有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004X4S
NCS&A株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年3月期)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における当社グループの売上高は、合併・統合にともなう事業規模の拡大などにより,前期比13億61百万円増収の167億35百万円となりました。
売上高の状況につきましては、「第2事業の状況」「1業績等の概要」「(1)業績」に記載しております。
(営業損益)
外注単価の上昇や昨年来の不採算プロジェクトの影響、経営統合に伴う営業費用の増加などにより、営業損益は前期比5億8百万円減少の2億10百万円の営業損失(前連結会計年度は2億98百万円の営業利益)となりました。
(営業外損益)
営業外損益は投資有価証券評価益の増加などにより、前期比2億42百万円増加の1億5百万円の純利益(前連結会計年度は1億36百万円の純損失)となりました。
(特別損益)
特別損益は合併による段階取得に係る差益及び負ののれん発生益の計上などにより前期比10億48百万円増加の10億41百万円の純利益(前連結会計年度は6百万円の純損失)となりました。
(当期純損益)
当期純損益は前期比4億38百万円増加の4億82百万円の純利益(前連結会計年度は43百万円の純利益)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は175億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億29百万円増加いたしました。流動資産は119億99百万円となり、19億20百万円増加いたしました。主な要因は、経営統合により現金及び預金を受け入れたこと等による増加(14億41百万円)、有価証券の増加(2億円)、受取手形及び売掛金の増加(1億28百万円)、仕掛品の増加(47百万円)等であります。固定資産は55億90百万円となり、17億8百万円増加いたしました。主な要因は、経営統合により受け入れた投資有価証券の増加(19億4百万円)等であります。(負債)
当連結会計年度末における負債合計は68億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億33百万円減少いたしました。流動負債は31億45百万円となり、5億52百万円減少いたしました。主な要因は、未払金の増加(3億10百万円)、短期借入金の減少(4億30百万円)、1年内返済予定の長期借入金の減少(5億33百万円)等であります。固定負債は36億88百万円となり、1億18百万円増加いたしました。主な要因は、退職給付に係る負債の増加(62百万円)、長期未払金の増加(54百万円)、リース債務の増加(32百万円)、長期借入金の減少(31百万円)等であります。(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は107億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億63百万円増加いたしました。主な要因は、経営統合による資本剰余金の増加(34億66百万円)、当連結会計年度における当期純利益の計上(4億82百万円)等であります。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の47.9%から61.1%となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当社グループの資金状況は、当連結会計年度末において現金及び現金同等物が、前連結会計年度末より16億54百万円増加し、60億42百万円(前期比37.7%増)となりました。詳細については「1 業績等の概要」「(2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
第45期 2011年3月期 | 第46期 2012年3月期 | 第47期 2013年3月期 | 第48期 2014年3月期 | 第49期 2015年3月期 | |
自己資本比率(%) | 48.2 | 43.4 | 47.2 | 47.9 | 61.1 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 17.1 | 20.4 | 19.4 | 25.9 | 36.2 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍) | 6.1 | 260.8 | 2.1 | - | 53.9 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 11.1 | 0.3 | 30.4 | - | 0.9 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末時価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 戦略的現状と見通し
次期のわが国経済は、政府の経済政策が下支えする中で景気の回復基調が続くことが期待され、国内ITサービス市場においても、国内景況感の改善に伴い金融分野を中心にIT投資は改善傾向にあり、緩やかではありますがプラス成長が見込まれております。しかしながら、地政学的リスクの高まりや中国経済の減速など不安要素もあり、予断を許さない状況が続くと思われます。
このような状況の中、当社グループは次の施策に取り組み、事業拡大とコスト削減により業績の向上に努める所存でございます。
・ビジネスユニットの再編により、企業統合のシナジー効果を加速
・事業スタイル型の組織からマーケット対応型の組織への変革によるプライムビジネスの強化
・ストックビジネスを強化するため、テクノロジー・サービス事業本部を新設し、収益性の高い新サービスを
創出・拡充
・顧客視点、品質視点を中軸に、当社の強みを追求したサービスメニューの整備
・PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)によるプロジェクト統制強化の更なる徹底
・継続的コスト構造改革の推進による採算ラインの改善
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、「ソリューション リーディングカンパニー」として、
・お客様のビジネス価値を創造すること
・お客様に信頼されるパートナーとして認知されること
・お客様とともに成長していくこと
を目指し、以下の施策を展開してまいります。
① 事業の拡大
・マーケット毎に対応するコアコンピタンスを形成し、プライムビジネスの強化を図ります。
・可視化ビジネス、基盤技術ビジネス、アウトソーシングビジネスを集約し、ストックビジネスの強化を図ります。
・ストックビジネスのサービスメニューを整備するとともに、収益性の高い新サービスの創出・拡充に注力し、ビジネスの拡大を図ります。
② 新しい領域でのビジネス展開
・継続的な内部成長戦略に加え、コンサルティングファーム・メーカー・大手SIer・販売代理店とのアライアンスを通じ、ビジネスエリアの拡張・規模拡大を図ります。
・ICT活用による顧客価値創造への対応、収益基盤となる技術の創出を行い、社会・企業・くらしに貢献することを目指します。
③ PMOによるプロジェクト統制の強化
・PMO活動を継続・強化し、KPI(重要業績評価指標)設定による改善項目と目標可視化の管理で、プロジェクト遂行におけるリスクを未然に防ぎ、収益性の向上を図ります。
・プロジェクトマネジメント力の強化に向けて、人事制度、教育研修制度の整備・拡充に努めます。
④ 生産性向上への取り組み
・開発標準に準拠して、特に要件定義や基本設計など上流工程での品質の作り込みを徹底し、スケジュール遅延や後工程の時間的圧迫を未然に防ぐなどプロジェクト全体の生産性向上に努めます。
・業種・業務・システム特性毎に製品の標準を決めることにより、生産効率の向上を図ります。
⑤ コンプライアンス重視の経営浸透
企業が経営活動を行う上で、法令や各種規則への対応、さらには社会的規範の遵守など、多くの面で高い企業倫理が求められています。当社ではこのような社会の要求に応えるため、
・内部統制システムの整備・運用を推進しています。
・コンプライアンス責任者を明確にした体制を確立し、社内啓蒙はもとより当社グループ、開発パートナーに至るまで、法令の遵守、コンプライアンス意識の浸透と拡大に努めています。
⑥ 人材の育成と確保
情報サービス産業において人材は最も重要な経営資源であり、その育成は最重要課題であります。
・多様化する顧客ニーズに応えるため、経営戦略に沿った人材育成制度とそれを支える人事諸制度の継続的な整備に取り組みます。
・女性社員が活躍できる職場づくり、安心して長く勤められる企業風土づくりに取り組みます。
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