有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007YHP
麻生フオームクリート株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2016年3月期)
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は2,251百万円で、前事業年度末に比べ138百万円増加しております。その主な要因としましては、前事業年度末に比べ受取手形が44百万円、完成工事未収入金が113百万円減少しましたが、現金預金が292百万円増加したことなどによるものであります。(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,440百万円で、前事業年度末に比べ9百万円減少しております。その要因としましては、減価償却により前事業年度末に比べ有形固定資産が6百万円減少したことなどによるものであります。(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は1,625百万円で、前事業年度末に比べ6百万円減少しております。その主な要因としましては、前事業年度末に比べ支払手形が13百万円、工事未払金が38百万円、1年内返済予定の長期借入金が45百万円増加しましたが、短期借入金が100百万円減少したことなどによるものであります。(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は686百万円で、前事業年度末に比べ49百万円増加しております。その主な要因としましては、前事業年度末に比べ長期借入金が55百万円増加したことなどによるものであります。(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は1,379百万円で、前事業年度末に比べ86百万円増加しております。その主な要因としましては、配当金の支払いがありましたが、当期純利益の計上により利益剰余金が97百万円増加したことなどによるものであります。(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フローの分析)
当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度の期末残高690百万円から292百万円増加(前事業年度は149百万円の増加)して983百万円(前事業年度比42.3%増)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度より193百万円増加し、372百万円の資金収入となりました。これは主に、税引前当期純利益138百万円(前事業年度は税引前当期純利益118百万円)を計上し、また前事業年度末より売上債権が166百万円減少し、仕入債務が57百万円増加したことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度より支出が8百万円増加し、45百万円の資金の減少(前事業年度は37百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度より支出が43百万円増加し、35百万円の資金の減少(前事業年度は7百万円の収入)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出及び配当金の支払いによる支出などによるものであります。
(資金需要)
当社の運転資金需要のうち主なものは、当社の工事施工のための材料費、労務費、外注費、経費のほか販売費及び一般管理費によるものです。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費及び営業活動のための通信交通費等であります。
(財務政策)
当社は現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または銀行借入れによる資金調達のほか、借入条件等を勘案し社債による調達も行うこととしております。銀行借入れによる運転資金につきましては、主に短期借入金で調達しており、2016年3月31日現在、短期借入金の残高は12百万円であります。
生産設備等への設備投資資金につきましては、原則として固定金利の長期借入金で調達しております。2016年3月31日現在、長期借入金の残高は685百万円であります。
(3)経営成績の分析
(受注高)
当事業年度における受注高は、4,036百万円(前事業年度比11.0%増)となりました。当社主力の気泡コンクリート工事におきまして、管路中詰工事の受注高がガスパイプライン関係の大型工事の受注により、前事業年度に比べ45.8%増の971百万円となりましたが、軽量盛土工事の受注高が価格競争の激化から、前事業年度に比べ15.3%減の1,388百万円となり、また空洞充填工事の受注高も、前事業年度に比べ24.0%減の645百万円となったことで、気泡コンクリート工事全体の受注高は前事業年度に比べ4.7%減の3,004百万円となりました。地盤改良工事の受注高は、発注がずれ込んでいた大型工事の受注をはじめ受注が順調に推移したことから、前事業年度に比べ112.6%増の1,022百万円と大幅な増加となったことで、工事全体の受注高も前事業年度に比べ399百万円増加いたしました。(売上高)
当事業年度における売上高は、3,831百万円(前事業年度比6.7%減)となりました。地盤改良工事の完成工事高が、大幅な受注高の増加や順調な施工から、前事業年度に比べ96.0%増の1,003百万円となりましたが、気泡コンクリート工事におきまして、受注高が減少したことや一部工期のずれ込みから軽量盛土工事の完成工事高が、前事業年度に比べ5.0%減の1,451百万円となり、空洞充填工事の完成工事高も前事業年度に比べ20.7%減の653百万円となり、また管路中詰工事の完成工事高も、受注高は増加しましたが工期の関係や前事業年度からの繰越工事が少なかったことから、前事業年度に比べ40.7%減の689百万円とそれぞれ減少し、工事全体の完成工事高は前事業年度に比べ5.5%減の3,808百万円となりました。また商品販売の売上高23百万円(前事業年度比70.6%減)を含めた全体売上高も、前事業年度に比べ277百万円の減少となりました。(売上総利益)
当事業年度における売上総利益は、698百万円(前事業年度比6.3%増)となりました。資材(セメント、固化材、混和材、壁面材など)価格や労務費の上昇の一服があり、施工効率に注力し工期短縮に努めるなどコスト低減に努めた結果、完成工事総利益率は前事業年度に比べ2.4ポイント改善したことから、商品販売を加えた全体の売上総利益は前事業年度に比べ41百万円増加いたしました。(販売費及び一般管理費)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、576百万円(前事業年度比4.2%増)と前事業年度に比べ23百万円増加いたしました。増加した主な要因は、人件費の増加によるものであります。(営業利益)
当事業年度におきましては、営業利益121百万円(前事業年度比17.7%増)となりました。売上高の減少や販売費及び一般管理費の増加がありましたが、完成工事総利益率の改善により、完成工事総利益が増加したことによるものであります。(経常利益)
当事業年度におきましては、経常利益137百万円(前事業年度比16.7%増)となりました。前事業年度に比べ営業利益が増加したことによるものであります。(当期純利益)
当事業年度は、法人税等合計が前事業年度に比べ2百万円増加しましたが、税引前当期純利益の増加により、当期純利益124百万円(前事業年度比15.9%増)となりました。(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主な工事は、建設業者から下請けとして受注したもので、主力の気泡コンクリート工事の施主としましては官公庁の比率が以下のとおり高くなっております。当社の気泡コンクリート工事におきましては、専門工事会社という特性から競合する施工業者数は限られており、また公共工事の発注から当社の事業領域である工事を受注するまでタイムラグがあり、必ずしも公共投資の動向に連動しない場合もありますが、全体として当社の経営成績は公共投資の動向に影響を受ける傾向があります。
(最近2期間における受注高のうち官公庁が占める比率)
期別 | 工事別 | 官公庁受注高 (千円) | 構成比 (%) | 民間受注高 (千円) | 構成比 (%) | 計 (千円) | 構成比 (%) |
前事業年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 1,995,396 | 63.3 | 1,158,826 | 36.7 | 3,154,223 | 100.0 |
地盤改良工事 | 246,036 | 51.1 | 235,102 | 48.9 | 481,139 | 100.0 | |
その他工事 | 1,400 | 70.0 | 600 | 30.0 | 2,000 | 100.0 | |
計 | 2,242,833 | 61.7 | 1,394,529 | 38.3 | 3,637,363 | 100.0 | |
当事業年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) | 気泡コンクリート工事 | 1,382,948 | 46.0 | 1,621,925 | 54.0 | 3,004,874 | 100.0 |
地盤改良工事 | 752,918 | 73.6 | 269,820 | 26.4 | 1,022,739 | 100.0 | |
その他工事 | 6,200 | 66.3 | 3,150 | 33.7 | 9,350 | 100.0 | |
計 | 2,142,067 | 53.1 | 1,894,895 | 46.9 | 4,036,963 | 100.0 |
(注) 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものも記載しております。
(5) 戦略的現状と見通し
持続的成長並びに企業価値向上の実現が皆様へのコミットメントですが、世界の五つのメガトレンド(急速な都市化の進行、気候変動と資源不足、人口構造の変化、世界の経済力のシフト、テクノロジーの進歩)の潜在的な影響を強く意識し、情報の収集・分析を行い、メガトレンドが生み出す機会を活用できる戦略シナリオを組み立てて行かなければならない時代の到来と強く思っております。特に「テクノロジーの進歩」への対応は、インフラの成熟度がもたらす新築から維持補修への移行、被災大国日本の復旧の迅速化、かつ新しい性能と経済性を希求して止まない日本の建設市場における最重要の位置付けと考えております。さらに、安心・安全を認めるインフラ整備途上諸国が要望する日本の土木技術導入に対応する海外工事派遣や技術移転も視野に入れた、グローバルな経営戦略構築の必要性も強く認識し、行動を起動させる時期とも捉えております。
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