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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LJI6 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社T&Dホールディングス 事業等のリスク (2021年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動


以下において、当社及び当社グループの事業その他に関して投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項について記載しております。当社グループでは、これらのリスクを認識した上で、事態の発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。なお、本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

本項においては、当社の傘下生命保険子会社である太陽生命保険株式会社(以下「太陽生命」といいます)、大同生命保険株式会社(以下「大同生命」といいます)及びT&Dフィナンシャル生命保険株式会社(以下「T&Dフィナンシャル生命」といいます)の3社を「生命保険会社3社」、「生命保険会社3社」とともに当社が直接保有している「T&Dアセットマネジメント株式会社」(以下「T&Dアセットマネジメント」といいます)、「T&Dユナイテッドキャピタル株式会社」(以下「T&Dユナイテッドキャピタル」といいます)及び「ペット&ファミリー損害保険株式会社」(以下「ペット&ファミリー損害保険」といいます)を併せた6社を「直接子会社」といいます。

Ⅰ リスク管理
1 リスク管理の基本的な考え方
当社グループでは、当社がグループにおけるリスク管理の基本的な考え方を定めた「グループリスク管理基本方針」を策定し、直接子会社は当方針のもと、関連会社を含めたリスク管理体制を整備しています。
当社は、グループにおけるリスクを統括管理するためグループリスク統括委員会を設置し、統一した経済価値ベースのリスク管理指標等に基づくリスクの状況について、直接子会社から定期的及び必要に応じて報告を受け、グループ各社が抱える各種リスクの状況を把握しています。また、当社は、グループ各社のリスクの状況を取締役会に報告するとともに、必要に応じて直接子会社に対し指導・助言を行うことにより、各社におけるリスク管理を徹底し、グループ全体のリスク管理体制の強化に取り組んでいます。

2 リスク管理体制
当社グループでは、生命保険事業の社会公共性等に鑑み、経営の健全性及び適切性を確保するため、リスクを的確に把握し管理していくことを経営の重要課題の一つと位置づけ、持株会社である当社の統括管理のもと、グループ各社は自己責任原則に基づき事業特性に応じて適切なリスク管理を実施しています。

3 リスクの分類と対応
当社グループでは、金融市場の混乱、巨大災害、パンデミック、気候変動、サイバー攻撃など、経営上の様々なリスクを下記のとおり分類し、リスク分類ごとに管理方針を定め、リスクの発生を防止又は一定の許容範囲内にコントロールするよう努めています。

当社及び当社グループの事業その他に関して、重要であると考えられるリスクは次のとおりです。
持株会社のリスク事業のリスク
生命保険事業の業績への依存等に関するリスク
配当収入に関するリスク
業務範囲の拡大に伴うリスク
規制変更のリスク
保険引受リスク
資産運用リスク
流動性リスク
オペレーショナルリスク(注)
風評リスク
関連会社等リスク

(注)オペレーショナルリスクは、事務リスク(個人情報の漏えいリスクを含みます)・システムリスク・法務リスク・労務人事リスク・災害リスクに分類して管理しています。


4 リスクの認識と評価(リスクプロファイル)
当社グループでは、リスクの多様化・複雑化に対応するため、リスクプロファイル(注)を用いて、当社グループを取り巻くリスクを網羅的に整理しています。リスクカテゴリー別にリスクを網羅的に洗い出し、当該リスクを把握・評価するとともに、各リスクの重要性、影響度、コントロール状況等を総合的に勘案し、取組事項の優先順位づけに活用し、必要に応じて経営計画等へ反映しています。なお、新たな重要なリスクの発生や、既に認識しているリスクの大きな変更、社内・業界慣行の世間からの乖離等を的確に認識・把握するため、原則として半期ごとにリスクプロファイルの見直しを行い、グループリスク統括委員会及び取締役会に報告しています。
(注)「リスクプロファイル」とは、リスクの性質、規模など各リスクの特性を表すさまざまな要素により構成されるものの総称です。

5 統合的リスク管理の取組み
当社グループでは、グループを取り巻く様々なリスクをリスク種類毎に定量化し、損失発生時の影響を把握するとともに、定量化していないリスクも含めた事業全体のリスクの適切なコントロールを通じて、経営目標の達成等に繋げる統合的リスク管理に取り組んでいます。

(1) リスクの定量化
当社グループでは、資産運用リスク、保険引受リスク、オペレーショナルリスク等について、内部モデルを用いてリスクを計測しています。具体的には、これらのリスクについて、バリュー・アット・リスクという指標を用いて計測し、計測期間1年、信頼水準99.5%の損失額をリスク量としています。

(2) リスクコントロール
上記の通り定量化したリスク(エコノミック・キャピタル)を、経済価値ベースの資産から負債を差し引いた純資産(サープラス)の一定の範囲内にコントロールするとともに、健全性に係る監督規制も踏まえつつ、財務の健全性、資本の十分性の確保を図っています。
2021年3月末のエコノミック・キャピタルは1兆4,928億円であり、サープラス3兆3,542億円に対して一定の範囲内にコントロールしています。

(3) ストレステストの実施
定量化したリスクをコントロールしつつ、定量化で捉えきれないリスクにも適切に対応できるよう、幅広くリスクの把握に努めています。幅広く洗い出したリスクや、金融市場の大幅な悪化、大規模災害等、想定を上回る大きなショックが発生した場合の影響を確認するため、ストレステストを実施しています。ストレステストの結果を分析し、事前に対応策等を確認することにより、様々な局面においても健全性を維持できる態勢を構築しています。


Ⅱ 持株会社のリスク
1 生命保険事業の業績への依存等に関するリスク
当社グループは、生命保険事業を主たる事業とする生命保険会社3社の業績に大きく依存しております。そのため、生命保険会社3社の経営状況が大きく変動した場合、又は生命保険会社3社の役割及び位置付けに大きな変更が生じた場合等は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。生命保険会社3社の業績については、当社取締役会等において予算実績差異管理や経営計画等の進捗状況をモニタリングするとともに、必要な助言・支援を実施しております。また、「事業ポートフォリオの多様化・最適化」をグループ長期ビジョンの成長戦略の柱の1つに掲げ、推進しております。

2 配当収入に関するリスク
当社の収入の大部分は、当社が直接保有している生命保険会社3社が当社に対して支払う配当となっております。一定の状況下では、保険業法及び会社法上の規制等により、生命保険会社3社が当社に支払うことができる配当の金額が制限される場合があります。また、生命保険会社3社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合等には、当社は配当を支払えなくなるおそれがあります。生命保険会社3社の財務の健全性に関するリスクを適切にコントロールするとともに、予算実績差異管理や経営計画等の進捗状況に係るモニタリング等を通じて生命保険会社3社が当社に対して支払う配当の財源が確保できるよう管理しております。

3 業務範囲の拡大に伴うリスク
当社グループは、今後も持株会社の利点を活かし、法令その他の条件の許す範囲内で、生命保険事業以外の分野に業務範囲を広げていくことを検討しております。当社グループは、拡大する業務範囲について全く経験がないか、限定的な経験しか有していないことがあります。また、業務範囲の拡大が進展しないか、又は当該業務の収益性が悪化した場合等には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。業務範囲の拡大にあたっては、生命保険事業に親和性のある分野を対象にするともに、当該業務に経験がある団体・企業との提携・協業を通じて事業を推進することで、リスクの抑制を図っております。また、実施計画を事前に検証し、実施後は適宜、モニタリングすることで、適切にリスクコントロールを実施しております。

4 規制変更のリスク
当社及び当社グループの事業は、保険業法によって規制され、金融庁による監督を受けております。また、その他の規制(法令、実務慣行、解釈運用及び財政政策等の影響を含みます)の制約の下で業務を遂行しております。そのため、将来における規制の変更及びそれらによって発生する事態が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。法令・規制改正情報を継続的に確認し、当社グループの事業運営に与える影響が大きいと想定される変更については、グループ各社と情報を連携しながら影響を検証・対応する態勢としております。


Ⅲ 事業のリスク
1 直接子会社のリスクの種類
直接子会社における主なリスクは以下のとおりです。これらのリスクは当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、特に、生命保険会社3社における保険引受リスク及び資産運用リスクの影響が大きいと考えております。

リスクの種類リスクの内容
保険引受リスク経済情勢や保険事故の発生率等が、保険料設定時の予測に反して変動することにより損失を被るリスクであり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により保険金や給付金等の支払いが急増するリスクも含まれます。当社グループでは、保険引受が長期にわたって経営に重大な影響を与えることを認識したうえで、保険引受リスクの把握・分析・評価を行い、適切なリスクコントロールを行っています。
資産運用リスク資産運用リスクは、市場リスク、信用リスク及び不動産投資リスクに分類し、それぞれの資産特性に応じて適切なリスクコントロールを行っています。
◇市場リスク
金利、有価証券等の価格、為替等の様々なリスクファクターの変動により、保有する資産・負債(オフバランス資産を含む)の価値が変動することにより損失を被るリスクをいいます。
◇信用リスク
信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む)の価値が減少ないし消失することにより損失を被るリスクをいいます。
◇不動産投資リスク
賃貸料等の変動等を要因として不動産に係る収益が減少する、又は市況の変化等を要因として不動産価格自体が減少することにより損失を被るリスクをいいます。
当社では、グループ全体での特定の業種・グループ等に対する与信集中の状況や、問題債権の管理・回収状況等についてモニタリングを行っています。
流動性リスク流動性リスクは、資金繰りリスクと市場流動性リスクに区分されます。
◇資金繰りリスク
事業収支の悪化、巨大災害での資金流出等により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく低い価格での資産売却を余儀なくされることにより損失を被るリスクをいいます。
◇市場流動性リスク
市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクをいいます。
当社グループでは、生命保険会社3社が資金繰りの状況をその逼迫度に応じて区分したうえで、各区分に応じた管理方法を定め、一定の流動性を確保するとともに、資金調達のために資産の流動化を円滑に行えるよう体制を整備することにより適切なリスクコントロールを行っています。


リスクの種類リスクの内容
オペレーショナル
リスク
オペレーショナルリスクは、事務リスク(個人情報の漏えいリスクを含みます)・システムリスク・法務リスク・労務人事リスク・災害リスクに分類して管理しております。
◇事務リスク
役職員等が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正・情報漏洩等を起こすことにより損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、すべての業務に事務リスクが存在することを認識し、グループ各社ごとに事務リスクの管理体制を整備することにより事務リスクの発生防止・軽減に努めています。

個人情報の漏えいリスクについて

直接子会社では、個人情報保護に関する方針、規程等に基づき、個人情報の取得、利用・提供、保管・移送、廃棄における適切な取扱いに細心の注意を払っております。
特に生命保険会社3社は、生命保険契約の締結、保全及び保険金・給付金等の支払手続時に個人の情報を取得しますが、生命保険自体が個人の医療・健康情報等まで扱う事業であることから、個人情報の取扱いには他の事業以上に慎重でなければならないと認識しております。
「個人情報の保護に関する法律」及びその特別法である「行政手続における特定の個人を識別するための番号利用等に関する法律」等に対応し、当社及び直接子会社では、個人情報保護宣言(プライバシーポリシー)の制定・改正、個人情報保護に関する統括推進組織や管理責任者の設置、各種規程・マニュアルの整備、教育・研修の実施等を通じて、個人情報の保護・情報セキュリティ管理の徹底等に努めております。
近時、企業が保有する個人情報の流出が多数発生している状況に鑑み、当社グループにおいても個人情報の管理をより一層徹底する必要があるものと認識し、グループ全体で個人情報保護に取り組んでおります。
万一、個人情報が漏洩した場合には、当社グループへの社会的信用、評判、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

◇システムリスク
コンピュータシステムのダウンや誤作動等、システムの不備等に伴い損失を被るリスク、又はコンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、すべての業務を取扱うシステムに、システムリスクが存在することを認識し、システムリスクの管理体制を整備することにより、システムリスクの発生防止・軽減、及びリスク発生時の損失の極小化に努めています。

直接子会社では、「情報及び情報システム」は経営戦略及び業務遂行上重要な資産であるとの認識により、さまざまなシステムリスク(コンピュータシステムのダウンや誤作動等、システムの不備等に伴い損失を被るリスク、又はコンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスク)からこれらを保護するために、取締役会においてシステムリスクの管理に関する規程等を策定し、管理態勢の強化に取り組んでおります。
特に生命保険会社3社では、個人保険・企業保険業務、資産運用業務等広範囲にわたってコンピュータシステムを活用して業務を遂行しており、コンピュータシステムへの依存度が高まっております。
ファイアウォールやウィルス対策ソフト等による不正侵入・不正使用防止等のセキュリティ対策を講じ、コンピュータシステムの安定稼動の確保に努めています。
このような状況の中、システムリスク管理態勢のより一層の強化に努めておりますが、システムに重大な障害が発生した場合には、支社窓口業務や資産運用業務等において支障をきたすとともに、生命保険会社3社への信頼が損なわれ、新契約の減少や解約の増加等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。


リスクの種類リスクの内容
オペレーショナル
リスク
◇法務リスク
諸法令等の遵守を怠ること等により損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、コンプライアンスを推進することにより、リスクの発生防止に努めています。また、訴訟等の紛争が生じることにより損害賠償費用等の損失を被る懸念が生じた場合は、弁護士等と連携することなどにより早期解決を図り、損失の極小化に努めています。

当社グループは、「T&D保険グループCSR憲章」、「T&D保険グループコンプライアンス行動規範」及び「T&D保険グループコンプライアンス態勢整備基本方針」を制定のうえ、コンプライアンスに関する基本方針・遵守基準としてこれらを役職員に周知し、コンプライアンスの推進に取り組んでおります。また、当社及び直接子会社では、コンプライアンスに関する具体的な実践計画として「コンプライアンス・プログラム」を事業年度ごとに策定・実施し、コンプライアンスの徹底を図っているほか、業務遂行において遵守すべき法令等の解釈などを具体的に解説した「コンプライアンス・マニュアル」を作成し、手引書及び研修教材として活用しております。さらに、内部通報制度として「T&D保険グループヘルプライン」を設置し、グループ内のすべての役職員からコンプライアンス違反等の通報を受け付け、早期発見・未然防止に取り組んでおります。
これらの取組みにもかかわらず、今後当社グループの役職員により、法令・諸規則の違反、詐欺的行為その他不適切な行為等が行われ、それに伴う処分や訴訟提起など、法令等違反に起因した様々な問題が生じた場合には、当社グループの社会的信用、評判、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

◇労務人事リスク
雇用問題、労務管理、人材流出、人権問題等、労務・人事上のトラブルが発生することにより損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、労務人事リスクの存在を認識し、労務人事リスクの管理体制を整備することにより、労務人事リスクの発生防止・軽減に努めています。

◇災害リスク
大規模災害等に対する予防対策、あるいは発生時の緊急措置体制が整備されていないことにより損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、大地震や風水害等の災害を想定し、予防対策及び発生時の緊急対応体制を整備することにより、災害リスクの発生防止・軽減に努めています。

傘下の保険会社では、人口密集地域や広範囲な地域に地震、津波、テロ等の大規模災害が発生した場合やインフルエンザ等の感染症が大流行した場合に多額の保険金等の支払いが発生するリスクにさらされております。傘下の保険会社は、保険業法に基づく危険準備金を積み立てておりますが、この準備金が実際の保険金等の支払いに十分でない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、大規模災害等発生時の緊急措置体制については、グループ共通の基本方針として規定し、周知徹底に努めておりますが、大規模災害等の発生により長期的かつ広範囲に影響がおよぶなど予想を超える事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。


リスクの種類リスクの内容
オペレーショナル
リスク
新型コロナウイルス感染症への対応について

当社及び当社グループ各社では、今般の新型コロナウイルス感染症に対して、グループ内で緊密に情報連携を行い適切かつ迅速に対応するため、当社社長を本部長とするグループ危機対策本部を設置し、グループ全体での緊急措置体制をとっております。
当該緊急措置体制のもと、政府や都道府県の方針・要請、業界のガイドライン等に従い、感染拡大防止に努めるとともに、国民の経済活動を支援する金融機能の維持や顧客保護の観点から、業務の継続について適切な対応に努めております。
具体的には、手洗い・うがい等の基本的な感染予防の徹底、会議におけるテレビ・電話等のリモートシステムの活用、時差出勤や在宅勤務の活用等により、当社グループの役職員や家族の感染リスクを抑制した上で、緊急事態宣言等が発令された場合でも保険金支払やコールセンター等の機能を維持できる体制を構築しております。
また、販売活動等でお客さまや代理店を訪問する際には、事前に了承をいただいた上で、マスク着用を徹底する等の感染拡大防止策を講じております。
今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、長期間に亘って影響が及ぶケースを想定して危機対応規程を見直し、適正な業務運営を継続できるよう取り組んでいます。加えて、グループ企業価値の向上や新たな価値創出の観点で、業務フローの見直しやテレワークの拡充等の働き方改革を推進しています。
現時点において事業継続上の支障は特段ありませんが、新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことは困難であり、経済等の先行きも不透明な状況です。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が国内外で長期間にわたり続いた場合の当社グループへの影響を正確に評価することは困難ですが、金融指標の悪化による保有資産の減少、業務継続上の問題、営業活動の自粛による業績悪化等により損失を被る可能性があります。

風評リスク当社グループ又は生命保険業界に関する悪評・信用不安情報等が保険契約者、投資家、マスコミ、インターネット、その他社会一般等に広がり、株価の下落、グループ各社の業績に悪影響が生じる等の事態が発生することにより損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、風評リスクに関する情報、噂の収集を図るとともに、風評に接した場合の対応・報告体制を明確にすることにより、風評リスクの発生防止・軽減に努めています。
関連会社等リスク直接子会社の子会社・関連会社及び事業投資先において収支が悪化あるいは各種リスクが顕在化すること等により損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、生命保険会社3社等の子会社・関連会社及び事業投資先における収支の状況、各種リスクの発生状況を把握し、適切なリスクコントロールを行っています。


2 生命保険事業のリスク
(1) 生命保険事業の主要なリスク
① 保険引受リスク
経済情勢や保険事故の発生率等が、保険料設定時の予測に反して変動することにより損失を被るリスクであり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により保険金や給付金等の支払いが急増するリスクも含まれます。
当社グループでは、保険引受が長期にわたって経営に重大な影響を与えることを認識したうえで、保険引受リスクの把握・分析・評価を行い、適切なリスクコントロールを行っています。
保険料の検討段階では、経済情勢の変化や保険事故発生率等の推移を考慮した適切な保険料が設定されていることを検証するとともに、ご加入者の公平性・モラルリスク防止の観点から、保険商品の特性に応じた適切な引受基準を設定しています。
販売開始後は、保険事故の発生率等の実績の分析や、責任準備金の積立に関する適切性や十分性の確認を定期的に行い、必要に応じて保険商品の販売方針、引受基準及び保険料率の変更等の措置を講じています。


② 資産運用リスク
ア 一般勘定及び特別勘定の資産運用リスク
生命保険会社の勘定は、一般勘定と個人変額保険等の特別勘定とに区分されます。一般勘定では、一定の予定利率による支払いを契約者に保証しているため、実際の資産運用利回りが予定利率を下回ることが生命保険会社にとってのリスクとなります。一方、特別勘定は、その運用成果が直接契約者の積立金に反映され帰属するため、その資産運用リスクは契約者にとってのリスクとなります。

イ 市場リスクの概要
ⅰ 株式等に係る市場(株価変動)リスク
一般勘定において保有している株式等の時価が下落した場合は、含み益が減少し、又は含み損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

ⅱ 公社債に係る市場(金利変動)リスク
一般勘定において保有している円貨建債券は、金利が上昇し、債券の時価が下落した場合は、含み益が減少し、又は含み損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

ⅲ 外貨建有価証券に係る市場(為替変動)リスク
一般勘定において保有している外貨建有価証券は、為替相場が変動(円高、外貨安)した場合や有価証券の時価が下落した場合は、含み益が減少し、又は含み損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、一般勘定の有価証券時価情報(売買目的以外の有価証券で時価のあるもの)につきましては、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表-注記事項-(有価証券関係)」をご参照下さい。

ウ 信用リスクの概要
貸付金や債券等において、与信先の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少又は消失し損失が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、貸付金のうち、破綻先債権、延滞債権、3ヵ月以上延滞債権及び貸付条件緩和債権の残高状況につきましては「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表-注記事項-(連結貸借対照表関係)※1」をご参照下さい。

エ 不動産投資リスクの概要
保有する不動産において、投資用不動産における賃貸料等の変動等を要因として不動産にかかる収益が減少する、又は市況の変化等を要因として不動産価格自体が下落し損失が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、投資用不動産の時価の状況につきましては「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表-注記事項-(賃貸等不動産関係)」をご参照下さい。

(2) 競合について
① 生命保険会社の状況
ア 競合する生命保険会社
国内で「生命保険業免許」又は「外国生命保険業免許」を受けている会社は、当社グループの生命保険会社3社を含めて、合計42社あります(2021年3月末現在)。これらの保険会社は、生命保険契約を募集・維持管理する上においてはすべて当社グループと競合関係にあるといえ、これらの会社との競争が激化することにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。


イ 生命保険業界の動向
少子高齢化の進展や労働力人口の減少等により、将来的には新契約高や保有契約高が減少する可能性があります。その中にあって、新たなチャネルを有する保険会社の新規参入や様々な形態での業界再編、戦略的提携が行われており、今後さらに国内市場における業界再編等が進展する可能性があります。また、銀行等による保険販売の全面解禁に見られるように、自由化・規制緩和の動きが今後も進むことが予想されます。その結果、生命保険の商品価格、サービス面等の競争激化が予想され、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

② 生命保険事業における競合関係
民間生命保険会社が提供する生命保険と類似する機能を持つものとして、全国共済農業協同組合連合会、全国労働者共済生活協同組合連合会及び全国生活協同組合連合会等による生命共済等があり、生命保険会社3社が従事している生命保険事業と競合関係にあります。
また、金融機能に関わる分野では、企業年金資産の管理及び運用等の受託については主として信託銀行と、その資産運用の受託については主として投資顧問会社と競合関係にあります。
他社と競合関係にある事業について、生命保険会社3社の競争力が低下した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

③ 当社グループの生命保険会社の営業方針について
当社グループは、家庭市場に強みを持つ太陽生命、中小企業市場に強みを持つ大同生命及び乗合代理店チャネルを通じた生命保険市場に強みを持つT&Dフィナンシャル生命を傘下に保有しており、それぞれが独自の営業方針のもと、異なる販売市場、販売商品を有しております。
そのため、以下のとおり生命保険会社3社におけるリスクも固有のものとなっております。各生命保険会社におけるリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

ア 太陽生命
ⅰ 販売市場
太陽生命が主力としている個人向け生命保険の販売市場は、大きく家庭市場(家庭訪問による営業活動が中心)と職域市場(職域訪問による営業活動が中心)に大別されますが、同社は主に家庭市場において営業活動を行っております。このため同社の主な契約者は家庭の主婦層となっており、個人保険・個人年金保険新契約の契約者のうち、約7割を女性が占めております。
将来、構成員契約規制(注)が撤廃された場合、企業の保険代理店子会社等が当該企業の役職員を契約者とする生命保険商品を販売することが可能になります。これにより職域市場での販売チャネルが営業職員チャネルから代理店チャネルへとシフトし、職域市場を中心に営業を推進している同業他社の営業職員の販売先が狭められる可能性があり、同業他社が家庭市場に参入・注力し、家庭市場における競争がより激化した場合、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また将来、訪問販売に関する規制を強化するような法改正が行われること等により、家庭訪問による販売体制の効率性を維持できなくなった場合には、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
このような市場環境変化の可能性を踏まえ、家庭市場での優位性を高めるため、同社では主力の営業職員チャネルだけではなく、代理店チャネルでの販売や新たな販売チャネルの創設等により、企業価値の更なる増大に向けて取り組んでおります。
(注)構成員契約規制:保険業法及び同法施行規則等に基づき、法人である生命保険の募集代理店や保険仲立人(ブローカー)は、自社又は関係会社等の役員や従業員(以下「構成員」といいます)に対して、構成員を契約者とする生命保険商品(損害保険商品、第三分野商品の一部を除く)を販売することができないという規制のことであります。


ⅱ 販売体制
太陽生命は、営業職員チャネルを主力チャネルとして生命保険商品を販売しております。2021年3月31日現在における営業職員数は8,473名となっており、2021年3月期の同社保有契約年換算保険料(個人保険・個人年金保険)の約7割を営業職員チャネルが占めております。今後、営業職員数が大きく減少した場合には、販売力が低下し、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、将来、銀行窓販、来店型店舗(保険ショップ)及びインターネットによる販売の伸展等により、生命保険業界全体の販売チャネル構成が大きく変化する可能性があります。同社は既に銀行窓販をはじめとする代理店チャネルや新たな販売チャネルでの販売にも取り組んでおりますが、さらなる変化への対応が遅れた場合や、保険販売における営業職員チャネルの優位性が他のチャネルに比較して著しく低下した場合には、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
同社では保険販売における営業職員チャネルの優位性確保のため、主力チャネルである営業職員のサービスレベルを向上させるとともに、お客さまのニーズに応じて新たな販売チャネルを創設すること等により、販売体制の強化に取り組んでおります。

ⅲ 総合生活保障の販売拡大
太陽生命は、家庭市場での営業職員チャネルによる、死亡・医療・介護保障を中心とした総合生活保障の販売拡大に努めております。
高齢化が進む個人家庭市場において、女性・中高齢層の割合は引き続き高水準であることが見込まれることから、女性・中高齢層を主要な顧客基盤としてきた同社は、個人家庭市場において引き続き競争優位性を確保することができるものと考えております。
しかし、同社の見込みと異なり個人家庭市場での競争優位性を確保できなかった場合や、予想を下回ったことによる販売不振が発生した場合等には、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
このため、同社ではこれまで取り組んできた様々な業務改革等により創出した労働力を活かし、営業及びサービス体制を強化するなど、個人家庭市場での競争優位性確保に向けて取り組んでおります。また、保険を中心とした総合的な生活応援サービスを実現し、お客さまとのコミュニケーションの基盤強化に努めております。

イ 大同生命
ⅰ 販売市場
大同生命は主に中小企業市場を中心に営業活動を行っており、2021年3月期の新契約高(注1)の内訳は中小企業関連団体等を通じた契約(注2) 93.2%、その他の契約6.8%となっております。中小企業は景気動向の影響を強く受けるため、同社の主要顧客層である中小企業の業績悪化や経営破綻が増加した場合、新契約の減少や解約の増加等により、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
同社では、中小企業の様々なニーズにお応えするための豊富な商品ラインアップを揃え、法人への死亡保障・就業不能保障の推進に経営者個人への保障の推進を加えた「法人・個人を一体としたトータルな保障」の提案を強化しており、これらを通じて景気動向等の影響を受けにくい販売体制の構築に取り組んでおります。
(注)1個人保険・個人年金保険・団体保険の新契約高に無配当重大疾病保障保険の重大疾病保険金額、無配当就業障がい保障保険の就業障がい保険金額、無配当終身介護保障保険の介護保険金額を加算した金額。
2個人保険・個人年金保険、無配当重大疾病保障保険、無配当就業障がい保障保険、無配当終身介護保障保険の団体・集団扱契約と団体保険の合計。


ⅱ 制度販売
大同生命は、1971年から公益財団法人全国法人会総連合(以下、法人会)及び公益財団法人納税協会連合会(以下、納税協会)の「経営者大型総合保障制度」の引受けを、1976年からTKC全国会の「企業防衛制度」の引受けをそれぞれ開始し、それぞれの会員企業又は会員である税理士若しくは公認会計士の顧問先企業に対して保険商品を販売しております。この制度販売は、同社の販売政策の根幹であり、上記提携団体に対する同業他社の新規参入や団体が同社の保険商品を推奨することを中止した場合には、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
同社では、提携団体の組織構成に応じた強固なサポート体制や、提携団体の会員企業又は税理士若しくは公認会計士の顧問先企業のニーズに基づいた商品・サービスの提供により、さらに強固な関係の構築に取り組んでおります。

ⅲ 販売体制
大同生命は、営業職員チャネルと税理士や損害保険代理店等を中心とする代理店チャネルの二つを主要チャネルとして生命保険商品を販売しております。

・営業職員チャネル
同社の営業職員は、法人会及び納税協会の会員企業を主な対象として販売活動を行っております。同社の2021年3月31日現在における営業職員数は、3,766名となっております。同社は、資質の高い人材の採用を推進するとともに、高度な専門知識と販売技術を持った営業職員の育成を図っておりますが、今後、営業職員数や一人当たりの生産性が大きく低下した場合には、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

・代理店チャネル
同社の2021年3月31日現在における募集代理店数は、14,775店となっております。
同社は、商品競争力の向上に加え、代理店担当者の技能向上等によるサポート力の強化を図っておりますが、所定の要件を満たす代理店は複数の生命保険会社の保険商品を取り扱ういわゆる乗合が認められているため、今後、代理店の乗合が一層進み、代理店における同社商品の取扱いが減少した場合には、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

同社では、競争優位性のある商品・サービスの提供に加え、代理店担当者の教育によるサポート力強化、保険業務を支援する専用ツールやシステムの機能強化、専用コールセンターによる支援等を通じて、質の高い代理店サポート体制の構築に取り組んでおります。

ⅳ 販売商品
大同生命の従前からの主力商品は個人定期保険であり、2021年3月31日現在における同商品の保有契約高は、同社の保有契約高(注)の73.5%を占めております。
個人定期保険分野において、価格及び商品性での競争力の向上を図っておりますが、今後、他社との競合が激しくなった場合、あるいは個人定期保険に対する需要が減少した場合には、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、現行の税制では、企業が負担した個人定期保険の保険料は、全額又は一部が損金に算入できることになっておりますが、今後、税制改正により同取扱いが廃止又は縮小されることになった場合、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
同社では、中小企業のニーズを踏まえた競争優位性のある商品・サービスの開発や、就業不能保障・経営者個人保障等の新たな市場の開拓、中小企業に必要な保障額(標準保障額)に基づく提案の推進等を通じて、販売体制の強化に取り組んでおります。
(注)個人保険・個人年金保険の保有契約高に無配当重大疾病保障保険の重大疾病保険金額、無配当就業障がい保障保険の就業障がい保険金額、無配当終身介護保障保険及び無配当介護保障定期保険の介護保険金額を加算した金額。


ウ T&Dフィナンシャル生命
ⅰ 販売市場
T&Dフィナンシャル生命は、金融機関代理店チャネル及び来店型保険ショップチャネルを通じて生命保険商品を販売しております。
今後、運用環境の変化等に伴い、金融機関代理店において生命保険商品以外の金融商品の販売が重視され、金融機関代理店チャネルを通じた生命保険市場が縮小した場合には、同社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このため、来店型保険ショップチャネルを通じた生命保険商品の販売を強化することで、リスクの抑制を図ります。

ⅱ 販売体制
T&Dフィナンシャル生命は、金融機関代理店チャネル及び来店型保険ショップチャネルを主要チャネルとしており、2021年3月31日現在、159の金融機関等と代理店委託契約を締結しております。
今後、金融機関代理店チャネル及び来店型保険ショップチャネルを通じた生命保険販売の分野において、同業他社との価格・サービス競争が激しくなった場合や、同社の金融機関及び来店型保険ショップ代理店への新商品導入が遅れる等により、商品取扱代理店数が減少した場合には、同社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
同社では多様化するお客さま・代理店ニーズに応える商品を迅速に開発・投入する態勢を整備するとともに、「お客さま本位」の提案・販売に取り組み、営業力の強化を推進することで、リスクの抑制を図ります。

ⅲ 販売商品
T&Dフィナンシャル生命の主力商品は一時払の終身保険、個人年金保険及び平準払の収入保障保険、終身医療保険であり、同社では競合他社と給付内容を差別化し、消費者需要を踏まえた商品を開発しております。今後、他社との競合が激しくなった場合や、一時払の終身保険、個人年金保険及び平準払の収入保障保険、終身医療保険に対する需要が減少し、販売高が低迷して保有契約が大きく減少した場合には、同社の業績及び財政状況に悪影響を与える可能性があります。
このような市場の動向を注視し、お客さま・代理店のニーズを的確に捉えた上で販売中の商品を改定するとともに、新規の商品を開発し、商品ラインアップを多様化することで、リスクの抑制を図ります。

(3) その他
① 生命保険契約者保護機構に係る負担金について
生命保険契約者保護機構(以下「保護機構」といいます)は、生命保険会社が破綻した場合の保険契約者の保護を充実させるため、保険業法に基づいて、1998年12月に設立された法人であり、国内で営業を行うすべての生命保険会社(外国保険会社の日本支店を含みます)が会員として加入しております。保護機構は、保険契約者等のための相互援助制度として、生命保険会社が破綻した場合に、破綻生命保険会社の保険契約の移転等における資金援助、承継生命保険会社の経営管理、保険契約の引受け、補償対象保険金の支払いに係る資金援助及び保険金請求権等の買取り等を行います。保護機構が行う破綻生命保険会社に係る資金援助等の財源は、会員各社の負担金からまかなうこととなっております。ただし、2022年3月末までに生命保険会社が破綻した場合で、会員各社の負担金だけで資金援助等の対応ができない場合には、国から保護機構に対して補助金を交付することが可能とされております。会員は保護機構に対してこれまでの破綻処理に対する負担金を保護機構の定款に定める基準により毎年納付しており、支出した年度毎に事業費として計上しております。

当社グループは今後も当面負担金を計上することになりますが、生命保険業界における生命保険会社3社の収入保険料や責任準備金のシェアが変動した場合、それに応じて当社グループの負担額も変動します。また、前記のとおり保護機構からの資金援助を要する生命保険会社の破綻が生じた場合には当社グループの負担額が増加する可能性があります。

② 繰延税金資産について
当社グループは、日本の会計基準に基づき、将来の税金負担額の軽減効果を有すると見込まれる額を繰延税金資産として納税主体毎に繰延税金負債と相殺したうえで連結貸借対照表に計上しております。繰延税金資産の計上は、将来の課税所得の見積りに関する前提を含め様々な前提に基づいており、実際の課税所得は前提とは異なる可能性があります。また、今後、会計基準等の変更や、当社グループの将来の課税所得の見積額の変更等により、当社グループの繰延税金資産の一部又は全部の回収が困難であると当社グループが判断した場合、当社グループは、繰延税金資産の計上額を減額する可能性があります。なお、法人税制の改正により、法定実効税率が引き下げとなった場合には、繰延税金資産の計上額を減額することとなります。それらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

③ 格付けについて
生命保険会社の保険金支払能力等に対して、格付機関が格付けを付与しております。今後、生命保険会社3社の支払余力、収益力、資産の質等の悪化により保険金支払能力格付け等が引き下げられた場合又は引き下げの検討を行うことが公表された場合、新契約の減少や解約の増加等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

3 その他事業のリスク
(1) アセット・マネジメント事業に関するリスク
当社は、直接子会社であるT&Dアセットマネジメントを通じて、第二種金融商品取引業や投資運用業、投資助言・代理業により、国内外の年金・機関投資家及び個人投資家に資産運用サービスを提供しております。これらのサービスの対価である委託者報酬や運用受託報酬は、投資家より受託した運用資産の残高に基づいているため、市場価格の変動、又は解約が増加するなどにより運用資産残高が減少する場合には、同社の収入が減少し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
運用資産残高は、同社の執行役員会、取締役会での月次報告等により現状を把握し、リスク発生の予兆把握又は影響軽減等の管理に努めております。また、持株会社である当社においても、四半期毎に経営計画進捗状況についての定量面、定性面を含めたモニタリングを行っております。

(2) 損害保険事業に関するリスク
当社は、直接子会社であるペット&ファミリー損害保険を通じて、ペット保険事業を営んでおります。今後も同社の市場は成長ポテンシャルを有していると考えていますが、事業を拡大又は支援するために、同社への追加投資、その他の経営資源の投入が必要となる可能性があります。また、今後、他社との競合が激しくなった場合、若しくはペット保険への需要が減少した場合、又はペットの伝染病発生等により損害率が上昇した場合には、同社の収益が悪化し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
ペット&ファミリー損害保険の業績に関しては毎月、また、保険引受リスクに関しては四半期ごとに、同社取締役会等の会議体において確認しており、それらの情報は当社に報告されております。実績が予算に対して著しく悪化している場合には、適宜必要な対応策を講じることとしております。


(3) クローズドブック事業に関するリスク
クローズドブックとは、新規引受を停止した保険商品の保有契約ブロックを指します。また、クローズドブック事業とは、他の保険会社が事業環境の変化等に応じて事業戦略・商品ポートフォリオを見直した結果として分離されるクローズドブックを取得・集約し、事業の効率化等による価値向上の取組みを通じて収益を獲得する保険会社の事業形態・ビジネスモデルです。なお、欧米では、事業環境の変化等に応じた事業戦略・商品ポートフォリオの見直しの一環として、クローズドブック取引の市場が普及しており、大きな市場となっております。
当社は、直接子会社であるT&Dユナイテッドキャピタルを通じて、米国のクローズドブック専業保険会社であるFortitude Group Holdings, LLC (以下「フォーティテュード社」といいます)を当社の持分法適用の関連会社としております。
フォーティテュード社において、新たなクローズドブックの取得が順調に進捗しない場合や、保険・運用収支が悪化した場合等には、フォーティテュード社の収益が減少し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは、T&Dユナイテッドキャピタルの北米拠点であるT&D United Capital North America Inc.からフォーティテュード社へ取締役を派遣するなど、フォーティテュード社事業への直接的関与・牽制・モニタリングを行うとともに、グループの知見を活用した継続的なリスク管理態勢の強化を行っています。

なお、フォーティテュード社は、ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)を通じて経済価値ベースの企業価値及び規制上の健全性の安定化を図っておりますが、米国会計基準を採用していることから、会計上は、資産の大半を占める再保険貸資産(再保険取引に関連して元受保険会社に留め置かれている社債等に対する債権)の時価変動を当期の損益として認識する一方で、保険負債については評価方法に相違(例えば、金利上昇局面では計算前提となる割引率の見直しを行わない等)があり、市場の変動によっては、会計上の利益に一時的な影響を与える場合があります。
そのため、当社グループでは2021年3月期より、市場の変動により会計上生じる一時的な評価性損益を一部調整した「グループ修正利益」をグループの経営実態を表す指標として導入しています。

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03851] S100LJI6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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