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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100J99K (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 TOPPANホールディングス株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループ(当社及び連結子会社)は、21世紀のあるべき姿を定めた「TOPPAN VISION21」に基づき、各事業領域の基盤強化と市場ニーズを先取りした新商品の開発を積極的に推進しております。
当社グループの研究開発は、総合研究所を中心に、事業(本)部の技術関連部門及び主要連結子会社が一体となり収益力の強化を図っております。各事業分野の新商品開発に注力するとともに、コストダウン、品質ロスミス削減へ向けての開発を各研究開発部門と進めております。また、次世代商品系分野についても総合研究所を中心に産官学との連携を図り、中長期の収益の柱となる新規事業創出に努めております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は19,268百万円であり、セグメントにおける主な研究開発とその成果は次のとおりであります。なお、研究開発費につきましては、当社の本社部門及び総合研究所で行っている基礎研究にかかる費用を次の各セグメントに配分することができないため、研究開発費の総額のみを記載しております。

(1) 情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連では、さまざまな角度から見ても視認性を損なわないムービングホログラムと、高精細な凹版印刷技術を開発しました。ムービングホログラムは、券面を上下左右に傾けるだけでさまざまな角度から立体イメージの動きを目視でき、視覚での真贋判定を容易に行うことができます。また、今回開発した凹版印刷技術は、従来よりも高精細な凹凸パターンを印刷することができるため偽造が難しく、また凹版印刷部が手触りではっきりわかるため、触覚による真贋判定も容易に行うことができます。
自動認識技術関連では、モバイルPOS・決済サービス「TOPPOS®」にICタグの読み取り機能を追加した「TOPPOS®-UHF」を開発しました。ICタグ付き商品の決済に対応可能なほか、LTE、Wi-Fiなど様々な通信方法を選択できる特徴により場所を選ばない設置、運用を実現します。移動が可能なため、店舗のオペレーションや顧客動線に合わせたレジのレイアウト変更、マルチ決済に対応したい屋外イベントの物販などにおける導入が容易となります。また、航空手荷物の紛失削減や業務効率化を目的に、長距離で安定した読み取りを実現するアンテナに、ICチップを実装した航空手荷物用ICタグインレット(※1)を開発しました。これは、電波の受信感度を高くしたことによる長距離通信と、各国の異なる帯域での通信を可能にした独自設計のアンテナに低消費電力が特長の最新ICチップを搭載することにより、長距離で安定した読取りが可能なインレットを実現したものです。これにより、近年ICタグの導入が進む航空業界における航空手荷物用ICタグの普及を推進します。
AI関連では、印刷物・デジタル媒体に関する業界・企業特有の表記や専門用語を学習し、企業ごとの基準に合わせて文章の校閲・校正を行う「AI校閲・校正支援システム」を開発しました。金融業界のパンフレット・メルマガなど、多種多様な印刷物やデジタル媒体に対応したAIによる校閲・校正業務の自動化で、制作業務負荷の大幅な削減を実現します。
その他として、「IoA(※2)仮想テレポーテーション®」技術を活用し、遠隔観光体験、スポーツ観戦、リモート・ワークなどの用途を想定した、遠隔地にいる人と体験を共有できるウェアラブルデバイス「IoAネック™」を開発しました。この「IoAネック™」は、身につけた人が見たり聞いたりしたものを、遠隔地にある画面を通じて同時に体験ができるデバイスです。ウェアラブルタイプのIoAデバイスであるため、従来と比べてより簡単・気軽に遠隔体験をすることが可能です。また、装着部分を遠隔地から振動させることが可能で、進行方向や向きなどをハプティクス(※3)により指示できます。これにより、言語の違いや、身体的な制約により会話が難しい場合でもコミュニケーションを図ることを可能にします。

(2) 生活・産業事業分野
軟包材関連では、世界トップシェアの透明蒸着バリアフィルムブランド「GL BARRIER(※4)」シリーズの新しいラインアップとして、共に世界初となる、ボイル殺菌・ホット充填が可能なPP(ポリプロピレン)基材の透明バリアフィルム「GL-X-BP」と、PE(ポリエチレン)基材の透明バリアフィルム「GL-X-LE」を開発しました。この両製品により凸版印刷は、「GL BARRIER」の基材として一般的なPET(ポリエチレンテレフタレート)基材に加え、PP・PE基材の透明バリアフィルムをフルラインアップで提供可能となり、PET・PP・PEすべての素材でのモノマテリアル(単一素材)高機能包材を実現させました。また、食器への移し替えが不要の新型レトルトパウチ「いただきパウチ」を開発しました。本商品は「消費者の利便性向上」と「省資源化による環境配慮」に対応するため、レンジ調理したレトルトパウチの開封状態を維持し、食器などに移し替える手間が無く、そのまま食器がわりに食べることができる新型パウチです。また、プラスチックトレイから「いただきパウチ」に置換えることにより、プラスチックの使用量を約50%削減できます。
プラスチック成型品では、株式会社ロッテ(以下、ロッテ)と、当社は、ロッテが販売する金属調の加飾を施したパッケージのミント菓子「EATMINT」で、公益社団法人日本包装技術協会が主催する「第43回木下賞 包装技術賞」を受賞しました。近年、ミント菓子市場で増加する金属缶入り商品との差別化をするために、当社は金属調の加飾を施したプラスチック容器を提案しました。従来、携帯電話の部品や自動車の内装部品などに用いられている、「フィルムインサート成形(※5)」技術を転用することで、容器全面に凹凸表現や光沢感のある美粧性の高い印刷表現を可能としました。また蒸着フィルムを使用することでメタリック調の再現を限界まで追求し、本物の金属と見間違うようなプラスチック容器を開発しました。その意匠性の高さが評価され、今回の受賞につながりました。
紙器関連では、CNF(※6)を用いた飲料向け紙カップで、高いバリア性と密閉性を持つ「CNFエコフラットカップ™」を開発しました。当社が日本製紙グループとともに性能改善に取り組み開発したCNFをコーティングした原紙を使用することにより、本製品に高いバリア性を付与しました。さらに、当社の高度な成型技術を活かし特殊加工を施した完全密閉構造により、商品の長期保存化を実現しました。これにより、今まで固形食品用途にしか使用できなかったCNFを飲料向け紙カップなどの液体用途としても使用することができます。また、従来の飲料向けプラスチックカップと比較して、プラスチック使用量を約50%削減することが可能となりました。

(3) エレクトロニクス事業分野
低電力広域ネットワーク規格ZETA(※7)の基幹部品である、通信モジュール「TZM901」シリーズを開発し、量産を開始しました。当社はエレクトロニクス事業で培ったモジュール設計技術により、日本製ZETA通信モジュール「TZM901」を設計しました。十和田エレクトロニクス株式会社と連携し、試作、製造及び量産に向けた信頼性評価を行ってきましたが、従来製品と比較して約40%の小型化及び周波数誤差や受信感度などの性能向上を実現しました。さらに、2017年10月1日の電波法施行規則等の一部を改正する省令で追加された「狭帯域の周波数利用における周波数利用効率の向上を図るための指定周波数帯による規定」に適合した工事設計認証を取得しており、920.6∼928.0MHz(200kHz間隔38波)を2kHzの狭帯域で利用が可能です。これにより、電波干渉に強く信頼性の高い通信が可能となりました。

(4) その他
当社の持つ微細印刷技術を基に、高精度な位置合わせ技術を用いて基材表裏に微細線を印刷し、見る角度によって印刷物の色や絵柄が変化するチェンジング印刷技術を確立しました。本技術によって印刷だけで極薄透明フィルム上に形成できるレンズ不要のチェンジング印刷が可能となります。今後、本技術を活用し、偽造防止や真贋判定などのセキュリティ分野や導電性インキを使った高精度・高精細な印刷が求められるエレクトロニクス分野などへ製品開発を行います。
また、当社が培ってきた印刷物のモアレ(※8)を軽減させる技術を活用し、任意の画像をモアレで表現できるようにするシステムを世界で初めて開発しました。本システムは、モアレの表れ方を狙ったデザインとなるよう、画像を2枚のパターンに分解するシステムで、これを活用することで画像の立体感や動き、色の濃淡をモアレで表現することが可能になります。通常の印刷物と異なり、奥行きを感じさせたり絵柄に動きを感じさせたりすることができるため、街中の警告表示や看板、POPなどの店舗装飾への活用が期待できます。

(※1)ICタグインレット:フィルムなどの上にICチップとアンテナを搭載したもの。
(※2)IoA:Internet of Abilities。能力のネットワーク。インターネットを介して人類の意識や能力を共有・拡張する未来社会基盤。
(※3)ハプティクス:利用者に力、振動、動きなどを与えることで触覚を主とした皮膚感覚フィードバックを得るユーザーインターフェース技術。
(※4)GL BARRIER:当社が開発した世界最高水準のバリア性能を持つ透明バリアフィルムの総称。
(※5)フィルムインサート成形:金型に加飾フィルムを挿入した状態で樹脂を充填して容器を成形する技法。
(※6)CNF:セルロースナノファイバー。紙の原料となる木の繊維をナノオーダーにまで微細化したバイオマス素材。
(※7)ZETA:超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。
(※8)モアレ:規則正しく並んだ点や線を複数重ねた時に、視覚的に発生する縞模様。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00692] S100J99K)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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