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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LR42 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 西松建設株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社は技術研究所を中心として、社会や顧客からの要求・要望、社内の各事業部門からの課題解決の要請などに応えるべく、基礎研究から実践的な技術開発まで幅広く研究開発活動を行っております。

(土木事業・建築事業)
当社では、省力化・生産性向上・高品質化に寄与する技術をはじめ、社会インフラのリニューアル技術、防災・減災に資する技術、省エネ・脱炭素社会に貢献する各種の環境関連技術に関する研究開発を行っております。また、戸田建設株式会社との共同研究をはじめとして、大学などの研究機関や異業種・同業種企業、公共機関との共同研究も積極的に進めており、多くの分野において効率的な研究開発を推進しております。
当連結会計年度における研究開発活動に要した費用総額は1,533百万円で、主な成果は以下のとおりです。


(1) 生産性向上技術

①高速3Dスキャナを用いた「切羽掘削形状モニタリングシステム」を現場検証
山岳トンネル切羽掘削面の整形作業の安全性向上と効率化を目的として、高速3Dスキャナを用いた「切羽掘削形状モニタリングシステム」を開発し、株式会社ビュープラス及びジオマシンエンジニアリング株式会社と共同で、当社施工中のトンネル工事において現場検証を行いました。開発した「切羽掘削形状モニタリングシステム」により、トンネル掘削の余掘り・余吹きを20%低減でき、トンネル掘削の生産性向上に寄与できることを検証しました。なお、当技術は国土交通省の2019年度建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト試行技術に採用されました。
②パイルキャップをプレキャスト化し、杭と一体化を図る工法を開発
杭基礎に使用するパイルキャップをプレキャスト化し、杭と一体化する工法を開発しました。本工法は、パイルキャップを予め製作し、杭施工後に杭頭上に設置するもので、杭の性能確保にも重要なパイルキャップと杭の接合部分の構造性能を実験により確認しました。基礎工事の工期短縮や杭頭部で複雑な鉄筋の組立・設置等の省力化に繋がることが期待できます。
③ダム下流面はつりシステムの開発
ダムの嵩上げ等において、主に人力によって行われていたダム下流面のはつり作業を機械化・効率化するため、株式会社れんたま、タグチ工業株式会社と共同ではつりシステムの基本設計を行いました。本システムは、コンクリートを均一な深さで切削できる機能を有した装置をダム下流面に配備し、遠隔操作により上昇させることで、安全かつ効率的にはつり作業を行うことが可能となり、生産性の向上が期待できます。

(2) 省人化・省力化技術

①山岳トンネル工事におけるホイールローダー遠隔操作システムを開発

山岳トンネル掘削時に切羽近傍のずり運搬に使用される、ホイールローダーの遠隔操作システム「Tunnel RemOS - WL」を開発し、株式会社カナモト、ジオマシンエンジニアリング株式会社と共同で、実際のずり運搬を模擬した遠隔操作実験により、無人運転時の動作や操作性・安全性に問題がないことを確認しました。本システムでは、ホイールローダーの走行やバケット操作といった坑内のずり運搬作業に必要な運転動作を、車体に設置した複数のカメラ映像を見ながら、ほぼ遅れなく無線で遠隔操作することができます。このような遠隔操作技術はトンネル掘削に使用する他の重機にも応用が可能であり、今回の開発を足掛かりにトンネル工事の省人化・省力化が期待できます。

②チャットボットを活用したコンクリート発注管理システムを開発

株式会社LisB、日本ディクス株式会社と共同で、チャットボットを活用したコンクリート発注管理システムを開発しました。コンクリート工事においては関係者が多く、連絡・確認業務や集計業務が多数発生し変更も多いため、現場職員や協力会社の大きな負担となっていました。そこで、より迅速に情報共有できるビジネスチャット「direct」と、確認および集計を自動化できるチャットボットを活用した発注管理システムを開発しました。チャットボットにより発注情報をデータベース化し、見せたい人に必要な情報を必要なタイミングで提供できます。これにより、現場監督の手配業務の効率化、社内関係者および協力会社の連絡・確認・集計業務の効率化が図られ、業務時間の短縮が期待できます。

③コンクリート工事の施工管理業務支援システム「NCHyper」を開発

株式会社ハイパーエンジニアリングと共同で、コンクリート施工管理業務支援システム「NCHyper(エヌ・シー・ハイパー)」を開発しました。本システムは、コンクリートの配合情報、受入検査結果、圧縮強度試験結果などの情報をクラウド上で一元管理し、施工管理の各種書類(コンクリート工事全般の施工計画書、打設計画書・実施報告書、品質管理記録など)へ情報を自動転記することで書類作成時間を短縮できます。また、電子印の活用により、工事監理者による確認作業を効率化し、現場管理業務の省力化を実現します。

(3) 品質向上技術
①信頼性の高い既製コンクリート杭用パイルキャップ工法「HSSパイルキャップ工法」を開発
パイルキャップのせん断耐力の信頼性を向上させたHSS(High Shear Strength)パイルキャップ工法を開発しました。本工法は、コンクリートのせん断耐力に加え、パイルキャップ内に配置された鉄筋の耐力や、軸力による摩擦抵抗力を組み合わせることで、パイルキャップの大きさを変えることなく、従来よりも大きなせん断耐力を確保することができます。この効果により、より大きな地震力に対しても設計が可能となり、構造物の品質向上に寄与します。
②ボーリング孔壁画像から岩盤不連続面を効率的に判別できる画像評価支援システム「N-IESS」を開発
株式会社ボア、ジーエスアイ株式会社、東京理科大学の協力のもと、ダム現場等における地盤調査で用いるボアホールカメラの画像を鮮明化できる画像評価支援システム「N-IESS(エヌイース)」を開発しました。本システムを用いることにより、濁り等で不鮮明な画像を鮮明化処理することで、撮影手戻りや評価時間の削減、地盤の割れ目や破砕箇所などの判定精度の向上を図ることが期待できます。

(4) 環境関連技術

①微生物燃料電池方式を応用したCO2変換セルによるメタン生成に成功
群馬大学大学院と共同で、微生物燃料電池(Microbial Fuel Cells、以下「MFC」といいます。)を応用したCO2変換セルによるメタン生成に成功しました。本技術は,有機物質を分解(浄化)しながら発電できるMFCを応用したCO2変換技術であり、これは排出CO2を有用な炭素資源と捉えて、CO2から有用化学物質に変換する技術(CCU)に分類されます。今回、このMFC方式を応用したCO2変換セルを試作し、微生物燃料電池で有機物を分解しながら発電した電気を利用して、CO2の一部をメタンに変換できたことを確認しました。本技術の実用化により、例えば工場等で発生した有機性排水をMFCで浄化・発電しながらCO2をメタン等に変換し、燃料や有用物質の合成原料として再利用することが可能なカーボンリサイクル技術として活用できます。
②低炭素型コンクリート「スラグリート®」が建設材料技術性能証明を取得
戸田建設株式会社と共同開発した低炭素型のコンクリート「スラグリート®」が、一般財団法人日本建築総合試験所にて建設材料技術性能証明を取得しました。コンクリートに使用するセメントの70%を産業副産物である高炉スラグ微粉末に置き換えることで、製造時のCO2排出量を約65%低減でき、またセメントの反応熱に起因したひび割れの発生を抑制します。第三者機関での性能証明の取得により、特に建築分野への普及に弾みをつける狙いです。
③低品位フライアッシュのジオポリマー用の処理方法に目途
北九州市立大学と共同で、工場などの石炭火力発電施設から排出される低品位フライアッシュをジオポリマー用に処理して、その処理したフライアッシュを用いたジオポリマーの実機ミキサでの製造に成功しました。低品位フライアッシュは未燃カーボンを多く含み、ジオポリマーの材料としては不適合でしたが、浮遊選鉱法を用いた処理によりジオポリマーへの使用が可能となりました。低品位フライアッシュを使用したジオポリマーが、実機ミキサで製造できたことで、より環境に優しいジオポリマーの普及に貢献できます。

(5) 新しい取り組み

①飛行船型水路トンネル調査ロボット「トンネルマンボウ」を開発
長崎大学海洋未来イノベーション機構と共同で、飛行船型水路トンネル調査ロボット「トンネルマンボウ」を開発しました。水路トンネルの延長は数kmと長く、ドローンでは飛行時間の制限で調査が困難でしたが、飛行船型にすることにより、長い水路トンネルでも調査可能になりました。また、自律飛行制御を組み込んだことで、例えば震災後の崩落の危険があるトンネルでも無人で安全に調査することが可能であり、水路トンネルの維持管理に貢献できます。
②無給電・無線電力センサーを用いた水中ポンプ監視システム「Newt」を開発
無給電・無線電力センサーを活用し、水中ポンプの稼働状況を無人で監視するシステム「Newt(ニュート)」を開発しました。本システムは、トンネル坑内の複数個所に設置・稼働中の水中ポンプの分電盤に無給電・無線電力センサーを取り付けるだけで、水中ポンプの稼働状況を現場の閉所・休み期間中も含め、「いつでも・どこでも」リアルタイムに確認することができます。本システムにより、クラウド上へアップロードされるデータが一定時間確認されない時は水中ポンプの稼働停止と自動で判断し、坑内に設置した警報パトライトが点灯するとともに関係者への警報メールが送信されます。これにより関係者へ異常・危険を知らせ、トンネル坑内の湧水による水没事故等、トラブルを未然に防ぎ、働き方改革にも貢献が期待できます。

(開発・不動産事業等)
研究開発活動は特段行っておりません。


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00060] S100LR42)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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