株式会社朝日工業社 業績等の概要 (2014年3月期)

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済を顧みますと、アベノミクスに代表される政府の経済政策や大胆な金融緩和政策による円高是正の定着、株価の上昇等を背景に企業業績の改善がみられ、個人消費が持ち直すなど、景気は緩やかな回復基調が続いています。一方海外経済は、米国は堅調に推移し、欧州先進国の景気は持ち直しが明確になりつつあるものの中国をはじめとした新興国経済に対する不安感の台頭は、わが国の景気先行きに不透明感をもたらしています。
当社グループの関連事業の環境は、設備工事事業につきましては、景気回復に伴う企業の投資マインドの回復や消費税増税前の駆け込み需要もみられ、工事案件は増加しましたが、厳しい受注競争、価格競争は継続しております。また、資機材価格の上昇や労働力の供給不足の問題も顕在化してきました。精密環境制御機器の製造販売事業につきましては、半導体工場及び液晶パネル工場への製造装置の設備投資は、前連結会計年度に比べ回復基調で推移しました。当連結会計年度における生産及び販売は、スマートフォンやタブレットに牽引され中小型液晶パネル向けは増加いたしました。しかしながら、半導体向けは、受注高が低迷したことにより製品売上高は減少となっております。
こうした事業環境の下で、当社グループは第14次中期経営計画の最終年度に当たり、受注の確保と収益の向上に総力を上げて取り組んでまいりました。その結果、前連結会計年度は当期純損失でしたが当連結会計年度は当期純利益を計上することができました。当連結会計年度の経営成績は、受注高79,036百万円(前連結会計年度比10.6%増加)、売上高74,764百万円(前連結会計年度比25.7%増加)、営業利益1,859百万円(前連結会計年度営業損失1,454百万円)、経常利益2,014百万円(前連結会計年度経常損失1,309百万円)、当期純利益541百万円(前連結会計年度当期純損失1,067百万円)となりました。

セグメントごとの業績を示すと次のとおりであります。

(設備工事事業)
売上高は68,757百万円(前連結会計年度比27.5%増加)、営業利益は1,677百万円(前連結会計年度営業損失1,159百万円)となりました。

(機器製造販売事業)
売上高6,007百万円(前連結会計年度比7.8%増加)、営業利益は182百万円(前連結会計年度営業損失294百万円)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より122百万円増加し、7,752百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は684百万円(前連結会計年度比1,375百万円の減少)となりました。これは税金等調整前当期純利益1,706百万円などの収入がありましたが、仕入債務の支払や未成工事支出金などの棚卸資産の投入による支出が売上債権の回収や未成工事受入金などの収入より424百万円上回ったことと、共同企業体工事の精算などによるその他支出1,006百万円などによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は184百万円(前連結会計年度比701百万円の増加)となりました。これは定期預金の預入、有形・無形固定資産の取得により850百万円を支出した一方、定期預金の払戻及び投資有価証券の売却による収入654百万円があったことなどによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は499百万円(前連結会計年度比77百万円の増加)となりました。これは主として配当金の支払479百万円などによるものです。