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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007SXF

有価証券報告書抜粋 武田薬品工業株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2016年3月期)


研究開発活動メニュー株式の総数等


(1)当年度の経営成績の分析
①売上収益
当年度の売上収益は前年度から、296億円(1.7%)増収の18,074 億円となりました。
・2014年6月に欧米で販売を開始した潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」の売上が好調であり、米国では多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」、逆流性食道炎治療剤「デクスラント」、大うつ病治療剤「ブリンテリックス」※も伸長しました。悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」は、当社が販売権を有する国内、欧州、新興国において順調に売上が伸長しております。国内では高血圧症治療剤「アジルバ」や高脂血症治療剤「ロトリガ」の売上が前年度から大幅に伸長した一方、高血圧症治療剤カンデサルタン(国内製品名:「ブロプレス」)をはじめとした大型製品の後発品浸透による減収要因もあり、全体では296億円の増収となりました。
※「ブリンテリックス」は2016年6月より米国における製品名を「トリンテリックス」に変更して販売します。本剤の剤型、効能・効果、用法・用量に変更はありません。

・医療用医薬品の主要品目の売上収益は下記のとおりです。

多発性骨髄腫治療剤
「ベルケイド」
1,620億円前年度比93億円( 6.1%)
前立腺がん・乳がん・子宮内膜症治療剤
「リュープロレリン(国内製品名:リュープリン)」
1,244億円4億円( 0.3%)
消化性潰瘍治療剤
「パントプラゾール」
1,008億円30億円( 2.9%)
消化性潰瘍治療剤
「ランソプラゾール(国内製品名:タケプロン)」
895億円134億円( 13.1%)
潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤
「エンティビオ」
862億円583億円(209.5%)
高血圧症治療剤
「カンデサルタン(国内製品名:ブロプレス)」
848億円410億円( 32.6%)
逆流性食道炎治療剤
「デクスラント」
751億円128億円( 20.6%)
高血圧症治療剤
「アジルバ」
590億円137億円( 30.1%)
糖尿病治療剤
「ネシーナ」
489億円46億円( 10.5%)
痛風治療剤
「コルクリス」
465億円124億円( 21.0%)
悪性リンパ腫治療剤
「アドセトリス」
276億円48億円( 20.8%)
大うつ病治療剤
「ブリンテリックス」 (注2)
245億円109億円( 79.9%)


(注1) 売上収益は知的財産権収益および役務収益を含めて表示しております。
(注2) 「ブリンテリックス」は2016年6月より米国における製品名を「トリンテリックス」に変更して販売します。

・2015年12月、当社は前治療歴のある再発・難治性の多発性骨髄腫に対する、初めてかつ唯一の経口プロテアソーム阻害剤である「ニンラーロ」を米国で発売しました。最初のプロテアソーム阻害剤である「ベルケイド」の臨床研究開始以来、約20年にわたり、当社のオンコロジーユニットは多発性骨髄腫に関する知見を深め、有効性と高い安全性のプロファイルを有する週1回の経口投与剤「ニンラーロ」の販売許可取得にいたりました。極めて革新的な本剤は、当社の中長期にわたる持続的な成長に大きく貢献することが期待されています。国内で2015 年2月に発売した酸関連疾患治療剤「タケキャブ」は、大塚製薬株式会社とのコ・プロモーションを通じて、順調に医療関係者への情報提供が進んでおり、2016年3月に長期処方が解禁となったこともあり売上を拡大しております。国内ではさらに、2015年5月、世界初の週1回経口投与の2型糖尿病治療剤「ザファテック」を発売しました。

・2016年4月、当社はジェネリック医薬品におけるグローバルリーダーであるテバ社と日本において武田テバ薬品株式会社を設立いたしました。新会社は、テバ製薬株式会社とともに、当社が移管した長期収載品とテバ社の高品質なジェネリック医薬品を日本の患者さんにお届けし、幅広いニーズ、およびますます高まるジェネリック医薬品の重要性に対応してまいります。

また、当社は2015年12月に呼吸器系疾患領域のポートフォリオをアストラゼネカ社に売却する契約を締結し、2016年4月、売却を完了しました。

当社はオンコロジー(がん)、消化器系疾患、中枢神経系疾患の重点疾患領域への集中を進め、医療のイノベーションをリードする取り組みを一層強化し、新興国を含めグローバルに革新的な新薬を提供してまいります。

・医療用医薬品事業

医療用医薬品事業の売上収益は、前年度から342億円(2.1%)増収の16,487億円となり、営業利益は、前年度から2,817億円増益の1,028億円となりました。

このうち国内売上収益は、「アジルバ」、「ロトリガ」の伸長による売上寄与があったものの、「ブロプレス」等の後発品浸透による減収を補えず、前年度から197億円(3.5%)減収の5,417億円となりました。

主な品目の国内売上収益は下記のとおりです。

「アジルバ」(高血圧症治療剤)590億円前年度比137億円( 30.1%)
「ブロプレス」(高血圧症治療剤)585億円361億円( 38.1%)
「リュープリン」
(前立腺がん・乳がん・子宮内膜症治療剤)
538億円38億円( 6.5%)
「タケプロン」(消化性潰瘍治療剤)413億円113億円( 21.4%)
「ネシーナ」(糖尿病治療剤)369億円15億円( 3.9%)
「ロトリガ」(高脂血症治療剤)223億円91億円( 69.0%)
「ベクティビックス」
(結腸・直腸がん治療剤)
184億円0億円( 0.3%)
「レミニール」
(アルツハイマー型認知症治療剤)
160億円20億円( 14.5%)



海外売上収益は、後発品の浸透による減収があった一方で、「エンティビオ」が好調に売上を伸ばしているほか、米国における「ベルケイド」、「デクスラント」などの売上も順調に推移したことにより、前年度から538億円(5.1%)増収の11,070億円となりました。

主な品目の海外売上収益は下記のとおりです。

「ベルケイド」(多発性骨髄腫治療剤)1,574億円前年度比112億円( 7.7%)
「パントプラゾール」(消化性潰瘍治療剤)1,008億円30億円( 2.9%)
「エンティビオ」
(潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤)
862億円583億円(209.5%)
「デクスラント」(逆流性食道炎治療剤)751億円128億円( 20.6%)
「リュープロレリン」
(前立腺がん・乳がん・子宮内膜症治療剤)
706億円41億円( 6.2%)
「ランソプラゾール」(消化性潰瘍治療剤)482億円22億円( 4.4%)
「コルクリス」(痛風治療剤)465億円124億円( 21.0%)
「カンデサルタン」(高血圧症治療剤)262億円49億円( 15.7%)


(注) 売上収益は知的財産権収益および役務収益を含めて表示しております。

・コンシューマーヘルスケア事業

コンシューマーヘルスケア事業の売上収益は、「アリナミン錠剤類」等の増収により、前年度から65億円(8.9%)増収の801億円となりました。営業利益は、売上収益の増収による売上総利益の増益等により、17億円(10.0%)増益の189億円となりました。

・その他事業

その他事業の売上収益は、2015年4月に当社が保有していた水澤化学工業株式会社の株式を譲渡したことで、同社およびその子会社の売上寄与がなくなり、前年度から111億円(12.4%)減収の786億円となりました。営業利益は、前年度に有形固定資産売却益157億円を計上していたほか、ロイヤルティ収入の減少や、子会社の営業利益が減少したことなどにより、234億円(72.0%)減益の91億円となりました。


②営業利益

前年度から2,601億円増益の1,308億円となりました。
・売上収益の増加により売上総利益は151億円(1.2%)の増益となりました。
・販売費及び一般管理費は、米国における新製品の販売促進にかかる経費の増加等により、382億円(6.2%)増加しました。
・研究開発費は、362億円(9.5%)減少し、3,459億円となりました。
・製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、前年度にコルクリスにかかる減損損失を305億円計上していたことや、当年度において、コルクリスの販売見通し改善により86億円の減損損失の戻入を計上したことなどにより、513億円(29.1%)減少しました。
・その他の営業収益は、前年度にコルクリスにかかる条件付対価の取崩益538億円や、有形固定資産売却益328億円(うち医療用医薬品事業171億円、その他事業157億円)を計上していたことなどにより、821億円(76.6%)減少しました。
・その他の営業費用は、前年度に米国でのアクトス関連訴訟にかかる損失2,741億円(製造物責任訴訟の和解に要する費用およびその他の関連損失の見積額3,241億円から製造物責任保険によって補填されることが概ね確定している保険金額500億円を控除した純額)を計上していたことなどにより、2,778億円(86.2%)減少しました。

③当期利益(親会社の所有者帰属分)

前年度から2,259億円増益の802億円となりました。
・税引前当期利益は、前年度に米国でのアクトス関連訴訟損失が2,741億円計上されていることなどにより、2,660億円増加しました。
・法人所得税費用は、前年度において、繰延税金資産の回収可能性の見直しと実効税率の低下により一時要因の税金費用を508億円計上していた一方、米国でのアクトス関連訴訟にかかる税金費用のマイナスを961億円計上していたことから、前年度から395億円増加しました。
・基本的1株当たり当期利益(EPS)は、前年度から287円63銭増加し102円26銭となりました。

当年度の実質的な成長率(注1)は、以下のとおりとなりました。

売上収益+3.4%[ 前年度比603億円増 ]
Core Earnings (注2)+8.1%[ 〃 231億円増 ]
Core EPS (注3)+21.7%[ 〃 50円16銭増 ]


(注1)実質的な成長率とは、事業活動のパフォーマンスを実質的に把握することを目的として、当年度と前年度の業績を共通の基準で比較するものであり、当社では目標とする経営指標として、「売上収益」、「Core Earnings」、「Core EPS」の実質的な成長率を採用しております。この成長率の算定にあたっては、為替影響や製品売却および取得、企業買収にかかる会計処理の影響や無形資産の償却費・減損損失、事業構造再編費用、主な訴訟費用などの特殊要因を除いております。

(注2)Core Earnings は、営業利益から企業買収にかかる会計処理の影響や無形資産の償却費・減損損失、事業構造再編費用、主な訴訟費用などの特殊要因を除いて算定しております。

(注3)Core EPS は、当期利益からCore Earnings 算定上控除した項目と同様の性質を有する項目およびこれらにかかる税金影響を控除した利益(Core Net Profit)を基に算定した1株当たり利益であります。

・実質的な売上収益の成長は、+3.4%(対前年度+603億円)となりました。
・実質的なCore Earnings の成長は、+8.1%(対前年度+231億円)となりました。実質的な販売費及び一般管理費は、新製品にかかる費用の増加により前年度から3.3%増加し、また、実質的な研究開発費は前年度から3.5%の減少となりました。
・実質的なCore EPS の成長は、+21.7%(対前年度+50円16銭)となりました。


(2)当年度の財政状態の分析

[資産]

当年度末における資産合計は、前年度末から4,721億円減少し、3兆8,241億円となりました。
米国におけるアクトス関連訴訟に関して、24億米ドルを和解基金に支払ったことなどにより、現金及び現金同等物が2,007億円減少したほか、償却などにより無形資産が1,963億円減少しました。

[負債]

当年度末における負債は1兆8,129億円となりました。米国におけるアクトス関連訴訟に関する引当金が和解基金への支払いにより大きく減少したことなどにより、負債は前年度末から2,771億円減少しました。

[資本]

当年度末における資本合計は2兆112億円となりました。当期利益の計上による増加があったものの、配当金の支払による利益剰余金の減少に加え、株式相場の下落や為替相場が円高に推移した影響などによりその他の包括利益が減少したことから、前年度末から1,950億円減少しました。
親会社所有者帰属持分比率(注)は51.0%となり、前年度末から1.2ポイント増加しております。
(注)日本基準における自己資本比率に相当

[キャッシュ・フロー]

当年度のキャッシュ・フローは2,038億円のマイナスとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、255億円のプラスとなりました。2016年3月に米国におけるアクトス関連訴訟について和解基金に24億米ドルを支払った一方、運転資本が改善したことなどにより、前年度から1,570億円の減少にとどまっております。また、投資活動によるキャッシュ・フローは712億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払などにより1,248億円のマイナス、現金及び現金同等物に係る換算差額は333億円のマイナスとなっております。

(3)将来の見通し

①売上収益の見通し
翌年度の売上収益は「エンティビオ」、「ニンラーロ」、「タケキャブ」、「ブリンテリックス」※の増収が見込まれるものの、前提とする為替レートから生じる減収影響に加え、国内における長期収載品事業をテバ社との合弁会社に移管したことに伴う減収影響やアストラゼネカ社に呼吸器系疾患領域のポートフォリオを売却した減収影響などが大きく、全体では当年度から4.8%減収の17,200億円を見込んでいます。なお、為替影響や製品・事業売却の影響を除いた実質的な売上収益は、1桁台半ばの成長を見込んでいます。
※「ブリンテリックス」は2016年6月より米国における製品名を「トリンテリックス」に変更して販売します。

②営業利益の見通し
翌年度の営業利益は、売上収益の減少により売上総利益は減益となることが見込まれるものの、国内における長期収載品事業の事業譲渡益1,000億円の発生などにより、当年度から3.2%増益の1,350億円を見込んでいます。また、為替影響や製品・事業売却の影響を除いた実質的なCore Earnings は、10%台前半から半ばの成長を見込んでいます。

③当期利益(親会社の所有者帰属分)の見通し
翌年度の当期利益(親会社の所有者帰属分)は、営業利益の増益に加え、金融損益の改善や、新たに持分法適用関連会社となるテバ社との合弁会社から生じる持分法による投資利益の増加などにより、当年度から9.8%増益の880億円を見込んでいます。実質的なCore EPS は、10%台前半から半ばの成長を見込んでいます。

④見通しの前提及び見通しに関する注意事項
・翌年度の為替レート:1米ドル=110 円、1ユーロ=125 円、1ロシアルーブル=1.6 円、
1ブラジルレアル=31.2 円、1中国元=17.4 円
・製品等に係る無形資産償却費及び減損損失: 1,400 億円
企業買収や製品・パイプラインなどの導入により取得した無形資産に係る償却費および減損損失の予算額を計上しております。
・長期収載品事業にかかる事業譲渡益: 1,000 億円
国内の長期収載品事業をテバ社との合弁会社に移管したことに伴う事業譲渡益の発生を見込んでおります。
・その他
長期的な成長に向けて、効率的な事業運営体制の構築に係る様々な取り組みの予算額250億円を計上しております。

本資料に記載の「業績予想」は、現時点で入手可能な情報と前提条件に基づく見込みであり、その実現を約束する趣旨ではございません。実際の業績は事業環境の変化や為替変動など様々な要因により変動し、異なる結果を招きうる不確実性を含んでいます。業績予想を修正すべき重大な要因が発生した場合には、速やかにご報告いたします。

研究開発活動株式の総数等


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