シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10025P5

有価証券報告書抜粋 高田機工株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社では、急変する事業環境に対応していくため、橋梁事業につきましては技術研究所の開発スタッフ及び設計部の担当者を中心として研究開発に取り組んでおります。鉄構事業につきましては鉄構本部の担当者を中心に実工事に対応しながら研究開発に取り組んでおります。
当事業年度における各セグメント別の主たる研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は以下のとおりであり、研究開発費の総額は43,378千円であります。

(1)橋梁事業
① 支圧板方式による鋼ポータルラーメン橋の開発
我が国の道路橋は、公共工事の縮減に伴う初期建設コスト削減のみならず、2012年度の道路橋示方書にも示されるように、維持管理の確実性と容易さが求められています。既設鋼橋の桁端部には、鋼桁や支承の腐食、疲労亀裂などの問題点があり、これらの桁端部の問題を解消できる構造として、我が国では鋼ポータルラーメン橋の採用が増加しております。鋼ポータルラーメン橋は、鋼桁とコンクリート橋台とを剛結することにより、支承と伸縮装置を省略できることから、建設時の初期コストやライフサイクルコストの削減とともに、維持管理性が容易になることが期待できます。一方で、これまでの鋼ポータルラーメン橋においては、橋台の剛結部基部に損傷が生じた場合、損傷の発見及び復旧が難しいこと、剛結部コンクリートの施工における配筋性の悪さやコンクリートの充填性に起因する品質確保の難しさなど、いくつかの課題が挙げられます。それらの課題を克服し、施工品質向上及び剛結部の合理化を目指すとともに、維持管理の確実性と容易さに配慮して剛結部天端で損傷させる、孔あき鋼板ジベルを配置した支圧板方式による鋼ポータルラーメン橋を、東日本高速道路株式会社、大阪市立大学と共同で研究・開発いたしました。今後は、更なる普及に向けて研究を進めてまいります。

② 耐震に関する技術開発
東日本大震災により、あらためて耐震補強の必要性が高まりました。当社ではすでに以下の耐震に関する技術開発に取り組んでおりますが、今後さらに研究を進めてまいります。
イ.シェイプアップブレースBr
アーチ橋やトラス橋の座屈拘束ブレース(製品名:シェイプアップブレースBr)を販売しており、実工事で適用されています。シェイプアップブレースは大成建設株式会社が開発した座屈拘束ブレースで、耐震・制震用ダンパーとして建築構造物では数多くの実績があり、市場から高い評価を受けている製品です。シェイプアップブレースBrは、大成建設株式会社と当社がこれまでの経験をもとに、屋外での長期防錆能力を高めた鋼橋用製品として開発したものです。
ロ.SBBR最大変位計
座屈拘束ブレースを用いたアーチ橋やトラス橋等では、座屈拘束ブレースの変位量を確認することで、大規模地震後の橋梁の安全性を推定することが出来ます。SBBR最大変位計は、無電源のシンプルな動作原理により、座屈拘束ブレースの最大変位量を記録、保持します。また、視認性に優れているため遠方より目視で座屈拘束ブレースの変位量が許容範囲であるかを判定することが出来ます。すでに実橋でも採用されており、今後は、シェイプアップブレースBrと合わせて、更なる適用範囲の拡大に向けて研究を進めてまいります。
ハ.せん断パネル型制震ストッパー
橋梁の耐震技術として、従来の反力分散構造や免震構造における問題を解消し、かつ経済的な制震ダンパー(製品名:制震ストッパー)を販売しております。既に、桁橋だけでなくアーチ橋、方杖ラーメン橋、PC橋への適用も含め250基以上が実工事で採用され、その他多くの引き合いをいただいております。今後は、更なる適用範囲の拡大に向けて研究を進めてまいります。
ニ.すべリッチ
既設支承の中には、大地震時の耐力は満足しないものの、常時の機能には全く問題ない支承が数多く存在しています。当社では既設支承を取替えず、固定支承を地震時のみ可動支承に改造することが可能な、支承可動化工法を開発いたしました。支承改造用の製品(製品名:すべリッチ)として既に販売を開始しており、実工事でも適用されています。今後は、更なる適用範囲の拡大に向けて研究してまいります。
ホ.ノックオフボルト
設計耐力で確実に破断するボルトを開発しました。建築・土木等の耐力コントロール用として適用可能です。橋梁では、レベル1地震動まで固定、レベル2地震動で破断するボルトとして、ノックオフ構造に適用します。今後は、更なる適用範囲の拡大に向けて研究を進めてまいります。

③ 鋼橋の製作技術及び品質検査技術の開発
イ.効率的かつ一定の品質水準を保持した鋼橋製作を目指し、有効な技術・技能伝承及び教育に関する資料を作成し、積極的に社内で共有化しております。また、大学機関と共同研究を行い、従来、経験データで対処していた溶接工程及び加熱を伴う鋼板の変形抑止、制御について数値解析を行っています。これにより、勘と経験に依存していたノウハウから、解析に裏付けされた手順・加工方法へ統合化することにより、更に一定の品質水準を保つ製品の生産が可能であると考えております。
ロ.製品の品質保証として、デジタル計測機器による最新の溶接部非破壊検査を今後適用していきます。業界において、秀逸な検査技術を率先して適用すべく、準備を進めております。
ハ.橋梁のRC床版、PC床版に対して、そのコンクリートの品質を最新の非破壊試験法にて検証する取り組みを行っております。調査・実験研究の結果、有効かつ相応な欠陥検出精度を有する非破壊検査方法を見出すことができ、研究論文とし発表しております。一方、鋼板部材とコンクリート部材を有する合成床版に対する完成後品質検査として、非破壊検査法開発を進めており、前者と併せて、現場架設時における種々のコンクリート構造物の品質保証を行うことを目指しております。
ニ.技術研究所内の載荷実験装置として、業界でも有数であるサーボ制御方式1000kNアクチュエータを保有しております。前述の耐震装置に対する実証実験時に、本アクチュエータによる有効なデータを取得しております。今後も、稼働ノウハウを駆使することにより、各種載荷実験に適用し、迅速な開発データが得られるよう活用していきます。

(2)鉄構事業
① 建築鉄骨の高性能化に対応した溶接技術の開発
近年の大型都市再開発プロジェクトにおける建築鉄骨は、耐震を目指した単なる高強度化だけではなく、制震・免震といった言葉に代表される様に、高品質化・高性能化への高い要求があります。
鋼材においても、JIS規格品及び大臣認定品に加えて、各鋼材メーカーによる独自の新規鋼材の開発も続いており、それに追随する形で溶接材料メーカーによる新溶接材料の開発も進んでおります。
そういった状況下、首都圏の著名再開発案件に参画し続ける中で、鋼材と溶接材料の各種組合せにより実施した施工試験結果を分析し、更には鋼材メーカー・溶接材料メーカーから提供された技術情報と当社からの技術提案等の意見交換を重ねることで、高性能化に対応出来る溶接技術の開発に努めております。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01373] S10025P5)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。