有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CP2O
Aホールディングス株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2017年12月期)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表の作成においては、連結財務諸表の計上額に影響を及ぼす一定の見積り及び仮定を行う必要があり、これには困難かつ複雑、並びに主観的な判断を伴います。その性質上、判断には本質的に不確実性が含まれます。判断は、必要に応じて、過去の経験、現在の契約の条件、関係業界の動向の観察、取引先から提供される情報及びその他外部の利用可能な情報に基づいて行われます。当社の見積り及び判断は、見積り及び判断が行われた状況下では合理的であると考えておりますが、これらの判断が、結果的に正しい、あるいは、将来の期間における実際の報告結果が、会計処理に反映された当初予想と異ならないことを保証するものではありません。売上収益を含むこれらの詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
売上収益
コミュニケーション-LINEスタンプ及びクリエイターズスタンプ
当社グループは、LINEスタンプ及びクリエイターズスタンプの販売に起因する収益を、使用やユーザーの行動に係る過去のデータを考慮し、ユーザーがLINEスタンプ及びクリエイターズスタンプを使用すると見込まれる期間にわたり、認識しております。
コンテンツ-LINE GAME及びアプリケーション
外部コンテンツプロバイダが開発したゲーム
当社グループは、外部コンテンツプロバイダが開発したゲームに係る収益を、ユーザーへの販売額から外部コンテンツプロバイダ及び決済処理サービスプロバイダへの支払額を控除した後の純額で、主として、ユーザーがゲーム内電子アイテムを購入したときに認識しております。
内部開発したゲーム及びアプリケーション
当社グループは、当社グループが開発したゲーム内又はアプリ内電子アイテムの販売に係る収益を、ユーザーへの販売額をもとに、購買パターンやログイン情報、ユーザーの電子アイテムの削除状況などの過去のデータを考慮し、ユーザーが便益を消費すると見込まれる期間にわたり、認識しております。特に永久性アイテムについては、(イ)アイテムの見積使用期間にわたる定額法、又は、(ロ)アイテムの使用期間を見積もることができない場合には、ゲームボード若しくはアプリから削除されたアイテム分を調整したうえで、課金ユーザーの見積平均プレイ期間にわたる定額法、のいずれかの方法で認識しております。当社グループがユーザーの使用状況を分析するための十分なデータを有していない場合で、かつ、ゲーム寿命を合理的に見積もるための類似のゲーム又はアプリを参照できない場合、当社グループは、過去データが十分になるまで販売額の全額を繰り延べております。
LINE広告及びポータル広告
当社グループは、LINE公式アカウントは、当該広告契約期間にわたり定額法で売上収益を認識しております。LINEスポンサードスタンプについては、初期に比重を置く方法で、広告契約期間にわたり売上収益を認識しております。LINEポイントサービスについては、当社グループが発行したLINEポイントに帰属する部分の売上収益を除いて、ユーザーが広告契約で規定された特定のアクションを行った時点において売上収益を認識しております。ウェブポータル広告については、当該広告契約期間にわたり定額法で、又は契約上の特定の要件を達成した時点で売上収益を認識しております。
その他
物品の販売に係る収益は、主として、物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が買手に移転したときに認識しております。通常、それは物品の引渡し時点であります。物品の販売による売上収益は、返品や値引を加味した、受領又は受領可能な対価の公正価値により測定しております。
(2)財政状態の分析
① 資産
2017年度末における資産合計は、303,439百万円となり、2016年度末と比べて、47,350百万円増加しており、主として、現金及び現金同等物が11,092百万円減少する一方、売上収益の増加に伴い売掛金及びその他の短期債権が14,725百万円増加、当社グループの関連会社であるSnow Corporationへのカメラアプリケーション事業の譲渡対価として株式を取得したこと等により関連会社及び共同支配企業投資が12,132百万円増加、子会社の取得により、のれんが13,367百万円増加したこと等によるためであります。
② 負債
2017年度末における負債合計は、113,462百万円となり、2016年度末と比べて、18,396百万円増加しており、主として、事業規模拡大に伴う費用の増加により、買掛金及びその他の未払金が7,278百万円増加、未使用のLINE ポイントの増加等により前受金が6,689百万円増加しております。
③ 資本
2017年度末における資本合計は、189,977百万円となり、2016年度末と比べて、28,954百万円増加しております。これは、主に、ストック・オプションの行使による、資本金14,513百万円の増加、資本剰余金2,352百万円の増加、2017年度における当社の株主に帰属する純利益8,078百万円の計上を要因としております。
(3)経営成績の分析
① 売上収益
2017年度における当社グループの売上収益は、167,147百万円(2016年度比18.8%増)となりました。2017年度におけるサービス別売上収益は、主として、コミュニケーションにおいては、クリエイターズ着せかえが着実に伸びており、クリエイターズスタンプにおいては審査期間の短縮や人気クリエイターの商材を充実させたため、30,225百万円(2016年度比3.2%増)、コンテンツにおいては、LINEマンガやLINE占い、LINE MUSIC等のサービスが順調に増加した一方で、LINE GAMEにおいては新規タイトルのリリース本数が少なく、売上への貢献が限定的であったため、40,144百万円(2016年度比10.4%減)、その他売上においては、LINEフレンズサービスはアジアを中心に海外店舗を拡大、2016年9月より開始したLINEモバイルも順調に成長を続け、その他、LINE Payサービスは特に台湾において著しく成長したため、20,241百万円(2016年度比69.8%増)、LINE広告においては、パフォーマンス型広告(タイムライン、LINE NEWS等)が著しく成長するとともに、メッセンジャー型広告もLINE@が大きく成長したため、66,104百万円(2016年度比48.5%増)となりました。
当社グループの2016年度及び2017年度における、当社収益の構成要素及び総収入に占める割合は以下のとおりです。
② 営業費用及び営業利益
営業利益は売上収益、その他の営業収益及び営業費用から構成されます。2017年度における売上収益及びその他の営業収益の合計は、179,158百万円(2016年度比22.2%増)となりました。その他の営業収益については、主にカメラアプリケーション事業の組織再編に伴う事業譲渡益10,444百万円を計上しております。営業費用については、株式報酬費用が減少する一方、事業規模拡大に伴う従業員数の増加による従業員報酬費用の増加、LINEモバイル、クラウドAIプラットフォーム「Clova」等の積極的なTVCM等の実施によるマーケティング費用の増加、利用者数増加に伴うLINEモバイルの回線費用の増加による認証及びその他サービス費用の増加、本社移転に伴い新規に購入した備品等による減価償却費の増加、本社の支払賃借料やClova、LINEフレンズサービスの商品仕入等、その他の営業費用の増加により、営業費用は154,080百万円(2016年度比21.6%増)となりました。以上の結果、営業利益は25,078百万円(2016年度比26.0%増)となりました。
③ 継続事業に係る税引前利益、継続事業に係る純利益及び当期純利益
継続事業に係る税引前利益は、営業利益が増加し、Snow Corporationなどからの持分法投資損失の増加、為替差損の増加、優先株式の転換権及び償還権の評価替えによるその他の営業外収益の増加、売却可能金融資産減損損失の計上によるその他の営業外費用の増加により、18,145百万円(2016年度比0.9%増)となりました。また、関連する法人所得税の計上により、継続事業に係る純利益は8,223百万円(2016年度比9.5%減)となりました。なお、2017年度における実効税率は54.7%であり、2017年度の日本における法定実効税率31.7%と異なっております。実効税率が54.7%となる主な要因として、一部の子会社において、単体上税引前損失を計上する一方、関連する税金利益を認識できなかったことにより繰延税金資産を認識していないこと及び持分法投資損失を計上していることによるものであります。また、2016年度における実効税率は49.5%であり、2017年における実効税率が54.7%に増加している主な要因は、持分法投資損失が増加していることによるものであります。
2016年度において存在したMixRadio事業から構成される非継続事業に係る純損失が大幅に縮小した結果、継続事業に係る純利益から、非継続事業に係る純損失を差し引いて算出される当期純利益は、8,210百万円(2016年度比15.6%増)となりました。なお、当期純利益のうち、当社の株主に帰属する純利益は8,078百万円(2016年度比19.4%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
2017年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、2016年度末に比べて11,092百万円減少し、123,606百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、10,965百万円(2016年度は28,753百万円の収入)となりました。主な資金増加要因は、継続事業に係る税引前利益の計上18,145百万円、非資金支出となる減価償却費及び償却費の計上7,149百万円、持分法による投資損失の計上6,321百万円、買掛金及びその他の未払金の増加6,215百万円、前受金の増加6,338百万円などであり、主な資金減少要因は、子会社の支配喪失による利益の計上10,444百万円、売掛金及びその他の短期債権の増加13,539百万円、法人所得税の支払12,421百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、34,230百万円(2016年度は34,086百万円の支出)となりました。主な支出要因は、負債性投資の取得による支出6,433百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出12,622百万円、子会社又は事業の取得による支出11,887百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、11,439百万円(2016年度は106,628百万円の収入)となりました。主な収入要
因は、新株予約権の行使による収入11,489百万円などであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、外部要因として、①スマートフォンアプリケーション市場の環境、②競争の激化、③技術革新、④法的規制、⑤海外の政治・経済的状況、⑥風評、⑦為替等の影響等が挙げられます。また、内部要因としては、①サービスリリースやコンテンツ開発の時期、②内部管理体制、③システム障害等が挙げられます。そのため、人材の確保・育成、内部管理体制の強化等により組織体制の整備を行い、有力企業との提携やM&A、新規事業の積極的な開拓等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散及び抑制し、適切に対応していく所存です。
[調整後EBITDA及び調整後当期純利益]
また、当社グループでは、財務及び事業の意思決定目的のため、以下に示す各連結会計年度の調整後EBITDA及び調整後当期純利益を非IFRS財務指標として活用しております。
各連結会計年度に係る調整後EBITDA及び調整後当期純利益は、調整前の数値によって歪められる可能性のある当社グループの事業の根底にある傾向を識別するのに役立つと考えております。
したがって、当社グループの財務及び経営成績に関する意思決定においては、各連結会計年度に係る調整後EBITDA及び調整後当期純利益を当社グループの過去の実績と今後の展望の全体的な理解を判断する際の有益な指標として活用しております。
他方、当社グループの財務動向や業績動向を表す指標として有益である損益計算書の各数値やキャッシュ・フロー計算書の各数値に対し、各連結会計年度に係る調整後EBITDA及び調整後当期純利益は、それに置き換わるほどの有益な指標としてまでは解釈されるべきではありません。また、他社では、各連結会計年度に係る調整後EBITDA及び調整後当期純利益に関して、同様の名称を用いて当社とは異なる基準で算出する可能性があることから、比較する指標としてもその有用性が制限され、又は比較不能であることに留意が必要となります。
調整後EBITDAは、営業活動から発生する利益又は損失(財務収益、財務費用、持分法による投資損益、為替差損益、その他の営業外収益及び費用、法人所得税を含まない利益又は損失)から株式報酬費用、減価償却費及び償却費の影響を除外した利益又は損失を示しています。
また、調整後当期純利益は、当期純利益から株式報酬に関連する損益、非継続事業に係る純損益による影響を除外した利益を示しています。なお、MixRadioに関連する損失は非継続事業に係る純損失として調整しております。
調整後EBITDAに関して、営業利益からの調整過程は以下のとおりです。
また、調整後当期純利益に関して、当期純利益からの調整過程は以下のとおりです。
[経営上の重要な非財務指標]
当社グループでは、経営上の重要な非財務指標として、以下に記載の日現在の又は以下に記載の期間における各種指標を活用しております。
(単位:百万人)
(注)1. その特定の月において、1回以上モバイルからLINE GAMEアプリを起動したユーザーアカウント数。
2. その特定の月において、1回以上モバイルからLINE GAMEアプリ内で支払いを行ったユーザーアカウント数。
(注)1. モバイル若しくはPCから、LINEメッセンジャー・アプリケーション上でテキストメッセージ、音声メッセージ、スタンプ、写真、動画、音声ファイル、テキストファイル、無料音声若しくはビデオコールなどを送受信した数、又はモバイルからLINE GAME又はLINEファミリー・アプリ内で同様の送受信をした数。
2. クリエイターズマーケット及びLINE スポンサードスタンプを含む。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、①「LINE」の継続的成長、②海外でのシェア拡大、③システム基盤の強化、④競合他社への対応、⑤優秀な人材の採用、⑥経営管理体制及び法令遵守の強化、⑦サービスの安全性及び健全性の確保を経営上の課題として認識しております。これらの課題に対応するため、当社グループの経営陣は、最大限に入手可能な情報に基づき現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案するよう努めてまいります。なお、詳細につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表の作成においては、連結財務諸表の計上額に影響を及ぼす一定の見積り及び仮定を行う必要があり、これには困難かつ複雑、並びに主観的な判断を伴います。その性質上、判断には本質的に不確実性が含まれます。判断は、必要に応じて、過去の経験、現在の契約の条件、関係業界の動向の観察、取引先から提供される情報及びその他外部の利用可能な情報に基づいて行われます。当社の見積り及び判断は、見積り及び判断が行われた状況下では合理的であると考えておりますが、これらの判断が、結果的に正しい、あるいは、将来の期間における実際の報告結果が、会計処理に反映された当初予想と異ならないことを保証するものではありません。売上収益を含むこれらの詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
売上収益
コミュニケーション-LINEスタンプ及びクリエイターズスタンプ
当社グループは、LINEスタンプ及びクリエイターズスタンプの販売に起因する収益を、使用やユーザーの行動に係る過去のデータを考慮し、ユーザーがLINEスタンプ及びクリエイターズスタンプを使用すると見込まれる期間にわたり、認識しております。
コンテンツ-LINE GAME及びアプリケーション
外部コンテンツプロバイダが開発したゲーム
当社グループは、外部コンテンツプロバイダが開発したゲームに係る収益を、ユーザーへの販売額から外部コンテンツプロバイダ及び決済処理サービスプロバイダへの支払額を控除した後の純額で、主として、ユーザーがゲーム内電子アイテムを購入したときに認識しております。
内部開発したゲーム及びアプリケーション
当社グループは、当社グループが開発したゲーム内又はアプリ内電子アイテムの販売に係る収益を、ユーザーへの販売額をもとに、購買パターンやログイン情報、ユーザーの電子アイテムの削除状況などの過去のデータを考慮し、ユーザーが便益を消費すると見込まれる期間にわたり、認識しております。特に永久性アイテムについては、(イ)アイテムの見積使用期間にわたる定額法、又は、(ロ)アイテムの使用期間を見積もることができない場合には、ゲームボード若しくはアプリから削除されたアイテム分を調整したうえで、課金ユーザーの見積平均プレイ期間にわたる定額法、のいずれかの方法で認識しております。当社グループがユーザーの使用状況を分析するための十分なデータを有していない場合で、かつ、ゲーム寿命を合理的に見積もるための類似のゲーム又はアプリを参照できない場合、当社グループは、過去データが十分になるまで販売額の全額を繰り延べております。
LINE広告及びポータル広告
当社グループは、LINE公式アカウントは、当該広告契約期間にわたり定額法で売上収益を認識しております。LINEスポンサードスタンプについては、初期に比重を置く方法で、広告契約期間にわたり売上収益を認識しております。LINEポイントサービスについては、当社グループが発行したLINEポイントに帰属する部分の売上収益を除いて、ユーザーが広告契約で規定された特定のアクションを行った時点において売上収益を認識しております。ウェブポータル広告については、当該広告契約期間にわたり定額法で、又は契約上の特定の要件を達成した時点で売上収益を認識しております。
その他
物品の販売に係る収益は、主として、物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が買手に移転したときに認識しております。通常、それは物品の引渡し時点であります。物品の販売による売上収益は、返品や値引を加味した、受領又は受領可能な対価の公正価値により測定しております。
(2)財政状態の分析
① 資産
2017年度末における資産合計は、303,439百万円となり、2016年度末と比べて、47,350百万円増加しており、主として、現金及び現金同等物が11,092百万円減少する一方、売上収益の増加に伴い売掛金及びその他の短期債権が14,725百万円増加、当社グループの関連会社であるSnow Corporationへのカメラアプリケーション事業の譲渡対価として株式を取得したこと等により関連会社及び共同支配企業投資が12,132百万円増加、子会社の取得により、のれんが13,367百万円増加したこと等によるためであります。
② 負債
2017年度末における負債合計は、113,462百万円となり、2016年度末と比べて、18,396百万円増加しており、主として、事業規模拡大に伴う費用の増加により、買掛金及びその他の未払金が7,278百万円増加、未使用のLINE ポイントの増加等により前受金が6,689百万円増加しております。
③ 資本
2017年度末における資本合計は、189,977百万円となり、2016年度末と比べて、28,954百万円増加しております。これは、主に、ストック・オプションの行使による、資本金14,513百万円の増加、資本剰余金2,352百万円の増加、2017年度における当社の株主に帰属する純利益8,078百万円の計上を要因としております。
(3)経営成績の分析
① 売上収益
2017年度における当社グループの売上収益は、167,147百万円(2016年度比18.8%増)となりました。2017年度におけるサービス別売上収益は、主として、コミュニケーションにおいては、クリエイターズ着せかえが着実に伸びており、クリエイターズスタンプにおいては審査期間の短縮や人気クリエイターの商材を充実させたため、30,225百万円(2016年度比3.2%増)、コンテンツにおいては、LINEマンガやLINE占い、LINE MUSIC等のサービスが順調に増加した一方で、LINE GAMEにおいては新規タイトルのリリース本数が少なく、売上への貢献が限定的であったため、40,144百万円(2016年度比10.4%減)、その他売上においては、LINEフレンズサービスはアジアを中心に海外店舗を拡大、2016年9月より開始したLINEモバイルも順調に成長を続け、その他、LINE Payサービスは特に台湾において著しく成長したため、20,241百万円(2016年度比69.8%増)、LINE広告においては、パフォーマンス型広告(タイムライン、LINE NEWS等)が著しく成長するとともに、メッセンジャー型広告もLINE@が大きく成長したため、66,104百万円(2016年度比48.5%増)となりました。
当社グループの2016年度及び2017年度における、当社収益の構成要素及び総収入に占める割合は以下のとおりです。
2016年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 2017年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | ||||||
(百万円) | (%) | (百万円) | (%) | ||||
LINEビジネス・ポータル事業 | |||||||
コミュニケーション及びコンテンツ | |||||||
コミュニケーション | 29,290 | 20.8 | 30,225 | 18.1 | |||
コンテンツ | 44,784 | 31.8 | 40,144 | 24.0 | |||
その他 | 11,923 | 8.5 | 20,241 | 12.1 | |||
小計 | 85,997 | 61.1 | 90,610 | 54.2 | |||
広告 | |||||||
LINE広告 | |||||||
メッセンジャー型広告 | 33,997 | 24.1 | 39,495 | 23.6 | |||
パフォーマンス型広告 | 10,524 | 7.5 | 26,609 | 15.9 | |||
小計 | 44,521 | 31.6 | 66,104 | 39.5 | |||
ポータル広告 | 10,186 | 7.3 | 10,433 | 6.3 | |||
小計 | 54,707 | 38.9 | 76,537 | 45.8 | |||
合計 | 140,704 | 100.0 | 167,147 | 100.0 |
② 営業費用及び営業利益
営業利益は売上収益、その他の営業収益及び営業費用から構成されます。2017年度における売上収益及びその他の営業収益の合計は、179,158百万円(2016年度比22.2%増)となりました。その他の営業収益については、主にカメラアプリケーション事業の組織再編に伴う事業譲渡益10,444百万円を計上しております。営業費用については、株式報酬費用が減少する一方、事業規模拡大に伴う従業員数の増加による従業員報酬費用の増加、LINEモバイル、クラウドAIプラットフォーム「Clova」等の積極的なTVCM等の実施によるマーケティング費用の増加、利用者数増加に伴うLINEモバイルの回線費用の増加による認証及びその他サービス費用の増加、本社移転に伴い新規に購入した備品等による減価償却費の増加、本社の支払賃借料やClova、LINEフレンズサービスの商品仕入等、その他の営業費用の増加により、営業費用は154,080百万円(2016年度比21.6%増)となりました。以上の結果、営業利益は25,078百万円(2016年度比26.0%増)となりました。
③ 継続事業に係る税引前利益、継続事業に係る純利益及び当期純利益
継続事業に係る税引前利益は、営業利益が増加し、Snow Corporationなどからの持分法投資損失の増加、為替差損の増加、優先株式の転換権及び償還権の評価替えによるその他の営業外収益の増加、売却可能金融資産減損損失の計上によるその他の営業外費用の増加により、18,145百万円(2016年度比0.9%増)となりました。また、関連する法人所得税の計上により、継続事業に係る純利益は8,223百万円(2016年度比9.5%減)となりました。なお、2017年度における実効税率は54.7%であり、2017年度の日本における法定実効税率31.7%と異なっております。実効税率が54.7%となる主な要因として、一部の子会社において、単体上税引前損失を計上する一方、関連する税金利益を認識できなかったことにより繰延税金資産を認識していないこと及び持分法投資損失を計上していることによるものであります。また、2016年度における実効税率は49.5%であり、2017年における実効税率が54.7%に増加している主な要因は、持分法投資損失が増加していることによるものであります。
2016年度において存在したMixRadio事業から構成される非継続事業に係る純損失が大幅に縮小した結果、継続事業に係る純利益から、非継続事業に係る純損失を差し引いて算出される当期純利益は、8,210百万円(2016年度比15.6%増)となりました。なお、当期純利益のうち、当社の株主に帰属する純利益は8,078百万円(2016年度比19.4%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
2017年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、2016年度末に比べて11,092百万円減少し、123,606百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、10,965百万円(2016年度は28,753百万円の収入)となりました。主な資金増加要因は、継続事業に係る税引前利益の計上18,145百万円、非資金支出となる減価償却費及び償却費の計上7,149百万円、持分法による投資損失の計上6,321百万円、買掛金及びその他の未払金の増加6,215百万円、前受金の増加6,338百万円などであり、主な資金減少要因は、子会社の支配喪失による利益の計上10,444百万円、売掛金及びその他の短期債権の増加13,539百万円、法人所得税の支払12,421百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、34,230百万円(2016年度は34,086百万円の支出)となりました。主な支出要因は、負債性投資の取得による支出6,433百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出12,622百万円、子会社又は事業の取得による支出11,887百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、11,439百万円(2016年度は106,628百万円の収入)となりました。主な収入要
因は、新株予約権の行使による収入11,489百万円などであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、外部要因として、①スマートフォンアプリケーション市場の環境、②競争の激化、③技術革新、④法的規制、⑤海外の政治・経済的状況、⑥風評、⑦為替等の影響等が挙げられます。また、内部要因としては、①サービスリリースやコンテンツ開発の時期、②内部管理体制、③システム障害等が挙げられます。そのため、人材の確保・育成、内部管理体制の強化等により組織体制の整備を行い、有力企業との提携やM&A、新規事業の積極的な開拓等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散及び抑制し、適切に対応していく所存です。
[調整後EBITDA及び調整後当期純利益]
また、当社グループでは、財務及び事業の意思決定目的のため、以下に示す各連結会計年度の調整後EBITDA及び調整後当期純利益を非IFRS財務指標として活用しております。
(単位:百万円) |
2016年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 2017年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | |||
調整後EBITDA | 34,516 | 34,913 | ||
調整後当期純利益 | 18,227 | 10,832 |
各連結会計年度に係る調整後EBITDA及び調整後当期純利益は、調整前の数値によって歪められる可能性のある当社グループの事業の根底にある傾向を識別するのに役立つと考えております。
したがって、当社グループの財務及び経営成績に関する意思決定においては、各連結会計年度に係る調整後EBITDA及び調整後当期純利益を当社グループの過去の実績と今後の展望の全体的な理解を判断する際の有益な指標として活用しております。
他方、当社グループの財務動向や業績動向を表す指標として有益である損益計算書の各数値やキャッシュ・フロー計算書の各数値に対し、各連結会計年度に係る調整後EBITDA及び調整後当期純利益は、それに置き換わるほどの有益な指標としてまでは解釈されるべきではありません。また、他社では、各連結会計年度に係る調整後EBITDA及び調整後当期純利益に関して、同様の名称を用いて当社とは異なる基準で算出する可能性があることから、比較する指標としてもその有用性が制限され、又は比較不能であることに留意が必要となります。
調整後EBITDAは、営業活動から発生する利益又は損失(財務収益、財務費用、持分法による投資損益、為替差損益、その他の営業外収益及び費用、法人所得税を含まない利益又は損失)から株式報酬費用、減価償却費及び償却費の影響を除外した利益又は損失を示しています。
また、調整後当期純利益は、当期純利益から株式報酬に関連する損益、非継続事業に係る純損益による影響を除外した利益を示しています。なお、MixRadioに関連する損失は非継続事業に係る純損失として調整しております。
調整後EBITDAに関して、営業利益からの調整過程は以下のとおりです。
(単位:百万円) |
2016年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 2017年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | |||
営業利益 | 19,897 | 25,078 | ||
調整:株式報酬費用 | 9,519 | 2,686 | ||
調整:減価償却費及び償却費 | 5,100 | 7,149 | ||
調整後EBITDA | 34,516 | 34,913 |
また、調整後当期純利益に関して、当期純利益からの調整過程は以下のとおりです。
(単位:百万円) |
2016年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) | 2017年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | |||
当期純利益 | 7,104 | 8,210 | ||
調整:株式報酬費用(税金考慮後) | 9,141 | 2,609 | ||
調整:非継続事業に係る税引後純損失 | 1,982 | 13 | ||
調整後当期純利益 | 18,227 | 10,832 | ||
株式報酬費用 | 9,519 | 2,686 | ||
株式報酬費用に係る税金 | △378 | △77 | ||
株式報酬費用(税金考慮後) | 9,141 | 2,609 | ||
[経営上の重要な非財務指標]
当社グループでは、経営上の重要な非財務指標として、以下に記載の日現在の又は以下に記載の期間における各種指標を活用しております。
(単位:百万人)
2016年 | 2017年 | ||||||||||||||
3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 | ||||||||
MAUs合計 | 218 | 220 | 220 | 217 | 214 | 207 | 203 | 200 | |||||||
日本 | 61 | 62 | 64 | 66 | 68 | 70 | 71 | 73 | |||||||
台湾、タイ、 インドネシア | 91 | 95 | 98 | 101 | 103 | 99 | 97 | 95 | |||||||
MPUs合計 | 8.4 | 8.1 | 7.8 | 9.4 | 8.5 | 8.4 | 8.1 | 9.5 | |||||||
LINE GAMEに関するMAUs(注1) | 31 | 29 | 27 | 27 | 26 | 23 | 22 | 20 | |||||||
LINE GAMEに関するMPUs(注2) | 1.6 | 1.4 | 1.4 | 1.3 | 1.4 | 1.3 | 1.2 | 1.1 |
(注)1. その特定の月において、1回以上モバイルからLINE GAMEアプリを起動したユーザーアカウント数。
2. その特定の月において、1回以上モバイルからLINE GAMEアプリ内で支払いを行ったユーザーアカウント数。
(単位:百万回) | |||||||||||||||
2016年 | 2017年 | ||||||||||||||
3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 | ||||||||
メッセージ数 (注1) | |||||||||||||||
日次平均メッセージ 送信数 | 4,211 | 4,347 | 4,404 | 4,382 | 4,602 | 4,609 | 4,500 | 4,157 | |||||||
日次平均メッセージ 受信数 | 16,186 | 17,866 | 19,998 | 20,682 | 22,894 | 24,597 | 24,588 | 23,464 | |||||||
スタンプ数(注2) | |||||||||||||||
日次平均スタンプ 送信数 | 389 | 397 | 384 | 407 | 441 | 433 | 413 | 381 |
(注)1. モバイル若しくはPCから、LINEメッセンジャー・アプリケーション上でテキストメッセージ、音声メッセージ、スタンプ、写真、動画、音声ファイル、テキストファイル、無料音声若しくはビデオコールなどを送受信した数、又はモバイルからLINE GAME又はLINEファミリー・アプリ内で同様の送受信をした数。
2. クリエイターズマーケット及びLINE スポンサードスタンプを含む。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、①「LINE」の継続的成長、②海外でのシェア拡大、③システム基盤の強化、④競合他社への対応、⑤優秀な人材の採用、⑥経営管理体制及び法令遵守の強化、⑦サービスの安全性及び健全性の確保を経営上の課題として認識しております。これらの課題に対応するため、当社グループの経営陣は、最大限に入手可能な情報に基づき現在の事業環境を確認し、最善の経営方針を立案するよう努めてまいります。なお、詳細につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E31238] S100CP2O)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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