このような、ユーザが日々生成する時間情報を有するテキストや画像情報、動画像データを分節化し・再構成して可視化することで、ユーザ自身への気づきや触発をあたえることが可能になります。
また、和歌山大学との共同研究では、ソフトウェア開発の中で生み出されるドキュメントに対してデータ分析を進めています。プロジェクトの中で用いられる言葉や技術の傾向を可視化することで、開発マネージメントに有益な情報を得ることが可能になります。

(3) ソフトウェア開発環境に関わる研究
ソフトウェア開発プロセスを支える情報技術として、当社グループでは長年に渡り、機能性、利便性、文脈性のいずれにおいても拡張性の高いソフトウェア開発環境の実現に向けた研究に取り組んでおります。チーム開発のための統合管理環境「ProjDepot」、テスト自動化支援環境「Testablish」、プログラム理解・再利用を支援するソースコード検索システム「CodeDepot」などは、これらの研究開発成果であり、開発者視点を踏まえた開発プロセスの最適化、および開発スタイルの多様化に柔軟に対応するような、製品やサービスとして展開しております。
また、開発情報を、開発過程における意思決定の来歴情報として活用することを念頭に、ソフトウェア開発プロセスにおいて交わされる議論やコメントと成果物ファイルを記録する環境の試作に着手しております。これらの応用展開が、今後成長していくことを期待しております。

(4) オープンソース・ソフトウェア
オープンソース・ソフトウェアに関しては、以前よりWebアプリケーション・システムの開発環境を「GNU/Linux」、「PostgreSQL」を含むオープンソース・ツールキット群によって構築するための情報収集と整備を行っており、一般情報開示も行っております。このような活動から得た様々なオープンソース・ソフトウェアに対する各種の知見に、ソフトウェア工学の研究成果を組み合わせることによって、オープンソース・ソフトウェアをベースとするソフトウェア開発プロジェクトの管理支援環境を構築し、改良を続けております。すでに、グループ内の多くの開発プロジェクトがこの環境を利用しており、構成管理等プロジェクト管理の基本機能に加えて、生産性や品質に関連する各種メトリクスの可視化等を実装し、プロジェクトの開発状況の可視化と生産性向上に寄与しております。
また、オープンソース・ソフトウェアのデータベースでワールドワイドに開発されている「PostgreSQL」においては、SRA OSS, Inc. が積極的に開発に参加しており、改良および機能追加の提案が取り込まれるなど成果をあげています。とりわけ昨年度までの「ビュー」技術の拡張に関する研究成果を活用し、今年度は実用性の高い「マテリアライズドビュー」の増分更新を高速化する技術の開発に取り組んでいます。
SRA OSS, Inc. では、ワールドワイドなオープンソース・ソフトウェアの開発プロジェクトに参画するほか、自社がリーダーシップをもつスタイルのオープンソース・ソフトウェア開発にも取り組んでおり、PostgreSQL専用のクラスタソフトウェアである「pgpool-II」や、メールソフト「Sylpheed」、統合監視ツール「Zabbix」の監視テンプレート「pg_monz」などを開発しています。

これらはいずれも、ソフトウェアの開発作業で有益となる技術・環境・ツールを目指して進めているものです。実務レベルへの適用を随時行いつつ、国内外の大学や研究機関との連携を通して最新の技術動向を取り入れながら、研究成果を継続的に構築していく実用型の研究です。これらの研究成果の一部は、コンサルテーションや他機関との協同研究開発作業等にも活かされております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05640] S100G3KP)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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