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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LMEZ (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 JFEホールディングス株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループ(当社および連結子会社)は、世界最高の技術をもって社会に貢献することを企業理念とし、顧客ニーズを先取りした独自新商品の開発、高品質な商品を効率的に生産する技術の開発、地球環境保全に寄与する商品および製造技術の開発、ならびにグループ全体としてのシナジーを活かした開発により、常に業界をリードし、新たな分野を開拓していくというグループ共通の開発コンセプトの下、各事業会社が創造性にあふれる研究開発を展開しています。
グループ全体の研究開発戦略の策定や横断的に取り組むべき重要課題の選定・推進については、当社社長を議長とする「グループ経営戦略会議」の場で、各事業会社が一体となって取り組んでいます。
今後も、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ高い収益力を確保するとともに、市場・社会からの高い信頼を獲得し、将来の経営基盤を育成・発展させるべく、積極的な研究開発に取り組んでいきます。
また、各事業会社において、AI・IoT・ビッグデータ等のデータサイエンス技術の活用を推進するための組織を設置し、またロボティクス技術を積極的に活用して、製造設備の生産性や商品・サービスの付加価値向上に向けた研究開発等にも積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度における研究開発費は36,205百万円であり、主要事業内訳は鉄鋼事業32,499百万円、エンジニアリング事業3,705百万円であります。
なお、当連結会計年度における主な事業別の研究の目的、主要課題および研究成果は以下のとおりです。

(1)鉄鋼事業

鉄鋼事業では、10年先を見据えてお客様や社会のニーズを先取りした新商品・利用技術開発、世界最高水準の地球環境技術や省資源技術の開発を加速するとともに、プロセス革新による画期的新商品の創出と高品質商品製造技術の確立を強力に推進しております。
以下、当連結会計年度の主な研究成果を挙げます。


JFEスチール㈱製鉄プロセスにおけるCO2排出量やエネルギー消費量を削減するプロセス実現に向け、JFEスチール㈱と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、㈱神戸製鋼所、日本製鉄㈱と共同で実施中の「環境調和型プロセス技術の開発/フェロコークス技術の開発」において、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)に建設していた日産300トンの中規模フェロコークス製造設備を完成させ、2020年10月9日より実証試験を開始しました。本設備によるフェロコークスの製造技術開発により、2023年頃までに、製銑プロセスにおけるCO2排出量とエネルギー消費量を約10%削減する技術の確立を目指します。
また、現行の高炉法による低炭素化については、「環境調和型プロセス技術の開発/水素還元等プロセス技術の開発」で技術開発を進めておりますが、ここで得られる知見を足掛かりとして、「ゼロカーボン・スチール」の実現に向けた、高炉を用いない水素還元等の超革新技術が必要とされています。JFEスチール㈱とNEDOは、日本製鉄㈱、㈱神戸製鋼所、一般財団法人金属系材料研究開発センターと共同で「ゼロカーボン・スチール」の実現に向けた研究開発に取り組むため、現段階での諸課題を抽出し、研究開発を加速させるための先導研究を行っています。
さらに、鉄鋼製品の品質向上は重要な課題であり、欠陥の無い製品をお客様に提供するため、JFEスチール㈱は様々な検査装置の開発・導入に取り組んでいます。世界で初めて開発した厚板自走式超音波探傷ロボットを厚板オフライン探傷プロセスに導入し、手動探傷作業を自動化することで、検査信頼性と作業効率の更なる向上を実現しました。東日本製鉄所(京浜地区)の厚板工場に3台導入を完了しており、運用を開始しています。今後は、西日本製鉄所(倉敷地区・福山地区)の厚板工場への展開を進めることで、作業の効率化を図りながら、厚板品質の更なる向上に努めていきます。


自動車用鋼板分野においては、西日本製鉄所(福山地区)にある独自の水焼入れ方式(WQ方式)連続焼鈍プロセスの高い冷却能力を活用して、合金の添加と鋼板の微視組織の不均一性を極限まで低減し、1310MPa級高張力鋼板と同等の冷間プレス性を有しながら、1.5GPa級高張力鋼板でも特に高い降伏強度と水素に起因するプレス成形後の静的な脆性割れを発生しにくくする性質(耐遅れ破壊特性)を両立させた1.5GPa(1470MPa)級高張力冷延鋼板を開発しました。この自動車用鋼板は、冷間プレス用途として世界で初めて、自動車の骨格部品に採用されました。
また、自動車の車体には高い衝突安全性能と軽量化の両立が求められており、構造骨格部品への超高強度鋼板(引張強度980MPa以上)の適用が大幅に増加していますが、超高強度鋼板を適用すると、衝突時の部品座屈や曲げ変形時に部品母材が破断してしまい、必要なエネルギー吸収が得られないため、高強度薄肉化による軽量化が困難でした。そこで、超高強度鋼板をエネルギー吸収部品に適用するため、イイダ産業㈱が開発した高延性・高密着性樹脂を、超高強度鋼板製の部品本体と薄肉鋼板製の部品でサンドイッチした構造を開発しました。樹脂をサンドイッチした結果、車両衝突時にエネルギー吸収部品が座屈・曲げ変形する際の、変形部の曲げRが大幅に拡大し、超高強度鋼板部品が破断しなくなるため、エネルギー吸収性能が大幅に向上しました。
電磁鋼板分野では、電気機器小型化の観点から電流・電圧等が1秒ごとに振動する回数(駆動周波数)の高周波化が進展しており、電磁鋼板には、高周波域での鉄損の低減が求められるようになってきています。同時に高速モータ用途においては、高周波域での鉄損低減とともに、高トルク化の観点から高磁束密度化への要求も強くなっています。そこでJFEスチール㈱は、浸珪量と拡散条件の最適化によるSi濃度分布のコントロールおよび結晶方位制御に取り組み、従来の無方向性電磁鋼板(3%Si鋼板)並みの磁束密度(トルク)を維持しつつ、モータの大幅な高効率化(省エネ)を可能とする高速モータ用Si傾斜磁性材料「JNRF™」の開発に成功しました。今後は、電気自動車の駆動モータ、家電製品用モータ、およびドローンモータ等、小型・高速化が進展するモータ分野での適用拡大を目指していきます。
土木・建築分野においては、一般に地すべり抑止杭では、厚肉・高強度杭が適用されることが多く、これらを溶接接合により縦継ぎ作業した場合、①大径・厚肉杭になるほど溶接時間が長くなる、②高強度になるほど現場での品質管理が難しい、③雨天や強風時等の天候によっては溶接作業が困難となる等の課題を有しています。こうした課題を解決するねじ継手として、地すべり抑止杭の現場接合用のねじ継手「JFE ネジール®」をリニューアルし、適用可能な杭径・板厚を大幅に拡大しました。


JFEスチール㈱が開発してまいりました商品、技術は社外からも高く評価されております。例えば、「高速モータに適した省資源型Si傾斜磁性材料の開発」が、世界鉄鋼協会が選考するSteelie Awards 2020を受賞しました。また、「環境調和型高品質ステンレス鋼溶製プロセスの開発」の成果が認められ、2020年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞しました。JFEスチール㈱の同賞受賞は3年連続となります。更に、JFEスチール㈱の開発した微小凹凸欠陥計測装置「T-eye®」が、2020年度全国発明表彰発明協会会長賞を受賞しました。JFEスチール㈱の全国発明表彰受賞は7年連続で、JFEスチール㈱発足以来11回目となります。
JFEスチール㈱が開発した炭化水素燃料バーナーを利用したステンレス鋼用クロム鉱石溶融還元プロセスが、第53回(2020年度)市村産業賞本賞を受賞しました。JFEスチール㈱の市村産業賞受賞は、4年ぶり8回目となります。また、JFEスチール㈱が開発した「ツイン投光差分方式表面検査装置」が、一般財団法人機械振興協会から第55回機械振興賞 機械振興協会会長賞を受賞しました。機械振興賞は、我が国機械工業における技術開発の一層の促進を図るため、優秀な研究開発およびその成果の実用化によって、機械産業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業・大学・研究機関および研究開発担当者に対して毎年与えられるものです。JFEスチール㈱の機械振興賞の受賞は3年連続10回目となります。

(2)エンジニアリング事業

エンジニアリング事業では、「モノとサービスの融合で、他社に先駆け新たな価値を提供」という方針に基づき、研究開発を推進しています。当連結会計年度は、主力事業である環境、エネルギー、社会インフラ、リサイクル・発電分野に加え、今後益々その重要性が高まる気候変動対策分野に重点的な投資を実施しました。具体的には、ガス化技術を用いたカーボンリサイクル、廃プラスチック有効活用、AI技術を活用したプラントの最適操業と自動化、ロボット活用による製作所や施工現場の省力化・効率化に関する技術等に取り組んでおります。
さらに、開発のスピードアップや合理的な開発投資を目的に、国内外の大学や研究機関および他企業との連携・共同開発を推進しております。その一例として、2018年度に開設したシンガポールの研究拠点では、次世代の廃棄物処理技術開発に加え、当該国の大学・研究機関と様々な分野における共同開発事業の探索・創出に向け、取り組みを加速しております。

JFEエンジニアリング㈱が開発した商品・技術は社外からも高く評価されており、環境プラント分野においては、2020年7月にサービス提供を開始した、ごみ焼却炉の完全自動運転システム「BRA-ING(ブレイング)」が「第46回優秀環境装置表彰 経済産業省産業技術環境局長賞」の受賞に続き、「日本燃焼学会技術賞」を受賞しました。これは「BRA-ING」による安定した自動運転と環境負荷低減の両立が高く評価されたものです。


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01264] S100LMEZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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