日本製罐株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2014年3月期)

当事業年度の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、以下に当社の当事業年度の財政状態及び経営成績についての分析を報告いたします。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)財政状態に関する分析
①資産の状況
総資産は9,118百万円となり、前事業年度末対比633百万円の増加となりました。当事業年度における主な増減要因は、以下のとおりであります。
a.流動資産は、以下の要因で236百万円の増加となりました。
主な増加要因は、現金及び預金の増加270百万円、売掛債権の増加23百万円等であり、主な減少要因はたな卸資産の減少65百万円等であります。
b.固定資産は、有形固定資産の減少107百万円、無形固定資産の減少41百万円、投資その他の資産の増加545百万円により396百万円の増加となりました。
各資産の増減内容は以下のとおりとなっております。
・有形固定資産の主な増加要因は設備の取得による増加134百万円等であり、主な減少要因は減価償却による減少238百万円等であります。
・無形固定資産の主な減少要因は減価償却による減少44百万円等であります。
・投資その他の資産の主な増加要因は、株価上昇等による投資有価証券の増加542百万円等であります。
②負債の状況
負債合計は6,413百万円となり、前事業年度末対比202百万円の増加となりました。 当事業年度における主な増減要因は、以下のとおりであります。
a.流動負債は、以下の要因により、196百万円の増加となりました。
主な増加要因は、買掛金の増加178百万円、支払手形の増加89百万円、未払金の増加45百万円であり、主な減少要因は、短期有利子負債の減少96百万円等であります。
b.固定負債は、以下の要因により、5百万円の増加となりました。
主な増加要因は、繰延税金負債の増加180百万円等であります。
主な減少要因は、長期借入金の減少133百万円、預り保証金の減少34百万円、役員退職慰労引当金の減少7百万円であります。
③純資産の状況
純資産合計は2,705百万円となり、前事業年度末対比431百万円の増加となりました。
当事業年度における主な増加要因は、その他有価証券評価差額金の増加349百万円、利益剰余金の増加76百万円(当期純利益76百万円)であります。


(2)当事業年度の経営成績の分析
①販売実績
当社の当事業年度の販売実績は5,621百万円(前事業年度比337百万円、6.4%の増収)となりました。
主力製品である18L缶の販売数量はラミネート缶の数量が回復したことから5.3%の増加となり、前事業年度比137百万円、3.7%の増収となりました。
美術缶は消費増税前の駆け込み需要もあり、前事業年度比160百万円、12.2%の増収となりました。
②損益実績
当事業年度の売上総利益は、受注に見合った生産体制の確立により製造経費が減少した結果、前事業年度比165百万円改善し、650百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、手数料を中心とした経費の削減を積極的に行った結果、前事業年度対比3百万円減少し687百万円となりました。
この結果、当事業年度の営業損益は前事業年度比168百万円改善しましたが、前事業年度に引続き36百万円の損失となりました。
経常損益につきましては、不動産賃貸収入、受取配当金等による営業外収益254百万円を計上し、営業外費用142百万円を計上した結果、前事業年度比206百万円改善し76百万円の利益となり、4期ぶりの黒字となりました。
当期純利益は、76百万円となり、前事業年度比63百万円の改善となりました。

(3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度においては、営業活動によるキャッシュ・フロー681百万円のプラスで、投資活動によるキャッシュ・フローのマイナス181百万円と、財務活動によるキャッシュ・フローのマイナス230百万円をまかないました。
この結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は956百万円となり、前事業年度末対比270百万円の増加となりました。

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
①需要動向
当社を取り巻く事業環境は、国内産業の活動水準の低下、少子高齢化、容器素材の多様化による金属缶の需要減少という需要動向の下、激しい競争が続いております。
②原材料価格の動向
主原料である鉄鋼薄板の価格は高止まりの状態にあり、引続き収益の圧迫要因となっております。
当社といたしましては、引続き生産効率の改善に努めると共に、原価上昇についてのお取引先のご理解を得るよう努力してまいります。
③金融情勢の動向
前述のとおり、当社の有利子負債は引続き高水準にあり、今後の金融情勢によっては収益の圧迫要因となる可能性を抱えております。

(5)経営戦略の現状と見通し
①収益体質の改善
当社は次項「生産効率の改善」の他、原価の変動に即応した販売価格の維持、事務効率の改善による経費の削減等を推進し、収益体質を改善し、営業損益の黒字化を図ってまいります。
②生産効率の改善
当社販路の拡大による増収効果とともに、生産技術・開発技術の強化による生産効率の改善を目指しております。
③有利子負債の圧縮による財務体質の改善
当社は、従前より「営業活動によるキャッシュ・フローを重点的に財務体質の改善に振り向けていく」との方針を採ってまいりましたが、今後ともこの方針を継続してまいる所存であり、3,000百万円まで圧縮することを目標としております。