株式会社朝日工業社 研究開発活動 (2014年3月期)

当社における研究開発は、空気・水・熱に関する長年培ってきた技術をベースに、一般空調から産業空調に至るまで幅広く最適な環境をめざすシステム開発を行っています。また、固有の技術をベースに、先端産業分野向けの超精密温湿度調整装置の開発も行っています。
当連結会計年度における研究開発費は、172百万円です。
なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

当連結会計年度における主な成果は、下記の通りです。

(設備工事事業)
技術研究所では、一般空調と産業空調を対象として、各種の建築や環境設備に対応した要素技術の研究開発やシステム開発、性能評価検証等の幅広い技術の創造を積極的に推進しております。

(1) フリークーリングコントローラ AF-CONTM (エフコン)の開発
弊社では、空調熱源や冷却塔、ポンプなどの周辺機器を含めた一次側全体の総合運転制御が行える「朝日熱源最適制御システム ACOSTM(エーコス)」を製品化しています。新たに開発したAF-CONTMは、ACOSTMのフリークーリング機能を単独で行うことができる簡易コントローラーです。外気や冷水設定温度等の情報からフリークーリングの運転効果を自動で判定し、冷却塔や冷却水ポンプ等の冷却水動力の省エネルギー運転を行うことができます。

(2) 業務用ビル液冷空調システムの開発
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発事業「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」へ参画し、大学・設計事務所・ゼネコンなどと共に、業務用ビル液冷空調システムの開発を行いました。2014年度は、実用化開発フェーズへ移行することが決まっています。

(3) 産業空調におけるオイルミスト対策技術の開発
揮発性有機化合物(VOC)の排出規制や作業環境中のVOCに対する規制が強化され、特に工場内の空気質については、製品への影響や作業者の健康・快適性に対しても考慮する傾向になってきました。弊社では、機械加工工場で発生するオイルミストの対策として、従来品よりも高性能でメンテナンスが容易な3タイプ(天吊型・工作機械直結型・ダクト接続型)のオイルミスト捕集除去装置を製品化しています。今年度は、新たな捕集素材を利用して約30%のコストダウンを実現した工作機械直結型のオイルミストコレクタを開発しました。

(4) 有用物質生産のための完全制御型植物工場の開発
既に開発済みの有用物質生産のための閉鎖型植物生産システムを応用して、感染症ワクチン米に関する産学共同研究や高付加価値物質を生産する植物の栽培方法の研究を継続して実施しました。

(5) 環境負荷低減型空調システムの開発
地球温暖化対策として、自然エネルギーや未利用エネルギーの利用技術の研究開発を継続して進めています。自然エネルギー利用冷暖房システムの要素技術の一つである太陽熱や低質排熱を利用したデシカントシステムの研究開発を産学共同で推進しました。また、種々の廃棄物を原料とするメタン発酵システムやバイオマス発電にに関する基礎研究も継続して実施しました。

(機器製造販売事業)
半導体や液晶ディスプレイなどの先端産業分野向けの超精密制御機器や装置の大型化と高精度化に対応するための製品開発を、技術研究所での基礎研究をもとに行いました。