有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007QPD
JSR株式会社 業績等の概要 (2016年3月期)
(1)当期(2015年4月1日から2016年3月31日)の概況
当社グループの主要な需要業界における当期の動向といたしましては、自動車タイヤや自動車の生産はグローバルでは前年を若干上回りましたが国内タイヤ生産が不調であり、半導体の生産は需要が伸びず、フラットパネル・ディスプレイ(FPD)市場は期の後半にかけて大きな生産調整が行われ急減速いたしました。また、期末には円高が進行いたしました。
以上のような状況の下、当社グループの石油化学系事業では、エラストマー事業において低燃費タイヤ用溶液重合SBR(S-SBR)の販売が大幅に伸びたものの、それ以外のエラストマー販売は主な需要先である国内タイヤ生産不調の影響を大きく受けました。また、東アジアではエラストマーの供給過剰状態に需要の伸びの鈍化も加わって需給バランスが改善せず、エラストマー製品市況の低迷が継続しました。そのため、石油化学系事業全体の売上高は前期を下回りました。合成樹脂事業の採算改善による増益がありましたがエラストマー事業の減益を補うことができず、石油化学系事業全体の営業利益も前期を下回りました。多角化事業では、半導体市場の軟調及び期の後半にフラットパネル・ディスプレイ(FPD)市場が急減速した影響によりファイン事業の売上高が前期を大きく下回りましたが、戦略事業であるライフサイエンス事業の売上高が大きく増加したため、多角化事業の売上高は前期を上回りました。多角化事業の営業利益は、ファイン事業の売上高減少の影響が大きく、前期を下回りました。経常利益は、石油化学系持分法適用会社の収益が増加した一方で、営業利益の減少及びタイのグループ会社のドル建て借入金がバーツ安により膨らんだ為替差損の影響により、前期を下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は、リチウムイオンキャパシタを製造・販売するグループ会社での特別損失を計上したことにより、前期を下回りました。
当期の業績といたしましては、売上高は3,867億9百万円(前期比4.3%減)、営業利益は344億8百万円(同9.6%減)、経常利益は336億33百万円(同19.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は240億68百万円(同19.6%減)となりました。
(部門別の概況)
当社グループは、「エラストマー事業」、「合成樹脂事業」、「多角化事業」の3事業を報告セグメントとしております。報告セグメントの位置づけは下図の通りです。
主要な需要業界である自動車タイヤの生産は、北米・中国・欧州では前年を上回りましたが、日本は前年を下回りました。
こうした状況の下、合成ゴムの販売は、タイの合弁会社JSR BST Elastomer Co., Ltd.(JBE)での溶液重合SBR(S-SBR)の本格稼働が寄与してS-SBRの販売量が大きく増加しましたが、自動車タイヤの国内生産が前年を下回ったことなどにより、エラストマーの全販売量は前期より減少いたしました。売上高は原料価格低下に伴う製品価格の低下及び販売量の減少により、前期を下回りました。また、供給過剰による合成ゴム市況の低迷が継続して売買スプレッド(販売価格と主要原材料価格の価格差)が改善しなかったこと及び販売量減少により、営業利益は前期を下回りました。
以上の結果、当期のエラストマー事業部門の売上高は1,792億52百万円(前期比9.9%減)、営業利益は74億91百万円(同30.2%減)となりました。
主要な需要業界である自動車の生産は、北米・中国・欧州では前年を上回りましたが、日本は前年を下回りました。
こうした状況の下、合成樹脂の販売は、自動車の国内生産が前年を下回ったものの、国内外での販売を増やし、産業資材向けも雑貨を中心に堅調に推移したため、販売量は前期を上回りました。売上高は、原料価格低下に伴う製品価格の値下がりを販売量増で補えず前期を下回りました。営業利益は採算が改善したこと及び販売量増加により、前期を上回りました。
以上の結果、当期の合成樹脂事業部門の売上高は522億6百万円(前期比5.4%減)、営業利益は51億13百万円(同80.0%増)となりました。
多角化事業部門全体としては、売上高は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
半導体材料事業は、スマートフォンの需要低迷から半導体需要が伸びず、また、当期は最先端の世代が20nm(ナノメートル)世代から次世代となる14~16nm世代に移行する時期にあたって材料需要が低迷したため、売上高が前期を下回りました。ディスプレイ材料事業は、期の後半から大型テレビ向けや多機能携帯端末向け需要が急減速したことに加えて材料市場の競争激化により販売単価の下落が顕著となり、売上高が前期を下回りました。戦略事業では、ライフサイエンス事業の売上高が、新たに連結化したグループ会社2社の効果で大きく増加しました。
以上の結果、当期の多角化事業部門の売上高は1,552億49百万円(前期比3.5%増)、営業利益は218億2百万円(同11.0%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況に関する分析)
当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前期比114億88百万円増加し893億94百万円となりました。
営業活動による資金収支は481億28百万円の収入(前期比33億52百万円の収入減)となりました。主な科目は税金等調整前当期純利益273億66百万円、減価償却費185億8百万円、仕入債務の減少171億59百万円、法人税等の支払額102億9百万円であります。
投資活動による資金収支は190億38百万円の支出(前期比357億97百万円の支出減)となりました。主な科目は固定資産の取得による支出270億52百万円、定期預金の減少による収入79億97百万円、関係会社株式の取得による支出60億25百万円、貸付けによる支出52億66百万円であります。
財務活動による資金収支は162億60百万円の支出(前期比39億1百万円の支出増)となりました。主な科目は配当金の支払102億41百万円、自己株式の取得による支出89億97百万円、長期借入金の借入れによる収入73億72百万円であります。
当社グループの主要な需要業界における当期の動向といたしましては、自動車タイヤや自動車の生産はグローバルでは前年を若干上回りましたが国内タイヤ生産が不調であり、半導体の生産は需要が伸びず、フラットパネル・ディスプレイ(FPD)市場は期の後半にかけて大きな生産調整が行われ急減速いたしました。また、期末には円高が進行いたしました。
以上のような状況の下、当社グループの石油化学系事業では、エラストマー事業において低燃費タイヤ用溶液重合SBR(S-SBR)の販売が大幅に伸びたものの、それ以外のエラストマー販売は主な需要先である国内タイヤ生産不調の影響を大きく受けました。また、東アジアではエラストマーの供給過剰状態に需要の伸びの鈍化も加わって需給バランスが改善せず、エラストマー製品市況の低迷が継続しました。そのため、石油化学系事業全体の売上高は前期を下回りました。合成樹脂事業の採算改善による増益がありましたがエラストマー事業の減益を補うことができず、石油化学系事業全体の営業利益も前期を下回りました。多角化事業では、半導体市場の軟調及び期の後半にフラットパネル・ディスプレイ(FPD)市場が急減速した影響によりファイン事業の売上高が前期を大きく下回りましたが、戦略事業であるライフサイエンス事業の売上高が大きく増加したため、多角化事業の売上高は前期を上回りました。多角化事業の営業利益は、ファイン事業の売上高減少の影響が大きく、前期を下回りました。経常利益は、石油化学系持分法適用会社の収益が増加した一方で、営業利益の減少及びタイのグループ会社のドル建て借入金がバーツ安により膨らんだ為替差損の影響により、前期を下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は、リチウムイオンキャパシタを製造・販売するグループ会社での特別損失を計上したことにより、前期を下回りました。
当期の業績といたしましては、売上高は3,867億9百万円(前期比4.3%減)、営業利益は344億8百万円(同9.6%減)、経常利益は336億33百万円(同19.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は240億68百万円(同19.6%減)となりました。
(単位:百万円) |
区 分 | 前期 | 当期 | 増減 | ||||
金 額 | 構成比 | 金 額 | 構成比 | 金 額 | 比 率 | ||
売 | エラストマー事業 | 198,957 | 49.2% | 179,252 | 46.4% | △19,705 | △9.9% |
上 | 合成樹脂事業 | 55,161 | 13.7% | 52,206 | 13.5% | △2,954 | △5.4% |
高 | 多角化事業 | 149,953 | 37.1% | 155,249 | 40.1% | 5,295 | 3.5% |
合計 | 404,073 | 100.0% | 386,709 | 100.0% | △17,364 | △4.3% | |
国内売上高 | 188,832 | 46.7% | 171,643 | 44.4% | △17,189 | △9.1% | |
海外売上高 | 215,240 | 53.3% | 215,065 | 55.6% | △175 | △0.1% |
区 分 | 前期 | 当期 | 増減 | ||||
金 額 | 売上比 | 金 額 | 売上比 | 金 額 | 比 率 | ||
営業利益 | 38,068 | 9.4% | 34,408 | 8.9% | △3,660 | △9.6% | |
経常利益 | 41,609 | 10.3% | 33,633 | 8.7% | △7,975 | △19.2% | |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 29,918 | 7.4% | 24,068 | 6.2% | △5,850 | △19.6% |
(部門別の概況)
当社グループは、「エラストマー事業」、「合成樹脂事業」、「多角化事業」の3事業を報告セグメントとしております。報告セグメントの位置づけは下図の通りです。
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主要な需要業界である自動車タイヤの生産は、北米・中国・欧州では前年を上回りましたが、日本は前年を下回りました。
こうした状況の下、合成ゴムの販売は、タイの合弁会社JSR BST Elastomer Co., Ltd.(JBE)での溶液重合SBR(S-SBR)の本格稼働が寄与してS-SBRの販売量が大きく増加しましたが、自動車タイヤの国内生産が前年を下回ったことなどにより、エラストマーの全販売量は前期より減少いたしました。売上高は原料価格低下に伴う製品価格の低下及び販売量の減少により、前期を下回りました。また、供給過剰による合成ゴム市況の低迷が継続して売買スプレッド(販売価格と主要原材料価格の価格差)が改善しなかったこと及び販売量減少により、営業利益は前期を下回りました。
以上の結果、当期のエラストマー事業部門の売上高は1,792億52百万円(前期比9.9%減)、営業利益は74億91百万円(同30.2%減)となりました。
主要な需要業界である自動車の生産は、北米・中国・欧州では前年を上回りましたが、日本は前年を下回りました。
こうした状況の下、合成樹脂の販売は、自動車の国内生産が前年を下回ったものの、国内外での販売を増やし、産業資材向けも雑貨を中心に堅調に推移したため、販売量は前期を上回りました。売上高は、原料価格低下に伴う製品価格の値下がりを販売量増で補えず前期を下回りました。営業利益は採算が改善したこと及び販売量増加により、前期を上回りました。
以上の結果、当期の合成樹脂事業部門の売上高は522億6百万円(前期比5.4%減)、営業利益は51億13百万円(同80.0%増)となりました。
多角化事業部門全体としては、売上高は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
半導体材料事業は、スマートフォンの需要低迷から半導体需要が伸びず、また、当期は最先端の世代が20nm(ナノメートル)世代から次世代となる14~16nm世代に移行する時期にあたって材料需要が低迷したため、売上高が前期を下回りました。ディスプレイ材料事業は、期の後半から大型テレビ向けや多機能携帯端末向け需要が急減速したことに加えて材料市場の競争激化により販売単価の下落が顕著となり、売上高が前期を下回りました。戦略事業では、ライフサイエンス事業の売上高が、新たに連結化したグループ会社2社の効果で大きく増加しました。
以上の結果、当期の多角化事業部門の売上高は1,552億49百万円(前期比3.5%増)、営業利益は218億2百万円(同11.0%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況に関する分析)
当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前期比114億88百万円増加し893億94百万円となりました。
営業活動による資金収支は481億28百万円の収入(前期比33億52百万円の収入減)となりました。主な科目は税金等調整前当期純利益273億66百万円、減価償却費185億8百万円、仕入債務の減少171億59百万円、法人税等の支払額102億9百万円であります。
投資活動による資金収支は190億38百万円の支出(前期比357億97百万円の支出減)となりました。主な科目は固定資産の取得による支出270億52百万円、定期預金の減少による収入79億97百万円、関係会社株式の取得による支出60億25百万円、貸付けによる支出52億66百万円であります。
財務活動による資金収支は162億60百万円の支出(前期比39億1百万円の支出増)となりました。主な科目は配当金の支払102億41百万円、自己株式の取得による支出89億97百万円、長期借入金の借入れによる収入73億72百万円であります。
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