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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100A0ER

有価証券報告書抜粋 Aホールディングス株式会社 事業等のリスク (2016年12月期)


対処すべき課題メニュー経営上の重要な契約等

本書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性がある事項及びその他の投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項には、以下のようなものがあります。
また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の表記がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

(1) ユーザーの獲得・維持・収益化について
当社グループの事業は、利用者数、利用者の利用頻度及びユーザーによるサービス利用を収益に結びつける当社の能力に大きく依存します。当社グループが提供する「LINE」及びその関連するサービスの利用者数は増加傾向にありますが、ユーザーの嗜好は移り変わりが激しく、ユーザーニーズの的確な把握や、ニーズに対応するコンテンツの適宜のタイミングでの改良又は開発及びサービスの提供ができない可能性があります。また、通信技術やデバイス等の技術革新のスピードに適時に対応できない場合又は当社グループのブランドイメージや評判が損なわれた場合等にも、ユーザーへの訴求力が低下する可能性があり、これらの結果、既存ユーザーの維持、新規ユーザーの獲得又はサービスの利用頻度に悪影響が及ぶ可能性があります。さらに、ユーザー数の増加及びユーザーによるサービスの利用が当社グループの収益に結びつく保証はなく、新規サービスによる売上高が当社グループの想定するレベルにまで到達する保証もありません。例えば、2013年に開始したオンライン・フリーマーケットサービスであるLINE MALLは2016年5月31日にサービスを終了しており、また、当社グループは、2016年の9月に、日本国内において仮想移動体サービス事業者(以下「MVNO」という。)としての事業を開始していますが、当該MVNOサービスが当社グループの想定するレベルの収益性を確保できるかは定かではありません。
また、日本は当社サービスに対する課金ユーザーの割合が他の国に比べて高く、また、当社グループの2014年度における日本の売上高の比率は75.8%、2015年度における日本の売上高の比率は70.3%、2016年度における日本の売上高の比率は71.7%であり近い将来においても当社グループにとって重要な市場であり続けることが見込まれます。日本市場におけるユーザー数及びユーザーによるサービスの利用頻度の低下は当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方、一部の国を除き、日本国外での普及率や課金ユーザーの割合は日本国内に比べて低く、世界の中には新しいデジタル広告に馴染みのない市場があります。それらの新市場では、当社グループの製品やサービスの利用を促進するには多くの時間と経営資源を費やさなければならないと予想されます。当社グループは2015年より主要国に対するマーケティングに集中した結果、日本、台湾、タイ及びインドネシアにおけるMAUの増加が継続しましたが、これら4か国以外でのMAUは減少しており、この減少は継続する可能性があります。日本国外において課金ユーザーを増加させることができない場合、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 海外における事業展開について
当社グループのモバイルメッセンジャー・アプリケーション「LINE」の提供にあたっては、利用できる端末となるスマートフォンの世界的な普及、提供プラットフォーム事業者の増加及び拡大にあわせて、海外展開を進めており、そのためには資金その他の経営資源の投資が必要ですが、かかる事業展開が成功する保証はありません。また、言語、文化、習慣、通信インフラ、知的財産権の保護制度、税制、規制環境及び法制度等の違い、政治・社会情勢、経済情勢、市場環境並びに各市場において支配的なシェアを有する他社との競合の激化等により、海外市場において想定どおりの成長率が得られなかった場合、又は当社グループの製品及びサービスを各国の文化等に適合させることができず、当社グループの「LINE」が海外ユーザーに受け入れられなかった場合には、当社グループの事業並びに財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
中国においては、2014年7月1日以降「LINE」による通信に障害が生じており、本書提出日現在において完全に回復される目処は立っていません。これが継続する場合、中国市場での成長が阻害される可能性があります。また、中国当局は、実名登録の義務化等のモバイルメッセンジャー・サービスに対する規制を定めており、これ自体は当社グループのサービスに直接の影響を及ぼすものではありませんが、追加的な規制がなされる可能性があります。事業の国際展開において、現地における法人設立及び事業の立上げ、人材の採用、システム開発、広告宣伝活動のほか、戦略的にビジネスモデルを変更する場合等においては、追加的な支出が見込まれることから、これらの追加費用が一時的に当社グループの収益を圧迫する可能性があります。また、新たな拠点において安定的な収益を生み出すためには、一定の期間が必要なことも予想されます。したがって、かかる投下資本の回収に一定の期間を要する場合には、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国際連合及び米国や欧州連合等の制裁の対象となっている国や地域にもユーザーを有しております。イランにおいては、当社の子会社であるLINE Plus Corporationが、事業拡大の検討のためイラン政府担当者との面会の機会を持った他、イランでのビジネスチャンスを模索するとともにイランの通信市場や関連規制に係る理解を深めるために、2017年1月にイランのITRC(Iran Telecommunication Research Center)との間で2ヶ月間の研究契約を締結しました。また、当社グループは、当社の子会社であるLINE PLAY Corporationを通じて2017年2月にイランに支店を開設しました。当社グループは関連する全ての制裁措置に従い事業を行う意向ですが、仮に当社グループがこれらの制裁措置に違反する場合には、かかる違反によって、評判の毀損、経済的損失、刑事罰又は制裁を受けるおそれがあり、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外子会社の財務諸表金額は連結財務諸表作成時に円換算されるため、当社連結財務諸表は、日本円と各通貨間の為替相場の変動の影響を受けます。また、今後、外貨建ての取引が増加し、当初想定した為替レートと実勢レートに著しい乖離が生じた場合には、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 経済情勢に関するリスクについて
世界経済は世界的な金融市場の混乱、物価の暴騰、原油価格の変動、並びに不動産市場の状況等不安的な政治・経済情勢等もあり、その先行きは依然として不透明です。将来的に世界の経済情勢が悪化した場合には、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、日銀がマイナス金利を導入したほか、英国のEU離脱による為替への影響等日本経済の長期的な見通しは依然として不透明であり、さらに、東日本大震災のような大規模自然災害や消費税の増税等が日本経済に重大な悪影響を及ぼす可能性があり、日本の経済情勢が悪化した場合には、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 競争環境及びその他の事業環境に関するリスクについて
当社グループが事業を行う分野は、米国のWhatsApp社を始めとするモバイルメッセンジャー・サービスの提供会社と直接的に競合するとともに、ソーシャルネットワークサービスの提供会社とも厳しい競争関係にあります。また、ゲーム会社をはじめ、「LINE」と競合する製品やサービスを取り扱う中国のTencent社のようなインターネット関連企業とも競争関係にあり、広告事業については、伝統的なマスメディアや他のインターネット媒体企業とも競合します。これらの既存又は潜在的な競合相手の中には、知名度、資金力、マーケティング力、顧客基盤、価格競争力、新技術やマーケットニーズの変化の対応力、システム、コンテンツなどの面で強みを持ち、又は一定の市場で競争優位性を持った国内外の既存事業者が存在します。また、新規参入事業者や、従来存在しない革新的なインターネットサービスの出現等で競争が激化する可能性もあります。また、これら競争の激化により、当社グループの製品及びサービスのユーザー数、ユーザーの利用頻度が減少した場合や、サービスの向上をはじめとした競合対策に伴うコスト増加要因となった場合など、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは収益の相当部分を自社開発又はクリエイターが開発した若しくは外部のライセンスを受けたキャラクターを使用したスタンプの販売から得ていますが、スタンプ市場は急速な発展を遂げている新市場であるため、日本でのスタンプの人気が現在の水準よりも低くなる、又は他国の市場でも同様に広く受け入れられない場合、当社グループの事業及び将来の成長に影響を及ぼす可能性があります。スタンプの販売による収益拡大の大部分は、新しい人気スタンプを絶え間なく発表し、購買層や世間の嗜好の変化に効果的に対応できるかどうかに依存します。スタンプの売上の大半を占めるコンテンツは、外部のキャラクター開発会社とライセンスを保持する会社又は個人に依存しており、この状態は当面継続する見込みです。スタンプの人気が衰えた場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響が生じます。
また、「LINE」は、スマートフォンにおけるオペレーティングシステム及びウェブブラウザ上で作動するものであるため、スマートフォンやオペレーティングシステムの仕様変更等により、当社のサービスの提供に支障が生じる可能性がある他、当社グループの費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループのサービスはスマートフォン及びインターネットによる通信に依存するため、通信に対する法規制の導入、通信費の増加、通信障害の発生、携帯電話やインターネットの通信事業者との関係の悪化等が当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) LINEビジネス・ポータル事業における主要な売上について
当社グループの収益は、LINE GAME内におけるユーザーからの課金、LINEスタンプの販売、及び広告主からの広告料が大半となっています。コンテンツ売上の大半を占めるLINE GAMEは少数のヒット作から大部分の収益が生じる傾向にありますが、継続してヒット作を発表できる保証はありません。同様に、LINEスタンプの販売は、人気のあるスタンプを提供できるかに影響され、将来的にユーザーにとって魅力のあるスタンプを提供し続けることができるという保証はなく、ユーザーが新しいスタンプを購入し続ける保証もありません。また、スタンプの販売についても、当社グループはコンテンツ提供会社やキャラクターのライセンサーの影響を受けます。そのため、今後、継続的にヒットコンテンツを提供できない場合、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、LINE GAME内におけるユーザーからの課金やLINE スタンプの販売による売上収益は、過去のデータを考慮に入れた、ユーザーが便益を消費又は使用すると見込まれる期間にわたり認識しております(詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。)。この見積りは、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づいて行っているため、実際の結果とは異なっている可能性があり、また、今後の実績や状況の変化等に起因して、将来において見積もりの期間の変更及びそれに伴う売上収益の認識の変動が生じる可能性があります。
広告からの収益については、広告主との契約は期間が短いものが多く、当社グループが効果的に広告をユーザーに配信できない場合や、広告主が他の媒体と比較して費用対効果が低いと判断した場合には、広告主が将来的に当社グループへの広告を減少させる又は中止する可能性があります。また、ユーザー数及びユーザーの利用頻度の減少、市場変化及び景気動向の変動等により広告主が広告費用を削減する可能性もあります。更なる競合の激化、新たな法規制の導入、オンライン広告における課金方法の変化又はLINEにおける広告表示を阻害する技術の発達等の事態が生じる可能性もあります。
さらに、当社グループの売上を伸ばすためには新しい広告商品や当社グループの広告媒体の価値を更に向上させるようなLINEプラットフォーム上の商品及びサービスの導入を成功させる能力が必要となります。当社グループではこれまで未発達の広告技術を使って新規の広告商品を導入する可能性があります。例えば、新しい広告商品として、タイムライン広告及びLINE NEWS広告を導入しています。新しい広告商品が広告主に受け入れられなかった場合、当社グループの投資に見合うだけの収益を確保できない可能性があります。
これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 風評被害を受ける可能性について
「LINE」のブランド力を維持又は向上させるためには、当社グループがユーザーにとって使いやすく、信頼性が高く革新的な製品及びサービスを提供することが重要ですが、当社グループが将来的にかかる製品及びサービスを提供できる保証はなく、当社グループの新製品又は新サービスがユーザーに受け入れられない場合には逆にブランド力に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ユーザーがLINEを通じて使用するアプリケーションやLINEからのリンク先のウェブサイトを制作している第三者のコンテンツ提供会社によっても、「LINE」のブランド力に悪影響が生じる可能性があります。
また、当社グループは、ユーザー保護の為の適切な措置やユーザーへの啓発・教育活動等を随時推進しており、サービスの安全性及び健全性の確保に努めておりますが、当社グループが提供する「LINE」は、利用者同士の密接なコミュニケーションを補完するツールであることから、「LINE」を通じたコミュニケーションにより、いじめ、第三者の誹謗・中傷、児童ポルノを含む猥褻な動画又は画像等の投稿、詐欺などの犯罪行為、見知らぬ利用者同士の出会いをきっかけとした各種トラブルが発生する場合があります。
「LINE」に関連して何らかの問題が発生した場合には、当社グループのサービス及びブランドが毀損し、サービスの安定的な提供が困難となる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績並びに株価等に影響を及ぼす可能性があります。
上記に加えて、当社の運営するサービスのうち、「NAVERまとめ」や「livedoor blog」といった、ユーザーが投稿又は発信したUGC(User Generated Contents)を主たる構成要素とするサービスにおいては、当該UGCが第三者の知的財産権、名誉権、プライバシー権等の権利を侵害し、又は法令に違反する等の危険性が存在しております。当社グループでは、かかる事態が生じることを防止すべく、利用規約等において禁止事項として明示するとともに、当社グループ内においてUGCの監視を行い、問題を認知した場合には適用法令に則って送信防止等の措置を講じています。しかしながら、かかるUGCによって権利が侵害されたとする者から、UGCを投稿又は発信したユーザーのみならず、当社に対しても、表現の場を提供するものとして責任追及がなされるおそれがあり、また、これにより当社グループのサービス及びブランドが毀損し、サービスの安定的な提供が困難となる可能性があり、これらの場合においては、当社グループの事業、財政状態及び経営成績並びに株価等に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、上記以外の場合においても、当社グループを対象に、当社グループや当社グループのサービスを利用したユーザーに関する様々な内容の報道や情報の流布が行われることがあります。これら報道や情報の流布については、必ずしも正確な情報に基づいていないもの、当社のセキュリティではなくユーザーによるモバイル端末やIDの管理の不備に起因するもの、憶測に基づいたもの等が含まれておりますが、それらの内容が正確かどうかや当社グループに該当するかどうかに関係なく、当社グループのサービス利用者や投資者等の認識・行動に影響を及ぼし、当社グループの評判やブランド力に影響を及ぼすと考えられます。報道や情報の流布の内容、規模等によっては、当社グループの事業、財政状態及び経営成績並びに株価等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 事業の歴史及び事業の拡大について
当社が「LINE」のアプリケーションの提供を開始したのは2011年と歴史が浅く、当期純損失の計上など過去の経営成績は変動しております。また、四半期ごとの経営成績及び財政状態はこれまでも大きく変動しており、今後も引き続き変動することが予想されます。ユーザー数やユーザーの利用頻度の急激な増加、当社グループのサービスの収益化の可否、他社との競合状況、海外展開の進捗状況、新製品・サービスの開発及び提供、それに伴う売上構成の変動等により、期間比較を行うための充分な財務数値が得られないなど過年度の経営成績だけでは、今後の当社の経営成績の判断材料としては不十分な面があると考えられます。また、当社の経営成績は急激に伸びてきましたが、事業拡大に応じた経営インフラへの投資、組織運営の効率化や、製品及びサービスレベルの維持、上場会社としての法務・会計システムの整備、並びに必要な資金調達を含め、今後の事業の急拡大に適切に対応できない可能性があります。

(8) ビジネスパートナーへの依存について
当社グループは、LINE GAMEの全47タイトルのうち当社開発の5タイトルを除く42タイトルについて、外部パートナーからコンテンツの提供を受けており(2016年12月末現在)、かつ、2015年度及び2016年度におけるLINE GAMEの売上のほとんどが外部パートナーから提供を受けたコンテンツにて構成されております。コンテンツ提供会社によるサービスのレベル、ブランド、技術水準、経営状況等に問題が生じた場合、コンテンツ提供会社が適時に当社グループの要求水準を満たす新しいコンテンツを開発できない場合、又は当社グループがこのようなコンテンツ提供会社との緊密な関係を維持できない場合には、当社グループにおける財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループはApp Store、Google Playなどのプラットフォームを通じてアプリの配信を行っており、その売上の一部をApple Inc.及びGoogle Inc.に手数料として支払っております。そして、当社グループのB2B事業以外の事業に係る売上高のほとんどがこれらのプラットフォームを通じて生じており、決済代行業者として依存している状況となります。当社グループではこれまで決済プラットフォーム事業者から提供される決済情報と、当社グループで管理する決済情報の差異を毎月調整してまいりました。今後もこの様な差異が継続して発生した場合は、当社グループに対する評価に悪影響を及ぼし、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、プラットフォーム提供会社の事業戦略の転換及び動向に伴い、手数料率や為替変動によるアイテム単価の変更等が生じた場合、当社グループのサービスの提供に対する更なる制約が生じた場合、又は当社グループがプラットフォーム提供会社との良好な関係を維持できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績並びに今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 経営成績の変動について
当社グループの四半期毎の経営成績は、ユーザーや広告主への売上収益の季節的変動によって変動します。例えば、ユーザーに対するスタンプの売上収益は年末年始にかけて多くなる傾向があります。また、日本においては、一般的に企業の広告宣伝費が9月から3月末にかけて多く投下されることから、当社グループの第3四半期から第1四半期(9月から3月)にかけての広告売上は、第2四半期(4月から6月)の広告売上に比べ、多くなる傾向があります。
さらに、当社グループは、ユーザー獲得状況やユーザーのアクティブ率等に応じて広告の出稿地域や出稿時期を選定し、費用対効果を短期的に検証しながら、柔軟に広告宣伝を行う方針ですが、この方針に基づいて広告宣伝費の支出を行った場合、特定の時期に広告宣伝費が増加し、利益に偏りが発生する可能性があります。
これらの要因により、当社グループの経営成績の四半期毎又は年毎の比較は当社グループの経営成績の推移を判断するための参考にはならない可能性があります。
なお、第16期第4四半期連結会計期間の経営成績(未監査)及び第17期連結会計年度における四半期毎の経営成績(未監査)の概況は、以下のとおりであります。

(単位:千円)
第16期
第4四半期
連結会計期間
(自 2015年10月1日
至 2015年12月31日)
第17期
第1四半期
連結会計期間
(自 2016年1月1日
至 2016年3月31日)
第17期
第2四半期
連結会計期間
(自 2016年4月1日
至 2016年6月30日)
第17期
第3四半期
連結会計期間
(自 2016年7月1日
至 2016年9月30日)
第17期
第4四半期
連結会計期間
(自 2016年10月1日
至 2016年12月31日)
売上収益32,331,86433,455,85333,853,75535,929,72437,464,976
営業費用31,659,04428,778,17030,206,57131,172,71636,542,159
(うち、マーケティング費用)(3,130,196)(2,306,594)(2,447,700)(2,797,927)(4,280,451)
営業利益780,7145,337,9858,029,2964,926,5661,602,923
継続事業に係る税引前四半期利益(△は損失)△1,859,7004,143,0106,544,4904,578,2072,724,159
(注)上表の第16期第4四半期連結会計期間の経営成績はMixRadio事業を非継続事業へ振り替えた後の数値であります。

(10) システムトラブルについて
当社グループはインターネットサービスの運営が主力事業であり、事業の安定的な運用のためのシステム強化及びセキュリティ対策を行っております。しかしながら、今後のユーザー数の増加に伴い安定したインターネットサービスの運営その他のシステム上の対応がより難しくなる可能性があるほか、地震、火災などの自然災害、事故・停電など予期せぬ事態の発生等の様々な要因によって当社グループの設備又は通信ネットワークに障害が発生した場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループのネットワークインフラの大半は第三者から提供を受けたものであり、当社グループがかかる第三者から提供を受けるサービスに問題が生じた場合、又は当該第三者に財務その他の問題が生じた場合にも、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、ソフトウェアの誤作動、コンピューターウィルス、特定の利用環境におけるサービスの脆弱性の発生、外部からの不正な手段によるサーバー侵入などの犯罪、役職員の過誤等により、当社グループ若しくはインターネットサービスプロバイダーのサーバーの稼働不能又はネットワーク障害が発生する可能性があります。これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接的な損害が生じるほか、当社グループの保有するユーザーや広告主の機密情報が失われる可能性があり、当社グループに対する訴訟や損害賠償請求・行政処分等が生じるなど、当社グループの事業、財政状態及び経営成績並びに企業グループとしての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
一方で当社グループはインターネット事業を行う企業の責任として、積極的に情報セキュリティに取り組み、情報資産の安全保護に努めております。当社グループでは、これまでに情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO/IEC27001:2013(JIS Q27001:2014)認証を取得しております。さらに、顧客情報が第三者による不正アクセスから安全に保護されているということを証明する、SOC2、SOC3、SysTrust認証を同時取得しており、SOC2及びSOC3認証については、外部監査機関により、毎年更新のための審査が行われております。

(11) 人材確保について
当社グループの戦略を実行し、継続的な成長を実現するためには、経営陣、システムエンジニア及びデザイナー等を含め、優秀な人材を十分に確保し育成することが重要です。しかし、人材確保において他のインターネット関連会社等との競争は激しく、当社の取締役を中心とする主要な経営陣の関与が重要となります。これらの経営陣が退社その他の理由で当社の経営に関与できなくなった場合、又はその他優秀な人材の確保に支障が生じた場合には、当社グループの事業並びに財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(12) M&A(企業買収等)による事業拡大について
当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるための有効な手段のひとつとして、M&Aを活用する方針であります。しかしながら、適切な候補先が見付からない等の理由により、当社グループの想定どおりにM&Aが進まない可能性があります。また、M&Aに当たっては、被買収企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスクを吟味した上で決定しておりますが、被買収企業に偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、統合作業に経営資源を集中する必要性が生じた場合、被買収企業の重要な従業員の退職や事業環境の変化その他の理由により事業の展開等が計画通りに進まない場合、又はのれん等の減損処理を行う必要が生じる場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、買収により、当社グループが従来行っていない新規事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わります。

(13) インターネット事業の法規制について
当社グループの事業は、日本国内において「電気通信事業法」「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」「特定電子メールの送信の適正化に関する法律」「個人情報の保護に関する法律」「青少年インターネット環境整備法」「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」「不当景品類及び不当表示防止法」「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」「資金決済に関する法律」(以下「資金決済法」という。)等による法的規制を受けております。当社グループは社内の管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備し、同時に個人を含む取引先に対してもこれらの法令遵守を求めておりますが、これら法令に違反する行為が行われた場合若しくは法令の改正又は新たな法令の制定若しくはガイドラインの設定等が行われた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが提供する「LINE」及びその関連するサービスにはサービスの1つとして、SNS機能を提供しておりますが、ユーザー間の健全なコミュニケーションを前提としたサービスであり、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」に定義される「インターネット異性紹介事業」には該当しないものと認識しております。しかしながら、当社グループは上記の各種法令規制等について対応を行っておりますが、不測の事態によって万一当該規制等に抵触しているとして何らかの行政処分等を受けた場合、また今後これらの法令等が強化され、若しくは新たな法令等が定められ当社グループの事業が制約を受ける場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日本国内及びサービス展開を行う全世界のその他の国及び地域において、プライバシー、情報公開、情報保護、通信事業規制、コンテンツ規制、知的財産権、競争法、マイノリティ保護、電子商取引、資金決済、消費者保護、マネーロンダリング、腐敗防止及び税金等の様々な法令の適用を受けますが、特に近年急速に成長をしている領域においては、法令の整備が十分に進んでおらず、適用関係が不明確な場合があります。また、欧州や米国においては一定の規制の強化の動きもあり、引き続きその動向を注視してまいります。
当社グループに適用のある法令の制定・改正等により、当社グループの事業が制約を受け又は当該法令の遵守のために当社グループに費用負担が生じる可能性がある他、当社グループが新規サービスを開始する場合には、当該サービスに適用のある法令も遵守する必要があります。当社グループは、日本及びその他の各法域において、関係法令に遵守したサービス運営に努め、制定・改正される法令に対応した事業展開を迅速に行ってまいりますが、万一法令等の改正及び新たに制定された法令に抵触し、何らかの行政処分等を受けた場合、又は関係法令の制定・改正に対応が間に合わない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)資金決済法について
資金決済法は、資金決済の手段の1つである前払式支払手段及びその発行者に対する規制について規定しております。資金決済法における前払式支払手段に該当するか否かについては、①価値の保存、②対価発行及び③権利行使性の3つの要件の全てを満たすか否かによるため、電子アイテム毎に個別具体的に判断する必要があります。
電子アイテムが前払式支払手段に該当し、その一定時点における未使用残高が所定の金額を超えた場合においては、資産保全が必要となります。資産保全の方法としては、当該未使用残高の2分の1以上に相当する現金等の供託、発行保証金保全契約の締結及び発行保証金信託契約の締結があります。

当社グループが提供するゲーム内で販売される電子アイテムの一部には、前払式支払手段に該当するものが含まれております。当社は、ゲーム内で各電子アイテムを販売又は仕様変更を行うに際して、上記①ないし③の要件を勘案して、各電子アイテムの前払式支払手段の該当性を判断しておりますが、一定の電子アイテムが事後的に前払式支払手段に該当するものとして資産保全が必要となる可能性があり、かかる場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(15) 当社グループのLINEモバイル決済サービスLINE Payについて
当社グループのLINEモバイル決済サービスLINE Payは、サービス提供の初期段階ですが、今後、費用がかかり遵守が難しい、又は当社グループの事業に不利になるさらなる規制要件が求められたりその他のリスクが生じる可能性があります。
当社グループの製品・サービスや決済処理が発展する過程で、日本国内外において、送金、決済、電子商取引、電子送金、反マネーロンダリング、本人確認及びテロファイナンス防止等の様々な法令の対象となる可能性があります。しかし、一部の法域では、そのような法令の適用や解釈が明確でない可能性があります。当社グループは、日本においてはモバイル決済サービスに従事する子会社のLINE Pay株式会社を通じて送金サービスプロバイダーとして登録しており、通常当該分野においては多くの国内法の遵守が求められます。万一、そうした法律又は規制上の義務に違反していることが判明した場合、罰金その他処罰又は業務停止命令等の制裁を受けたり、製品変更を余儀なくされたりする可能性があり、いずれの場合にも当社グループの事業、財務状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、モバイル決済サービスの開始を受けて、以下を含む様々な追加リスクが生じる可能性があります。
・ 運用費が増加する、経営者の時間や労力その他の資源が不正取引や取引の失敗、顧客への対応に割かれてしまう
・ 既存の決済処理サービス提供会社との関係に与える影響
・ インフラ構築に伴う資本コストの増加
・ ユーザー、プラットフォーム提携先、従業員又は第三者による潜在的な不正や違法行為
・ 顧客の個人情報の漏えい、収集した情報の利用及び安全性に関する懸念
・ 決済処理のための顧客資金の入金額に対する制限
・ 開示・報告義務の追加

(16) 知的財産権について
当社グループは、運営するサービス等の名称について商標登録を世界各国において行っており、今後サービス上で新たなサービスを展開していく際にも、関連する名称等の商標登録はもちろん、関連する知的財産権について、出願登録を行っていく方針でありますが、当社グループの知的財産権を保護するための方策が十分であるという保証はありません。また、当社グループは、商標権を含む知的財産権に関して第三者とライセンス契約を締結し、当該第三者に対してそれらの使用を許諾しておりますが、かかる第三者による知的財産権の不適切な使用により、当該知的財産権の保護や当社グループのブランドに問題が生じる可能性があります。また、当社グループの事業においては、営業秘密、ノウハウ及び技術的な情報等も重要であり、競合他社がこれを入手した場合には当社グループが競争上の優位性を失う可能性があります。
一方、当社グループは本書提出日現在において第三者の知的財産権の侵害は発生していないと認識しておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような自体が起きた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(17) 個人情報の管理について
当社グループのサービス上取り扱う個人情報につきましては、システム設計、個人情報に関する社内でのアクセス権限の設定や外部データセンターでの厳重な情報管理等、管理面、技術面及び物理的な側面からも取り扱いに十分な注意を払っております。また、社内での個人情報保護に関する教育・啓発を行っており、個人情報保護についての重要性の認識の共有を図っております。
しかしながら、ユーザー数の増加及びサービス範囲の拡大によりセキュリティの確保が難しくなっており、サイバー攻撃その他の不測の事態によって個人情報の外部流出等が発生する可能性は皆無とは言えず、これら問題が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を与える可能性があります。

(18) 親会社NAVERとの関係について
2016年12月末現在、当社はNAVERの連結子会社であり、同社は、当社株式の役80.4%(潜在株式を除く。)を保有する親会社となっておりますが、当社グループの方針・政策決定及び事業展開については、独自の意思決定によって進めております。同社グループは、インターネット関連事業を営んでおり、当社グループと同様に積極的に新規サービス及び製品の開発に取り組んでいるため、将来的に両者のサービス又は製品が競合する可能性がありますが、両者の間には事業の棲み分けに関する契約は存在しておらず、競合関係が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループと同社グループとの人的関係、取引関係及び共同出資については以下のとおりであり、これらについて変動又は問題が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

① 人的関係について
本書提出日現在、一部の経営陣はNAVERと職務を兼任しております。NAVERの取締役李海珍は当社取締役会長を兼任しておりますが、これは同氏のインターネットビジネスにおける広い視野と経験に基づいた経営全般の提言を得ることを目的としているものであります。また、監査役3名の内、金鎭熙はNAVER執行役員を兼任しております。なお、当社とNAVERより派遣された取締役並びに監査役との取引関係はありません。
本書提出日現在、当社従業員のうちLINEグループを除くNAVER Corporationグループからの出向者は1名です。


② 取引関係について
当社グループは、NAVER及び同グループ各社との取引を行っており、2016年度における主な取引は、次のとおりとなっております。
2016年度における主な取引の取引金額及び2016年度末の債権(債務)残高
(単位:千円)
関係名称取引取引金額債権(△は
債務)残高(3)
親会社NAVER広告サービス(1)331,63067,362
兄弟会社NAVER Business Platform Corp.(2)営業費用7,457,937△902,411

(1) LINE PlusとNAVERはNAVERのウェブポータルを経由した広告サービスと交換にLINEプラットフォームを経由した広告サービス及びLINEのキャラクターを使用する権利を交換する契約を締結しております。当社グループでは2016年度においてNAVERに提供した広告サービスに関連して331,630千円の売上が発生しております。
(2) 当該兄弟会社は当社グループにITインフラサービス及び関連する開発サービスを提供しております。
(3) 債権及び債務は無担保であり、現金で決済されるものであります。

NAVER及び同グループ各社との取引に関しては、NAVERグループからの当社グループの独立性確保の観点から、新たに関連当事者取引に該当する取引を行う場合は、社内規則に基づいて、当該取引の必要性、取引条件の妥当性等を慎重に検討した上で、経営会議の承認を得ることとしており、取引の適正性を確保する体制を築いております。また、経営会議に出席した常勤監査役に対しては、取引の必要性と取引条件の妥当性についての意見を求めております。新たに経営会議で承認された関連当事者取引は、四半期ごとに、社外取締役3名から構成される諮問委員会に報告されます。
関連当事者取引のうち、重要な取引については、諮問委員会における審議を経た上で取締役会での承認を要するものとしております。
なお、会社法上の利益相反取引に該当するものについても取締役会の決議を得ております。
また、下記「③資本的関係について」のとおり、海外のゲーム開発会社へNAVERと共同投資を行っております。

③ 資本的関係について
当社はNAVER(当時NHN Corporation)の子会社として設立され、本書提出日現在、同社の連結子会社となっております。
さらに、2015年7月に海外のゲーム関連会社への投資を目的としてNAVER、当社、LINE C&I Corporationの共同出資により「LINE Naver Game Partnership」を設立しており、海外のゲーム開発会社に投資しております。2016年12月末現在、当社とLINE C&I Corporationとであわせて持分の66.7%を保有しております。

(19) 過年度の損失計上及び今後の事業の収益性について
当社グループは「LINE」を社会的インフラとして成長させ、「コミュニケーションアプリNo.1」を目指し、収益基盤の強化のための取り組みを積極的に進めてまいりました。
当社グループは、ユーザー獲得及びサービスラインナップの強化のための取り組みを積極的に進めてきたことに加え、優秀な人材の確保に向けた新株予約権(ストック・オプション)の発行やMixRadio事業に関する減損損失等により、2015年度においては営業損失9,524,182千円、当期純損失7,972,111千円を計上しました。
加えて、今後も当社グループは「LINE」を社会的インフラとして成長させ、収益基盤の強化のための取り組みを積極的に進めていく方針であり、これらの取り組みによる効果が想定どおり得られない場合、積極的な広告宣伝、設備投資などの多額の費用が発生した場合等には、損失が継続し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、連結財務諸表を作成するにあたり、当該計上額に影響を及ぼす一定の会計上の判断、見積り及び仮定が必要となる場合があります。そのため、重要な会計上の判断、見積り及び仮定の変更は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが重要と判断する会計上の判断、見積り及び仮定の詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(20) 新株予約権(ストック・オプション)について
当社グループは、優秀な人材の確保が、当社グループの成長にとって経営上の極めて重要な課題と認識しており、当社グループの役職員に対するインセンティブとして当社株式を対象としたストック・オプション(新株予約権)を付与しております。2016年12月31日時点におけるストック・オプションによる潜在株式は17,321,500株であり、発行済株式総数217,775,500株の8.0%に相当しております。当社の株価が行使価格を上回り、かつ権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化することになります。
なお、新株予約権の詳細は、後記「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」及び「(9)ストックオプション制度の内容」をご参照ください。

(21) 配当政策について
当社は、現在成長過程にあり、経営基盤の長期安定化に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を目指すため、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以降、金銭による配当は実施しておりません。
今後の株主への利益配当につきましては、当面は引き続き配当を行わない予定ではありますが、株主への利益還元は重要な経営課題の1つとして認識しており、業績の推移・財務状況、今後の事業・投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針であります。

(22) 内部統制について
当社は、金融商品取引法に基づいて、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書の提出を義務付けられています。また、当社は、米国証券取引所上場会社として、米国サーベンス・オクスリー法に基づいて、財務報告に係る内部統制等の評価も2017年度より義務付けられることとなります。金融商品取引法及び米国サーベンス・オクスリー法に係る内部統制システムの設計、実施には多くの管理、人材、その他資源が必要になり、内部統制上の重要な欠陥、弱点が認められた場合等、改善に要する新たな資源投入により追加的コストが発生する可能性があります。
当社グループは、2013年度及び2014年度第2四半期の財務報告について、内部統制の重要な不備を認識しておりました。当社グループは、重要な関連当事者取引に対する契約条件等のマネジメントの審議・承認プロセスの構築や会計及び財務システムの改善を担う内部統制チームの設置など、内部統制上の重要な不備を是正するための内部統制を整備し、運用を行っております。このような取り組みの結果、2015年度末において、当該重要な不備は是正しております。今後、財務報告に係る内部統制が適切に整備・運用されない場合には、当社グループの財務諸表の正確性、適時開示体制に悪影響を及ぼし、当社グループの財務報告に対する投資家の信頼が損なわれ、結果的に、当社の株価が下落する可能性があります。加えて、上場維持のための要件を充足できない場合、当社は東京証券取引所又は米国証券取引所での上場を維持できない可能性があります。

対処すべき課題経営上の重要な契約等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E31238] S100A0ER)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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