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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10055ZE

有価証券報告書抜粋 JFEホールディングス株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループ(当社および連結子会社)は、世界最高の技術をもって社会に貢献することを企業理念とし、顧客ニーズを先取りした独自新商品の開発、高品質な商品を効率的に生産する技術の開発、地球環境保全に寄与する商品および製造技術の開発、ならびにグループ全体としてのシナジーを活かした開発により、常に業界をリードし、新たな分野を開拓していくというグループ共通の開発コンセプトの下、各事業会社が創造性にあふれる研究開発を展開しています。
グループ全体の研究開発戦略の策定や横断的に取り組むべき重要課題の選定・推進については、当社社長を議長とする「グループ技術開発会議」の場で、各事業会社が一体となって取り組んでいます。
今後も、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ高い収益力を確保するとともに、市場・社会からの高い信頼を獲得し、将来の経営基盤を育成・発展させるべく、積極的な研究開発に取り組んでいきます。
当連結会計年度における研究開発費は32,488百万円であり、主要事業内訳は鉄鋼事業30,558百万円、エンジニアリング事業1,930百万円であります。
また、当連結会計年度における主な事業別の研究の目的、主要課題および研究成果は以下のとおりです。


(1) 鉄鋼事業
鉄鋼事業では、10年先を見据えてお客様や社会のニーズを先取りした新商品・利用技術開発、世界最高水準の地球環境技術や省資源技術の開発を加速するとともに、プロセス革新による画期的新商品の創出と高品質商品製造技術の確立を強力に推進しております。
以下、当連結会計年度の主な研究成果を挙げます。
自動車用薄鋼板分野では、自動車骨格部品用に、伸び特性に加えて伸びフランジ成形性にも優れた590~980MPa級の高伸び-伸びフランジ型高張力合金化溶融亜鉛めっき(ハイテンGA)鋼板の開発に世界で初めて成功しました。新たに開発した鋼板は、金属組織それぞれの硬度や体積などを精緻にコントロールする画期的な組織制御技術により、従来鋼に比べて約2倍もの穴広げ率を有しています。これにより、自動車骨格部品の形状自由度が広がり、深い絞り形状のピラーロアなどの車体骨格部品について、更に強度の高いハイテンGAを積極的に適用することが可能となり、自動車の更なる軽量化(薄肉化)に大きく寄与します。当社が開発した引張強度100kg(980MPa)級の高張力熱延鋼板「JFE-HA980SB」が、三菱ふそうトラック・バス株式会社の大型トラックのフロントアンダーランプロテクションに採用されました。980MPa級の高張力熱延鋼板がトラック車体の量産部品に採用されるのは世界初となります。
プロセス・環境分野では、主要な製銑プロセスである焼結鉱製造工程において、抜本的な生産性改善を可能にする焼結機への酸素・水素系ガス(都市ガス)の複合吹込み技術「Super-SINTER® OXY」を開発し、世界で初めて実用化に成功いたしました。すでに2013年までに本技術を東日本製鉄所の全焼結機(2基)に導入し、劣質原料の使用下においても、高品質焼結鉱の生産性を飛躍的に改善しています。今後も、更なる技術開発を進め、資源対応力に優れた高効率の製鉄プロセスの確立に努めてまいります。また、製鋼分野でも、確立した革新的転炉型溶銑予備処理プロセスを西日本製鉄所(福山地区)第3製鋼工場3号転炉に導入しました。これにより、脱珪工程で発生する二酸化珪素を一旦排出することによって脱リン時の反応効率低下を抑止し、副原料使用量の大幅削減、エネルギーの削減に寄与しております。
鋼材分野では、耐腐食性に優れた継目無鋼管「JFE-UHP®-17CR-110」を開発し、ブラジル・ペトロブラス社向けケーシングパイプ用油井管として初受注いたしました。高温特性に優れた耐腐食性鋼管である「JFE-UHP®-15CR」よりも更に耐腐食性を高めた鋼材で、コスト面・納期面でのメリットが見込まれます。また、石炭運搬船カーゴホールド(貨物倉)の腐食を抑制する画期的な高耐食性厚鋼板「JFE-SIP®-CC」を世界で初めて開発し、石炭運搬船に初採用されました。さらに、世界最大厚(板厚80mm)の降伏強度460MPa級高アレスト鋼を開発し、一般財団法人日本海事協会より板厚80mmの460MPa級高アレスト鋼として認証を取得しました。
また、新たな需要分野として、直播栽培用水稲種子のコーティング用プレミックス鉄粉「粉美人®」を日本で初めて開発し、製造を開始いたしました。鉄粉でコーティングした稲種子(籾)を水田に直接播き、水田中で発芽、苗立ち、生育させる栽培方法で、育苗作業・苗運搬が不要となるため、現在日本で一般的に行われている水稲移植栽培と比べ大幅な省力化が可能となります。今後も鉄粉の新たな需要分野の開拓、普及を図ると共に、更に高品質、高機能な商品の開発に注力し、お客様の利便性向上に努めてまいります。
また、当社が昨年度から横浜市と行っている、横浜市山下公園前海域での鉄鋼スラグ製品を活用した共同研究に関して、このたび、当海域で自生のアマモ(海草)をはじめとする生物種数の増加を確認しました。鉄鋼スラグ製品が生物付着基盤として有効に機能していることが改めて確認されました。今後も、鉄鋼スラグ事業を通じ、地球環境保全に貢献する技術開発に努めてまいります。
鉄鋼材料・鉄鋼製造プロセスの評価・分析分野では、鉄鋼材料に含まれる炭素の含有量を世界最高精度の0.01%レベルまで定量的に分析できる装置「FE-EPMA」を開発しました。従来の分析方法に比べ10倍の精度での測定を可能といたしました。
当社が開発してまいりました商品、技術は社外からも高く評価されております。例えば、「革新的熱加工制御技術を駆使した高性能厚鋼板の開発育成」の成果が認められ、2014年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞いたしました。また、更に、世界で初めて実用化に成功した、焼結鉱製造工程でのCO2排出削減を可能にする炭化水素ガス使用焼結技術「Super-SINTER®」が、公益財団法人大河内記念会から第61回「大河内記念技術賞」を受賞いたしました。大河内賞は6年連続での受賞になります。「Super-SINTER®」は、「2014年度全国発明表彰 経済産業大臣発明賞」も受賞しております。
また、省資源型高耐熱ステンレス鋼「JFE-TF1」が、米国の技術情報誌である「R&D Magazine」が主催する「2014 R&D 100 Awards」を受賞し、世界的にも当社独自の高機能商品が高く評価されました。同賞は2年連続の受賞となります。そのほか、当社が世界で初めて開発・実用化した厚鋼板の新冷却設備「Super-CR(Super-Controlled Rolling)が、一般財団法人機械振興協会から第12回「新機械振興賞」の“経済産業大臣賞”を受賞いたしました。当社の新機械振興賞受賞は昨年の“会長賞”に続き、2年連続4回目となります。当社が世界で初めて開発・実用化した高級ハイテン製造設備であり、品質、数量、納期等の面で、これまでの常識を打ち破る高度なエンジニアリング技術が高く評価されたものです。


(2) エンジニアリング事業
エンジニアリング事業では、「新商品創出と既存商品競争力強化」という方針に基づき、研究開発を推進しています。当連結会計年度は、主力事業である環境、エネルギー分野に加え、将来の成長が期待されている農業、医療分野に重点的な投資を実施しました。具体的には、環境プラントの発電量最大化に関する技術、天然ガス需要の拡大に合わせたLNG受入基地関連技術、がん検査用PETシステムの適用領域拡大、等に取り組んでおります。
当連結会計年度の主な成果としては、環境プラント分野における、遠隔操業支援システム「JFEハイパーリモート」の運用開始、エネルギー分野における、天然ガスの新型熱量調整装置「AtoMS」の「日本ガス協会技術賞」受賞が挙げられます。また、製油所等の防爆エリアでの使用が可能な防爆仕様のタブレット端末「LANEX-Tabletシリーズ」を国内で初めて開発し、市場投入いたしました。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01264] S10055ZE)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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